ノアのIT俱楽部   作:黒桐饅頭

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EP2. 音声変換

★場所:LALEオフィス

 

【妙花】

「……なぁ、今日の夕飯はどうする?」

 

【伊栖未】

「なぁなんか作ろうかなーと、思ってたけど」

 

【柊一郎】

「昨日伊栖未が冷蔵庫の中ぜんぶ食い荒らしてたからもう食料なかったと思うけど」

 

【伊栖未】

「うっ……――!!」

 

【妙花】

「手前のキャラはどこに向かってんだ」

 

【柊一郎】

「作るなら性交マートへ買い出しに行かないと」

 

【妙花】

「だな。責任とって行ってこい」

 

【伊栖未】

「はぁい……柊一郎も、いっしょに来て」

 

【柊一郎】

「…………」

 

【妙花】

「……? どうした?」

 

【柊一郎】

「……行きたくない」

 

【伊栖未】

「え。なぁ、なんで」

 

【妙花】

「荷物役の男手がいるだろうが。甘ったれんじゃねぇ」

 

【柊一郎】

「気持ちの問題とかじゃなく……”行けない”、が正しいかもしれない」

 

【妙花】

「……どういうことだ?」

 

【柊一郎】

「オレの声、もう完全に”男”のそれだから。むかしに比べて低くなったでしょ」

 

【伊栖未】

「あっ……そっか。もう女装しても、声で、バレる危険性が高い」

 

【柊一郎】

「声色には気をつけてるけど、この前出かけた時も周りに少し怪しまれてたし……このまま外に出るのは危ないと思う」

 

【妙花】

「なるほどねぇ……となると、それはそれで策を講じねぇと――」

 

【割り込みレッド】

「――そこで私の出番というわけです。任せてください」

 

【妙花】

「…………」

 

【柊一郎】

「と言いますと」

 

【ノア】

「柊一郎の声が本格的に男性化してきた時点でこの問題には感づいていたので、あらかじめ私のほうで策を打っておいた、ということです」

 

【柊一郎】

「その策とは」

 

【ノア】

「……これです」

 

【柊一郎】

「……バッチ?」

 

【ノア】

「ただのバッチではありません。その名も――”バッチ型変声機”です!」

 

【柊一郎】

「…………」

 

【ノア】

「…………」

 

【柊一郎】

「かっこいい……!」

 

【ノア】

「でしょう!」

 

【妙花】

「分かりやすくパクリだな」

 

【伊栖未】

「な」

 

【ノア】

「それを喉元近く……胸のちょっと上あたりに付けて、何かしゃべってみてください」

 

【柊一郎】

「はっらめオラそーれ」

 

【聞いたことある女声】

『はっらめオラそーれ』

 

【柊妙未】

「――――!!!!」

 

【ノア】

「どうやら……性交したようですね」

 

【妙花】

「……ノア、いまの声は……」

 

【伊栖未】

「そ、ソフりん」

 

【ノア】

「ご明察。これはお姉ちゃんの声をベースにした変声機です」

 

【柊一郎】

「へぇ……面白い」

 

【妙花】

「姉の声を勝手にボイスチェンジャーに組み込む妹って怖くねぇか?」

 

【伊栖未】

「さわさり」

 

【ノア】

「今の時代、音声データさえあればそれをベースとした変声機がすぐに作れるんですよ」

 

【ノア】

「で、お姉ちゃんのwavファイルがいくらか――おそらくエクサバイト以上――あったので、AIに学習させて開発しました」

 

【妙花】

「HDDだけ購入費用がバカみてぇな額になってんのは手前のせいか」

 

【柊一郎】

「でもクオリティは高かった」

 

【伊栖未】

「たしかに、完全にソフりんの声に……しかも、柊一郎がしゃべって即変換、された」

 

【ノア】

「今の技術なら10msec以下のレイテンシーで音声を変換できるので、ほぼリアルタイムの発声になるんですよ」

 

【ノア】

「ちなみに学習の仕組みは、対象音声(ソフりんの声)と元のボイス(柊一郎の声)をセットに、特徴量および時系列データを抽出し、機械学習でモデル化して――」

 

【ソフりんボイス柊一郎】

『おイカレ法師とかんぴょう大納言がよぉおおおお!!』

 

【たえちー】

「あははははははっ!!」

「えへっ、えへっ、えへっ……!!」

 

【ノア】

「聞け」

 

【ソフりんボイス柊一郎】

『でもこれ、オレ以外の誰かがバッチ付近でしゃべったらその人の声もソフりんになっちゃうんじゃないの』

 

【ノア】

「…………」

 

【ソフりんボイス柊一郎】

『恍惚としてないで聞いてほしい』

 

【ノア】

「……え? あぁそれはですね、柊一郎の声のみを入力として受け付けるよう設定しているので、その心配はいりません」

 

【ノア】

「あと、バッチの裏にスイッチがあるでしょう? それで変声機のON/OFFを切り替えられますので」

 

【柊一郎】

「……あ、本当だ」

 

【ノア】

「というわけなので、今後はそのバッチを付けて外出してくださいね、柊一郎」

 

【妙花】

「いや、ちょっと待て」

 

【ノア】

「待ちましょう」

 

【伊栖未】

「素直」

 

【妙花】

「ここで使う分にはいいが、まんまソフりんの声で外を歩くってのはちと問題があんじゃねぇか?」

 

【伊栖未】

「……うん。本物(ソフりん)もたまに青藍島に遊びに来るし、周囲が混乱する可能性、ある」

 

【柊一郎】

「あとどこかに怒られそう。わかんないけど」

 

【妙花】

「要はソフりんに迷惑がかかるかもしれねぇってことだ。聞き入れろ、ノア」

 

【ノア】

「……仕方ありませんね。では音声ベースをどうするか、ちょっと話し合いましょう」

 

【柊一郎】

「了解」

 

【伊栖未】

「うぃ」

 

【妙花】

「それはいいけどよ、結局買い出し……夕飯はどうすんだ?」

 

【NSC1期生】

「”射精前戯姦(で〇えかん)”にしよう(しましょう)」

 

【妙花】

「…………」

 

【ノア】

「まだ現役らしいのできっとすいすい来てくれますよ」

 

【妙花】

「コメントは差し控えさせてもらう」

 

 

 

   ◆

 

 

 

【ノア】

「――……さて、どうしましょうか」

 

【柊一郎】

「本人の声そのままなのが問題なわけだから、ちょっと音域を変えるとか」

 

【ノア】

「お姉ちゃんの声に手を加えるなんてこの私が許すわけないでしょうがぁ!!!!!!」

 

【伊栖未】

「”んほぉ”並の声量」

 

【妙花】

「鼓膜が破れる」

 

【柊一郎】

「じゃあソフりん以外をベースにしないと」

 

【ノア】

「私たち三人……は、当然アウトですね。あまりにも身近な人間の声となると、周囲からしたら不自然でしょうから」

 

【妙花】

「それにいくら調整したとしても、アタシらが気分的になぁ……」

 

【伊栖未】

「ほぉ、ほとんど自分の声を聞くことになるから……正直、うっとおしい」

 

【柊一郎】

「なるほど」

 

【ノア】

「畢竟、まずまず距離がある人の声を採用し、それを少し加工したものをベースにすべきでしょうね」

 

【妙花】

「ま、それが妥当だろうな」

 

【伊栖未】

「で、誰の音声データもぉ、持ってるんだ?」

 

【ノア】

「私たち四人とお姉ちゃん以外だと……データ量が充分なのは、かんぴょう女、シスター、んほぉ、樋口女史の四種ぐらいですね」

 

【妙花】

「だいたいアタシらと関わりのある奴らだな……てか、いつ収録したんだ手前は」

 

【ノア】

「企業秘密です」

 

【妙花】

「身内だろうが」

 

【柊一郎】

「小沢や太田部筆頭は?」

 

【ノア】

「AI学習に使える程のデータがないので無理ですね」

 

【妙花】

「女声にすんだからそもそも小沢はいらねぇだろ」

 

【伊栖未】

「使い道、皆無」

 

【柊一郎】

「…………」

 

【ノア】

「ではさっそくこの四種のボイスモデルを作るので――」

 

【柊一郎】

「待ってノア」

 

【ノア】

「……どうしました? 他に候補でも?」

 

【柊一郎】

「樋口先生のは……取り下げてほしい」

 

【伊栖未】

「なぁ、なんでだ?」

 

【妙花】

「高すぎず低すぎず、程度の良い音域だと思うが」

 

【柊一郎】

「うまく言えないけど、こう……なんか、むず痒い」

 

【伊栖未】

「……? よぉわからんけど、隔靴搔痒(かっかそうよう)の感がある、ってこと?」

 

【柊一郎】

「う~ん……そういう感じといえばそういう感じだけど……」

 

【妙花】

「おい、はっきりしねぇか」

 

【ノア】

「……あっ、そういえば柊一郎は樋口女史のこと、それなりに慕ってたんでしたっけ」

 

【伊栖未】

「あ、そういうことか」

 

【柊一郎】

「……ちょっと気恥ずかしい感じ。自分でもよく分からない」

 

【妙花】

「やれやれ、大きくなったとはいえ、やっぱまだまだ坊だねぇ」

 

【柊一郎】

「というわけなので、どうか」

 

【ノア】

「はいはい分かりましたよ。では『夕顔』『我妻』『山岸』各種ベースのモデルをいったん作ってみますね」

 

【妙花】

「……にしてもなぁ、加工するとはいえ我妻の声を日常的に聞くのはどうも楽しくねぇな……」

 

【伊栖未】

「おぉ、同じく」

 

【柊一郎】

「伊栖未も夕顔さんは気分乗らないか」

 

【伊栖未】

「うん、トラウマだし……」

 

【妙花】

「だが柊一郎の変声はラーレの存続にも関わる枢要な問題だ。私情を挟むのは筋が通らねぇ――そう切り分けるしかねぇよ、伊栖未」

 

【伊栖未】

「…………」

 

【伊栖未】

「お、大人になるしかないってこと……か」

 

【ちょっと寄せてる柊一郎】

「そういうことですねぇ!」

 

【妙花】

「やめろ手前」

 

【伊栖未】

「切り分けはいずこに」

 

【ノア】

「……ほれ、できましたよ。どのモデルも、このアプリ上で動作可能です」

 

【柊一郎】

「思ったより早い」

 

【ノア】

「イヤホン挿してるのでそれをマイク代わりに試してみてください」

 

【ノア】

「あと、このスライドバーでパラメータを調整できますので、好きに音声を変えられます」

 

【柊一郎】

「うぃ」

 

【妙花】

「ひとまず夕顔先生で試してみろ。こん中だったら一番声が低いんだからよ、柊一郎の声とあわせてAI学習する分には最も相性がいいんじゃねぇか?」

 

【ノア】

「たしかに特徴量を波形で見た限りでは柊一郎のそれに一番近い形でしたね。どっちも比較的なだらかというか……まぁ、周波数の観点からしたら当たり前ですが」

 

【伊栖未】

「そういう話はいいから、早く」

 

【柊一郎】

「…………」

 

【夕顔ボイス柊一郎】

『私はオ〇ニーの時にクリを触る派なのよ――!!』

 

【ノア】

「草」

 

【伊栖未】

「かんぴょう生える」

 

【妙花】

「普通にしゃべれ」

 

【夕顔ボイス柊一郎】

『夕顔さんの声でしゃべるの……わりと面白い、わねぇ』

 

【妙花】

「語尾」

 

【ノア】

「じゃあちょっと音程を高めにしてみてください。それでいい感じになれば一発採用ですけど」

 

【伊栖未】

「あ、だったら女装して、声、当ててみたら? そのほうが、臨場感ある」

 

【ノア】

「なるほど。実際は女装して発声するわけですからね。というわけで着替えてきてくださいはいダッシュ」

 

【柊一郎】

「任せろ」

 

【妙花】

「…………」

 

【妙花】

「言うほど着替える必要あるか?」

 

 

 

   ◆

 

 

 

【柊一郎】

「お待たせ」

 

【伊栖未】

「脱兎の勢い」

 

【ノア】

「もはや早着替えマジックの域」

 

【妙花】

「……ほらよ、イヤホン。普通にしゃべれよ」

 

【柊一郎】

「はーい」

 

【柊一郎】

「…………」

 

【夕顔ボイス(改)柊一郎】

『この私を誰だと思っているの? プリズンの女王蜂、夕顔葉月よ。逆らって無事でいられるとは思わないことねぇ、あっはははははははっ!!』

 

【妙花】

「こいつの普通はどうなってんだ」

 

【伊栖未】

「わ、悪くはない、けど……」

 

【ノア】

「なんか合ってませんね。体と声がマッチしてません」

 

【妙花】

「あぁ。こう……声優とキャラが合ってねぇ、みたいな感じだな」

 

【伊栖未】

「じゃあ却下で」

 

【ノア】

「食い気味」

 

【柊一郎】

「次はシスターでやってみよう」

 

【柊一郎】

「あ、でも元々高めの声だから……どう調整しようか、悩む」

 

【ノア】

「逆に少し低めにしてみましょう。こう、ちょっと少年声に寄せた感じに……ちょっとしゃべってみてください」

 

【樹里亜ボイス(改)柊一郎】

『これもお前たちの描いた絵図かぁああああああああ!!!』

 

【妙花】

「手前の引き出しどうなってんだ?」

 

【ノア】

「さっきから地味に演技入れてるところがポイント高いですね」

 

【伊栖未】

「趣旨が変わっておる」

 

【樹里亜ボイス(改)柊一郎】

『それで、相性はいかがですかぁ? 私はアリだと思いますよぉ、チンピラの親分さん?』

 

【妙花】

「次それ言ったら蹴り入れるからな」

 

【伊栖未】

「まぁ、かんぴょうよりは悪くない」

 

【ノア】

「でも演技なしの普通のしゃべりを考えるとちょっと違和感ありますね」

 

【樹里亜ボイス(改)柊一郎】

『そうかな』

 

【ノア】

「ほら」

 

【伊栖未】

「なんか違う」

 

【妙花】

「聞いた話では声帯が人と違うらしいからなぁ……柊一郎に合わせるのは元々無理があったのかもしれねぇな」

 

【樹里亜ボイス(改)柊一郎】

『でも遊ぶ分には楽しいからデータは残しておいてほしい』

 

【ノア】

「わかりました。私もシスターごっこをしてみたかったので、モデルデータはこのまま保存しておきましょう」

 

【伊栖未】

「誰が一番シスターっぽいことを言えるか、競争。とか、おぉ面白そうだな……!」

 

【妙花】

「いい感じにおもちゃにされてんなあの女」

 

【ノア】

「しかしこうも立て続けに不採用というのもまずいですね。残りは”んほぉ”だけですよ」

 

【伊栖未】

「…………」

 

【妙花】

「…………」

 

【柊一郎】

「…………」

 

【柊一郎】

「…………やる?」

 

【ノア】

「いえ、正直結果が見えてるので結構です」

 

【伊栖未】

「どう調整しても多分合わないし、なんなら、ストレス。主に柊一郎が」

 

【妙花】

「あのやっこさん、元々話し方が独特だからなぁ……日常使いにはちと微妙じゃねぇか?」

 

【柊一郎】

「…………」

 

【柊一郎】

「そうかも」

 

【伊栖未】

「思ったより、むぅ難しいな。柊一郎に合った声を見つけるの」

 

【妙花】

「まぁな、難航する程でもねぇと思ったんだが……」

 

【ノア】

「合う声というのは見た目や顔だったりとあらゆる要素が絡んできますからね。よく考えたら一筋縄では…………――――っ」

 

【柊一郎】

「どうしたの」

 

【ノア】

「……そうだ、すっかり忘れてました。柊一郎、これならいけますよ」

 

【柊一郎】

「?」

 

●SE:マウスのクリック音

 

【音声データ】

『ひ゛い゛ぃ゛ぃ゛ん゛き゛や゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!』

 

【妙花】

「!! ……それはたしか……!」

 

【柊一郎】

「――……姉さんの、声」

 

【伊栖未】

「そ、そっか! 同じ家族……姉弟(きょうだい)なら、声質的に合う可能性、ある……!」

 

【ノア】

「えぇ、そういうことです」

 

【柊一郎】

「でもデータ量足りてないんじゃ」

 

【ノア】

「柊一郎のお姉さんは声優さんなので貴重と思い、別ファイルに分けて音声を保存していたのを忘れていたんですよ。さっき確認したら充分にありました」

 

【柊一郎】

「ナイス、ノア」

 

【伊栖未】

「お、お姉さんのなら……きっと柊一郎に、合う。調整すれば、なお問題なし」

 

【妙花】

「問題になりそうな気もするが……まぁ、いいか」

 

【ノア】

「――……それで私、ちょっと面白いことを思いつきまして」

 

【柊一郎】

「面白いこと」

 

【ノア】

「たしか柊一郎のお姉さん、明日遊びにいらっしゃるんですよね?」

 

【柊一郎】

「そうだけど」

 

【ノア】

「実は私の部屋にお姉さんが着ている服があります。それとカツラも」

 

【伊栖未】

「ま、まさか……!」

 

【ノア】

「えぇ。柊一郎にはお姉さんに扮装してもらい、いらっしゃった時に声と併せて驚かせてやりましょう」

 

【柊伊栖郎】

「「面白そう……!」」

 

【妙花】

「なんで人の服持ってんだ手前は」

 

【ノア】

「え? オタクなら”推し”の服を調べて購入しておくものでしょう?」

 

【妙花】

「んなことはねぇ」

 

【ノア】

「というわけで、いまから私と柊一郎は変声機の改造に取りかかるので、鐘さんと妙花は化粧道具を用意しておいてください。絶対ウケること間違いなしですよ、これ」

 

【柊一郎】

「姉さんだから別に化粧しなくても」

 

【ノア】

「お前は男なんですから、扮装する分には必要なんですよ。ではふたりとも、お願いします」

 

【伊栖未】

「任せて! いこ、妙花……!」

 

【妙花】

「…………」

 

【妙花】

「大丈夫かなぁ……」

 

 

 

   ◆

 

 

 

【柊菜子】

「――……ふぅ、やっと着いた。シューちゃんたちに会うの、久しぶりだなぁ」

 

【柊菜子】

「みんな元気にしてるかなぁ。今日はいっぱいごはん持ってきたし、たくさん食べてもらわないと。きっとお腹空いてるだろうからね……さてと」

 

●SE:玄関が開く音

 

【柊菜子】

「こんにちはぁ! シューちゃーん、おねえちゃんだ……よ……――?」

 

【???】

「…………」

 

【柊菜子】

「…………え」

 

【柊菜子の格好&ボイスの柊一郎】

『なっ……わ、私がふたり……! ど、どうなってるのこれぇーー!!??』

 

【柊菜子】

「――――!!」

 

【柊菜子の格好&ボイスの柊一郎】

『ドッペルゲンガーだよぉこれぇ……た、助けてシューちゃぁーん!! おぉーいおいおい、おぉーいおいおい……!!』

 

【柊菜子】

「…………」

 

【柊一郎】

「……どう、姉さん? びっくりしたでしょ」

 

【ノア】

「いやぁー急に驚かせてすみませんでした。せっかくいらしてくれるならサプライズをと思って――――」

 

【妙花】

「――……ちょっと待て。柊一郎、ノア」

 

【柊菜子】

「…………」

 

【ノア】

「…………あれ? あのー……もしもーし……」

 

【柊菜子】

「…………」

 

【柊一郎】

「完全に固まってる……どうしよう」

 

【伊栖未】

「し、白目むいて気ぃ失ってないか、これ……?」

 

【妙花】

「……なぁ、柊一郎。手前のお姉さんって、たしか……」

 

【妙花】

「――……心(・)臓(・)を(・)患(・)っ(・)て(・)ん(・)じ(・)ゃ(・)な(・)か(・)っ(・)た(・)か(・)?」

 

【柊一郎】

「…………」

 

【ノア】

「…………」

 

【伊栖未】

「…………」

 

【妙花】

「…………」

 

【ラーレ社員一同】

「――――きゅ、救急車ぁああああああああーー!!!!!!!!」

 

 

 

 

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