気が向いたら更に続きを書きます
劇団天球の舞台に参加することになった石杖綱吉は、やっぱり母親の役をやることになる。
明神阿良也に「石鹸の匂いがする」と言われた石杖綱吉は、稽古で優しい母親の役を見事に演じて、劇団天球の面々に母親のことを思い出させていた。
「臭く思わないのに気になる匂いって初めてだ」と石杖綱吉に興味を抱いた明神阿良也。
「今日石杖の家行っていい?」と言い出した明神阿良也に戸惑いながら「この人は、いつもこんな感じなんですか?」と近くに居た劇団天球の面々に石杖綱吉は聞く。
「気になる共演者がいると阿良也は、いつもそんな感じだよ」と劇団天球の面々に言われて、明神阿良也という人は独特な人なんだなと石杖綱吉は思っていた。
まあ、付きまとわれるよりかは招き入れた方がダメージは少なそうだと判断した石杖綱吉は、明神阿良也を連れて家まで帰ると2人分の食事を用意する。
手早くオムライスを作った石杖綱吉に、色々なことを聞きながら、オムライスを食べていった明神阿良也は、このオムライス美味いなと思っていたりもしたようだ。
石杖綱吉は答えられる質問には答えていきながら、ケチャップで汚していた明神阿良也の口元を優しく拭いていく。
色々と世話をされながら「石杖はさ、どうやって母親の役をやってるの?」と聞いた明神阿良也。
「どんな時も想像力を働かせて、その時に相応しい母親の姿をしっかりと考えてから、母親という役に入って演じてますよ」と答えた石杖綱吉。
「そうなんだ。俺とは違うね」と言った明神阿良也は「おかわり」と言って皿を差し出す。
またオムライスを作った石杖綱吉は、おかわりのオムライスを食べ終えた明神阿良也に「デザートにプリンが作ってありますけど食べますか?」と聞いてみた。
「良いね、貰うよ」と答えた明神阿良也に、冷蔵庫から取り出したプリンを提供した石杖綱吉。
ちょっと大きめのプリンも食べ終わった明神阿良也が「じゃあね石杖、また明日」と言うと石杖綱吉の家から立ち去っていく。
それからしばらく何日か石杖綱吉の家に飯を食いにきた明神阿良也の役づくりは、成功したようだ。
劇団天球と共に舞台上で母親の役を演じた石杖綱吉は、誰が見ても母親だと思える演技力で、優しい母親としての芝居をこなした。
役を終えて、舞台から下がった青田亀太郎が石杖綱吉のことを思わず母ちゃんと言ってしまう程に素晴らしい演技をした石杖綱吉。
三坂七生が、この人はお母さんだと思ってしまう程、優しい母親の役を完璧以上に演じきった石杖綱吉は、母親の役を終えて舞台から下がり、明神阿良也の演技を見ていく。
憑依型カメレオン俳優と言われる明神阿良也が、たった一人で、僅かな一瞬で、観客を虜にする純粋な演技力による力技を見せた。
本能的な心の芝居を、身体を使って観客に表現する術を熟知している明神阿良也の芝居を見て、確かな力があると石杖綱吉は感じたようだ。
カーテンコールで全員で挨拶しにいく時に、誰が石杖綱吉の隣になるかでちょっと争った劇団天球。
大人気だったお母さんの隣は、三坂七生と明神阿良也がゲットしたらしい。
劇団天球での仕事を終えて去っていく石杖綱吉を見ていた明神阿良也が「母親ってあんな感じなんだね」と寂しそうに呟いていて、他の劇団天球の面々も少し寂しそうにしていた。
そんな劇団天球の面々に、巌裕次郎が「いい加減切り替えろ、手前等」と言いながら近くに居た青田亀太郎の頭を勢いよく小突く。
「普通に痛い!」と言って倒れた青田亀太郎を見て笑った劇団天球の面々だった。
CMで、受験勉強を頑張る息子の為に夜食を作って部屋に持っていく母親の役をやることになった石杖綱吉。
それは30秒のCMであり、勉強を頑張る息子が映ってから、夜食を作る母親の姿が映されて、皿に載った夜食のおにぎりと味噌汁を机の端に置き、微笑む母親で終わりとなるCM。
息子役には18歳の俳優が使われていたが、歳下の石杖綱吉が母親役をやっていることに誰も違和感を感じることはない。
CM撮影は無事に終わり、今度は映画の仕事が入る。
悪の組織と戦っている主人公である息子が、母親を人質に取られそうになったところで、実は強かった母親があっさりと悪の組織の手下達を倒していくという場面を石杖綱吉が演じていく。
元傭兵であった強い母親を演じた石杖綱吉は、凄まじい迫力がある演技を見せた。
母親が強いことに説得力を持たせる石杖綱吉の演技力は素晴らしいものであり、カットされることなく全て撮影されたようだ。
そんな母親の演技を見ていた監督に「是非とも映画の続編に参加してほしい」と頼まれるほど石杖綱吉は気に入られたらしい。
映画の続編の撮影は来年からになるようで、予定が入っていないことを確認した石杖綱吉は「母親の役であるなら参加します」と監督に言った。
「石杖くんには今回と同じく、主人公の母親役を頼むから、何も問題ないね」と笑顔でサムズアップした監督。
ちょっとテンションが高めの監督であるが、嫌いではないと思った石杖綱吉。
映画で出番のある場面の撮影も全て終わり、撮影をしていた場所から立ち去ろうとしていた石杖綱吉に、映画の主人公役の俳優から花束が渡される。
「お疲れ様でした。またお母さんと共演できる時を楽しみにしています」と言って笑った主人公役の俳優。
「ありがとうございます」と感謝をして花束を受け取り笑顔を見せた石杖綱吉は「こちらこそ続編で共演できる時を楽しみにしています」と言いながら一瞬だけ、映画の主人公の母親の顔を見せた。
その顔を見て、石杖綱吉が主人公の母親の役を再びやってくれるなら、映画の続編は素晴らしい作品になりそうだと主人公役の俳優は思ったらしい。
石杖綱吉の次の仕事はドラマの撮影であり、夫が息子に虐待まがいの稽古を行っているところを止めようとするが止められず、追い詰められていき、夫に似ている息子に煮え湯を浴びせてしまう母親という役をやることになる。
最初は息子を護ろうとする母親の姿を見せていき、徐々に精神的に追い詰められていく母親の姿を見せるという難しい芝居を難なくこなした石杖綱吉。
煮え湯を息子に浴びせてから我にかえり、悲痛な顔で息子に謝る母親という壮絶な役をやり遂げた石杖綱吉の迫力は凄まじいものがあったようだ。
石杖綱吉の迫力が凄すぎて息子役の子役がガチ泣きしていたこともあり、本当に煮え湯を浴びせられたんじゃないかと思われるほどに迫真の演技を見せた息子役の子役は石杖綱吉に演技を引き上げられていた。
今回のドラマの最後に「お母さんがおかしくなったのは、お前のせいだ」と憎悪に満ちた顔で父親役に言い放つ息子役の子役は、演技力が向上していたらしい。
そのドラマでは父親に憎悪を抱いたまま成長した息子役を別の役者が演じることになり、病院に入院している母親役を石杖綱吉が演じることになる。
定期的に母親に会いに行く息子の顔には火傷の痕が残っていて、それを見る度に罪悪感を感じる母親を見事に演じた石杖綱吉。
そんな母親を笑わせようと頑張る息子を演じた役者は、本当にこの人を笑わせてあげたいと思いながら演技をしていて、それは確かに石杖綱吉に伝わっていた。
涙を流しながら笑う母親を演じた石杖綱吉を、とても儚く美しいと誰もが感じていたようだ。
撮影されたドラマがテレビで放送されていくと父親絶対許せねぇという声が多かったようである。
父親役を演じた役者は「実際に嫁さんできたら大事にしますよ」と弁明しなければいけないことになり、物凄く困っていたらしい。
そんなこともありながら、オフの休日にパソコンで自分の名前を検索してみた石杖綱吉は、石杖綱吉ママにオギャるスレというスレッドを発見。
しかもpart300であり、そのスレッドが長く続いていることを理解した石杖綱吉は、オギャるの意味がいまいちわかっていなかったがスレッドを覗く。
色々と凄いことが書かれていたスレを見なかったことにした石杖綱吉は、パソコンを閉じた。
気分転換に散歩にでも行こうと考えていた石杖綱吉の家の呼び鈴が鳴り、玄関を開けてみると明神阿良也の姿がある。
何の用かと思っていたら「オムライス喰わせて」と言ってきた明神阿良也。
どうやら明神阿良也は、石杖綱吉が作るオムライスが食べたくなって家まできたらしい。
それからオムライスを作っていった石杖綱吉は、明神阿良也が満足するまでオムライスを作ることになった。
まあ、料理が気分転換にはなったかと思った石杖綱吉は明神阿良也を怒ったりはしない。
満足して去っていった明神阿良也は「やっぱり石杖は母親っぽい」と思っていたようだ。
誰かの世話をしている石杖綱吉は本当に母親であるかのように見えていたからだろう。