旅をする凄腕の女剣士は、襲い来る悪漢達を見事な剣捌きで倒していく。
全ての悪漢を倒し、鞘に刃を納めた女剣士は旅を続ける。
旅の途中で女剣士が立ち寄った町の茶屋では、茶屋を営む母親とその娘が元気に働いていた。
茶屋で、お茶と団子を注文して待っていた女剣士。
「注文されたお茶と団子です、ゆっくりしていってくださいね」
茶屋の母親が女剣士にお茶と団子を渡して快活に笑う。
元気に働いている茶屋の母親を見ながら、茶屋で穏やかに過ごす女剣士も僅かに微笑んだ。
女剣士が茶屋で静かな一時を過ごしていると、茶葉を買いに行った娘が帰ってこないことに気付いた茶屋の母親。
慌てた様子で駆け込んできた町人が「娘さんがガラの悪い奴等に連れ去られていくところを見たって奴がいるらしい!」と茶屋の母親に言った。
「私の娘は、何処に連れ去られたの!?」
町人が後ずさる程の迫力で言う茶屋の母親に、動揺しながらも町人は詳しい状況を語り出す。
娘が町外れの場所にまで連れ去られたことがわかり、いてもたってもいられない様子の茶屋の母親。
そんな茶屋の母親を安心させるように、茶屋の母親の肩に優しく手を置いた女剣士。
「貴女の娘は、拙者が必ず助け出してみせよう」
力強く言い切った女剣士は、町外れへと駆けていく。
町外れで現れたガラの悪い男達を相手に剣を振るっていく女剣士の剣に、迷いはない。
ガラの悪い男達の頭目が槍を持って女剣士に襲いかかったが、槍による突きを潜り抜けて回避した女剣士が槍を半ばから剣で断ち切って、返す刃で頭目を斬る。
全ての敵を倒した女剣士が縄で縛られていた娘を助けると、娘は町外れまで来ていた茶屋の母親の元まで駆けていった。
抱きあう茶屋の母親と娘を見て、優しい顔で微笑んだ女剣士。
その場面で、女剣士が主役のこの時代劇は終わりとなる。
華道を教えるお花の先生は結婚して義理の母親となった。
母親と年齢が近い義理の娘と母親の関係は最初、親子関係というよりも姉妹関係に近かったらしい。
それでも義理の娘に対して母親として接していこうとする真面目な義理の母親。
どんな時も真っ直ぐな義理の母親は、義理の娘の母親になろうと努力していたことは間違いない。
そんな義理の母親のひたむきさに根負けする形で、娘は義理の母親を母親として認めたようだ。
「お母さん」
娘が義理の母親のことをそう呼んだ時、義理の母親は物凄く嬉しそうに微笑む。
とても美しい義理の母親の微笑みは、まるで花が咲くような微笑みだった。
その日から義理の母親と娘は、親子になれたのかもしれない。
姉妹のような関係から母娘の関係に変わった2人は、仲良く母と娘として過ごしていく。
穏やかな義理の母親と娘の関係を映したこのドラマは、それで終わりとなった。
まるで太陽のような母親を中心にして、家族は生きている。
母親に振り回されるようなことがあっても、それが幸せだと感じてしまう程に好かれていた母親。
そんな母親はトロピカルフルーツが大好きで妙に詳しい。
「マンゴーは原産地のインド北部では6千年も昔から栽培されていたのよ。葉は長い楕円形で、多数の小花をつける常緑喬木で、大きさは10mから30mくらいにまで大きくなるの。果実は品種によって、0.1kgから1.5kgになって、偏平な勾玉状になったり卵形になったりするわ」
トロピカルフルーツについて物凄く詳しくて、語り始めると長い母親は、1度話し始めると全く止まらなかった。
透き通るような美しい声で語られていくマンゴーに関する知識達。
「マンゴーの果実の皮の色は、黄色に赤紫色など色々あるけど、中身の色は基本的に黄色ね。糖分やビタミンAが豊富だけど大きい種も入っているわ。だけど未熟な身は、うるしを含んでいるのよ。だから早まって食べると口がかぶれてしまうから、マンゴーを食べる時は気を付けましょうね」
それからも時おりトロピカルフルーツについて語る母親は、とても楽しそうにしているようだ。
「パパイアは数年で2mから8mになる常緑小低木で、掌状に裂けた葉はゾウの足跡よりも大きいのよ。花は葉っぱの根元に生じて、適温の25度から30度であれば1年中咲いているわ」
パパイアについても語る母親は、とても楽しそうであり、誰も止めるものはいない。
ずっと聞いていたくなるような美しい声で語られるパパイアに関する知識。
「パパイアの果実は品種によって0.3kgから6kgまで大きさが違って、球形や長球形と様々な形になるの。実の中身も黄色に橙色や赤色になるのもあるわね。パパイアの果実はビタミンCやビタミンAが豊富なのよ。未成熟な身はタンパク質分解酵素のパパインを含んでいるから、肉類にまぶすと肉が軟らかくなるのよね」
すらすらと淀みなくパパイアに関する知識を披露する母親は、まるで植物図鑑のようである。
トロピカルフルーツのマンゴーにパパイアと続いて、最後はキウイについて話し始める母親。
「キウイは猫が喜ぶマタタビの仲間なのよ。中国のオニマタタビが20世紀初め頃にニュージーランドに渡って改良されたものがキウイね。蔓性の落葉樹で、葉は楕円形で花は白色なの」
誰もが聞いていたくなるような母親の美しい声で語られていくキウイに関する知識。
「キウイの果実は5cmから8cmの卵形で、こげ茶色の短い毛が表面に生えているけど、中身はビタミンCが豊富な果実ね。外見がニュージーランドにいる翼のない鳥であるキウイの後ろ姿に似ているけれど、果実のキウイの中身は、とても綺麗なエメラルドグリーンをしているのよ」
楽しそうに語り終えた母親が満足気に笑う顔が見たくて、トロピカルフルーツについて語る母親を家族が止めることはない。
母親が笑顔であれば家族の皆も笑顔である、幸せな家庭がそこには存在していた。
しかし子どもを庇って母親が亡くなると、太陽のような母親を失った家族は暗く淀んでしまう。
いつも楽しく自分達を振り回してくれた母親が、もう居ないことを受け入れられない家族達。
家庭が完全に崩壊するかと思われた時、家族は母親が遺した手紙を発見する。
その手紙には、もし自分が死んでしまっていたら読んでくださいと書かれていたようだ。
息子には、夢を諦めないようにと息子を励ます言葉がしっかりと書かれていて、読み上げられた言葉を聞いていた息子は「母ちゃん」と言って熱くなった目頭を押さえていた。
娘には、綺麗なお嫁さんになって幸せになってほしいと母親としての願いが込められていて、読み上げられた言葉に「お母さん」と言いながら娘は涙を流す。
夫には、私のことを覚えていてくださいね貴方、と妻としての言葉が遺されていて「忘れるもんか」と泣きそうな声で言った夫。
家族ひとりひとりに言葉を遺していた母親の言葉を読み上げる家族は、しっかりと母親の想いを胸に刻んだ。
最後に、私が居なくても皆はきっと幸せになってね、ずっと私はそう思っているから、お母さんとの約束よ、と書かれていた母親からの手紙。
俯いていた顔を上げた家族達は母親の遺した言葉で立ち直ることができたらしい。
それでこの舞台は終わりとなる。
ウルトラ仮面と対峙するもう1一人のウルトラ仮面であるアナザーウルトラ仮面。
ウルトラ仮面を禍々しく生物的なデザインに変えた姿をしているアナザーウルトラ仮面に圧倒されたウルトラ仮面は手痛い敗北をすることになった。
ウルトラ仮面に変身する力もアナザーウルトラ仮面に奪われてしまい、変身が解けてしまったウルトラ仮面はボロボロになりながらもなんとか逃げ延びる。
道端で力尽き、倒れ込んだウルトラ仮面を発見して介抱した喫茶店を営む母親。
目を覚ましたウルトラ仮面は、敗北して変身する力も失ってしまったことで心が折れかけていた。
「戦う力を失った僕は、もう、皆を守ることはできないかもしれません」
そんなウルトラ仮面に紅茶を用意した喫茶店の母親は、ウルトラ仮面を真っ直ぐな眼差しで見ながら言葉をかけていく。
「貴方は戦う力があったから戦ってきた訳じゃないでしょう。皆を守りたいと、助けたいと思っていたから戦っていた筈です」
喫茶店の母親の言葉を静かに聞いているウルトラ仮面に、届くことを願って、言葉は更に続いた。
「今日まで貴方が選んで進んできた道が間違っていたと、決して私は思いません。正しい道を貴方は進んできました」
ウルトラ仮面に親身に寄り添って言葉を発していく喫茶店の母親。
「挫けそうになることも、折れそうになることもあるかもしれません。それでもまた立ち上がれる強さを、きっと貴方は持っていると私は信じています」
穏やかな笑みを浮かべながらウルトラ仮面を励ます言葉を言っていく喫茶店の母親は、確かにウルトラ仮面の心を動かしていく。
「私達は生まれてから、いずれ死ぬまで生きなくてはいけません。だからこそ瞬間瞬間を必死に生きているんです」
力強い言葉でウルトラ仮面に語りかけていく喫茶店の母親は、ヒーローを奮起させる言葉を言った。
「もしも誰かが助けてほしいと、助けを求めていた時、貴方はどうしますか。私の知っている貴方なら、どうするかは決まっている筈ですね」
「助けに行きますよ。誰に言われたからでもなく、僕がそうしたいと、そうするべきだと思ったからです」
「さっきよりも良い顔になりましたね。これならもう大丈夫そうで安心しました」
「ありがとうございました。僕は行きます」
「無事に帰ってきてくださいね。常連さんが居なくなると寂しいですから」
「僕は生きて、また紅茶を飲みに来ます。だから、待っていてください」
「待っていますね」
立ち直ったウルトラ仮面が喫茶店を出ていく姿を見送った喫茶店の母親。
変身していない生身の状態で敵の基地に潜入したウルトラ仮面は、生身で戦いを続けていき、捕まっていた人々を助け出す。
基地の奥で、失われていたとされていた試作品の変身アイテムを発見したウルトラ仮面。
アナザーウルトラ仮面は試作品の変身アイテムを元にして作り出されたという情報を知ったウルトラ仮面は、試作品の変身アイテムを持っていくことにした。
基地の内部で再び対峙することになったウルトラ仮面とアナザーウルトラ仮面。
「力を失ったお前に何ができる」
嘲笑うかのように言い放ったアナザーウルトラ仮面の言葉にも、折れることなく前を向いたウルトラ仮面は、試作品の変身アイテムを構えて叫んだ。
「たとえ何度挫けても、何度折れそうになっても、僕は何度だって立ち上がって戦うんだ!変身!」
試作品の変身アイテムでウルトラ仮面ゼロに変身し、アナザーウルトラ仮面に突撃していくウルトラ仮面ゼロ。
眩い光を放つウルトラ仮面ゼロの拳と、禍々しく紅く輝くアナザーウルトラ仮面の拳が激しくぶつかり合った。
「吹けば飛ぶような、か細い人間を何故守る!」
アナザーウルトラ仮面の言葉に、迷いなくウルトラ仮面ゼロは言葉を返す。
「瞬間瞬間を必死に生きている大切な命を奪わせたりはしない!」
喫茶店の母親の言葉を思い出しながら答えたウルトラ仮面ゼロは、強い想いの込められた拳をアナザーウルトラ仮面に連続で叩き込んでいった。
「消えて無くなれぇぇぇぇぇ!」
アナザーウルトラ仮面は叫びながら構えた両手から紅く禍々しい光線を放つ。
高く高く跳躍してそれを避けたウルトラ仮面ゼロが、足に力である光を集中させて飛び蹴りを繰り出していく。
腕を動かして光線の軌道を変え、ウルトラ仮面ゼロに向けて光線を放ったアナザーウルトラ仮面。
放たれていく紅く禍々しい光線を砕きながら飛び蹴りの体勢で突き進んでいくウルトラ仮面ゼロの足が強い光で輝いた。
アナザーウルトラ仮面に叩き込まれたウルトラ仮面ゼロの光を纏う飛び蹴りによって、アナザーウルトラ仮面は爆発して消滅。
酷使された試作品の変身アイテムも粉々に砕けてしまったが、アナザーウルトラ仮面が居た場所から飛び出した光が、ウルトラ仮面に近付いてくる。
ウルトラ仮面が光に触れると、光はウルトラ仮面への変身アイテムへと姿を変えた。
力を取り戻したウルトラ仮面は日常に戻っていき、喫茶店へと顔を出す。
「紅茶をお願いします」
「はい、ちょっと待っていてくださいね」
紅茶とケーキを用意して、ウルトラ仮面が待つテーブルに運んでいく喫茶店の母親。
「ケーキは頼んでいませんが」
「無事に帰ってきてくれたからサービスです」
ケーキがあることに戸惑っていたウルトラ仮面に、笑顔で喫茶店の母親は言った。
穏やかな日常が帰ってきたことを噛み締めていたウルトラ仮面だったが、そんな穏やかな日常は長くは続かない。
突然騒がしくなった喫茶店の外には、見たこともない新たな怪人が現れているようだ。
手早く料金を支払ったウルトラ仮面は、急いで喫茶店から飛び出していく。
「変!身!」
変身して、怪人と対峙するウルトラ仮面が映されて、劇場版のウルトラ仮面は終わりとなった。
「石杖ママが沢山出演していてファンとしては嬉しい限りだわ」
石杖綱吉が出演していたものを連続で見て、とてもテンションの高い朝野市子。
「どれも良かったけど、劇団天球の舞台のお母さんと、劇場版ウルトラ仮面の喫茶店のお母さんが特に良かったわね」
劇団天球の舞台を実際に生で見てから、劇場版ウルトラ仮面も実際に観に行き、発売された舞台のブルーレイと劇場版ウルトラ仮面のブルーレイを即日に購入していた朝野市子は、改めて映像作品として観てみた感想を言っていた。
「これはファンとして石杖ママの素晴らしさを布教しなければ」
保存用と観賞用に合わせて布教用も買っていた朝野市子は、知り合い全員に布教するつもりらしい。
ちなみに布教された知り合い全員は意外と布教された作品が面白かったと思ったようで、布教してきた朝野市子にオススメの作品を聞きに行ったようである。
ファンとして布教が成功したことに朝野市子は、とても喜んだ。