不屈の悪魔   作:車道

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約束の地 コロッセオ その②

 漁村を通り過ぎ、峠も越えてローマ市内に入ってもチョコラータとセッコの襲撃が無いことに、なのはは妙な胸騒ぎを感じていた。この時点でディアボロが動かせるであろう親衛隊は5人いる。

 ヴェネツィアで襲ってくるはずだったスクアーロとティッツァーノ。飛行機での移動を妨害するために特攻させるはずだったカルネ。そしてブチャラティと落ち合う相手ごと始末させるために、仕方がなくローマに向かわせるはずのチョコラータとセッコ。

 彼らを除いた親衛隊は国外に派遣していたり、すでに別の任務に当たらせているため、動けない可能性が高いとなのはは判断しており、事実ディアボロの動かせる親衛隊は上記の面々しか残っていない。

 水面を瞬間移動するスクアーロのスタンドでは、水の都として有名なヴェネツィアならともかくローマでブチャラティたち全員を相手取るのは難しい。対抗手段が無いわけではないが、カルネのノトーリアス・B・I・Gを暴走させればイタリアそのものが滅ぶ可能性がある。

 ならばディアボロは一般人の被害を度外視して、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()チョコラータとセッコを送り込んでくるだろうとなのはは予想していた。だが、なのはの予想とは違い上空を飛ぶ不審なヘリコプターは一向に現れない。

 

「……ッ! 車を止めろ、ブチャラティ。誰かが道路に飛び出してくるぞ!」

 

 車の窓から空を眺めながらも、エピタフで10秒後の未来を予知し続けて警戒していたなのはは、進行方向上に飛び出してきた人影を避けるため急停車する光景を見た。

 ヘッドライトで照らされているだけの人影は、周囲が暗く予知の角度も悪かったため人相や背格好までは分からなかった。そもそも軍用車両であるハンヴィーなら人を跳ね飛ばしても耐えるだろう。

 だが、この人影がカルネだった場合、死後に真の効果を発揮するノトーリアスの発動条件を満たしてしまう可能性がある。その万が一の危険を避けるためにブチャラティにブレーキを踏ませたのだが、なのはの心配は杞憂だった。

 スリップ痕を残しながら急停車するハンヴィーに手を振りながら近寄ってきたのは、承太郎のよく知る人物だった。

 

「近寄るんじゃあねえ! 妙な動きをしたら、この機関銃でミンチ肉みてーにするぞッ!」

「待て……そいつは敵じゃあない。どうして、おまえが……ポルナレフがこんなところにいるんだ。コロッセオで待っているんじゃあなかったのか?」

 

 いつでも機関銃を撃てるようにトリガーに親指をかけていたミスタを承太郎が引き止め、側面の窓を開けて現れた人物に話しかけ始めた。唐突にブチャラティたちの前に姿を表したのは、円柱状の特徴的な髪型をした銀髪の男──ジャン=ピエール・ポルナレフだったのだ。

 これから会おうとしていた人物といきなり遭遇したことに一同は目を見開いて驚いた。次いで注目したのは、ポルナレフの右手に握られている古めかしい矢の存在だ。ポルナレフは慌てた様子で()()()()()()()、矢を差し出そうとしている。

 

「おれも最初はコロッセオで落ち合うつもりだったんだが事情が変わったんだ。どうやら、おれがコロッセオにいることがパッショーネの連中にバレちまったらしい。だから、必死こいてここまで逃げてきたんだ」

「なるほどな……ところで、いくつか聞きたいことがある。ポルナレフ、おめーの妹の名前を教えちゃくれねえか?」

「いきなりどうしたんだよ。おれが本物かどうか疑っているのか? こんな状況だし、しょうがねえか……おれの最愛の妹の名前はシェリーだ。まだ信じられねえようなら、シルバーチャリオッツも見せるぜ?」

 

 真剣な眼差しを向けている承太郎とは対照的に、ポルナレフはおどけた様子で自然体のまま更に近付こうとしている。その様子をブチャラティたちは車に乗ったまま、黙って見守っている。

 ポルナレフが出したスタンドのヴィジョンは承太郎の知るシルバーチャリオッツそのものだった。しかし、それだけでは納得できなかったのか承太郎は続けざまに質問を重ねた。

 

「それじゃあ次の質問だ。おめーなら当然知ってるだろうが……おれの娘の名前を答えてもらおうか」

「承太郎の娘の名前をおれが忘れるわけない。徐倫(ジョリーン)ちゃんだ。どうだ、あってるだろ承太郎!」

「ああ、あってるぜ! だが……()()()()()()()()()()()()()

「なにィ────ッ!?」

 

 承太郎の一言と同時に、けたたましい銃声が市街地に響き渡る。掘削機のような爆音を立てて撃ち出された鉛玉の嵐が、シルバーチャリオッツに防御させようとしたポルナレフの体をズタズタに引き裂く──ことはなかった。

 弾丸が直撃した瞬間、シルバーチャリオッツが黄色の水飴のようなドロドロとした粘体に変貌したのだ。そのまま黄色の粘体を貫くかと思われた銃弾は衝撃を吸収され、甲高い音を立てて地面に散らばった。

 

「いきなり何をしやがるッ! おれに銃弾が当たってたら死んでたぞ、このビチグソがァ~~~っ!」

「やれやれ……10年以上経っても、てめーの性根はちっとも変わってねえようだな。花京院(かきょういん)の次はポルナレフに化けるとは……そろそろ正体を見せたらどうだ?」

「チィ! 大人しく騙されてたら、『矢』に擬態させたおれのスタンド──黄の節制(イエローテンパランス)を楽にくっつけれたのによォ! 見たいのなら見せてやる。これがおれの本体のハンサム顔だ」

 

 ()()()ポルナレフなら決して言わないであろう下品な罵倒が発せられる。正体がバレて観念したのか、ポルナレフに化けていた者の頭部が弾け飛び、本当の顔があらわとなった。

 ポルナレフに化けていたのは、黒髪をオールバックにしてうなじの辺りで束ねているくせ毛の男──ラバーソールだった。承太郎は過去に一度、花京院典明(かきょういんのりあき)という今は亡き仲間に化けたラバーソールと戦ったことがある。

 ラバーソールはDIOに成功報酬として1億ドルを貰うことを条件に、承太郎やジョセフたちの暗殺を請け負っていたフリーの暗殺者だった。一度は顔面にスタープラチナのラッシュを食らって再起不能になったが、何らかの手段で怪我を治したのか昔と変わらぬ顔をしている。

 

 承太郎がポルナレフを偽物だと判断した理由は単純である。まず第一にラバーソールが化けていたポルナレフの姿は10年以上前の姿だった。波紋の戦士でもなければ、これだけの歳月が流れれば多少は老けるはずなのに、若々しいままというのはいささかおかしい。

 それだけではなく両足を負傷して車椅子での生活を余儀なくされているという情報を、なのはからあらかじめ聞かされていたのもある。極めつけは、知り得るはずのない承太郎の娘の名前を把握していたことだ。ドッピオを通して承太郎の情報を貰っていたことがあだとなった。

 

「ボスの用意した殺し屋かッ! ゆっくり相手をしている暇はない。このまま突っ切らせてもらう!」

「そいつは困るなァ! 時間を止められる承太郎に勝てるとはおもっちゃいねえが、雇い主の注文(オーダー)通り頭数を削っとく必要がある。それに……おれだけを注目して脳天ぶち抜かれても知らねえぜッ! やっちまいな、相棒!」

 

 ラバーソールの掛け声が合図だったのか、車を発進させようとしているブチャラティ目がけて、どこからともなく3発の銃弾が()()()()()()()()飛んできた。ハンヴィーの窓ガラスは防弾仕様だが、本来の役割を果たすことはなかった。

 まるで物理的に存在しないかのように、銃弾が窓ガラスをすり抜けてきたのだ。咄嗟にスティッキー・フィンガーズを出して防御しようとしたが、スタンドの拳が銃弾を捉えることはなかった。

 

「き、軌道が曲がっただと!? このままでは防ぎれないッ!」

 

 まるで意思を持っているかのように軌道が変わり拳を避けてブチャラティの脳天へと銃弾が突き進む。このまま直撃するかと思われた次の瞬間、銃弾が忽然とブチャラティの前からかき消えた。

 ブチャラティの隣に座っていた承太郎が時間を止めて、銃弾をスタープラチナで握りつぶしたのだ。その様子を離れた場所から見ていた帽子を被ったカウボーイ風の服装の男──ホル・ホースが物陰から姿を現した。

 

「リーダー格のブチャラティはこれで暗殺できたと思ったんだが、そううまくはいかねえか」

「てめーは……ホル・ホースか。あのときの刺客が揃いも揃って現れるとはな。DIOの次はディアボロに雇われたといったところか?」

「おれらが誰に雇われているかなんてカンケーねえだろ。だが……のんびり話がしたいのなら何時間でも付き合ってやるぜ。その間にポルナレフが死んじまうかもしれねえけどな!」

 

 手に持った銀色のリボルバー式拳銃のような見た目のスタンド──皇帝(エンペラー)を右手でくるくると回しながら、ホル・ホースは小馬鹿にしたように笑っている。

 ブチャラティたちは選択に迫られていた。この二人を無視してコロッセオに向かったとしても、いずれは追いつかれて挟撃されるだろう。だからといって、全員で対応していてはポルナレフがディアボロや親衛隊に殺されてしまうかもしれない。

 承太郎やなのはならラバーソールとホル・ホースのコンビ相手にも互角以上に戦えるだろう。だが、承太郎となのははディアボロと戦闘になったときに必要不可欠な人員だ。

 

「……コイツらの相手はオレがする。ジョルノたちはコロッセオへ急いでくれ」

「いいや、進むのはブチャラティ。あんたのほうだぜ。ここはオレたちに任せちゃくれねーか?」

「サルディニアでは、オレたちはまんまと敵の攻撃を食らって役に立てなかった。()()()()の機会なんだ。行かせてくれよ、ブチャラティ」

 

 そうなると動かせるのは、ブチャラティチームの誰かということになる。ブチャラティは後のことをジョルノたちに任せて、自分が迎撃に動こうとした。しかし、それはブチャラティの役目ではないとミスタとナランチャに引き止められた。

 頭数を減らすのは得策ではないが、今は一分一秒を争う状況だ。相性で言えばラバーソールと一番戦いやすいのはブチャラティだろう。しかし、今後もスタンド使いが妨害してくることを考えるとチームの支柱となっているブチャラティが抜けるのは得策ではない。

 目を閉じて考え込んだブチャラティはすぐさま答えを出した。索敵役のナランチャが抜けるのは痛いが、不意打ちには未来を予知できるなのはが対応できる。苦笑を浮かべながら、ブチャラティは口を開いた。

 

「それを言うなら名誉挽回だ、ナランチャ。だが、おまえたちの言うことも一理ある。戦力を分散させたくないが時間がない……だから、()()()()()()()()()()()()ッ!」

「ずっと足止めを食らうわけにはいかないから、ざっと説明しておく。あの黄色いスタンドは物理攻撃や熱、冷気に対して高い耐性を持っている。どうにかして本体を直接攻撃するんだ。

 ホル・ホースのほうは見て分かるように銃弾を操作する能力だ。ただし、実銃のように装填数に上限があるわけではないことを意識しておいてくれ」

 

 ブチャラティの回答に頷いた後、承太郎から敵のスタンド能力の説明と移動手段の入った『紙』を受け取ったミスタとナランチャは暗殺者と戦うために車から飛び出していった。

 ミスタの代わりにジョルノが銃座についたのを確認したブチャラティは、振り返ることなく車を急発進させてその場を後にした。エンペラーを使って追撃することなく黙って車を行かせたホル・ホースは、懐に仕舞っていた携帯電話を手にとって誰かに連絡を取っている。

 ホル・ホースはミスタとナランチャの分断に成功したことをドッピオに伝えているのだ。そしてブチャラティたちを狙っているスタンド使いは彼らだけではない。次なる刺客はすぐ側まで迫っていた。

 

 

 

 車の間を抜けて先を急いでいるブチャラティの運転するハンヴィーは、かなりコロッセオへと近づいている。このまま順調に進めば20分もせずにコロッセオに到着するだろう。順調に進んでいるように思えたが、次なる敵の攻撃はすでに始まっていた。

 先を急ぐブチャラティは路面の変化に首を傾げた。雨も降っていないのに、なぜか路面に多数の水たまりができているのだ。視線を横に向けると火事でもないのに消防車が何台も集まっている。周囲の消火栓からは水が垂れ流しになっていた。

 異様とまではいかないが違和感を覚える光景に、ジョルノとなのはは情報にあったスタンド使いの能力を思い浮かべた。親衛隊に所属しているスクアーロという男のサメ型のスタンド──クラッシュは水面を媒体に出現する。この道はクラッシュにとって絶好の条件が整っている。

 

「ブチャラティ! この道は何か妙だ。別の道を選ぶべきですッ!」

「──ッ!? キング・クリムゾンッ!」

 

 このまま進むのはマズイと判断したジョルノの忠告を受け入れたブチャラティがハンドルを切って別の道を進もうとしたが、少しばかり判断が遅すぎた。すでに車の周囲は多数の水たまりに囲まれている。

 一際(ひときわ)大きな水たまりに潜んでいたクラッシュは、銃座から上半身を出しているジョルノに狙いを定めていた。銃座に取り付けられている機関銃ごと、人間の上半身ぐらいならもぎ取れるサイズとなったクラッシュがジョルノを喰らうため飛び出してきた。

 助手席に座っている承太郎では時間を止めても間に合わないと判断したなのはが、ジョルノの体をキング・クリムゾンで掴んで時間を飛ばす。ジョルノを車内に引きずり込むと同時に、機関銃ごと銃座がクラッシュにえぐり取られた。

 

「進行ルートを先回りしてきたのか……しかも水たまりから水たまりへジャンプして、どんどんこっちに近づいているぞッ!」

「もっと加速してください! このままじゃあ、追いつかれてしまうッ!」

 

 リアガラス越しに後方から迫るクラッシュの姿を視認したなのはとジョルノが、ブチャラティに車の速度を上げさせようと叫んでいる。ブチャラティもアクセルペダルを奥まで踏み込んで限界まで速度は出しているが、クラッシュの移動速度のほうが速かった。

 抵抗虚しく車に追いついたクラッシュが無理やり停車させるために、タイヤを破壊しようと車体の下から強襲を仕掛けてきた。攻撃によって左後輪がえぐり取られて車体が傾いた──ように見えたが、すぐさま車はバランスを取り戻し再び進み始めた。

 

「馬鹿なッ!? 確実にクラッシュは後輪に喰らいついたぞッ!」

「落ち着いて、スクアーロ。まだ攻撃のチャンスは残っているはずです」

 

 少し離れた位置に停まっている車の中からクラッシュを操作していた相棒とお揃いのバンダナを巻いた男──スクアーロが驚きのあまりハンドルを叩いている。助手席に座っている褐色肌の男──ティッツァーノがスクアーロをたしなめている。

 クラッシュは確実に後輪に噛み付いていた。大きさも十分あったので、そのままえぐり取ることも十分可能だったはずなのに失敗した理由。それは密かに『亀』から抜け出してスタンド能力を発動させていたトリッシュのおかげだった。

 

「攻撃される瞬間だけ、車体の後部を柔らかくしたわ。そして、あのスタンドが離れると同時に能力を解除した。少しだけ減速してしまったけど、これなら何も問題はないッ!」

 

 スパイス・ガールで柔らかくした物体は決して破壊されることはない。キラークイーンやザ・ハンドのような破壊そのものが能力になっている場合は別だが、物理的な攻撃で破壊するのは不可能だ。

 車体が傾いたのは後輪ごと車体の後部が柔らかくなった結果、前後のバランスが崩れたからだ。しかし、地面と擦れる部分はスパイス・ガールの能力で柔らかくなっていたため車体は無傷である。

 

「……今確認したが、さっきまで停まっていた消防車がこっちに向かってきている。どれだけ逃げても、水を撒かれたらこっちが不利だ。誰かが迎撃しなければ、移動手段を破壊されてしまうぞ」

 

 承太郎がスタープラチナの望遠鏡並みの視力を使って後方から近づいてきている消防車を発見していた。乱戦になれば、クラッシュは恐ろしいまでの戦闘力を発揮する。水の中に噛み付いた相手を引きずり込める相手を無視するのはリスクが高い。

 誰かが車を降りなければならない。バックミラー越しに車内にいるメンバーを見ているブチャラティは、誰を向かわせるか悩んでいた。考え込んでいるブチャラティが判断を下すよりも先に、トリッシュが鏡越しにブチャラティの瞳を見つめ返した。

 

「あたしがアイツらの相手をするわ。それが最善の選択のはずよ」

「トリッシュ……? きみは、何を言っているんだ。連中は親衛隊なんだ。きみを問答無用で殺せる相手なんだぞッ!」

「それでも……ッ! あたしはギャングじゃあないけど、それでもブチャラティたちの仲間なのよ。だから、あたしも『正しい』と思った道を貫かさせてもらう!」

 

 なのはは黙ってトリッシュの選択を聞いていた。そして、トリッシュの瞳の中に杜王町で共に戦った仲間たちと同じ黄金の輝きを見出していた。こうなっては気絶でもさせない限りトリッシュを止められないだろう。

 後部の扉を開けて車外に飛び出そうとしているトリッシュを、なのはは引き留めようと思えなかった。ブチャラティの制止を無視して、囮になろうとしているトリッシュに、なのはは言葉を贈ることにした。

 

「わたしはトリッシュの考えを尊重する。だが……もし、勝ち目がないと思ったら逃げてもいい。だから、絶対に生きて帰ってこい。おまえには、伝えなければならないことが残っている」

「……ええ、わかったわ。それじゃあ、また後で会いましょう!」

 

 時速100km近い速度で動いている車から飛び降りたトリッシュは、地面を柔らかくしてクッションのようにして無傷で着地した。トリッシュは覚悟を決めていたが、一人で敵に立ち向かうことに少しだけ心細さを感じていた。そんな彼女に声をかける者がいた。

 

「おいおい、一人だけ突っ走ってるんじゃあねえよ」

「アバッキオッ!? どうして、あなたまで車を降りているのッ!?」

「どうして、か。どうしてだろうな。オレはおまえと大して親しくもない。守る義理なんてねえんだが……どうしてか見過ごせなかったんだ」

 

 アバッキオはトリッシュと接点はあまりない。それなのにアバッキオがトリッシュを追いかけて車から飛び降りていたのは、純粋な守ってやりたいという感情だった。それは、かつて警察官を目指していた頃にアバッキオが心の中に抱いていた感情だ。

 アバッキオは生意気そうな子供が嫌いだが、子供そのものを毛嫌いしているわけではない。心の奥底には、かつての正義の心が今も残っている。裏と関わりのない一般人のはずのトリッシュの覚悟を見て、アバッキオは衝動的に行動していた。

 道路の中央で話し込んでいるトリッシュとアバッキオの目の前に消防車が停まった。二人の戦いが今まさに始まろうとしている。




誤字脱字、表記のぶれ、おかしな日本語、展開の矛盾を指摘していただける国語の先生をお待ちしております。

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