★場所:灰谷家前
【淳之介】
「……さて、着いたか」
【麻沙音】
「ここが……灰谷さんのお家……」
【淳之介】
「やっとあの『会ったことないけどなんかどちゃくそ良い人』にお会いできるな」
【麻沙音】
「どんな人なんだろ……」
●SE:チャイム音
【佳風流】
「……はい、どちら様で……――っ!!」
【淳之介】
「橘淳之介です」
【麻沙音】
「……麻沙音です」
【淳之介】
「母、愛衣梨の長男と長女です」
【佳風流】
「……君たちが……そうなのかい」
【佳風流】
「……まぁ、玄関で立ち話もなんだから、上がってよ」
【橘兄妹】
「「お邪魔します」」
【佳風流】
「今日は来てくれて……本当にありがとう」
【淳之介】
「いえ、こちらこそお会いできてよかったです」
【麻沙音】
「灰谷さんが、私たちの生活面をいろいろ援助して……くださったんですよね?」
【佳風流】
「まぁうん、そうだね。愛衣梨が事故で亡くなったって聞いて、いても立ってもいられなかったんだ」
【淳之介】
「今日はそのお礼も兼ねて伺いました」
【麻沙音】
「まずは、その……これまでこちらから何も連絡できず、すみませんでした」
【淳之介】
「改めて、これまで身寄りのない俺たちのために資金や諸々の手続き等ご援助いただき……」
【橘兄妹】
「「本当に――――ありがとうございました!!!!」」
【佳風流】
「君たち……本当に大人になったんだね」
【淳之介】
「灰谷さんのお陰です」
【麻沙音】
「お陰様で今日まで健康でいられたと思っています」
【淳之介】
「元引きこもりが言う?」
【佳風流】
「ははっ……でも、ぼくの方こそお礼が言いたいよ。君たちがどうしてるか正直心配だったんだ」
【佳風流】
「たまに出す手紙もけっこう適当だったからね……。そういえば、淳之介くん結婚したんだよね?」
【淳之介】
「はい、文乃という妻がいます。今日は諸事情で来れませんでしたが」
【佳風流】
「そっか……式のときは呼んでよね。文乃さんにも是非お会いしたいからさ」
【淳之介】
「――……はい! ありがとうございます!」
【佳風流】
「今度は文乃さんも連れて家に遊びにきてね。……それにしても麻沙音ちゃん、愛衣梨に本当に似てるね。声もそっくりだよ」
【麻沙音】
「いやどちらかというと灰谷さんの声が私と似てるところにびびってるんですけど」
【佳風流】
「んー……言うほどそうかな?」
【麻沙音】
「えっ、そう思ってるの私だけですか? ……だよね、兄?」
【淳之介】
「…………」
【麻沙音】
「おい聞いてんのかこら」