男の少ない世界で、王子様系女子と仲良くなる話   作:岳鳥翁

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気が向いたときにおもいついたまま書くだけのやつですがよろしくお願いします


第1話

 気づいたら男の数が少ない世界に生まれなおしてたって話聞きたい?

 

 なんてどこの誰かも知らない誰かに語り掛けるように、内心で呟いてはみるものの、そんなものに答える奴なんてどこにもいないため以下割愛。

 周りの女子の視線が少しばかり気まずくなっているが故の現実逃避であるが、数少ないクラスメイトの男子たちもこんな気持ちになっているのだろうか。

 

「なんだ女子ども! 不躾な視線を向けるんじゃない! まったく、これだから女子は獣なんだ……」

 

 そういう君も、いきなり立ち上がってそんなこと言うもんじゃないよ。と、そういえたらいいのだが、残念ながらそう思っているのは先程立ち上がって叫んだ神崎君以外もそうなのだろう。

 というか、前世の価値観がある俺こそが異端ともいえる。

 

 たしか……男女比が1:10とかだったか? 

 俺も前世である程度そういう作品を読んではきたが、やはりというかなんというか、貴重な男子は蝶よ花よと育てられるためみんなあんな感じなのだ。

 

 一言でいえば傲岸不遜、唯我独尊、酒池肉り……は違うな。絶対に。

 

 ともあれ、まあこれは仕方なかったりもする。

 なんせ性犯罪に巻き込まれるのは基本男子だし、男が少ない影響なのか女は男に飢えていたりする世界だ。

 優しい性格だと、食い物にされるのが目に見えているため、親の教育もあってああなるのだ。

 

 まあそこら辺の話はよく分からないのでおいておこう。じゃあ俺はどうなの? という話だが、前世の知識とかもろもろあってそこらへんには馴染めないながらも処世術でどうにか、といったところだ。

 

 最初のころは「よーし! 俺もハーレム作るぞー!」とか宣ってたけど、この世界の女……特に年齢が上がるほど男に対する飢えがヤバいということを身をもって知ったため、いろいろ警戒しながら慎重にやってきた15年間だ。

 

 簡潔に言うと

 

 どんな世界か調査しよう! → こっそり家を脱出 → 女共「かわいい男の子(フリー)発見!」 →おいかけっこ

 

 といった感じだな。

 うん、あれはヤバかったわ! たぶん中身がこんなんじゃなければトラウマだっただろう。特に、年齢が上の奴とか目がヤバかったわ。もう逝ってたね! 神崎君の言ったように獣と言っても過言ではない。

 

 結局家の人たちに保護されてめちゃくちゃ怒られたが、あれはあれでやってよかった経験だともいえる。てか、あれなかったら俺いつまでも勘違いしたままだったかもしれん。

 

 そんなわけで、この世界の女の危険性を知りながらも、前世の経験からいまいち神崎君のようになりきれない自分が誕生した、というわけだ。

 

 

 さて、話を戻そうか。

 

 現在俺は共学である私立金剛高校へと入学。

 中学……てかこの前までは自宅学習だったのだが、国の法律によって男子はみんな15歳、高校生に当たる年齢からは学校に通うことを義務付けられている。

 これは出生率を危惧した政府が、男と女の交流の場を設けるために、と設定した法律である。

 

 制定当時はひと悶着あったそうだが……まぁそれも関係ないので割愛だ。

 

 とにかく、そういった理由で入学したのがこの金剛高校である。

 いちおう、全国でも名高いエリート高校とされている。がしかし、それは大部分を占める【女子】に限った話であり、俺たち男子は政府からの推薦で何の苦労もすることなく入学できる。

 

 こんな話を好んで読む諸兄らには容易く予測できることだろうが、共学認定されている高校はそういったエリート女子しか入れないようになっているし、男子がいることがステータスでもある。

 

 嫌ぁな言い方をすれば……俺たち男子は餌、景品、あるいは着飾る装飾品だな。

 ま、楽にエリート校には入れるからそれは構わない。

 

 ともかく、そうしたよくある話だと考えてくれればだいたいの理解はOKだ。

 

「そ、それでは皆さん! じ、自己紹介でもしましょう!」

 

 神崎君の怒声で少々雰囲気の悪くなった教室だったが、担任らしき女性がそういって場を和ませようとする。

 だが、そんな彼女の気遣いさえも気に入らなかったようで神崎君は舌打ちをし、そのまま教室を出て行ってしまった。

 前世基準で考えれば本来あり得ない行動なのだが、この学校において男子は『来てあげている』側なのでこういう振る舞いもOKとされている。

 まあ男子にとっては別に来たくもない場所に、法律だからという理不尽な理由で来ているのだ。

 

 やりたくもないことをさせられ、そのうえで女性の視線に晒されるのだからいい気はしないのだろう。

 

 そんなわけで、クラス44人のうち男子が4人のこのクラス。

 神崎君が出て行ってしまったことで、俺以外の二人もそれに付き添うような形で出て行ってしまった。

 だが、俺はそんな奴らとは違って、この教室に残る……なんてことはせずに一緒に席を立って教室を出ることにした。

 

 理由は簡単。

 まず一つ、確実に注目の的になるのに居座るわけがない。

 二つ、そんなことをすれば俺が世にも珍しい女性に甘い男だと勝手に思われるため、今後の学生生活が大変になること。

 三つ、数少ない男子にお前は女子に甘いから、とハブられてしまえば、上記と同じく今後の学生生活が大変になるから。

 

 まあ今あげるとすればこんなものだろう。

 

 「あ、あの~!」と泣き顔で呼び止めようとする担任の女性教師には申し訳ないと思いつつ、さてどこに行くかと思案する。

 神崎君たちはどうやらもう帰るらしく、校門前まで迎えが来ているようだった。

 

「お前はどうするんだ、如月。せっかくなら、家の者に一緒に送るよう命令しておくが……」

 

「ああ、大丈夫大丈夫。俺も今から連絡して迎えに来てもらうから。心配ありがとうな」

 

 俺の返答に、「そうか」と頷いた神崎君。

 

「なに、数少ない男子仲間だ。あの女共に何かされるようなら言え。我が神崎家が全力をもって排除するよう動いてやる」

 

「いやぁ~ありがとうね。いささか、過剰な気もするけど」

 

「構わん。古来から、女共はそこまでせんと学ばないからな」

 

 ではな、と他二名を引き連れて行った神崎君。

 同じ男子が相手だとすごく優しいんだけどなぁ……と思いつつ、俺も時間まで学校探索などして暇をつぶそうと歩き出す。

 

 ん? そんなところでぶらついて襲われないか?

 そこは大丈夫。

 というのも、学内ではそれをした瞬間に即退学。死ぬような思いをして手に入れた男子との学校生活を、一時の快楽で失うリスクには変えられないだろう。

 それに、学生時代を男子とともに過ごしただけでもこの世界では結構なステータスとなる。

 

 仮に、その一時の快楽に負けることがあったとしても男子にはそれぞれ自己防衛の道具の所持が許されている。もし仮に俺を襲えば、この隠し持った高電圧警棒【ビリビリマックス君危機一髪】が火を噴くことになる。

 

 反撃喰らったうえに、高校生でも容赦なく退学アンド犯罪者として豚箱直行なのだ。

 

「……ん?」

 

 そんな感じで、ぶらぶら~と校内を散策していると、校舎裏で面白いものが見れた。

 

 簡単に言えば、女子に群がる女子の群れ……だろうか。

 中心にいる背の高い女子が数多の女子を侍らせているような構図。

 

「あー……あれか、王子様系ってやつ」

 

 前世でもそういうキャラクターが出て来る話ってあったなー程度に考える。

 でも確かに、男子の少ないこの世界においてはああいった女子はモテるのだろう。

 

 面白い学校だなぁと考える。案外、この学校に来たのは間違いじゃなかったのかもしれない。

 

 そうだな……あの女子の様子を見に学校に来るのも悪くはないのかもしれない。

 

「夏秋様、お迎えに上がりました」

 

「うん、ありがとーね。じゃあ、よろしく」

 

「はっ! この命に代えましても!!」

 

「大げさだなぁー」

 

 




話進んだ?
……進んでませんねぇ!

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