リコリス・リコイル 運命を切り開く者たち 【リメイク】   作:hayato0121

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遅くなってすいませんでした!

m(_ _)m

最近は仕事が忙しくなって執筆する時間が全然なくて投稿が遅れてしまいました。

リコリコも最終回を迎えて、最後までみんなの元気な姿が見られて幸せです。

是非とも続編をやってほしいと思っているのは私だけではないと思っています。

そして今回は蓮とたきなのオリジナルストーリーをお送りします。

それでは本編をどうぞ!



蓮の秘密

休日の昼間、俺は一人で任務を終えてビートチェイサーを運転しながらリコリコへと向かっていた。

 

ピーッ! ピーッ!

 

「俺です!」

 

『蓮、緊急の任務が入った、場所を教えるからすぐに向かってくれ』

 

「わかりました!」

 

そしたらビートチェイサーの無線通信機能によって先生から連絡を受けて道路をUターンしてきた道を引き返した。

全く、次から次へと忙しいな・・・・

 

『それと今たきなも向かわせた。途中で合流して一緒に現場に向かってくれ』

 

「井ノ上さんだけですか? 千束は?」

 

『千束はミズキと共に別件で出かけている。一応知らせておくが今回はお前達に担当してもらうことになるだろう。よろしく頼む』

 

「了解!」

 

俺はビートチェイサーのマトリクス機能を使って色を変化させた。

普段は銀のボディに青いラインが入っているのが黒いボディに赤いラインの入ったボディへと変化した。

 

ていうか井ノ上さんだけか・・・・また暴走しなければいいけど・・・・不安だ。

 

そんな事を考えながら運転しているとリコリスの制服を着た井ノ上さんを見つけたので彼女の側にバイクを止めた。

 

「お待たせ井ノ上さん」

 

「いえ、今日はよろしくお願いします。蓮さん」

 

「あぁ、よろしくな」

 

俺は白いヘルメットを井ノ上さんに渡して後ろに乗せると再びビートチェイサーを走らせた。

 

「あの!」

 

「ん?」

 

「バイク、いつの間に色変えたんですか? 今朝の時点ではいつもと同じ色でしたよね?」

 

「あぁこれ? これはマトリクス機能っていって電気信号によって車体の色を変化させる機能で色を変えてるんだ。色を変えたのはカムフラージュだよ。普段の色がメインでこっちは任務用って感じかな。」

 

ビートチェイサー2000には『マトリクス機能』といって電気信号によって車体の色を変化させる機能が搭載されていて一真さんの話だと警察はこれにより覆面パトカー的な使い方を予定してたらしい。

 

「そんな機能が? 通信もできるみたいですし、どこでこんなバイクを手に入れたんですか?」

 

「それは、警察に知り合いがいて元々このバイクは新しい白バイの試作機として作られたんだけど誰も乗りこなすことが出来なかったからってお蔵入りする前にその人が俺のところにこのビートチェイサー2000を持ってきてくれたんだ。それで俺が乗ってみたら乗りこなすことができたからそのまま貰ったんだよ」

 

「そうだったんですね」

 

あの時はマジで戸惑ったなぁ、こんな凄いバイクをホントにもらっていいのかって。まぁ今では俺の頼れる相棒として活躍してるけど。

 

「それで、井ノ上さんは今回の任務の詳細については聞いてる?」

 

「はい。武装集団が根城にしている廃工場に突入して彼らを処分することです」

 

「処分はダメだ。殺さずに制圧するんだ」

 

「どうしてですか!? まさかまた『いのち大事に』って言うつもりじゃないですよね?」

 

「あぁ、そうだよ」

 

「なぜです? 私達には殺人が許可されてるんですよ!」

 

「どうしてって、千束も俺も相手を殺さないってやり方で今までやってきたんだ。だから井ノ上さんにも誰も殺してほしくないんだよ。でないと俺が後で千束から怒られるしな」

 

「・・・・理解できません」

 

んん〜、やっぱそう簡単にはわかってもらえないか・・・・、まぁ井ノ上さんは物事を合理的に考えて行動するタイプみたいだし、そういう人には俺や千束の考えをすぐに理解しろって言っても難しいよな・・・・

 

 

そして俺達は目的地に到着してビートチェイサーを止めると井ノ上さんも背負っているリュックから自身の銃を、そして俺も上着の内側にあるポケットから俺の銃、持ち手の部分から銃の先端まで真っ黒な『コルトパイソン.357マグナム 4インチ』を取り出して建物の入り口付近まで接近した。

因みに俺は千束と違い実弾を使っている。

 

 

「・・・・いくぞ」

 

「はい」

 

俺達は建物内に突入して順調に廃工場内を進むと扉の向こう側に今回の標的と思われる複数の人物達を確認した。

 

「いました」

 

「数は?」

 

「10人です。連絡にあった人数とも一致するのであそこにいるのが全員だと思います」

 

「そっか、それじゃあ俺が最初に突入して連中の注意を惹きつけるから、井ノ上さんはその隙に確保を・・・・」

 

「必要ありません。あの程度の人数、私一人で十分です」

 

「あっ、ちょっ待て!」

 

井ノ上さんは俺の静止を振り切っていきなり扉を開けて銃を発砲した。

 

それに気づいた相手の何人かは回避したり机や椅子を盾にして防いだりするが、その中で3人は彼女の打った弾が手足に命中してギリギリ死んではいないようだが動けなくなっていた。

 

「ったく!」

 

それに続いて俺も突入した。

 

「なんなのよアイツら!」

 

「知るか! いきなり銃で打ちまくるとかマジで意味わかんねぇ!」

 

「とにかく応戦だ! 俺達に喧嘩を売ったことを後悔させてやれ!」

 

相手はいきなり井ノ上さんに発砲された現状に混乱しているらしい。相手が体制を立て直す前に制圧したいのな。

 

「ぐっ!」

 

俺は男2人が持つ銃を狙って発砲し、その銃をそれぞれ弾き飛ばすとそのまま接近して相手の鳩尾にそれぞれ右手の拳で殴ったり蹴りを入れたりして男達は踞るとそのまま拘束具で拘束し、井ノ上さんに撃たれて動けない他の連中も拘束具で拘束した。

 

「あぶなっ!」

 

「いっ!」

 

そんな中で井ノ上さんが連中の仲間と思われる女を撃とうしてたので俺は井ノ上さんが引き金を引く直前に女の足元に何発か発砲して動きを乱すことで女は井ノ上さんの撃った弾が急所から外れて肩に命中した。

それを見た井ノ上さんはめっちゃ俺のことを睨んできた。

 

そんなに睨まないでくれよ・・・・

 

その後は撃たれて負傷し動けなくなったところを俺が確保して弾を再装填しながらさっきみたいに相手の足元や壁を撃って、うまく井ノ上さんをコントロールして10人中7人が確保されて残りは男2人と女1人になった。

 

「どうして邪魔するんですか!?」

 

「だから! 殺したらダメなんだって!」

 

井ノ上さんは思い通りにいかないことに対して俺に文句を言ってきた。

どうしてって、そりゃ相手を殺させないために決まってるだろ。

 

「待ってくれ!」

 

すると男が1人、持っていた銃を捨てて両手を上げて降参の意思を示していた。

 

「撃たないでくれ、頼む・・・・命だけは助けてくれ・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

男はそう言うが井ノ上さんは真っ直ぐ男に銃を向けた。

 

「待て! 殺したらダメだ!」

 

「いい加減にしてください! どうしてそこまで・・・・」

 

井ノ上さんは俺に殺すなと言われてどうしてと俺の方を向いて反論してきた。

 

 

「くらえ!」

 

「っ!」

 

そうして井ノ上さんの視線が逸れた隙を狙って隠れていたもう1人の男が何かを投げるとそれが破裂して強烈な光が部屋を包んだ。

 

「(閃光弾か?)」

 

俺は光った直後にすぐ腕で目を隠しながら目を瞑ったので影響を最小限で抑えたが、近くにいた井ノ上さんは光をもろに受けてしまい目を擦りながら周りを見渡していた。

 

「井ノ上さん、危ない!」

 

「そら!」

 

降参していた男が井ノ上さんの持っていた銃を捨てさせるとそのまま彼女を投げ倒して仰向けに寝転がった井ノ上さんの上に男が跨るとその手には折り畳み式のナイフが握られていた。

 

「じゃあな」

 

「っ!」

 

井ノ上さんもそれに気づくと最初は目を見開いていたが、ナイフが振り下ろされた瞬間は目を瞑っていた。

 

させるかよ!

 

「なっ!?」

 

俺は男の正面から右手でそのナイフの刃を掴んで井ノ上さんをナイフから守った。

 

「ハアッ!」

 

「ぐあっ!」

 

それからすぐに膝蹴りを男の顔面に当てると男は持っていたナイフを手放して俺はそのナイフを投げ捨てた。

そして男を投げ飛ばすことで男と井ノ上さんを引き離すことにも成功した。

 

あっぶねぇ、間一髪だったな。

 

それより・・・・

 

「俺の大事な仲間に手を出しやがって・・・・絶対に許さねぇ!」

 

井ノ上さんがまた狙われないように井ノ上さんと男達の間に立ってそのまま右手を引いて技を繰り出す体勢に入った。

 

「天童式戦闘術一の型三番・・・・轆轤鹿伏鬼(ろくろかぶと)!!」

 

「ぐはっ!」

 

俺は真っ直ぐ1人の男に突っ込んでいき、そのまま捻りを加えた拳を使って繰り出す技、天童式戦闘術一の型三番『轆轤鹿伏鬼』で男の顔を殴り、殴られた男は後方へと吹っ飛んでいくとそのまま壁に激突して気絶した。

 

「くそっ!」

 

もう1人の男は落ちていた井ノ上さんの銃を拾って俺に向かって発砲した。

 

「なっ!」

 

しかしそれらの弾を全て回避した。

 

その程度の弾、俺に当てられるわけないだろ!

 

まぁ、千束ほど回避し続けられるかと言われたら無理だけどな。

 

「天童式戦闘術一の型十五番・・・・雲嶺毘湖鯉鮒(うねびこりゅう)!!」

 

「ぐっ!」

 

そして俺は再び距離をつめると下から突き上げるような鋭いアッパーカットを繰り出す技、天童式戦闘術一の型十五番『雲嶺毘湖鯉鮒』を男の腹に直撃させると男の身体は上へと飛んでいき、その背中が天井に直撃すると気絶した男が落下してきたのを俺は右手でキャッチしてその場に寝かせた。

 

「このぉ!」

 

「っ!」

 

ヤベェ、離れすぎた!

 

俺が男達を相手にしている間に最後に残った赤髪で短髪の女がさっき俺が捨てたナイフを拾って井ノ上さんに接近していた。

 

井ノ上さんも俺の戦闘に気をとられていたらしく反応が遅れてしまい最早避けることができない距離まで女は接近していた。

 

「ハアッ!」

 

女はナイフを振り下ろそうとしているのを見た井ノ上さんは目を瞑りながら腕を前に出してガードしようとしていた。

 

・・・・くそっ、やるしかねぇ!

 

「天童式戦闘術、水天一碧の構え」

 

右足の義足に仕込まれたスラスターを点火させる天童式戦闘術『水天一碧の構え』で一気にたきなのところへ辿り着くと俺は左手で井ノ上さんの身体を自身の身体の方へ抱き寄せながら右腕でナイフによる攻撃を防いだ。

 

「え?」

 

その時、俺の右腕に弾かれたナイフの刃先は折れてしまい、右足のスラスターを使用したことでズボンの右足部分が燃えてなくなるとそこには青いラインの入った黒い鉄の足が姿を現した。

 

『っ!』

 

それを見た女と井ノ上さんは目を見開いて驚いていた。

 

因みに右手は制服の部分が斬られているだけだった。

 

「ハアッ!」

 

「うっ!」

 

それから右手で強烈なパンチを女の鳩尾に直撃させると女はそのまま気絶した。

 

「大丈夫か? 井ノ上さん」

 

「は、はい・・・・っ! 腕! 蓮さん、腕は大丈夫ですか!?」

 

「え? ちょっ!?」

 

井ノ上さんは俺が右腕を斬られたのを心配して俺の制服のブレザーを脱がせると慌てて俺が着ているYシャツの右腕の部分を捲った。

 

「なっ、なんですか、これ・・・・」

 

そして彼女が見たの右腕の斬られた部分の皮膚の隙間から見える黒い鉄の物体だった。

 

「蓮さん・・・・これって・・・・」

 

ハァ・・・・こんなの見たらそりゃ動揺するよな・・・・

 

「見ての通り、これは義手と義足だ。そして右目は義眼になってる。」

 

「え?」

 

井ノ上さんはそう言われて俺の右目を見ると右目が機械のカメラのように動く姿に井ノ上さんは再び驚いた表情をみせた。

 

「蓮さん、あなたは一体・・・・」

 

「それを説明する前にこの人達の手当てをしてクリーナーを呼ばないとな」

 

俺は撃たれて怪我をした人達の手当てをした後に全員を拘束具で拘束してクリーナーを呼び、それが到着するまで待つことになり俺が壁に背中を寄りかからせながら胡座をかいて座るとそこから隣の1mくらい離れた場所で井ノ上さんも壁に寄りかかりながら体育座りをして座った。

 

「俺の身体だけどさ、前に大怪我した時に右手と右足、そして右目を失って、その時の手術で義手や義足、義眼をつけられたんだ。」

 

「それって千束さんと出会った電波塔事件の時のことですよね?」

 

「知ってたのか?」

 

もしかして千束が話したのか?

 

「千束さんからはその時に蓮さんが大怪我をしたという話を聞きました。ですが、身体のことは今初めて知りました。」

 

「そっか・・・・井ノ上さんはどうして俺や千束が相手を殺さないのか知りたいんだよな?」

 

「はい、知りたいです。なぜそこまで相手を殺さないことに拘るんですか?」

 

「まぁ、千束の理由については本人に聞いてもらうとして、俺が殺さないのは色々な事を実際に見たり経験したりしたからかな」

 

「見たり経験したから、ですか?」

 

まぁ、それだけ聞いたってわからないよな。

 

「俺もリリベルに所属していた頃は今の井ノ上さんみたいに相手を殺すのが当たり前だと、悪さをする奴はみんな殺すってそう考えてた・・・・けどあの事件で死にかけて、死ぬってこんなに怖いんだって実感して、俺が殺してきた人達もこんな気持ちになりながら死んだのかなって思った」

 

「蓮さん・・・・」

 

「けど、それだけじゃなくて・・・・俺が入院してる時に偶然見たんだけどさ、病院で家族が亡くなって悲しんでる親子がいたんだ。

そしたら後になって思ったんだ・・・・もしも俺が殺した人にも大切な人、大切な家族がいて、あんな風に悲しんでいたとしたら・・・・俺はなんて事をしたんだって・・・・めちゃくちゃ自分を責めたよ。」

 

「それは! 任務だったから・・・・そうする事が私達の存在理由であり、私達の役目です!」

 

「確かにな・・・・だからこそ、忘れちゃいけなかったんだ・・・・俺達が誰かを殺している裏で悲しんでいる人もいるってことをさ・・・・」

 

「悲しんでいる人・・・・」

 

俺の話を井ノ上さんは考えながらちゃんと聞いてくれていた。

 

「俺は・・・・誰にも悲しんでほしくない、誰にだってその人だけの人生、その人だけの未来がある。その可能性を俺達の都合で奪っちゃいけないんだ。それが、俺が相手を殺さない理由だ。」

 

俺はもう誰も人を殺さない。死にかけた時に死にたくないって思って、あんな思いは誰にもさせたくないし、それで誰かが悲しむ姿も見たくない・・・・そう誓って、俺は今日までやってきたんだ。

 

「・・・・凄いですね、蓮さんは・・・・」

 

「え?」

 

すると井ノ上さんは体育座りをしたまま俯いてしまった。

 

「私は自分のことしか考えていませんでした。どうすれば認めてもらえるのか? どうすれば本部に復帰できるのか? 最近はそればかり考えてます」

 

井ノ上さんはどうしてもDAに戻りたいんだな。

その為にはどうすればいいのかばかりを考えていて、任務で手柄をあげるために今日も行動してたってわけか・・・・

 

「一つ聞いてもいいか?」

 

「なんですか?」

 

「この間、井ノ上さんが武器商人を殺した事件、司令部からは待機するように命令されてたんだろ?なのにどうして井ノ上さんは司令部の命令を無視して相手を殺したんだ?」

 

「それ、千束さんにも聞かれました」

 

「千束にも?」

 

「えぇ、千束さんにも言いましたがその時はそれが一番合理的だと判断しました。けど私は・・・・」

 

井ノ上さんは自分が正しいと思って行動したのにそんな彼女を待っていたのが転属じゃあ・・・・そりゃ納得できないわな。

 

「じゃあ井ノ上さんはそのまま本部の命令に従っていればよかったって思うか?」

 

「それは・・・・」

 

「・・・・ならそれでよかったんだよ」

 

「え?」

 

俺がそれでよかったと伝えると俯いていた井ノ上さんは顔を上げて真っ直ぐ横に座っている俺の顔を見てきた。

 

「俺達はただ命令に従う機械じゃない、人間だ。 だから結論を誰かに決めてもらうんじゃなくて自分で考えて自分で行動できる。井ノ上さんの判断は正しいよ。井ノ上さんのおかげで仲間を助けることができた。転属は結果論だけど、その時の行動については納得してるんだろ?」

 

「・・・・はい」

 

「ならそれでいいんじゃないか? 大切なのは後悔しないこと。嫌々何かやるくらいなら自分が正しいって思ったことをするのが一番だって! 大丈夫!井ノ上さんは間違ってないよ」

 

「・・・・ありがとうございます」

 

 

 

〜たきなサイド〜

 

 

私はどうしてもDAに戻りたかった。

あの場所は私にとっての憧れであり、目標でもあった大切な場所・・・・けれど突然、転属という形でそれを失った。

戻りたい! もう一度あの場所に!

 

そんな私を千束さんは受け入れてくれて、蓮さんも私のとったは行動は正しかったと肯定してくれた。

 

肯定してくれたのは素直に嬉しい、けど・・・・

 

「でも、どうしてですか?」

 

「ん?」

 

「私はDAに戻りたいってずっと言ってるんですよ。あなた達からしたら悪い印象しかないはずなのに・・・・なのにどうして・・・・どうしてそこまでしてくれるんですか?」

 

私はDAに戻りたいとずっと言ってきた。

それはつまり、悪い言い方をするならあのお店にはいたくないと言ってるのと同じこと。なのにどうして、そんな私を千束さんもこの人も受け入れて、認めてくれるのかが私にはどうしても理解できなかった。

 

「だって、井ノ上さんはDAに戻りたいんだろ?」

 

「はい」

 

「だったら協力するさ、俺達は困ってる人を助けるためにここにいるんだからな」

 

「っ!」

 

『困ってる人を、助ける仕事だよ!』

 

私はいま、蓮さんが言った言葉が千束さんの言った言葉とほとんど同じだったことに驚いた。

 

そうか・・・・この人達は、心の底から誰かの力になりたいってそう思ってるんだ・・・・

 

私は改めてこの人達はもの凄いお人好しなのだと実感した。

 

 

〜たきなサイドアウト〜

 

 

俺と井ノ上さんが話をしているところにクリーナーが到着し、事後処理を終えた俺達は店に帰ろうとしていた。

けどその前に、今のまま外に出るのは色々とまずいので俺は荷物の中にあった予備のズボンに履き替えていた。

 

「予備のズボンを持ってきてたんですね」

 

「まぁな、俺が義手や義足の性能を発揮するとさっきみたいに服や皮膚が破れたり燃えたりするからそんな状態で外を出歩くわけにはいかないし、念のため予備のズボンとYシャツは持ってくるようにしてるんだ」

 

そして俺はビートチェイサーに跨った。

 

「それじゃあ帰ろうか、井ノ上さん」

 

「はい。それと・・・・」

 

「ん?」

 

井ノ上さんは一度、俺から視線を逸らすと再び俺を真っ直ぐ見た。

 

「・・・・さっきは助けてくれてありがとうございました!」

 

すると井ノ上さんは頭を下げて俺に助けてもらったお礼を言ってくれた。

 

「気にするなって、仲間を助けるのは当たり前だろ? 井ノ上さんだってそうだったんじゃないのか?」

 

「蓮さん・・・・」

 

「それじゃあ、今度こそ帰るぞ」

 

「はい」

 

そして俺達はみんなが待ってるリコリコへと帰ったのだが、今日の任務で井ノ上さんのことを少しは知ることができたと思っている。

これを機に少しずつ彼女とも仲良くやっていけたらなぁ・・・・と考える俺だった。

 




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