リコリス・リコイル 運命を切り開く者たち 【リメイク】 作:hayato0121
「護衛任務、ですか?」
「あぁ」
俺は今、リコリコの開店準備している時に先生から護衛をしてほしいという緊急を依頼がきたことを聞かされていた。
「それで、その依頼人って誰なんですか?」
「『ウォールナット』と呼ばれるその筋では有名なハッカーだそうだ」
「ハッカーですか?」
ハッカーか、しかも有名ってことはそれなりに実力のあるってことだよな。
そんな奴が緊急の依頼って・・・・なんかヤバい機密情報でも見て口封じで狙われてるのか?
もしそうなら巻き添えはゴメンだぞ
「それで、どうするんですか先生?」
「無論受ける。既に相場の3倍の依頼料を先払いで振り込まれているのを確認した。今頃ミズキがウォールナット本人と接触している頃だろう」
「そうですか・・・・じゃあ早速、俺も準備しないと・・・・」
「いや、お前は何もしなくていい」
「え?」
いやいや、待って待って!
緊急の依頼なんですよね!? なのに俺は何もしなくていいってどゆこと!?
「なんでですか先生!? どうして俺は何もしなくていんですか!?」
「今回は、任務に失敗したと見せかけて死を偽装することで相手側に護衛対象は死んだと思わせるのが狙いだ。千束とたきな、そしてお前がいれば任務はほぼ確実に成功してしまうだろう・・・・それでは死を偽装できない」
「あぁ・・・・なるほどね」
確かにそういう理由なら仕方ない・・・・ん?
「じゃあ何で俺に任務の事を話したんですか? 俺が参加しないなら話さなくても良かったんじゃないですか?」
「失敗が狙いだとしても一応任務だからな。何が起こるかわからんし、お前の知らないところで千束達に何かあったらお前怒るだろ?」
「それは・・・・」
さすが先生・・・・良くわかっていらっしゃる。
「じゃあ俺は何してればいいんですか?」
「それは自分で決めろ。千束達にはお前は別の任務で不在だと伝えておく」
「わかりました」
こうして俺は開店準備を終えるとビートチェイサーに乗って宛てもなく出かけるのであった。
「さて、これからどうするか・・・・」
今頃、千束達は先生から任務についての説明を聞いてる頃だろうなぁ・・・・後でホントの事を知ったら千束あたりは怒って不貞腐れそうな気がしてならない。
そんなことを考えながら俺はビートチェイサーに跨ったまま自販機で買った缶コーヒーを飲んでいた。
「・・・・やっぱ先生が淹れたコーヒーが一番だな」
普段はあんまり缶コーヒーなんて飲まないから偶には飲んでみるかって試してみたけど、ずっと先生の淹れたコーヒーを飲んできたからかやっぱり先生のコーヒーが一番だと思ってしまう。
「んん・・・・どうすっかなぁ・・・・っ! そうだ!」
あの人に会いに行こう! そう思った俺は早速その人に連絡を入れた。
それから数十分後・・・・
「・・・・で? 偶然にも今日非番だった俺のところに連絡してきたと・・・・」
「えぇ・・・・折角だし、久々に一真さんに稽古をつけてもらおうと思って」
いま俺の目の前に立っているのは涼子さんの弟の『天童一真(てんどうかずま)』さんだ。
一真さんは警察官で、リコリコの常連でもある阿部さんの部下であり、俺にビートチェイサーを譲ってくれたのも一真さんだ。
そして俺が元リリベルで、今はリコリスの協力者をしていることを知っている数少ない一般人の一人。
まぁ、数少ないって言っても知ってるのは一真さんと涼子さんの2人だけなんだけどな。
一真さんが俺のことを知ったのは涼子さんがうっかりして一真さんにバレてしまったとか・・・・うっかりってなんだよ・・・・
そんな一真さんは俺が使ってる『天童式戦闘術』の師範であり、俺の師匠でもある。
自慢じゃないけど俺はこの人と試合をしてまだ一度も勝ったことがない。
それぐらいこの人は強いのだ。
逆に銃を使った射撃の勝負は俺が全勝で一真さんは俺に一度も勝ったことがないからお互いにそれぞれの得意分野で必ず勝つと張り合っているのが現状だ。
そして今、俺達は一真さんが稽古で使っている知り合いの道場でお互いに空手をする時に着る道着を着て向かい合う形で立っている。
「今日こそ俺が勝ちます!」
「やってみろ! 師匠の実力を思い知らせてやる!」
そう言って俺達は互いに構えると周りが一気に静かになった。
「天童式戦闘術・・・・」
「一の型八番・・・・」
「「焔火扇(ほむらかせん)!!」」
俺達は互いに天童式戦闘術一の型八番『焔火扇』という拳による渾身のストレートを放つ技を使い、お互いの右手の拳が激突した。
「イッテェェェ! やっぱお前のその義手で殴るの反則だろ! こっちは素手だぞ素手!」
「とか言いいつつも俺に一度も勝たせてくれないじゃないですか?」
一真さんは自身の右手を押さえて痛がってるけどそれでもあの強さを知ってる俺としては全く油断できない。
「そりゃお前、俺は年上で先輩で師匠なんだからそんなホイホイ弟子に負けてたまるかよ・・・・さぁ、こい!」
「いきます!」
そう言った俺は真っ直ぐ一真さんに突っ込んだ。
「隠禅・玄明窩(いんぜん・げんめいかん)!!」
突っ込んだ俺はそのまま天童式戦闘術二の型十四番『隠禅・玄明窩』という素早い2連続の蹴りを繰り出す技で右足での回し蹴りからの普通の蹴りを放つが、一真さんはしゃがむことで回し蹴りを避けると普通の蹴りは肘を曲げた両腕を前に出して蹴りを防御した。
だがその衝撃までは防ぎきれずに方法へと下がっていき体勢が乱れているのを見た俺は追撃するべく更に突っ込んだ。
「焔火扇!!」
俺は再び焔火扇による右ストレートを一真さんに放とうとする一真さんはギリギリで身体を横に逸らすことでそれを避けた。
「っ!」
「天童式戦闘術一の型五番・・・・」
一真さんは俺の攻撃を避けてすぐに攻撃する体勢に入った。
「虎搏天成(こはくてんせい)!!」
「うっ!」
一真さんは 天童式戦闘術一の型五番『虎搏天成』という神速の突きを繰り出す技を使い、右手で俺の脇腹を突く俺はそのまま吹っ飛ばされてしまう。
「フッ!」
「っ!」
倒れていた俺はすぐに立ち上がろうとするが、俺の顔の横には寸止めされた一真さんの右足があった。
「ま、参りました」
「ふぅ・・・・今日も俺の勝ちだな」
「くっそぉ・・・・今日こそはいけると思ったのに・・・・」
だぁ・・・・また負けた・・・・
俺はその場で仰向けに寝転がり悔しがっていると一真さんはその隣に座った。
「お前さっき、俺がバランスを崩した時にチャンスだと思っただろ?」
「はい・・・・っ! もしかして、あれってワザと!?」
「いや、バランスが崩れてたのは本当だぞ。正直ヒヤッとした・・・・まぁでも、そんな状態でも何とかするのが師匠としての腕の見せ所ってもんだろ?」
「そんな・・・・」
マジかよ・・・・これが師匠としての実力ってか? んでもって俺はそれを利用されてまんまと返り討ちにあったってわけね・・・・あぁ悔しい!
「くっそ・・・・もう一本!」
「いいぜ。今日は非番を潰された腹いせにトコトン相手してやるよ」
「怖っ!」
その後も俺は一真さんに一度も勝てず、俺の全敗という結果でその日の勝負は終わった。
「今日はありがとうございました」
「あぁ、千束ちゃんやミカさんによろしくな」
「あれ? ミズキさんは?」
「アイツはいい」
「あっ、そすか?」
夕方になり、俺は制服、一真さんは私服に着替えて駐車場に向かう途中に挨拶をしている中で一真さんはどうしてもミズキさんに対してはいつも厳しい態度をとってくる。
まぁ、理由は想像がつく。
過去に涼子さんが一真さんと一緒にリコリコに来た時にミズキさんが一真さんを初めて見た時、『絶対にこの男をものにする!』と言わんばかりに自身を猛アピールして一真さんにはかえってそれが逆効果だったらしく、それが理由で一真さんはミズキさんの事が嫌いとまではいかないがあまり好きではないらしい。
「それじゃあ、俺はこれで」
「おう・・・・あぁ蓮!」
「はい?」
ビートチェイサーに跨りヘルメットを被ろうとした時に突然一真さんに呼ばれた。
「最近は色々と物騒だからな・・・・気をつけろよ」
「はい。一真さんも気をつけて」
そうして挨拶を終えた俺はビートチェイサーを走らせてリコリコへと戻った。
次回の話の執筆も順調に進んでいるので次回は明日の夜に投稿予定なのでお楽しみ!
この小説が面白いと思ったら、感想、評価、お気に入り登録をよろしくお願いします!