リコリス・リコイル 運命を切り開く者たち 【リメイク】 作:hayato0121
俺と千束、たきなの3人は一連のリコリス襲撃事件の犯人と遭遇して生き残った唯一の存在としてDAの本部までやって来てクルミのおかげで判明した真島と呼ばれる奴らのリーダーと思われる人物の似顔絵を描いていたのだが・・・・
「せーの!」
「・・・・それが真島か?」
「「はい! これが真島です! ね! ・・・・ん?」」
千束とたきなが同時に真島の絵を楠木司令に見せるが、千束の方は髪の色は緑で合っているが、髪型が全く違う。一方のたきなは髪型どころか顔が全くの別人だった。
「・・・・プッ、ハハハハハッ! それは・・・・」
「漫画じゃないですか!」
おいおいお互いが描いた似顔絵に対して文句を言い合ってるけど、どっちも似てないからな。
「全然違うじゃねぇか!」
「だってそれ似てないし・・・・」
「似てない」
「そう言うから描かせてんだろうが・・・・」
フキ、お前は正しい。そうやって怒りを堪えている辺りはお前の方がまだ大人だよホント・・・・
「・・・・蓮、描き終わったか?」
「まだです。けどもう少しで・・・・描けました。でもお世辞にも上手いとは言えないので特徴だけ参照してもらえばと・・・・」
「ふむ・・・・」
俺は自身が描いた真島の似顔絵を楠木司令に見せた。俺が描いた似顔絵は緑色のモジャモジャ頭に黒いコートを上から羽織り、中に赤いアロハシャツっぽい服を着た真島の似顔絵を描いた。まぁ、上手いか下手かどっちだと聞かれたら多分下手な方だと思う。
「・・・・もう帰っていいぞ」
「待ってください司令! 私のは似てます!」
「そこまで言うならフキが描けよ!」
「お前らしか真島見てないんだから描ける訳ないだろ!」
「あぁそうか・・・・」
「ホントアホだな!」
「・・・・リコリスは絵も必修にするべきっすね」
確かサクラだっけか? ずっと黙って見ていてやっと喋ったかと思えば随分とまともな意見が言えるようになったじゃんか。まぁ確かに似顔絵とか描けた方が捜査する時とか色々と役立つだろうし案外有りかもしれないな。
ていうか、たきなも千束もいつまでやってるつもりだよ。
「ほらとっとと帰るぞ。楠木さん、お騒がせしました」
「まっ、待ってください蓮さん! まだ司令と話が・・・・」
「そうだよ蓮! フキの奴に一発ガツンと言ってやらないと・・・・」
「はいはい。そう言うのは今度来た時にしような・・・・」
そう言いながら俺は千束とたきなの制服の首根っこを掴んで2人を引きずるように引っ張りながらその場を後にした。
けどその後が大変だったんだよなぁ・・・・
無理矢理連れ帰ったから2人とも不貞腐れちゃって結局俺が2人の不満を受け止める事になった所為で俺自身が苦労する羽目になったのはまた別の話である。
「蓮さん」
「ん? どうしたたきな、そんな小声で」
数日後、いつも通りリコリコの仕事をしているとたきなから小声で声をかけられた。
「あのボードゲームで勝てるコツを教えて下さい」
「え?」
ボードゲーム? あぁこの前のボドゲ会でボロ負けしたのをまだ気にしてるのか?
「もしかして、この前の負けを気にしてるのか?」
「気にしてないです」
「いやいや、気にしてなかったら勝てるコツを教えてほしいとか普通聞かな・・・・「気にしてないです!」・・・・あっ、はい・・・・」
どうやら意地でも気にしてない事にしてほしいらしい。
こういう時のたきなは頑固だからなぁ・・・・
「わかったわかった。俺が知る限りのコツを教えるよ」
「ありがとうございます!」
こうしてたきなの休憩時間を使って少しだが、どういう事を意識しながらボードゲームをやれば良いのかを教えると、たきなはそれを必死にメモに書いて覚えようとしていた。
そんな事もあったがこの日も無事に1日が終わると思っていたら・・・・
「・・・・・・・・」
何やら昼からずっと千束が何かを考え込んでいた。
それはきっとみんなも気づいていると思うがな。
「どうしたんですか? 何か今日変ですよ?」
「コイツは毎日変だろ」
気になったたきなが真っ先に千束に話しかけたが、ミズキさん、それはいくら何でもあんまりでは?
「・・・・先生は?」
「さっき買い出しに行った。何? まさかもうおじちゃんがこいちぃのかなぁ? 千束ちゃんは?」
「ミズキさん酔っ払い過ぎです! 千束、先生に何か用か?」
「・・・・皆さん」
『ん?』
「・・・・リコリコ閉店のピンチです」
『・・・・え?』
は? 閉店? リコリコが? いやいや待て待て一体何をどうしたらそうなるんだよ。
俺達は千束から事情を聞く為に先生がいない事を確認した後に緊急会議を行なった。
「人のスマホ覗き見すんじゃありません」
「だって見えちゃったんだもーん」
「目が良いと余計なものも見えちゃうんですね」
「目が良過ぎるのも良くないって事だな。まぁ実戦ではそれぐらいが丁度いいのかもしれないが」
「確かに、パンツとかな・・・・ぐっ」
クルミ、そういう余計な事を言うからたきなが持ってる丸いお盆で叩かれんだよ。
「楠木だと何でわかる?」
「そうですよ。司令とは限らないでしょ?」
「いーや、先生を垂らし込んで私をDAに連れ戻す計画じゃわ・・・・」
「自慢ですか? 結構ですね必要とされてて」
「あぁんそうじゃないよたきなぁ・・・・」
あぁあぁたきながそんな事言うから千束がわざとらしくたきなに抱きついちゃったじゃん。
「・・・・確かに、垂らし込むかどうかは別としてその可能性はゼロではないかもしれないな」
「どうしてそう思う?」
俺がそう口にするとクルミが理由を聞いてきた。
「ほら、例の真島達テロリストはまだ捕まっても殺されてもいないんだろ? だったら今後の事態に備えて戦力強化の為に千束が必要って可能性もあるんじゃないかって思っただけだ」
「なるほどな。けどそれが何で店の閉店と関係してくるんだよ」
「小さいとはいえ、一応DAの支部だからねぇ。ファーストリコリスのコイツがいないと存続できないのよ」
「じゃあ私が戻りますよ」
「うえぇぇ、そんな寂しいぃぃぃぃ」
子供かよ千束
「たきなはお呼びじゃないんだろ?」
・・・・ゴン!
「グエッ、すまん失言だった。すまんすまん・・・・」
おぉ、お盆が綺麗にクルミの頭の上に乗ってる。てかクルミ、お前はこの前の事もあるからあんまりたきなに対して上からな発言はやめた方がいいと思うし、ミズキさんも笑い過ぎだと思いますよ。
「みんなだってお店なくなったら困るでしょ?」
「まぁ、私は養成所戻しですし・・・・」
「まだここに潜伏しないとボクは命が危ない・・・・」
「私も男との出会いがなくなる・・・・」
「そうでしょ!」
「「「うん!」」」
えぇ・・・・何この凄く個人的な理由での意気投合・・・・全然理解できない。てかミズキさんに関してはお店があってもなくても変わらない気が・・・・
「蓮もリコリコがなくなったら困るよね! ねぇ!」
「ま、まぁ確かにここには思い出もたくさんあるし、無くなるのは嫌だな」
「でしょ!」
結局千束に押し切られて俺も納得するしかなかった。だがリコリコが無くなるのが嫌というのは本当なので嫌々ではないけどな。
「Forbidden・・・・検索エンジンには出ないな・・・・あった」
「会員制のバーか?」
「何か如何にも高そうなお店だな」
クルミのパソコンに映し出されたのは如何にも高級店ですって感じの店の中の画面が映ったHPだった。
「入れるんですか?」
「そこはコンピューターの人の出番でしょう」
「偽造は何でもないが・・・・」
「出来ちゃうんだ・・・・」
「おぉ!」
「アンタも偶には働きなさいよ」
クルミって機械が絡むとマジで凄いよな。普段はめっちゃダラけてるのに・・・・
「いやでも、こんな店で仕事の話するかぁ? 普通に逢い引きじゃないのか?」
「店長と司令は愛人関係という事ですか?」
「愛人って・・・・」
「アンタの口から・・・・何か、興奮する!」
「え?」
「たきな、お前は間違ってない。可笑しいのはあのお姉さんの方だからお前は何も気にしなくていいからな」
「は、はぁ・・・・」
「ちょっと! それどういう意味よ!」
「そのまんまの意味ですよ!」
全く、変な事言わないでくださいよ!
たきなに悪影響を与えたらどうするつもりですか! ったく・・・・
「ふぅ・・・・だけど先生と楠木さんが愛人関係っていうのは多分ないと思うな」
「そうでしょうか?」
「確かに、そういう可能性もあるかもしれないだろ?」
「「ないないないないないないない」」
「何でだよ。あり得る話だろ?」
「「ないないないないないないない」」
何でこういう時は千束もミズキさんも息がピッタリなんだ? 普段はいつも言い争いしてる癖に・・・・ふむ、わからん。
その後はバーに忍び込む為の段取りなど計画についての話し合いをしたのちに解散となった。
プルルルルル・・・・
「ん? 一真さん?」
千束達が帰った後、いきなり一真から連絡がきた。
「もしもし?」
『蓮、落ち着いて聞いてくれ。ついさっき、警察署が何者かに襲撃された』
「はぁ!? 何で警察署が・・・・」
『わからん。ホントにいきなりだったもんだから警察の方もパニック状態なんだよ』
まぁこれまではそういう事件が起こりそうになるとリコリスやリリベルが未然に阻止してたから警察がパニックになるのも仕方ないか。
「一真さんは大丈夫だったんですか?」
『あぁ、俺は阿部さん達と外で捜査をしてたから大丈夫だったが、襲撃された警察署では何人も犠牲者が出てるんだよ』
「そうですか・・・・」
許せない。一体誰が、もしかして真島達が動き出したのか?
『その事でお前に見せたいものがあるんだが明日の朝、時間あるか?』
「明日ですか? わかりました」
こうして続きは明日という事になりその日はそのまま寝る事にした。
翌日の朝・・・・
「先生、ちょっと出かけてきますね」
「何処に行くんだ?」
「一真さんのいる警察署です。何か見せたいものがあるらしくて・・・・」
「そうか、気をつけてな」
「はい。行ってきます」
そうして俺はリコリコを出て一真さんがいる襲撃された警察署へビートチェイサーに乗って向かった。
「一真さん!」
「来たか。こっちだ。来てくれ」
「はい!」
「天童刑事、その少年は?」
「コイツは探偵で、俺の自慢の弟子だ。すまんが中に入れてやってくれないか?」
「わ、わかりました」
見張り番をしている警察官に一真さんは俺を探偵という事にして警察署内に入れてくれた。まぁあんな事があった後だし、ただの一般人が中に入るのはほぼ無理だろうからそういう事にしたんだろう。それでも通してもらえたのは一真さんがそれだけ信頼を得ているという証なんだろうな。
にしても探偵か・・・・何かそういう仕事もやってみたいな。
そうして俺は一真さん達が普段使っているオフィスへと連れてこられると一真が自身のパソコンにUSBメモリを指して何かの映像が再生され始めた。
「これって!?」
「そうだ。昨日の夜、ここが襲撃された時の監視カメラの映像だ」
「良く残ってましたね。こういうのっていつもなら・・・・」
「あぁ。コイツはコピーで本物の方はとっくに上層部に回収されちまってる。恐らくリコリスの所に持ってかれてるだろうな。この映像データだって知り合いに頼んで何とかなったって感じだし・・・・」
「そうですか・・・・っ!? コイツは!?」
俺は映像を観ている中で見た事のある緑色の髪をした奴を見つけた。
「コイツがお前の言ってた真島か?」
「はい、間違いありません。コイツが真島です。けど何でだ? あの時は俺や千束に興味を示してたのに何でいきなり警察署を襲撃したんだ? ・・・・ダメだ。アイツの狙いが全然わかんねぇ」
「・・・・恐らく、宣戦布告・・・・だろうな」
「宣戦布告? どうしてそう思うんですか?」
「その理由はこの画像を見ればわかるよ」
「っ!」
その画像に写っていたのはめちゃくちゃにされた署長室の椅子や机、そして壁には血で書かれた【勝負だ リコリス!】という文字だった。
「野郎・・・・」
上等だ。そっちがその気なら全力で相手になってやるよ。
・・・・コン!
「いたっ! 何するんですか!?」
「お前さぁ、相変わらず千束ちゃん達の事になると頭に血が上りやすいよな」
「うぅ・・・・」
俺は一真さんにファイルの角で軽く頭を叩かれて冷静さを取り戻した。
「やる気になるのは良い。けどな、お前が無茶な事したら千束ちゃん達がまた悲しむぞ」
「・・・・・・・・」
『私、頭の中が真っ白になって・・・・蓮が死んじゃったらどうしようって思って・・・・でも良かった。蓮が生きててくれて、本当に良かった』
『もう、蓮さんが傷つく姿を見たくないんです。だからこれからは私が蓮さんを守ります! 蓮さんや千束がそうしてくれた様に、今度は私が蓮さんを助けたいんです!』
「・・・・わかってますよ」
あの時の千束とたきなの姿を見て、2人がどれだけ俺の事を思って、そして心配してくれたのかは痛い程わかってるつもりですよ。
「俺だって、もうみんなを悲しませるような事はしたくないですから」
「そうか・・・・」
「・・・・まぁどうしても無茶しなちゃいけないような状況にならなければですが・・・・」
「そこは断言しろよ!」
すみません。曖昧な事しか言えなくて・・・・
それから一真さんと別れた俺がリコリコに戻って店の前にビートチェイサーを止めると丁度店の中からフキとサクラが出てきた。
「あれ? フキじゃないか。珍しいなお前が店に来るなんて」
「逢沢さん! 聞いてくださいよ! フキ先輩せっかくあたしが抹茶の団子セットを食べようと思ってたの食べる前に帰るぞって行って無理矢理連れ出されたんすよ!」
「うるさいぞサクラ! 私達は任務でここにきたんだ! 遊びに来たわけじゃねぇぞ!」
「けど先輩、さっきミカさんに会った時に顔真っ赤にしてましたよね・・・・グハッ!」
サクラ、それはダメだ。フキに対して先生の話題を出すとソイツ恥ずかしいあまりにすぐに手か足が出るんだぞ。今後もフキのパートナーを務めていくならよぉく覚えておくんだな。
「先生とは話せたのか?」
「お前もうるさいぞ! ほら行くぞサクラ!」
「あぁ、待ってくださいよ! せんぱーい!」
フキが早歩きで行ってしまうのをサクラは走って追いかけて行った。
「たく、少しは素直になっても良いのにな」
その後、俺が店の中に入ると・・・・
「何処に行ってたの?」
そこにはリコリコの制服を着て、仁王立ちで腕を組みながらこちらを睨んでくる千束の姿があった。
「ちょっと、一真さんに呼ばれて例の警察署に行ってたんだよ」
「何で一人で行ったの?」
「いやだって、出かけたのは朝早かったし・・・・千束達はまだ来てなかったし・・・・」
「なら昨日のうちに連絡してくれれば良かったんじゃないの?」
「それは・・・・」
ダメだ。何を言っても正論で跳ね返される。何か、何か打つ手はないのか?
「・・・・心配した」
「え?」
「フキにアイツらの映像を観せられて、蓮がその警察署に行ってるって知って、また一人無茶するんじゃないかって思ったら・・・・凄く不安で、怖かった・・・・」
「千束・・・・」
徐々に声の力が弱くなっていく千束を見た俺は両手を千束の両肩に置いて目線を千束と同じ高さに合わせるようにしゃがんだ。
「大丈夫だって。約束しただろ? 無茶な事はしないって・・・・だから心配するなって・・・・な?」
「・・・・うん」
「・・・・んんっ!」
「「っ!」」
そんな俺達はたきなの咳き込む声に反応して慌てて距離を取った。
「おかえりなさい。蓮さん」
「あ、あぁ。ただいま、たきな」
「では、蓮さんには今朝からいなかった分これからしっかり仕事してもらいますからそのつもりで」
「え? あの・・・・たきなさん? 何か怒ってます?」
「怒ってないです!」
「いやでも・・・・」
「怒ってないです!」
「あっ、はい・・・・」
ダメだ俺、たきなが強気で言い返してくるとどうしてもそれに逆らえない。てかミズキさん、今の俺を見てケラケラ笑うのやめてもらえませんかね。
それから俺は今朝からいなかった分の仕事量を挽回するべくめちゃくちゃ働かされたのであった。
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