味方キャラの殆どが死にます
悪しからず
よぉ、クレムト!よく来てくれたぜ
グラドの将軍とか耳と正気を疑ったぜ、ケセルダよ
『虎目石』ケセルダは長年の友人である『闇刃』クレムトを満面の笑みで迎えた
ルネスの王女、ねぇ
…ああ、噂で聞いた事はあるな。国よりも敵を倒す事を選んだ馬鹿な王子と自国の民よりも大陸の未来を案じるお人好しの過ぎるその片割れだったか?
…随分な言い方だな
民無くして国は成らねえよ、アイアス。たった数名程度の騎士が奉ずる、しかも他国の支援や民間人の協力一つなきゃ何も出来ない連中。これをお前なら王族と認めるかよ?
…無理だろうな。自国民を守れてこその王族だろう
守れなくとも、守ろうとする気概や行動あってこそよ
カルチノであっても、市民感情を完全に無視は出来んのだがな
ケセルダの副将を務めている男、アイアスとクレムトは情報を交換し、認識を共有していた
アイアスとしてはクレムトが副将を務めるべきと口にしたが、クレムトは傭兵達を纏め上げる傭兵隊長として参陣するとした
何せ我の強い、しかも同じ傭兵であるケセルダがグラド六将の1人に抜擢させているのだ
隙あらば、その地位を脅かさんと野心溢れる者達が多い
そんな面倒な連中を纏めるのに、ケセルダやアイアスは少しばかり手ぬるい
クレムトはそう断じ、2人もそれに反論しなかった
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クレムトは傭兵達に対して自身の指揮に従う様告げる
ジャハナの傭兵達はそれを受け入れたが、その他の地方から来た傭兵達は新参であり、しかも見た目あまり強そうにも見えないクレムトの言葉を鼻で笑った
テメェみたいな奴に従う義理はねぇ。俺達は勝手にやらせてもらう
と
ある1人がそう口にした瞬間
黒いナニカがその人物を貫いた
そして
その人物はそのまま倒れ伏し、そして二度と動く事は無くなった
その場を痛い程の沈黙が支配する
…さて、少しばかり痛い目を見なければどうやら理解しない様だな
クレムトはそう傭兵達に笑いかけると、亡霊戦士を
力の無いものが何を囀ろうともなんの意味もない
…さぁ、力を示せ。さもなくば死あるのみだ
クレムトはそう笑うと亡霊戦士を解き放つ
そして生き延びた傭兵達はクレムトの指揮下に入る事となったのである
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さて、加減する理由もねえ
…アイアス!テメェは介入してくる可能性の高いロストン軍に備えろ!クレムトは俺と共にルネスの残党共を始末するぞ!
…やれやれ。確かルネス
尤も俺の魔法なら死体は小綺麗なままだから、さして問題にはならんか
…クレムト、ケセルダの奴を頼むぞ?
ケセルダ達はその後、ジャハナに向かうエイリーク達を待ち伏せるべく兵を動かし、エイリーク達を討ち倒すべく軍を分けた
しかし、流石と言うべきか。相変わらず耳の良いこった
…は。フレリアに頼り切っている癖に主導権は手放そうとしない。そんな連中に不快感を持つ者は幾らでもいるさ
カルチノのパブロやアレに協力させる為に向かわせた戦力なぞ、唯の餌に過ぎんよ
クレムトは兵を幾らかケセルダから借り受け、それらをカルチノで親グラドを掲げた長老の1人パブロへの救援として差し向けている
パブロには臣従の証を立てる様に告げており、それに対してパブロ
…いや、自身の父がどの様な行動を取るかなど手に取る様に理解していた。まず間違いなくグラドに対して貢ぎ物、つまり反グラド勢力の首か或いは身柄の引き渡しをする事だろう
となれば、無謀にもグラドへ攻めかかる阿呆を除外すればエイリーク、ターナそしてヒーニアス
この3人のうち誰かを捕らえようとする。となれば、少ない護衛でカルチノへと向かうだろうヒーニアスが1番狙われやすい
そうなればエイリークの事だ。必ずこれの救援に向かおうとするだろう。この時点でエイリーク達の行軍ルートはある程度絞れる
そして『月長石』のヴァルターから彼の麾下である邪竜騎士団の一部を借り受け、エイリーク達を遠方から監視してもらう事とした
何せ妹であるエイリークを失えば、間違いなくエフラムは復讐の鬼となるだろう
強者を喰らう事に自身の存在意義を見出しているヴァルターにとって、まだ未熟なエイリークよりも遥かに魅力的な獲物と映るだろう事は容易に想像出来る
…まぁその過程において『日長石』グレンとその配下の部隊を始末していた様だが、取り分け気にする事でもない
確執で殺し合うなど戦場ではよくある事だ
正直正規軍で何やってるのか?とも思わなくはないが、それは割とどうでも良い話
さぁ、殺し合いを始めようか
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…楽なもんだ
俺はジストの野郎と斬り合いながら、素直にそう思った
軍団を任せる事は出来るが、ちとばかりマトモすぎるアイアス
俺とアイアスのみならば、少し厳しいところだろうがクレムトが来た事で傭兵どもの統制も確たるものになった
それに加えて、アイツは敵として相対したならば女子供だろうが容赦なく殺す
ちっ、ケセルダお前っ!
随分とキツそうじゃねぇか、ジストよぉ
ジストもそれなりの実力者だが、相手が悪い
…コイツらの中で面倒なのはフレリアの王子とロストンの小娘くらいだろう。あとはそこまで脅威にもならねぇ
マリカの奴は傭兵どもが相手してる筈
…さぁ、頸狩りの時間だ
俺は不敵に笑いながらジストとの斬り合いを続ける
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…わたし、がんばれた、かな?
金髪の小娘を一撃で始末したクレムトはそのままヒーニアスへと迫る
っ!不味いっ
ヒーニアスは傭兵達の処理に手間取っていた上に、岩陰を抜けて来た亡霊戦士に意識が向いていた
…お疲れさん。直ぐに妹もそっちに送ってやるよ
くっ!
ヒーニアスの不幸はケセルダとクレムトの率いている部隊。この部隊にはクレムト以外に魔法職は誰1人としていなかった事だろう
クレムト自身も目立たない様に立ち回っており、傭兵達の強攻。更に乱戦となった事により一時的に指揮系統が麻痺。更に亡霊戦士という予想外の存在によりヒーニアスの注意はそちらへと完全に奪われていた
…ここで諦めてたまるものか
這いずってでも、生き延びてみせる
王子にしとくには勿体無い程の執念だよ。…が、往々にしてアンタみたいな手合いは確実に殺さないと後が怖いんでな?
半ば意識が無いにも関わらず、必死に手を伸ばそうとしているヒーニアスを見下ろしクレムトは
…じゃあな
その魔力を叩きつけた
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ヒーニアス王子っ!
エイリークは離れた所で倒れ伏し、動かなくなったヒーニアスの姿を見て悲痛な声を思わずあげるだろう
…エイリーク様、お下がりください!
あの者は危険です!
思わずヒーニアスの元に駆け出してしまいそうな主君を必死に押し留めるゼト
しかし
…悔いはない。これで本望
ガルシアが
ガハハ。…これもまた良し
ドズラが
大婆すまない…役目は…
サレフが
エイリーク様、ご武運を
カイルが
クレムトを止めようとして、次々と倒れてゆく
クレムトはサマナー。その武器はリザイアなのだ。生半可な攻撃ならば、意味を成さない
こりゃあ、奇遇だな。緋閃
…ま、戦場の習いだ。死ねや
顔見知りであろうとも容赦はない
…まけ、た
マリカが
…ガキが。一丁前に戦場に出てくるなら容赦はしねぇ
それが戦場ってもんだ
…ごめんなさい、お師匠様。…ぼく
ユアンが
お前さん達の事は嫌いじゃなかったんだがなぁ。ま、これも傭兵の
…悪い予感が
……当たっちゃった、わね
テティスが
クレムトの凶刃の前に更に斃れていく
マリカ!ユアン!テティス!
自分の仲間達が次々と討ち取られていく姿にジストも思わず注意が逸れる
勿論
…馬鹿が
ザシュッ!
そんな隙を見逃す程ケセルダは甘くも優しくもない
まぁ、戦ってりゃ
…いつかこんな日も来る、さ
ジストもまた戦場の中に消えた
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…全て、覚悟の上
申し訳…ありません
戦士は、最後まで…男らしいんだ
後の事は…頼みます
ギリアムが
ヴァネッサが
ロスが
アスレイが
傭兵達によって次々と殺されていく
クレムトは傭兵達に対して戦場での狼藉を禁じている
倫理観からではない
そんな事をする暇があるならば1人でも多くの敵を殺せ
それがクレムトの信条であり、軍団長であるケセルダの意思なのだから
故に容赦も慈悲もない
残念ながら
…ここまで、ですかな
こうなる覚悟は…出来てた、もの
私の事は構いません……どうか、この大陸に…光を
私はまだ
…死にたくありません
コーマ…ドジな私で、ごめん、ね?
俺がこんなところで…ネイミー
モルダが
ターナが
ナターシャが
ルーテが
ネイミーが
コーマが
次々とその屍を晒していく
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エイリーク様、離脱を
そんなっ!
ゼトの非情とも言える言葉にエイリークは悲痛な声を出す
フォルデ、フランツ。2人はエイリーク様の護衛を
…私が此処を死守する
ゼトはそう2人に告げ、エイリーク達を守るべく戦場に向かおうとするが
寝言は寝て言うもんだぜ?敗残兵の諸君?
その言葉と共に
がはっ
ゼトを闇が貫いた
主君の身を案じる、か。素晴らしい騎士道精神もあったものだ
…ええ?助けを借りなければ何ひとつなし得なかった残兵風情がよぉ!?
事切れたゼトを一瞥するとクレムトはフォルデとフランツ
そして2人に守られているエイリークに向き合った。その顔に隠しきれぬ憎悪と嫌悪感を顕にしながら
…さて、初めましてだな。ルネス王女エイリーク
アンタにはふたつの道がある
1つはその指輪とその命を素直に此方に渡す事
もう1つはこの状況下で抗う事
…選べ
貴様っ!
クレムトの言葉に激したフォルデがクレムトに斬りかかる
フォルデ、だめですっ!
エイリークはフォルデを止めようとするが
自分と敵の実力差も分からんのか
…まぁ良い。死ね
クレムトはフォルデに向けて腕を払う
ガハッ
それだけでフォルデは馬から落ち、物言わぬ屍となった
一応此方もある程度は配慮しているつもりだ
もう一度聞かなきゃ分からんか?
…分かりました
私はどうなっても構いません。…せめて生きている人達は助けて下さい
エイリークは震える声と怒りと情けなさでどうにかなりそうになりながらも、込み上げてくる感情を必死に抑えつけてクレムトにそう懇願した
エイリーク様!
…フランツ、分かって下さい
……もう他に方法がないのです
フランツの言葉にエイリークは必死に声を絞り出した
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で?どうする気だ、クレムト?
ロストンにラーチェルとやらは引き渡す。それで介入させない
それでも介入するってんなら?
この渓谷に横たわる屍が増えるだけさ
クレムトはそう笑った
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エイリークが降伏した事により、生き残った者達は捕縛される事となった
生存者はエイリーク、フランツ、ヨシュア、ラーチェルのたった4人
ケセルダからすればフレリアの王子と王女を殺しておいて今更な気がしたが、信頼するクレムトの判断故に戦闘を中止した
戦闘と言うよりも、最早虐殺に近いものがあったのだが、それについてはケセルダは然程に気にしていない
ラーチェルがロストンに対する交渉のカードとなるならそれで良いとは思うが、どの道気味の悪いジジイが手を入れているから無意味では無いか?と思っている
アレは早々に殺すさ、邪魔だからな。
エイリークがグラドに囚われたとなって、それでもエフラムはグラドに対する攻撃を続けるかね?
助けに来るってか?
フレリアの王子と王女。そしてエイリークにつけていたフレリア騎士達全てが失われた
だが、ルネス王女は健在だ。虜囚であったとしてもな?
この状況でまだルネスに力を貸そうと思うか?
思わねぇな
明らかにグラド侵攻はフレリアに要らぬ負担を強いている
フレリアからすれば、兵力を出しておきながら犠牲が出ている。その上ルネス側よりも大きいとなれば
その時は改めて潰せば良い
エイリークについてはエフラムを釣る餌になってもらうとしよう。国民の役にも立たなかった小娘だ。最後くらいは猪を釣り上げる餌にくらいはなってもらわんとな
エイリークは既に拘束しており、フランツは旧ルネス領にいるオルソンに預ける事となっている
裏切りの兆候の見られたグレンの弟クーガーは既に始末
ラーチェルはロストンへ条件付きで返還。仮に条件を受け入れなければ彼女もまたあの世へ旅立ってもらう事になるだろう
…そして
よぉ、久しぶりだな。ヨシュア
馬鹿とは思っていたが、まさか此処までとはな
イシュメアもさぞや嘆いている事だろうさ
……ケセルダ、クレムト
惨劇の宴は始まる
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カルチノからジャハナへと向かう途上にあるハミル渓谷
此処には多くの屍がその大地に横たわる事となった
ルネスの将軍ゼト
ルネスの騎士であり、フランツの兄フォルデ
ルネスの騎士カイル
フレリアの騎士ギリアム
フレリアの天馬騎士ヴァネッサ
フレリアの神官モルダ
ルネスの元戦士長ガルシア
ガルシアの息子ロス
ルネスの盗賊コーマ
コーマの幼馴染ネイミー
ルネスの魔道士ルーテ
修道士アスレイ
グラドの修道女ナターシャ
グラドの少女アメリア
フレリアの王女ターナ
フレリアの王子ヒーニアス
ジスト傭兵団団長ジスト
踊り子テティス
緋閃のマリカ
ラーチェルの護衛ドズラ
賢者サレフ
見習い魔道士ユアン
そして
不確定要素は排除するに限るもんだ
…まぁ、死んどけや
くそっ…!兄貴なら
こんな無様な負け方は…
日長石グレンの弟クーガー
の屍が誰に供養されるでもなく、渓谷に掘られた穴へと放り込まれ、埋められる事となった
面倒くせえ事だな
ぼやくな、ケセルダ
死体を放置しておけば碌な事にならんのさ
傭兵達もかなり死んだ様だが?
…これも計画通りか?クレムト
その作業を見守るケセルダ、クレムト、アイアス
アイアスの言葉に
それなり程度の実力なら足手纏いにしかならん
とりあえず、リオンとやらが御執心のエイリークは手土産に、我等が女王陛下にはバカ息子をお贈りしよう
とクレムトは悪い笑みを浮かべ、そしてグラド本国の方角を睨み付けていた
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ジャハナ近郊において、グラド王都攻略を目前に妹エイリークがケセルダの軍勢により囚われの身となった事を知ったエフラム達
エフラムはグラド王都攻略ないしエイリークの解放の為にケセルダの軍勢との決戦を主張した
が、エフラムに同行していたフレリア軍の指揮官はエイリークは生きているが、フレリアの王子王女共に失われている事を理由として、フレリア軍の撤退をエフラムに告げる
フレリアの指揮官からすれば、ヒーニアスとターナを失っておきながら国としての機能もなくそれを支えるべき人材すらも払底したルネスに対するこれ以上の助力の必要はない。その様な判断を下した為だ
此処までグラド軍を打ち破ってきたのは事実だが、その一方で味方としたのは本来なら到底許すべきではない黒曜石のデュッセルと聖石破壊の引き金を引いたであろうノール
フレリア指揮官はそんな2人を助ける判断をしたエフラムに対して『救うに
結果、
そして、エフラムは選んだ
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ククククク、愚かな事だ
だが、その愚かな選択もまた私は歓迎しよう
月長石ヴァルター
強者との殺し合いにこそ価値があると考える狂人。そしてその彼が率いる邪竜騎士団
エイリークを救い出さんとするエフラムの前にそれは立ち塞がった
本来なら、エイリークの首を示す事でエフラムの憎悪と戦意を煽ろうとしたヴァルターであったが、このやり方もまた一つのものであるとヴァルターは判断
ケセルダの軍団の不介入を条件としてこれを是としたのである
とは言っても、グラド帝国内で声望の高かったデュッセルを味方としているエフラム
故にこそ、グラドの栄光に泥を塗らんとしていると見えているデュッセルの裏切りはグラド臣民からすれば到底許されるものではない
その上、最後まで皇帝ウィガルドに尽くして命を散らせた蛍石のセライナという明確な差のある人物がいる
となれば、エフラム達に好意的な人物など居よう筈もない。デュッセルを個人的に慕っている者は居なくもなかったが、どうして自国を裏切る必要があるだろうか?
…聖石について大衆がその重大性を真に理解していたならばまだ別の未来もあっただろうが
その為僅か3名でヴァルターとその麾下の邪竜騎士団を相手せねばならなくなったのである
この暗闇が
私の…安らぎです…
先ず倒れたのはノール
彼は
…いや、エフラム達にとっては不幸な事にヴァルターと邪竜騎士団はクレムトというノールよりも遥かに厄介な人物の戦い方を見ていた
ノールの装備する魔法はミィル
リザイアではないのだ。加えてノールは探求者として知識を求めるあまり闇魔法に手をつけた人物
決して戦闘を
にも関わらず、敵の方が数に勝る上に集中的に攻撃を受けるのだから、寧ろこの結果は必然とすら言えるだろう
…これで良いのだ
……これで
そして僅か3名しかいない中での1人の脱落はそのまま崩壊を意味するだろう
確かにデュッセルは
機動力と防御力を併せ持つ
が、ヴァルターという狂人に従う邪竜騎士団とて、並の実力ではない
元よりデュッセルの裏切りを知っている彼等はその装備を変えており、
そもそも彼等の指揮官はヴァルター
強者との殺し合いを望む彼等に緩む事が許される筈もない
邪竜騎士団も多くの犠牲を出したものの、デュッセルもまた血溜まりの中に伏す事になる
…ノール、デュッセル
此処まで来た事は素直に褒めてやろう。が、所詮力も支える者の意味も理解出来ない貴様では守る事など出来はせん
此処で1人の戦士として無様に死ぬが良い
遠目に2人の死を見たエフラムは声を絞り出す。そんなエフラムにヴァルターはただ嘲笑のみを送る
なにっ!
貴様は確かにルネスの王族だろうよ。…だが、それがどうしたと言うのだ?
エフラムの攻撃を回避しながら、ヴァルターは問う
どういう意味だ!
エフラムは苛立ち気にヴァルターに言い返す
戦士として、騎士として戦場に立つ
…ククククク、実に愚かしい事だ。私でも部下どもについては多少なりとも気を配っているぞ?
貴様は国も民も、そして部下達すらも目的の為ならば踏み躙る事を躊躇わない。…だから見限られる
誰も貴様個人に対して信など置いておらん。ルネスの王族であるから仕方なく力を貸しているだけに過ぎんのだ
ヴァルターはエフラムに攻撃を繰り返しながら、言葉を紡ぐ
っ!
貴様に命を捨ててでも仕える者はいよう?
が、ルネスの騎士ども以外にそれがいるか?
…おらんだろう?武技に秀でている?それが何になる?
ヴァルターの攻撃
…いや
ヴァルター自身血肉沸き立つ様な殺し合いを好むが、武勇に対して余りにも稚拙…いっそ無頓着な考え方には憐れみすら感じる程
何せ仮に自分や万一ケセルダの軍勢を撃ち破り、ルネスへ戻れたとしてもルネス再興など叶う筈もないのだから
ならば、つまらぬ事だが現実をつきつけて、その上で殺してやろう
それがヴァルターなりのエフラムに対する死出の旅への手向けだった
貴様程度の意識しか持たぬ王族をひたすら待ち続けるルネスの民を事を考えた事はあるか?
…ぐっ!
既にエフラムは傷だらけであり、対するヴァルターは大した傷を受けていない
更にヴァルター配下の邪竜騎士団もまだ数こそ減ったが健在であり、遠方にはケセルダの軍勢もいる
…既に決着はついていた
そして
…許せ、エイリーク…
そう言い残し、エフラムもその短い生涯を終えたのである
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…ほう?魔王?
…ああ、どうやらソレの復活が狙いらしい
ヴァルターはエフラムを討ち取った後、ケセルダの軍勢と合流
ケセルダが新たに引き入れた男、クレムトより聖石破壊により何が引き起こされるのかを聞き、口元を邪悪に歪めた
笑えんものだな
アーヴとやらの名は聞き覚えがある
…確かロストンで破門された者の筈だ
…へぇ、それでロストンに復讐しようってか?
八つ当たり、だな
ヴァルターとしては復讐には賛同出来る部分もあるが、流石にその為に大陸全土を滅ぼそうとは思わない。その為アーヴのソレに呆れてしまう。ケセルダとアイアスからすれば『負けるのが悪い』と言う他なく、アーヴを殺す事に何の躊躇いも無かった
王都、いや帝都で情報収集をするが、もし予想が正しければ皇帝と皇子を殺す事になるだろうよ
はっ、そりゃあ良い。魔王とやらの手先なら殺してやった方が良いだろうからな!
ククッ、ならばその戦い我等も加わるとしよう
人ならぬモノ如きに従う理由はないのでは
帝都に向かう途上、クレムトの話を聞いたヴァルターはケセルダと共に魔王の徒であると思われるリオン皇子とアーヴ。そしてウィガルドの殺害を決意
ヴァルター配下の邪竜騎士団はフレリアの攻勢を防ぐべく、リグバルド要塞へと向かい
アイアス配下となった傭兵隊とグラド正規軍はジャハナ、ロストン両軍への牽制の為に一路ジャハナへと向かった
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獣達の血の宴は終わらない
エイリークはクレムトと話をするか?
-
する
-
しない