視力矯正のため麻沙音が眼鏡を買うお話です。
時系列は文乃アフターで学園に在学中且つ学年はそのままの設定です。
★場所:橘家
【麻沙音】
「……あぁ~食った食った、やっぱ文乃の飯は美味いね。奈々瀬さんほどじゃないけど」
【淳之介】
「作ってもらっておいて比較するようなこと言っちゃめーでしょ」
【麻沙音】
「まあこうして作り置きしてくれるだけでもありがたい話だけどね」
【美岬】
「そうですね~。やはり文乃ちゃんはデキる女! いや、デキる主婦! ですね!」
【淳之介】
「どっちでもいいけどなんで当たり前のように家にいるの?」
【麻沙音】
「……うわっ! びっくりした……! いるの全然気づかなかった……」
【美岬】
「えっ? さっき麻沙音ちゃんの唐揚げ1個もらったじゃないですか」
【麻沙音】
「嘘だろ……まったく分かんなかった……。道理でなんか食い足りないと思ったけど」
【淳之介】
「いずれにしろ人の食いもの勝手に取るな」
【麻沙音】
「なんなんだ急に表れたと思ったら今頃初期のステルスキャラ活かして食料の強奪か? いっそのこと家の食料にしてやろうか不味そうだから焼いたら即廃棄だけど」
【美岬】
「脂が乗ってて美味しいブヒよ……!」
【麻沙音】
「なんで得意げなんだこのZ1ランク豚は」
【淳之介】
「そんな等級はないんだぞ」
【美岬】
「あの、ところで文乃ちゃんはどうしたんですか? 奈々瀬さんやわたちゃんもいませんけど」
【麻沙音】
「文乃は本島のほうに買い物。食器類を買いに行くとかなんとか。奈々瀬さんは家の用事で今日は来れないんだとさ。わたちゃんは……どうしたんだっけ、兄?」
【淳之介】
「全国模試を受けてるんじゃなかったか? 3年生は今の時期は受験勉強で忙しいからな。礼先輩も『明日の模試やだ~! この前買ったSbitchのゲームがしたいよ~!』とか昨日言ってたぞ」
【麻沙音】
「子どもか?」
【美岬】
「わたちゃんと同じ大学を受験されるんですよね? けっこうレベル高いはずなんですけど……。よくこの時期にゲーム買おうと思えますね」
【淳之介】
「あの人どこぞの野球バカ並に勉強嫌いだからなぁ……」
【美岬】
「なんにせよ、奈々瀬さんたちは今日来れないんですね。じゃあ、お昼も食べたことですし、久しぶりに3人でマタブラでもやりませんか?」
【麻沙音】
「家主をさておいて勝手に決めんじゃねぇよ気高い女騎士のテンプレを吐かせるぐらい徹底的にボコってやるからな後悔すんなよ」
【美岬】
「くっ、殺せ……!」
【淳之介】
「フライングするな」
【麻沙音】
「……ま、洗いものは後でいいでしょ。やろ、兄」
【淳之介】
「俺は構わないが……アサちゃん大丈夫か? 昨日また夜遅くまでネトゲやってたんだろ? 眠くないのか?」
【麻沙音】
「平気平気、てか違うから。PCの調子悪かったからメンテしてたら朝になってただけだし」
【淳之介】
「そうか……。いつも言ってるが、ちゃんと電気つけてやれよ? 目悪くするぞ」
【美岬】
「確かにちょっと心配ですね。暗い中でブルーライトを浴びると視力が落ちるとかなんとか」
【麻沙音】
「あーもうだから平気だっつーの! いいからコントローラ寄越せ! 早くやんぞこら!」
【淳之介】
「妹が元気で兄は嬉しいぞ」
【美岬】
「その感想はおかしくないですか?」
【淳之介】
「アサちゃん、ステージはランダムでいいか?」
【麻沙音】
「あいあい、お好きにどうぞ。どうせ私が勝つし。その辺は雑魚二人にお任せしますよ」
【淳之介】
「本当に生意気な妹だな……そういうところ兄としてはちょっと心配だぞ」
【美岬】
「さっきと言ってること違うじゃないですか」
【淳之介】
「しっかしなんのキャラ使おっかなぁ……。ソ〇でも使ってみるかな……」
【美岬】
「とりあえず私はガ〇ンで」
【淳之介】
「美岬それ好きだよな」
【美岬】
「同じ重量級としてシンパシーを感じるのかもしれませんね……!」
【淳之介】
「ガ〇ンが可哀想」
【麻沙音】
「…………」
【淳之介】
「……アサちゃん? どうした?」
【麻沙音】
「……ん、あぁ。いや、なんか画面がぼんやりするというか……なぁんかいまいち見えないんだよな」
【美岬】
「えっ……それって……」
【淳之介】
「ほら、やっぱり視力落ちてんじゃないのか?」
【麻沙音】
「心配しすぎ。別にこのくらい大丈夫だって。……それより、私はいつものとおりピカ〇ュウな。二人も早く――」
【美岬】
「それリ〇クですよ」
【麻沙音】
「…………あっ」
【淳之介】
「もうキャラどころかカーソルすら見えてないじゃん」
【美岬】
「…………麻沙音ちゃん、やっぱり見えてないんじゃ……」
【麻沙音】
「…………マジかあぁー……」
【美岬】
「うーん……これだとまともにゲームできませんねぇ」
【淳之介】
「この分だとPC触るときも不便じゃないか? そのままだと作業しにくいと思うぞ」
【美岬】
「そうですねぇ。このままだとおま〇ことアナルの区別がつかなくなるかもしれませんよ?」
【淳之介】
「視力が落ちたからといってそうはならなくないか……?」
【麻沙音】
「…………」
【麻沙音】
「……仕方ない。……兄」
【淳之介】
「どうした?」
【麻沙音】
「……今日からアサちゃんは眼鏡デビューすることに決めたよ」
【淳之介】
「……!!」
【美岬】
「ほ、ホントですか!? 麻沙音ちゃんが眼鏡ですか……! 見てみたいですね……!!」
【麻沙音】
「多分このままじゃゲームだけでなく生活にも支障出そうだしね、背に腹は代えられないってことで」
【淳之介】
「……そうだな。じゃあ今から眼鏡買いに行くか」
【美岬】
「たしかショッピングモールに眼鏡屋さんありましたよね? そこに行きましょうか」
【麻沙音】
「なんでお前もナチュラルに来ようとしてんだお呼びじゃねぇんだよすっこんでろ大人しく留守番を――」
【淳之介】
「早まるな麻沙音。よく考えろ」
【麻沙音】
「……は? 何をよ」
【淳之介】
「――こいつを家に一人にしたら、うちの食料が跡形もなく消え去る」
【麻沙音】
「――ま、まずいじゃん!! おい、前言撤回だ! 太り親方も来い! 私の眼鏡選びに協力してもらうからな!」
【淳之介】
「……というわけだ、美岬。一緒に……来てくれるな?」
【美岬】
「私も怒るときは怒るんですよ?」
★場所:島内 ショッピングモール
【麻沙音】
「――へぇ、この島にも立派な眼鏡屋があったんだねぇ」
【美岬】
「青藍島唯一の眼鏡屋だったと思いますよ? ここ以外では見たことありませんね、たしか」
【淳之介】
「俺も一回ここで買ったことあるからな。眼鏡歴も長いし、なんか困ったことがあったら教えてやるからな」
【麻沙音】
「それはありがたいけど……しっかし、なんなの……この店名……」
【美岬】
「……? 『
【麻沙音】
「ここまできたら一回怒られたほうがいいと思うよ」
【淳之介】
「ほら、いいから中入るぞ」
【麻沙音】
「……いろいろあるね」
【美岬】
「ここの眼鏡屋はお洒落なものが多いことで有名ですからね。私たちぐらいの若者の嗜好に合うような眼鏡が豊富なんですよ」
【淳之介】
「最近の眼鏡は凝ってるからなぁ。フレームを限界まで軽量化したのもあるし」
【麻沙音】
「そういや兄の眼鏡ってこん中でいうどれなの?」
【淳之介】
「多分……これかなぁ。オーバル型の。いかにも定番のってやつだけど」
【美岬】
「淳之介くんの眼鏡のフレームって黒色ですけど……あんまり面白くないですよね。もっと他にもイカした色あるじゃないですか。なんでそんなに地味なんですか?」
【淳之介】
「今更フレームの色でディスられるとは思ってなかったよ」
【麻沙音】
「……で、なにが流行ってんの? このライトフレームってやつ?」
【淳之介】
「あぁ、そのシリーズがさっき言ったやつ。フレームがかなり軽くなってるから、長時間掛けても耳と鼻が痛くならないし、頭の締め付けもかなり弱い。悪くないと思うぞ」
【麻沙音】
「可愛い色多いですからね。麻沙音ちゃんに似合うの、きっとあるんじゃないでしょうか」
【麻沙音】
「じゃあ、この……赤の入った茶色のやつとか…………ど、どう?」
【美岬】
「お、いいですね! いつもの間抜けな雰囲気と打って変わって、とても知的な感じがして素敵ですよ!」
【淳之介】
「アサちゃんは他の追随を許さないレベルの陰キャだからな……てっきり芋くさくなるものだとばかり思ってたが、いいじゃないか! 似合ってるぞ、麻沙音!」
【麻沙音】
「一度貶さないと褒めらんねぇのか?」
【淳之介】
「だがいきなり最有力候補だな。値段も1万いかないくらいだし、悪くない」
【美岬】
「他にも試してみましょうか。……麻沙音ちゃん、こっちの眼鏡はどうですか?」
【麻沙音】
「……さっきのよりレンズがちょっと丸いけど」
【淳之介】
「フレームも一部オレンジが入っててカッコ良さそうじゃないか。掛けてみろよ」
【麻沙音】
「…………」
【美岬】
「…………あの、これ」
【淳之介】
「…………どっかで見覚えあると思ったら」
【麻沙音】
「……副会長の人のだよね、これ」
【淳之介】
「あぁ、水引ちゃんだ。どうみても今のお前は水引ちゃんだ」
【美岬】
「ですよね。なんかデブ感じるなと思いまして」
【淳之介】
「デジャブな」
【麻沙音】
「……さすがに被るのはあれなので止めときます。他に良さそうなのないかな」
【美岬】
「このメタルタイプでスクエア型のはどうです? フレームがシルバーで――」
【淳之介】
「シュウくんのじゃねぇか。アサちゃんには無理だろ」
【麻沙音】
「へぇ、どれどれ」
【美岬】
「あ、掛けるんですね」
【麻沙音】
「…………」
【美岬】
「……死ぬほど似合いませんね」
【淳之介】
「想像以上に……ひどいっ……! ごめんな! ……麻沙音っ!」
【麻沙音】
「あの人とあんま話したことないけど私よりそっちに失礼だかんな?」
【淳之介】
「…………」
【美岬】
「……淳之介くん? どうしました?」
【淳之介】
「あぁ、いや。このハーフリムの眼鏡、どっかで見覚えあるなと思って」
【淳之介】
「たしか…………あっ! 師匠のだ! 師匠の眼鏡だ!!」
【麻沙音】
「あーなるほど……たしかにこれマサオのだね。うっすら見覚えあるよ」
【美岬】
「あの人もここで買っていたんですかね」
【麻沙音】
「少なくとも私には合わないね。というかこういう眼鏡って男がよく掛けるもんじゃない?」
【美岬】
「たしかに。女性でこのタイプの眼鏡掛けてる人、あまり見ませんね」
【淳之介】
「俺、これ買おうかな」
【麻沙音】
「私の買い物だっつってんだろ予算オーバーだろうが」
【美岬】
「麻沙音ちゃん、こっちの丸眼鏡はどうですか?」
【麻沙音】
「えぇ……。丸眼鏡って芸能人とかがつけるからカッコいいんであって、私みたいなパンピーがつけてもダサいだけだろ」
【美岬】
「偏見がひどいですね」
【淳之介】
「いいと思うぞ? 女子の丸眼鏡はちょっと大人っぽく見えるから、案外アリじゃないか?」
【麻沙音】
「じゃあ…………ほら、どうよ? 微妙だろ?」
【美岬】
「あー……残念ですけど、ちょっと思ってたのと違いましたね……」
【淳之介】
「無理してる感が出ちゃってるな。やっぱ止めとこう」
【美岬】
「奈々瀬さんなら似合いそうじゃありません? 元々大人っぽいビジュアルですし、デキる女感ありそうで!」
【麻沙音】
「そうだよ私なんかより奈々瀬さんみたいなパーフェクトウーマン向けの眼鏡なんだよわかったか反省したらそれ買って奈々瀬さんにプレゼントしろオラ」
【淳之介】
「さっき予算オーバーって自分で言わなかった?」
【美岬】
「うーん……だとしたらこっちのリムが太いクラシックのはどうですか? 黒とオレンジが入り混じった柄でお洒落じゃありません?」
【麻沙音】
「レンズも大きいしいいね。デザインも良さげだし、全体的に割と好き」
【淳之介】
「若いOLが掛けてそうな眼鏡だな。長く使うんだったらそれも良いかもな」
【麻沙音】
「…………どう?」
【美岬】
「少しレンズが大きめって気もしますけど、今まで試した中だったら似合う方ですね。かっこいい大人女子感があると思います」
【淳之介】
「新木〇子みたいだな」
【麻沙音】
「やっぱ芸能人じゃん」
【美岬】
「どの眼鏡でもそれっぽくなるものなんですかね」
【淳之介】
「……それで、色々試してきたが、麻沙音的にはどれがお気に入りだ?」
【麻沙音】
「今試したこの黒オレンジのやつと…………最初のやつかな」
【淳之介】
「あの赤茶眼鏡か。俺はあれが一番似合ってたと思うぞ」
【美岬】
「私もそう思います。色合い的にも麻沙音ちゃんに合ってましたし、掛けててまさに『これだ!』って感じでしたよ?」
【麻沙音】
「……じゃあ、あの赤茶眼鏡にする」
【淳之介】
「決断早いな。いいのか? 他の眼鏡も見てみなくて」
【麻沙音】
「別にいいよ。そんなにこだわりあるわけじゃないし」
【麻沙音】
「それに、二人が似合うって言うなら多分間違いないでしょ」
【淳之介】
「……そうか。後悔するなよ?」
【美岬】
「これでNLNSにまた一人眼鏡キャラが増えましたね!」
【淳之介】
「俺って眼鏡キャラだったの?」
【麻沙音】
「あ、その前に。……ねぇ、兄。この眼鏡ってブルーライトカットのレンズ入ってるの? よく分かんないんだけど」
【淳之介】
「店員さんに言えばたしか入れてもらえるはずだぞ。店員さんに持っていって聞いてみろ」
【麻沙音】
「あ、そう。了解」
【CH!NS店員】
「……こちらの眼鏡ですね。先に視力測定を行いますので、こちらのほうにお願いします」
【麻沙音】
「はーい……」
【美岬】
「そういえば先に視力測るんでしたね」
【淳之介】
「……美岬、さっきから眼鏡のこと知ってるような口ぶりだったけど、持ってるのか?」
【美岬】
「伊達なら一応持ってますよ? 眼射プレイ用とアナニー用のを持ってます!」
【淳之介】
「アナニー用の眼鏡って何?」
【美岬】
「この島の住民にとってプレイ用の眼鏡は必須ですからね……!」
【淳之介】
「初耳だわ」
【美岬】
「文乃ちゃんとそういうプレイやらないんですか? ……あ、でも淳之介くんの射精だとレンズ割れちゃうので駄目ですね」
【淳之介】
「否定できないのが誠に遺憾」
【美岬】
「でも眼鏡って”良い”ですよね……。普段裸眼の人が急に眼鏡し出したら、ギャップが出るといいますか」
【淳之介】
「それは分かる。NLNSもそうだが、SSの3人が眼鏡かけてるとこ見てみたいな」
【美岬】
「郁子ちゃんが眼鏡したら真面目な雰囲気出そうですね。会長さんは社長秘書みたいなイメージです」
【淳之介】
「礼先輩はいかにも会社の上司って感じだな! 『おい、またミスしてるぞ! まったく、使えん部下だな……!』って感じで!」
【美岬】
「今とあまり変わらなくないですか?」
【麻沙音】
「……おーい。終わったぞ」
【淳之介】
「おぉ、どうだった?」
【麻沙音】
「ちょっと値は張るけどブルーライトカットレンズは無事入れてもらうことになった。度数も強め。いやぁー……思ったより目悪くなってたね」
【美岬】
「……ちなみに、視力のほうは?」
【麻沙音】
「…………0.2。両目とも」
【美岬】
「えっ。マジですか」
【淳之介】
「お前……今までよく裸眼で生活できたな」
【美岬】
「そうですよ。授業のとき黒板見るの大変じゃありませんでしたか?」
【麻沙音】
「そもそも聞いてないから。視力関係ないし」
【美岬】
「あの、私が言えたことじゃないですけど…………進級大丈夫ですか?」
【淳之介】
「本当にお前が言えたことじゃないな」
【麻沙音】
「お前もだよ」
【CH!NS店員】
「……番号札、1919番の橘様!」
【麻沙音】
「あ。ちょっと会計してくる」
【淳之介】
「わかった」
【美岬】
「明日は奈々瀬さんたち橘家に来れるんでしたっけ?」
【淳之介】
「たしかそのはずだが」
【美岬】
「せっかくですので、麻沙音ちゃんの眼鏡姿のお披露目会といきましょう!」
【淳之介】
「あぁ! あいつらの反応が楽しみだな!」
【美岬】
「ついでに私も伊達眼鏡持ってくるので、ダブルでお披露目ですね!」
【淳之介】
「麻沙音の邪魔すんな!! 舐めてんのかテメェ!!」
【美岬】
「……ここ、店内ですよ?」
【麻沙音】
「……ん? どした? 『親方は豚である』みたいなトートロジーが聞こえた気がしたんだけど」
【美岬】
「聴力測定も受けたほういいですよ」
■翌日
★場所:橘家
【奈々瀬・ヒナミ・文乃】
「「「おぉー……!!」」」
【麻沙音】
「……ど、どうですか?」
【文乃】
「……とても似合っているかと存じます」
【ヒナミ】
「いいね! 似合ってるね! 知的女子って感じだね!」
【奈々瀬】
「いいわねぇ……! すっごく可愛いわよ、アサちゃん!」
【麻沙音】
「いやいやそれほどでもぉえへへへ……!」
【淳之介】
「せっかくの眼鏡なのに顔が台無し」
【美岬】
「でも、好評なようでなによりです。これで似合わないなんて話になったら私たちのセンスが悪かったってことになりますからね」
【麻沙音】
「よく分かんねぇけど、そもそも兄のセンスは褒められたもんじゃねぇだろ。服とか」
【淳之介】
「なっ……! あのシャケTの良さがわからんとは、とんだ愚妹め……! 別に悪くないよな、みんな!」
【奈々瀬】
「…………」
【美岬】
「…………」
【ヒナミ】
「…………そ、そうだな……?」
【文乃】
「生地は大変よろしいかと。……生地は」
【淳之介】
「ほら見ろ! 文乃もそう言ってるだろ!」
【麻沙音】
「4分の3にも耳を傾けろ」
【美岬】
「なんにせよ、これで兄妹そろって眼鏡ですね!」
【奈々瀬】
「……こうして見ると、あんたたち兄妹の印象、だいぶ変わるわね」
【ヒナミ】
「逆に淳くんがメガネ止めたらどうなるのかな?」
【麻沙音】
「あったしかに。NLNSに眼鏡キャラ二人いるのもあれだし……おい兄。今日から眼鏡なしな」
【淳之介】
「ちょっおい! 人の眼鏡取るな! それけっこう高かったんだぞ!」
【美岬】
「麻沙音ちゃん! 私、淳之介くんの眼鏡かけてみたいです! ちょっと貸してくれません?」
【麻沙音】
「脂べっとりつきそうだけど別にいいぞ」
【美岬】
「やった!」
【淳之介】
「おい勝手に掛けるな! 脂がべっとりつくだろ!」
【美岬】
「そろそろ私怒ってもいいと思うんですよ」
【奈々瀬】
「…………」
【文乃】
「…………奈々瀬さん?」
【ヒナミ】
「どーしたの奈々瀬ちゃん? 淳くんのほう見てぼーっとして」
【奈々瀬】
「……ううん、なんでも。ほら、淳の裸眼ってそんなに見かけないから、ちょっと新鮮だなーって……」
【文乃】
「…………」
【ヒナミ】
「あっ! わかった! さては奈々瀬ちゃん、裸眼の淳くんに見惚れてたな?」
【奈々瀬】
「なっ……! ちょっとわたちゃん、なに言ってるの! そんなわけ……!」
【美岬】
「わかりますよ奈々瀬さん……! 淳之介くんの裸眼、”良い”ですよね……!」
【奈々瀬】
「だ、だからそういうつもりじゃ……!」
【麻沙音】
「照れてる奈々瀬さんも素敵ですぅ……!」
【美岬】
「でも、奈々瀬さんが淳之介くんのこと、そこまでやらしい目で見てたなんて思ってもいませんでしたね? …………ふふっ。奈々瀬さんったら、案外むっつりなんですねぇ」
【文乃】
「……そうだったのですか?」
【奈々瀬】
「ふっ、文乃まで……! むっつりなんかじゃ、ありませんし? ……それに、別に見惚れてなんか――」
【淳之介】
「なんだ奈々瀬、そうだったのか? そんなに俺の裸眼が好きなら今後からコンタクトにしてやろうか?」
【奈々瀬】
「視覚奪うわよアンタ」
【淳之介】
「そんな脅しある?」