リコリス・リコイル 運命を切り開く者たち 【リメイク】 作:hayato0121
「殴らなくたっていいでしょうよ!」
千束は井ノ上さんの左頬に貼ってあった湿布の事を聞くと自身が所属していたチームのリーダーであり千束と同期の『春川フキ』に殴られたと聞くとすぐに千束はお店の電話を使ってフキに井ノ上さんを殴ったことを抗議していた。
「想像と違ったか?」
「いえ、そんなことは・・・・」
千束がフキに抗議している間に先生は井ノ上さんにコーヒーを淹れて渡していた。
「まぁ普段があんなだから誤解する人もいるけど、千束はとても優秀なリコリスだよ」
俺は一応千束のフォローをしておこうと思ってカウンター席に座る井ノ上さんの隣の席に座った。
「うっせぇアホ!」
と千束はフキと色々と言い争ったあと電話を一方的に切ってこちらに戻ってきた。
「ねぇ蓮、いま私のこと褒めた? 褒めてたでしょ?」
「そうやってすぐ調子に乗るところは誉められないけどな」
「もぉ〜、照れ屋なんだから〜」
「別に照れてないし」
あれ絶対に俺達の会話が聞こえてただろ。そんなにわざとらしく聞いてきたって俺はお前が望む答えは言ってやらないからな!
「よし早速仕事に行こうたきな!」
「はい!」
千束が仕事に行こうと言うと井ノ上さんも席から立ちながら返事をした。
「あっ、先生のコーヒー飲んでからでいいよ凄く美味しいから、わたし着替えてくるからごゆっくり・・・・あっ、たきな!」
「はい!」
おいおい・・・・ごゆっくりと言っておきながらまた声をかけて、井ノ上さんが何度も座ったり立ったりを繰り返して可哀想だろうが。
「リコリコへようこそ〜、うひひひっ・・・・」
「たく、騒がしいやつだな・・・・」
「どうぞ」
「あっ、はい」
俺がそんなことを考えていると先生が井ノ上さんにコーヒーを淹れて渡していた。
「んじゃ先生、俺もそろそろ時間だから行くよ」
「ん? もうそんな時間か」
「何かあるんですか?」
「大したことないって、井ノ上さん達もやってる健康診断や能力検査だから」
「蓮さんもやってるんですね」
「そりゃそうだろ、リコリスの協力者としてはちゃんと実力があるってことを証明しないといけないからな」
俺と先生の会話が気になったのか井ノ上さんに俺が健康診断や能力検査することを説明すると納得してくれた。
俺だって東京一のリコリスの協力者は伊達じゃないってところを見せないとな。
「んじゃ行ってきます」
「あぁ」
「お気をつけて」
それから俺は先生と井ノ上さんに見送られて店を後にした。
「こんにちは」
「待ってたわよ蓮。相変わらず時間通りね」
「今日もよろしくお願いします。涼子さん」
俺は彼女、『天童 涼子(てんどう りょうこ)』さんが働いている町の中にある小さな病院に来ていた。
「それじゃあ先に健康診断とメンテナンスを始めるわよ」
「お願いします」
俺は定期的にこの病院に来て涼子さんに健康診断と"身体"のメンテナンスをしてもらっている。
数十分後・・・・
「はい。終わったわよ」
「いつもありがとうございます涼子さん。俺のわがまままも聞いてくれて・・・・」
「全くよ。あなたの身体が成長して新しいのを用意する時、『次は戦闘用にして下さい』って言われた時は流石の私も頭を抱えたわ」
その節は大変申し訳ありませんでした。
俺は涼子の愚痴を聞きながら苦笑いするしかなかった。
「ホントにすいません。でも、千束の動きについていくにはそれに合わせた新しい義手や義足がどうしても必要だったんです」
「それだけ千束ちゃんのことが大切なのね」
「そうですね。けど千束だけじゃなくて、先生やミズキさん、涼子さんに一真さん、そしてあの場所(喫茶リコリコ)があったから今の俺があるんです。だからみんなのために俺ももっと頑張りたいんです」
「・・・・そっか」
俺が自分の気持ちを正直に伝えると涼子さんはどこか嬉しそうにしていた。
何で嬉しそうなのか俺にはわからなかった。
「そういえばさっきあなたがくるまでミズキと話してたんだけど、新しくリコリスが1人、リコリコで働くことになったらしいわね」
「えぇ、井ノ上たきなって子です。」
涼子さんはミズキさんにとって数少ない飲み友達でよく2人で連絡をとりあっているらしいけど、まさかもう井ノ上さんのことを知ってるとは思わなかった。
ドンだけ仲良いんだよこの人達・・・・
「へぇ・・・・それで、あなたから見てそのたきなちゃんってどんな子なの?」
「さっき会って少し話しただけなのでまだよくわからないですけど、どうやらDAの本部に戻りたがってるみたいです」
「そうなんだ・・・・」
その後は地下にある訓練施設を使って能力検査や仮想敵を使ったシミュレーションを行ってそれを問題なくクリアした。
「はいこれ、あなたの健康診断と能力検査の結果が書いてある書類が入ってるからこれを本部の人に渡して。そうすれば問題なくライセンスを更新できるはずよ」
「わかりました」
涼子さんから健康診断と能力検査の結果が書かれている紙の入った封筒を渡された。
まぁ、これぐらいのことは俺にとっては余裕だし、もし千束に同じことをやらせたらあいつも余裕でこなせるだろうな。
「この後はどうするの?」
「とくに予定もないのでリコリコに戻ります」
「そっか、何かあったらいつでも連絡しなさい。」
「はい。それじゃあ失礼します。涼子さんもいつでもリコリコに遊びに来てくださいね」
「そうね、時間ができたら行くことにするわ」
そうだ、アレのことも一応聞いておくか。
「涼子さん、"例のもの"の情報って手に入りましたか?」
「いいえ、知り合いにも聞いてみてるけどそれについては今のところ進展はないわね。ごめんなさい」
「気にしないでください。こっちが無理を言ってお願いしてるんですから涼子さんには感謝してます。何かわかったら連絡下さい」
「わかったわ」
そうして俺は涼子さんに挨拶をするとバイクに乗ってリコリコへと向かった。
〜千束サイド〜
「あの、それじゃあ一つ聞いてもいいですか?」
「なになに? 」
私とたきなはリコリコを出た後に保育園に日本語学校、組事務所と今日も色々なところで人助けをして今は公園のベンチで一休みしてたんだけど、どうもたきなはリコリコの仕事がどういうものなのか先生から聞いてなかったらしい。
だから私は自分達がやっているのは困っている人を助ける仕事だとたきなに教えてあげて、なにか質問はあるか聞いたみたんだ。
「千束さんと蓮さんっていつから一緒に活動してるんですか?」
「え? 蓮と? う〜ん、あたしと蓮が初めて会ったのはたきなも知ってる電波塔事件なんだよね」
「そうなんですか?」
「うん。最初はお互いに銃を向け合って警戒してたんだけど、蓮の方から話しかけてくれたおかげで敵じゃないってわかって、それからは一緒にテロリスト達を制圧したんだ」
それは10年前の電波塔事件での出来事だった。
当時、リコリスの任務として電波塔に行った私は同じくようにリリベルの任務で来ていた蓮に遭遇したんだよね。
お互い最初は銃を構えたが蓮の方から話しかけてきてくれたおかげで戦闘にはならず、蓮の提案で協力しようという事になって一緒にテロリスト達を制圧したのだけど、テロリストの一人が電波塔に仕掛けた爆弾を爆破して電波塔は崩壊しちゃったんだよね。
「電波塔がテロリストに爆破されて2人で逃げる途中に上から瓦礫が落ちてきて蓮が私を庇って助けてくれたんだけど・・・・助けてくれた蓮が瓦礫の下敷きになって大怪我しちゃってさ・・・・」
2人で一緒に逃げてた途中で上から降ってきた瓦礫から守る為に蓮は私を突き飛ばすとその場にいた蓮が瓦礫の下敷きになっちゃった。
瓦礫の隙間から見える蓮の手足とその下を流れる蓮の血を思い出すと今でもすっごく嫌な気持ちになるんだよね。
「千束さん?」
「え? あぁごめんごめん! それから私達は電波塔の外で待機してた救助隊の人に助けられて蓮はすぐにDAが運営してる病院に搬送されて、そこで手術を受けてなんとか助かったんだけど・・・・」
流石に蓮の許可なく義手や義足、義眼のことをたきなに教えるわけにはいかないよなぁ・・・・まっ、今は黙っておいて後で本人に話してもらえばいっか。
「蓮の怪我が治るにはまだまだ時間がかかるってことで蓮が所属してたリリベルの偉い人は蓮のリリベルとしてのライセンスを剥奪しちゃったんだ。」
「あの、リリベルって?」
「あぁ、男の子版リコリスみたいな感じでおっかない連中のことだよ。それで居場所がなくなった蓮を助けたくて私は先生にお願いしてさ、そしたら先生が楠木さんにお願いしてリリベルにかけあってくれたんだ。それで蓮をリコリスの協力者としてリリベルのライセンスを交渉して取り戻してくれたんだ。まぁ、そこに至るまでめちゃくちゃ苦労したって後で楠木さんからたくさん愚痴を聞かされるわ、任務をいっぱい押しつけられるわでめっちゃ八つ当たりされたんだけどね」
あの時の先生と楠木さんにはホントに感謝してる。
けどその交渉の時にリコリスとリリベルのいざこざについても色々と言われたって楠木さん言ってたからきっとめちゃくちゃストレス溜まったんだろうなぁ・・・・
二度とこんなことはしないって先生や私に強く言ってきたし。
「その後は楠木さんからこっちでやれる事は全部やったから後は私達で責任を持って面倒を見ろって言われてさ。だから蓮が退院してからは先生が蓮を引き取ってリコリコで一緒に暮らしてるんだ。」
「それで蓮さんは千束さん達と一緒にいるんですね」
「そう。怪我が完治してからは一緒に任務にも行くようになっていつも助けられてるんだよね」
私が前に出ると後ろからサポートしてくれたり、一緒に前に出てくれたり、とにかく私が動きやすいように動いてくれるから蓮にはホントに感謝してるんだよね。
こんなこと本人には絶対に言わないけど・・・・
「あの時、蓮が助けてくれなかったら私は今ここにいなかったかもしれない・・・・私がこうして生きていられるのは蓮のおかげでもある。だから今度は私が蓮を助けるってそう決めてるんだ」
「千束さんにとって蓮さんは大切な人なんですね」
「いやいやいやいや! 違うから! これはその・・・・恩返し? そう! 助けてもらった恩返しがしたいってだけだから! それ以外に意味なんてないから!!」
「そうなんですか?」
「そうなんです!!」
ちょいちょいちょい!!
なに言っちゃってるのたきなさん! 蓮が大切な人って、そりゃあ蓮は頼りになるし、いつも助けてくれるし、ちょっとカッコいいかもって思ったことも・・・・って!/////
何考えちゃってるのわたし!違うから!そんなんじゃないから!
「よし休憩終わり! たきな! 次の場所に行くよ!」
「はい!」
仕事だ仕事! 仕事して気持ちを切り替えよう! 次は警察署の阿部さんのところだったね。
よぉし、レッツゴー!!
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