クアンタの活躍をもっと見たかった男の妄想   作:二兎

1 / 3
 はじめまして。
 
 長編は続けられると思えないので、思いついたネタ短編をぽつぽつ投稿しようと思います。
 
 どうぞよろしく。


クアンタの活躍をもっと見たかった男の妄想

 

 1、転生オリ主の理由

 

 

 その男は、ガンダムが好きだった。

 

 様々なモビルスーツがぶつかり合う様は、いくつになっても彼のロマンを刺激する。

 

 シリーズごと、ファーストからAGEまで、それぞれが魅力的で素晴らしい。

 

 新しいガンダムが放映されるたび、彼は心を踊らせ続けた。

 

 そんなシリーズ全般を愛している男が、近年取り分け熱中したのが機動戦士ガンダム00だ。

 

 他のシリーズに比べここが良い、あそこが悪いなどと優劣を比較するわけではなく、ただ単純に彼の好みにど真ん中の作品が00だったのである。

 

 モビルスーツのデザイン、キャラクター、世界観、全てを愛していた。

 

 近年多くのガンダムファンから好評を博した新シリーズ、ビルドファイターズに00のモビルスーツが登場した時には、年甲斐もなく狂喜しTVに齧りついていた程だ。

 

 

 そんな彼が、ビルドファイターズの世界に転生した。

 

 理由はわからない。

 

 前世からどうして今のような状況に陥ったのか、記憶も曖昧だ。

 

 ただ気が付けば彼は、イラブ・ソラという名で、ガンプラバトルの普及する世界の日本に生きていた。

 

 そして、生まれ変わった自身の見た目が、刹那・F・セイエイに酷似しているのを鏡越しに確認できた時、彼の中で固まった決意がある。

 

 

 『ビルドファイターズ原作の全国大会に武力介入しよう』

 

 

 言葉としては物騒ではあるが、とにかく彼は思ったのだ。

 

 自身もガンダムを、ガンプラを愛する一人として、原作キャラたちと鎬を削り合いたいと。

 

 何よりもこの世界ならば、彼が前世から抱き続けた一つの夢も叶うだろうと考えた。

 

 

 その夢とは、一機のモビルスーツを思う様戦わせる事。

 

 劇場版00に登場する主役機、ダブルオークアンタ。

 

 真なるエクシアの後継機のようにも思え、彼が惚れ込んだ機体。

 

 

 対話の為の機体というコンセプト故に、その有り余る戦闘能力を映画館のスクリーンでは発揮しきれなかったガンダム。

 

 もちろん、彼も理解しているのだ。

 

 クアンタという機体が、00という作品のテーマや、主人公刹那の導き出した答をこれ以上ない程に体現した機体である事も。

 

 劇場版でのクアンタの活躍が、これまでのストーリーを反映した最善の解である事も。

 

 だからこそ、彼もクアンタというモビルスーツが好きだという一面だってある。

 

 だがそんな想いの反面、それでもクアンタの戦闘がもっと見たいという願いもあった。

 

 

 その願いが、このビルドファイターズの世界ならば叶う。

 

 対話の為のガンダムではなく、ビルダーとして、ガンプラバトルの頂点を目指す為の愛機としてならば、何憚る事なくクアンタを活躍させられるのだ。

 

 

 そう思いたった時から彼は、イラブ・ソラは走り出した。

 

 ガンプラバトル世界大会を目指した彼の戦いが始まったのである。

 

 

 

 

 2、世界大会までのあれやこれや

 

 

 最初にブチ当たった壁は、原作の事情だった。

 

 前世が絡んでいるだろう、いわゆる版権問題。

 

 

 この世界、何故か00はファーストシーズンまでしか存在していないのだ。

 

 彼の目指す劇場版のクアンタどころか、ダブルオーライザーのキットすら発売されていなかった。

 

 その癖、原作キャラのリカルド・フェリーニが駆るフェニーチェのメテオホッパーがオーライザーのパーツに酷似したナニカを使用していたりと、納得のいかない部分はあったが仕方ない。

 

 無いものは無いのである。きっと大人の事情というやつであろう。

 

 もとより、その程度の障害で立往生する覚悟でソラは走り出してはいない。

 

 無いのなら造れば良いじゃないとばかり、近所で町工場を営むガンプラ好きの同志を見つけ、巻き込み、フルスクラッチである。

 

 この同志。通称おやっさんは、どこか00のメカニック、イアンを彷彿させるだけあり凄腕だった。

 

 ソラとおやっさん、二人の飽くなき情熱と試行錯誤の末、フルスクラッチのエクシア、そして後継機ダブルオーガンダムと、次々と産み出されては改良が加えられていく。

 

 目指すはダブルオークアンタ。

 

 出会いから世界大会本選出場まで、ソラとおやっさんは、信頼できるパートナーとして二人三脚で歩む事になる。

 

 

 さて、機体の問題が解決して一安心と思いきや、それだけで勝ち抜ける程甘くないのがガンプラバトルだ。

 

 おやっさんのガンプラが高性能だからこそ、それを操るソラのビルダーとしての未熟さがより顕著に浮き彫りになった。

 

 作中、イノベイターへと覚醒し最強のパイロットへと成長した刹那と同じく、クアンタを操るのなら、それに相応しいビルダーになるべきだとソラは考える。

 

 しかし現状、エクシアにすら振り回され、トランザムすらまともに使いこなせないソラが、クアンタを駆るなど、夢のまた夢である。

 

 強くなる為に、誰かに師事するべきだろうか。

 

 そう思い悩むソラを救ったのも、これまたご近所さんだった。

 

 

 ノハラ・ヒロシ。

 

 元ガンプラマフィアという異色の経歴をもつサラリーマン。

 

 今は、妻であるミサエとの結婚を期にカタギに戻った冴えない容貌のマイホームパパではあるが、その実力は本物だった。

 

 本人曰く、ガンプラバトルが好きで好きでたまらない、人間のプリミティブな衝動に準じて生きる最低最悪な人間。との事で、彼に教えを請う度にソラとそのガンプラは容赦なく叩きのめされ、しかしその分だけソラはビルダーとして確かに成長していった。

 

 ノハラ・ヒロシは素晴らしい先達だったのである。

 

 そして、そのヒロシと同じく、ライバルにも恵まれたともソラは思う。

 

 それは、仮面の変態なビルダーだったり、大型新人声優なビルダーだったりと多岐に渡るが、彼らとのガンプラバトルの全ても、ソラは己が糧として心に刻み、強くなった。

 

 

 そう、クアンタを操るに足る程にだ。

 

 

 『ソラ、お前は優勝しろ。予選にすら出場できなかった俺のかわりに……』

 

 

 ソラと同じくガンプラ世界大会優勝の夢を追い求めながら、ソラのお隣に住む美少女外国人フェルトちゃん(12)に手を出しかけて今は警察のお世話になっているロックオフ兄貴にも、面会時にそう言われた。

 

 様々な人達の想いの果てに、ソラは明日、決戦の地静岡へと赴く。

 

 

 (そうだ、俺は優勝する。出場できなかったロックオフの為にも)

 

 

 決意を新たに、ソラは自身のガンプラ、エクシアRと、ダブルオーライザーに視線を向けた。

 

 造りあげては壊し、また造り、共に戦ってきた愛機達だ。

 

 

 「ここまで、ありがとう」

 

 

 感謝を告げる。

 

 おやっさんが言うには、クアンタも調整完了が間近との事だ。

 

 ネックだった最初から完全同調可能なツインドライブも、ヒロシより免許皆伝祝いにと、つい最近もたらされた、プラフスキー粒子の結晶体により解決した。

 

 なんでも、マフィア時代に忍び込んだ先にあった巨大な結晶体を少し拝借したとは、ヒロシ本人の談である。

 

 が、使い途もないのでと渡されたそれを、原作知識を持つ故に有用性を知るソラが手に入れた意味は大きい。

 

 その結晶体を二つに削り出した球体アリスタを内蔵する事で、ガンプラを超えるガンプラ、ダブルオークアンタが完成したのだから。

 

 

 さあ、行こう。

 

 イラブ・ソラ、現在高校二年生。

 

 ガンプラ世界大会に、転生オリ主の旋風が巻き起ころうとしていた。

 

 

 

 

 3、クアンタ無双、その始まり

 

 世界大会予選第二ピリオド。

 

 突如として表れた1/48ザクⅡからの執拗な攻撃を受け、セイとレイジのスタービルドストライクは窮地に陥っていた。

 

 通常の火力をものともしない怪物を相手に、事ここに至っては出し惜しみをしている場合ではない。

 

 ディスチャージシステムによる最大火力で、あの巨大なザクを打倒する。

 

 そう結論したセイ達に応えるように、フェリーニのウィングガンダム・フェニーチェが、ヤサカ・マオのガンダムX魔王が、時間を稼ぐ為に巨大ザクに挑みかかっていく。

 

 レイジもまた、ディスチャージシステムの展開の為、機体を操作して…………

 

 

 

 その直後だ、空が割れたのは。

 

 

 

 轟音と共に天より降ってきたのは、光の柱。

 

 そうとしか形容ができない程の、どこか神罰めいたエネルギーの塊。

 

 その極光は、いとも容易く巨大なザクを飲み込み、溶かし、跡形も無く消し去った。

 

 

 『なんですの、あれは!?』

 

 

 マオの呆然とした声が、通信機越しにセイの耳に響く。

 

 セイと同じく、その声に我に返った皆が、空を見た。

 

 セイが、レイジが、フェリーニが、マオが、ニルスやメイジン・カワグチまでも、否、その極光を目にした全ての者が、光の降ってきた先に目をやった。

 

 

 

 “降臨”。

 

 

 そんな言葉が多くのビルダー達の脳裏を過る。

 

 光の粒子を撒き散らし、セイ達を睥睨するかの如くに、その機体は悠然と空に佇んでいた。

 

 白と青を基調とした、スリムな姿形でありながら、漲る力強さが否が応にも伝わってくる。

 

 どこかエクシアを彷彿とさせるその立ち姿に、セイは息を飲んだ。

 

 

 『エクシア?……いや、違う』

 

 

 武装が違う。

 

 細部のデザインが違う。

 

 何より放出する粒子量の桁が違う。

 

 恐らくはスタービルドストライクなどと同じオリジナルのカスタム機だ。

 

 しかも、とてつもなく洗練された。

 

 だって、あれは完成している。調和している。

 

 00の作品世界にそのまま放り込んでも、何一つ違和感を感じさせない程の美しい出来栄えは、オリジナルの機体とはとても思えなかった。

 

 

 『び、ビルダー名は!?』

 

 

 急いで登録選手の情報に目を走らせれば、そこにあったのは、

 

 

 『イラブ・ソラ。……ダブルオークアンタ?』

 

 

 セイ達自身と同じ、初出場の少年の名前。

 

 確か、放送が待たれる00セカンドシーズンの主役機ダブルオーガンダムを、その放送を待たず自分で造ってしまった酔狂で有名なビルダーだった筈だ。

 

 ならば、今目の前にあるあのガンプラは、その改修機だとでもいうのだろうか?

 

 

 『ダブルオーガンダム。世界を変える機体……』

 

 

 そんなセリフが意図せぬままに、セイ自身の口から溢れた。

 

 沸き上がったのは、恐怖に似た感情だ。

 

 不可解なエネルギー量の多さもさることながら、それ以上に得体の知れない凄みをあの機体からは感じる。

 

 それは、セイだけでなく、レイジも、他のビルダー達にも感じ取れた確信。

 

 

 今大会、間違いなくあの機体が台風の目になる。

 

 

 第二ピリオド終了のブザーが鳴ると同時、空へと帰っていく規格外のガンプラを、出場選手の全てが、最大の脅威と認識した瞬間だった。

 

 

 

 クアンタの伝説が始まる。

 

 

 

 

 

 4、おまけ バスライをブッ放した経緯

 

 

 「第二ピリオドでやっとクアンタをお披露目できるな、おやっさん!」

 

 『とは言っても初出撃だ、不安もある。いいかソラ、トランザムは使うなよ!』

 

 「了解。トランザムッ!」

 

 『ちょ』

 

 

 直後、エネルギーを持て余してるところにちょうど良い的(巨大ザク)を見つけた模様。

 

 

 「素晴らしいネタフリを前に我慢できなかった。今は反省している」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 私はガンダム作品全て好きですが、中でもXと00が好きです。

 ビルドファイターズ発表された時の、X魔王にはマジ痺れました。

 そんなビルドファイターズでならきっとクアンタもフルセイバーしてくれる筈。

 そう思って書きました。

 ちなみにこの世界でのクアンタはソラ君の造ったさいきょーのガンダムって感じで周りから認識されてます。

 一応、クアンタTUEEEEモノですが、量子化しようとバ火力で攻めようと、何故かビルドナックルを攻略できる未来が切り開けそうにないので短編でお茶を濁しました。

 アイラ辺りなら粒子過剰放出による目眩ましで完封できるかもしれない。


 そこそこ読めたよ。とか、クソつまんねぇ。とか、どんな形であれ感想貰えれば泣いて喜びます。



  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。