ウマ娘漫才風小話集   作:愉快な笛吹きさん

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ネイチャ「つ、ついにトレーナーさんの家に…」

――LANE――

 

ネイチャ> 今から向かいます。スーパー寄るんで何か買ってきてほしいものとかある?

 

 

助かります

ゴム

乾電池(単3)

よろしくお願いします <トレーナー

 

 

「ゴムの上に"輪"を付けるの忘れてたな。まあ開封した食材の袋閉じるだけだからいいけど」

 

 

 

 ――30分後――

 

 

「こ、コンニチハ……」

 

(つ、ついにトレーナーさんの部屋に……ていうかゴ、ゴムを買ってこいって、もももしかして今日そのまま……とか!?)

 

「おー来たな。途中で迷ったりしなかったか?」

 

「え? う、うん。心の整理はつけてきたから」

 

「整理……? まあとりあえず入ってくれ。あ、買い物のついでに頼んでたもの買って来てくれたか?」

 

「う、うん……で、でもスーパーだと流石にゴムは売って無くてさ。乾電池だけで……」

 

「あ、そうなんだ。普通スーパーなら売ってそうなもんだけどな。まあ今日はいいか」

 

「い、いいの?」

 

「え、いいけど? まあそんな気にしなくても大丈夫だよ。あんまり使うものじゃないし」

 

「つ、使わないの? そ、それってヤバいんじゃ……?」

 

「大丈夫だよ。別に洗濯バサミでもいけるから」

 

「せ、洗濯バサミ!? そんなので塞ぐって……だ、大丈夫なの?」

 

「ああ、こう、くるくるって丸めたあとに先っちょを挟む感じでな。実家でも母親がよくやってたよ」

 

「ま、丸めるって……し、しかもお母さんに? ト、トレーナーさんの家って凄いんだね……」

 

「いや全然普通だけどな。あ、じゃあ乾電池の方をもらえるか?」

 

「あ、うん、これだよね……何に使うの?」

 

「ああ、おもちゃだよ」

 

「オ、オモチャ? そ……それってオトナが使うような?」

 

「んーまあ、今の子はあんまり興味示さないかもなあ」

 

「そ、そりゃあね。も……もしかしてうねうね動いたりとかします?」

 

「お、よく知ってるな。昔は結構流行ったらしいからネイチャは知ってるのかもな。良かったら見てみるか?」

 

「そ、そうなんだ……い、いやいやいいです! い、いくらなんでもそれはネイチャさんには早過ぎるというか……」

 

(フラワーロックってそんな早く動かないよな……?)

 

「ええと……と、とりあえずご飯の準備しよっか。何が食べたい?」

 

「うーん、実はまだあんまりお腹が空いてなくてなあ……あ、でも親子丼だったらいけそうだな」

 

「お、親子丼!? そ、それって……」

 

「ああ、小学校の時に女友達の家に遊びに行ったらそこのお母さんからご馳走になってはまっちゃってさ。いやー楽しみだな。ネイチャの親子丼」

 

「し、小学生で友達のお母さんって……そ、そんなに経験豊富だったんだ……うう……け、けどそれはアタシだけじゃ無理で……おふくろが協力してくれないと」

 

「あ、そうなんだ。ならちょっと電話してみるとか、ダメか?」

 

「ええっ!? こ、ここで? 今すぐ?」

 

「ああ、むしろ今しかタイミングが無いだろ? 学園内じゃこんなチャンス中々無いし」

 

「そりゃそうじゃん! 大問題になるって!」

 

「やっぱり? まあ火事のリスクとかあるもんな」

 

「うん、多分炎上どころじゃ済まないと思う……」

 

「だろ? ならやっぱ今しかないよな。ついでに俺からも一言挨拶がしたいし」

 

「う、うう〜……わ、わかった。ちょっと待ってて――あ、もしもしおふくろ、今大丈夫? うん……今トレーナーさんのマンションにお邪魔してるんだけどトレーナーさんが……その…うう…親子丼を―――ご、ごめん、あとはトレーナーさんに変わるね!」

 

「あ、お電話代わりました――ええ――あ、はい。そんな感じなんです。なので親子丼をリクエストさせてもらったんですけど……あ、OKで。ありがとうございます」

 

「うええっ!? お、OKしたのおふくろ? そんなあっさり?」

 

「ん? ああ二つ返事でな。ついでにネイチャの好きなおかずも教えてくれるって」

 

「オ、オカズって……そ、そんなの一度も話したことないけど」

 

「まあ、そういうのもしっかり把握しているのが親なんだろ――あ、すみません。で、ネイチャの好きなおかずは……ああ、キンピラ」

 

「チ、チンピラ……!?」

 

「はは、ネイチャらしいですよね……ええ、いんげんを漬けて……豚とナス、味噌を炒める。あとはキスの天ぷらで。わかりました」

 

「い、因縁を付けて……『豚!』とくそみそに痛めつけた後はキスがテンプレ!? いや全く合ってないじゃん!」

 

「何か言ったか? ネイチャ」

 

「う、ううん……何でもない」

 

「ならいいけど――ああ、何度もすみません。それより後ろが騒がしいみたいですが……あ、弟さんですか。はい、ネイチャから話は聞いてます。まだ小さくて凄くかわいいって」

 

「そうそう、もうほんと可愛くって」

 

「……ええそうですね。機会があれば是非抱いてみたいです」

 

「ちょっと待ったーー!」

 

「ど、どうしたネイチャ?」

 

「だだだ、抱くって……いくら何でもそれは」

 

「そ、そんなに心配か? これでも小さい子の扱いには慣れてるんだけど……」

 

「それも色々問題だけど、で……でもさ、男の子だよ!?」

 

「寧ろ男の子の方が得意だぞ。おもちゃで一緒に遊んだらすぐ仲良くなれるし」

 

「オ、オモチャでって……もうトレーナーさんのことがわかんなくなってきた……」

 

「俺もよくわからないんだが――ああ、すみません……ええとそうですね。弟さんのお世話が忙しいようですので、今回はネイチャと二人で頑張ってみようと思います……いえいえ、ありがとうございます。それでは――」

 

「え、ええと……お、おふくろは何て?」

 

「ああ、次は是非協力したいってさ」

 

「ノリノリじゃん……おふくろ……なんだろう。アタシが逆におかしいのかな?」

 

「さ、話も済んだしキッチンに行くか。まずはネイチャの好きなオカズからかな」

 

「い、いや、それは私の好みじゃ……」

 

「え、そうなのか? なら止めとこうか?」

 

(うっ、やっぱトレーナーさんって優しい……こんな人がチンピラキャラに変貌するとか……うう、怖いけど、ちょっとだけ気になるかも……)

 

「う、ううん! 大丈夫だから!」

 

「そうか、じゃあ早速始めていくか」

 

「う、うん。いくよ……えいっ!」

 

「……? どうしたんだネイチャ。突然ぶつかったりなんかして」

 

「何って……もう始まってるんだよね? もう一回いくから。えいっ!」

 

「うっ……痛たた。ネ、ネイチャ大丈夫か? 怪我はないか?」

 

「もう! 違うよトレーナーさん! そこは『何しやがるこのメス豚!』って罵ってくれないと!!」

 

「どうした急に!?」

 

 

 ――その後、トレーナーが丁寧に問い正したことによりどうにかネイチャの誤解は解けた。だがあまりの恥ずかしさに耐えきれず、まる二日間自室から出てこなかったとか。

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