夢見た者、夢を捨てた者   作:鞍馬エル

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原作的にはエイリーク達がレンバールへ攻め寄せようとしている頃の話


 斜陽

アメリア嬢ちゃんの訓練もかなり良い感じになってきた様に思う

基礎体力は付いたと判断して、少しずつだが実戦的訓練も視野に入れている

 

 

 

 

 

無駄に動くな!突き、払いのみでも槍はそれなりにやれんだからな!

 

は、はいっ!

クレムトからの指摘がアメリアに飛ぶ

 

 

別に闇魔法を扱うクレムトとて、剣や槍に斧などの扱いが出来ない訳ではない

どちらかと言えば、傭兵の中でクレムトは様々な武器について精通していると言える

 

 

敵を知らねぇで戦うつもりにはならねぇからな、俺は

 

決して自身が最強などと嘯くつもりなどクレムトにはない

故にどれだけ些細な事でも細心の注意を払うのが傭兵クレムトという人物なのだ

 

 

…クレムトか

出来ればアイツとやり合いたくはないもんだな

凄腕の傭兵として知られ、『ジスト傭兵団』の団長をしているジストはそう苦い表情である時語っている

 

 

港町で戦闘すれば海へ

山岳地帯で戦闘すれば斜面へ

 

大凡傭兵や騎士がやらない様な方法であっても躊躇う事なく実行する

 

 

汚くて結構

生憎とこちとら殺し合いに美学やロマンなんて持ち合わせちゃいないんでね。死ねばどんな聖人だろうが唯の肉塊になるだけさ

 

ある依頼でクレムトのやり方に反感を持った騎士から文句を言われた時クレムトはこう不快そうに吐き捨てている

 

 

そんなクレムトから教えを乞う事になったアメリア

その為、普通の兵士が学ばない様な事までみっちりと叩き込まれる事となる

 

 

学ぶ事が多過ぎますよぉ〜

 

傭兵クレムト

座学も欠かさない異端の傭兵であった

 

 

 

 

 

----

 

 

そしてアメリアがクレムトに鍛えられて数ヶ月

 

 

…まぁこんなものか?

 

え、ええっと?

 

 

 

クレムト監修の即成訓練を受けたアメリアのステータスはこちら

 

 

アメリア(見習い兵士)レベル7

HP25 力10 技9 速さ10 幸運12 守備9 魔防10 移動6 体格6

槍E ほそみの槍

 

 

強い(確信)

アメリアの今のクラスである見習い兵士のレベル上限は10であり、そこからソシアルナイト、アーマーナイトへとクラスチェンジ(昇格)出来る

 

その上、それ等は下級職である事からパラディン、グレートナイト、ジェネラルのいずれかに更にクラスチェンジ出来るのである

 

 

つまり某人物的に言えば

 

「私はまだあと2回変身を残しているのですよ」

と言う事になる

 

 

----

 

 

 

んで、これからグラド軍に志願する訳だ

 

え、ええっと

クレムト(師匠)の言葉に少し表情を暗くするアメリア

 

 

…悩んでいるんです

そう彼女は小さな声で告げる

 

 

 

現在グラド帝国は大陸中央部にあるルネス王国に対して侵攻している。ルネス王国とは長年友好関係にグラドはあり、両国の次代を担うであろうルネス王子エフラムとその双子の妹であるエイリーク王女、そしてグラド皇帝ウィガルドの息子であるリオン皇子は親しい間柄にあった

 

ルネス国王『勇王』ファードとウィガルドも個人的確執や国家間の問題も多少ありはしたものの、今回の様なルネス侵攻をする程のものではなかった

 

ルネスと戦端を開いた事により、グラドはルネスの友好関係にある大陸北西部のフレリア王国との間にも緊張が走る事となった

大陸統一をウィガルドは掲げているものの、クレムトから様々な事を教わったアメリアには出来ると思えなかったのである

 

 

…クレムトさんは言いましたよね?

戦闘をする時、数をより多く集めるのが手っ取り早い勝ち筋だ

って

 

言ったな

アメリアの言葉にクレムトは言葉少なく同意する

 

 

確かにこの国は大きいです

でも、ルネスを攻めたって事はフレリアも敵になりませんか?

 

断言は出来ないが、少なくとも他国。しかも長年の友好関係にあった国家を何の通達も交渉もなく踏み潰した国家を信用する事はないだろうな

 

ルネス侵攻は突如行なわれたものであり、その為精強で知られるルネス王国軍も全く組織的な、そして有効な抵抗が出来ないままに各個撃破されている

確かに戦術的、戦略的勝利をグラドは手にしたが外交的な意味において考えれば大失敗であり、論外とすら言える

現在グラドが敵対していないジャハナやロストンにカルチノとてこの様な無法を働くグラドに対して好意的になれるだろうか?

なれるはずも無い。一度無法を働いた者達がもう二度としないと言ったところで誰が信じられようか?

 

 

グラドの誉れともされる『グラド三騎』

『黒曜石』のデュッセル、『日長石』のグレン、『蛍石』のセライナ

彼等はグラド騎士の憧れであり、大陸全土にすらもその名前の知られている名将

だが、今回の行為により間違いなく彼等は蛇蝎の如く忌み嫌われる事となるだろう

 

不義を働いた騎士など、尊敬するに値しないのだから

 

 

 

まぁ間違いなく各国はグラドに対して不信感を抱いただろうし、下手をすればそれらの国とも戦闘になったとしても、俺は驚かんな

 

どうやっても数では負けてしまいます、よね?

 

だな。仮に今のグラドに勝ち筋があるとすれば、速攻からの斬首戦術しかなかろうさ

ま、そうしたとしても民からの反発は避けられないだろうがな

 

…私には今のグラドが正しいとは思えないんです

アメリアは俯きながら、小さな声でそうクレムトに話す

 

 

俺みたいな傭兵が言う事でもないが、国や組織を統べるならば『正しさ』ってのは失うべきじゃ無いだろうよ

今はグラドが勝っているから問題にならん。が一度負けて状況が悪化すれば後は坂道を転げ落ちるみたいにどんどん事態は悪化していく

…まぁんな事傭兵である俺には知った事じゃ無いんだが

 

クレムトは淡々と言い放つ

 

 

…だからクレムトさんに依頼したいんです

 

……ほぅ?

アメリアの言葉にクレムトの口元が吊り上がる

 

依頼内容は『今のグラドを止める』

報酬は。…今はそこまで出せませんけど

そう言いながら彼女は『赤い宝玉』をクレムトに差し出した

 

『赤の宝玉』、ね

クレムトは自身の教え子であるアメリアの覚悟を理解すると楽しそうに笑い

 

 

面白い。国を止めるなんて余程狂っている奴くらいしか考えないだろう

それをしかも愛弟子ともいえる奴が口にするんだ

…良いだろう。『闇刃』のクレムト、お前に雇われるとしようか

 

っ!

は、はいっ!

クレムトの言葉にアメリアは嬉しそうな顔をしたのである

 

 

----

 

んでこれからどうするんだ?

 

…えっと、聞いた話だとルネスの王女さんがフレリアに逃れたらしいんです。だからフレリアへと行こうかなって

 

分かった。道中鍛えて行くからな?

 

お、お願いします!

 

 

 

 

 

少女と傭兵は征く

守りたいものを守る為に

 

 




ノリと勢いで書いた

後悔はしていない
感想いつでもお待ちしています

エイリークはクレムトと話をするか?

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