手元のadvance君が遂にお亡くなりとなったのでかなり暴走した内容になってますが、今更なのでヨシ!(マギ・ヴァル大陸出張猫)
いつも通りなのですが、独自設定その他諸々でお送りします
エイリークとエフラムが中心となって今後の事を考えている最中、ルネス軍に加わった一人の兵士が徐に弓を構えた
その場には彼しかおらず、その矢は
男はルネス軍の兵士だったが、ルネス王都陥落の知らせを受け自身の家族が心配となり軍を抜け、自分の故郷へと戻っていた
そしてそこで見たのは
近所に住む知人達により自分の実家が荒らされている光景
だった
彼はその光景に我を忘れ、持っていた兵士用の槍をふりかざし、彼等を皆殺しにした
そして家の中で見たのは
無惨に殺されていた自身の家族の遺体だった
彼はその後、兵士としての経験を活かし
半ば野盗じみた事に手を染め、あらゆる相手から奪う事で命を長らえた
しかし、とある噂を聞いた
なんでも傭兵達に守られている連中がいるらしい
と
男は
何故そいつらは守られているのに、自分の家族はあんな事になったのだ!?
と憤った
言うまでもなく八つ当たりであり、ルネス軍の兵士でありながら沢山の民を殺してきた彼に他人を非難出来るはずも無い
が、彼からしてみれば理不尽な事と見えていたのだ
その後、王都が解放されたと聞き、ルネス軍に帰参する事にした
人手不足であった上に、兵士の一人一人の事情まで聞く余裕もなかったからこそ、彼は普通に受け入れられた
そして今、目の前に
家族の、仇っ!
悪意のこもった一撃が放たれてしまった
ガッ!!
お、おい、どうした?
アイツだ!アイツが撃ってきたぞ!!
陣幕の前を通っていた市民兵の一人が撃たれた事で沈黙を保っていた反乱軍は遂に動き出した
いや、動かざるを得なくなったのだ
アホが
とりあえず死んどけや『ミィル』
即応体制をとっていたクレムトは迷わず下手人に闇魔法は放った
上級職のサモナー。ケセルダ相手でも直撃させれば重傷を負わせることの出来るだけの威力を持つソレ
言い方は悪いがたかが一兵士に耐えられるはずも無く
グッ!
ち、ちくしょ
息耐える事になる
既に反乱軍の者達は『ルネス王国軍』からの『卑怯な攻撃』を受けた事により名分を得てしまった
さて、
クレムトはケセルダを呼びに行く
そこには何の感情も込められていない、いっそ機械的な言葉だけが残された
男か反乱軍を狙撃した事を遠目に見た兵士は急いでまとめ役の騎士に報告し、その騎士は急ぎエフラム達の元へと向かった
も、申し上げますっ!
我が軍の兵士が反乱軍に攻撃しましたっ!
なにっ!
そんなっ!
相手の様子は?
騎士の報告にエフラムとエイリークは動揺するがゼトは努めて冷静に確認する
此方への反撃を確認しました!
恐らくは
手遅れ
騎士が言い淀んだ残りの言葉を誰もが
くっ、どうしようもないのか!
ゼト!やむを得ない
しかしっ!
このまま大人しくやられる訳にもいかない
エイリークは残れ。カイル、フォルデはエイリークを守れ。いいな?
ゼトは騎士達の指揮を採れ
出るぞっ!
どうにもならなかったな、クレムトよぉ
分かりきってた事だろう?
既に止まらない流れだったって事さ
各所で乱戦となっている戦場を見渡して傭兵達のまとめ役をしていた男は力無く項垂れた
クレムトはさもどうでも良さそうに返す
思い込み、勘違い
何でもかんでも相手のせいにして、
なら極限状態に陥った人間がそうなったらもう歯止めなんてききゃしねぇよ
やれやれだな
せめて最後に酒くらいは飲みたかったが
無理だろうよ
ま、肴になる連中なら幾らでもいるだろうさ?
男は苦笑いを浮かべると
どうやらこれが
今だから言うが、そのお前の性格治した方が良いと思うぜ?
今更かよ
手遅れさ、色々とな
違いねぇ
あばよ、クレムト
男の指摘にクレムトは肩をすくめる
それを見た男は満足そうに笑うと戦場へと駆けて行った
さて、そろそろ逝くか?
(勝手にやらせてもらうぜ?)
好きにしな
止める理由もねぇよ
(あばよ、親友)
さらばだ、我が友よ
男と別れ、ケセルダとの最後になる挨拶も済ませた
さて、と
精々皆殺しの為に励むとしますかねぇ
殺人機械が動き出す
くっ、どうしても止まらんのか!
隊長ダメです、こいつら
襲いかかってくる市民兵を倒すしかない兵士長とその部下達
幾ら傭兵達に鍛えられても、死の危険も恐怖も感じない訓練とそれらを間近に感じる実戦では全く異なる
それに慣れている兵士やその兵士達をまとめる立場にある兵士長からすれば、はっきり言って『無駄死』としか思えない
が、相手が剣や槍を持っていて害意を持って攻め寄せて来るのであれば、仲間達を守る為にも容赦は出来なかった
だが、守るべき存在である民を殺すと言う禁忌を行わなければならない彼等の心身も疲弊していたのも事実
止まれ!これ以上犠牲を増やそうとするな!
やめてくれよ!どうして
そんな必死の声をあげる者達に
戦場で相手の心配とはお人好しどもが。そんなに心配なら
お前らが死ね
黒い一閃が二人を貫いた
そして、二人は物言わぬ骸と成り果てる
戦闘が始まり既に一時間以上経過している
既に戦闘の趨勢は決していると言って良かった
ルネス王国軍には市民兵達が
エフラム達には傭兵達が
それぞれ襲いかかった
だが、ゼトが全体を指揮し、各部隊長がそれぞれ細かい指揮を採っているルネス王国軍はその練度に反して非常に高い戦闘力を発揮していた
残念ながら、多少鍛えた程度の市民兵の敵う相手ではなかったと言えよう
エフラム達に挑んだ傭兵達だが、仮にもエフラム達は魔王フォデスを倒した者達であり、誰もが上位クラスになっている
経験豊富な傭兵達と言えども相手が悪かったというほかなかった
とはいえ
ねぇ、なんで逃げないの!
コイツら死ぬ気かよ!ネイミー、絶対俺のそばを離れんな!
くっそ、なんでこいつら!
ロス!無茶をするな!
コイツらは死兵だ!死ぬ覚悟を決めている連中に躊躇うな!死ぬぞ!
くっ!
どうしてこんな事に!
人との戦闘に慣れていても『死兵』と戦う事には慣れていないネイミー、コーマ、ロス、フランツは苦戦を強いられていた
では他の者達が平気かと言うと
下がれ!話を聞け!
ぐっ!
手強い!
ううっ、なんて言うか怖いです
負の情念がこの戦場に満ち溢れています
こんな事が
そんな事は一切なかった
ケセルダはゼトに挑んだが、万全の体調ならばまだしも満身創痍の身体ではマトモに戦う事も出来ず敗死
傭兵のまとめ役の男はデュッセルに挑み、片腕を奪いそして死んだ
そんな戦場に
死んだ死んだ
いっぱい死んだ
お前らがいたから、お前達が何もしなかったから死んだ
クレムトが現れた
闇魔法とは精神を強く持たねば容易く心を壊してしまいかねない禁術の一つ
グラド皇子リオンも精神が弱った所にフォデスが取り憑いていた
そして、クレムトはそんな闇魔法を10年程使っていたのである
実のところ、既に彼の精神は摩耗しきっておりその支えだったのがケセルダであり、仲間である傭兵達だった
それが亡くなったクレムトは最早周りのモノを壊し、殺すだけの装置となっていたのである
覚悟せよ!はっ!!
よせ!デュッセル!!
クレムトの隙と見たのかデュッセルは斬りかかる。エフラムはクレムトのナニカに危険なものを感じ、デュッセルを制止するが
ふらっ
デュッセルの一撃を軽くかわすクレムト
そして
『黒曜石デュッセル』グラドの薄汚い裏切り者よ
死ね
ドサッ!
絶命の声すらなくデュッセルは地に倒れ、そして動かなくなった
デュッセルッ!
くっ!
明らかに先の一撃は致命傷であった事は魔法に詳しくないエフラムにも分かった
分かってしまったのだ
それを食らったデュッセルの最期すらも
全員!気を引き締めろ!!
コイツは今までの連中とは違うっ!!
エフラムの最早絶叫にも似た大声が戦場に響き渡った
道理を捨て、伝統を捨て
遂には国を滅ぼした
嗚呼、滑稽で哀れな知識の探求者
っ!
クレムトは歌いながら、次々と亡霊戦士を召喚してゆく
以前細かい制御をするのであれば、一体が
自身の精神を代償にすれば、複数の亡霊戦士の詳細な制御も出来るのだ
正確には術者の
一度分割した精神は元に戻ることなどなく、亡霊戦士の消滅に合わせて消えるのみ
その亡霊戦士達の標的は
っ!やはり私ですか
グラドの魔道士ノールだ
ノールはリオンに近しい魔道士であり、おそらくリオンを止める事の出来たであろう数少ない人物であった
だが、民を想うリオンの考えに同調し、結果としてリオンもグラドも聖石も失った
元々リオンに近しい魔道士である事は知られており、そうであるからこそ二度とグラドの地を踏む事は出来ないだろう事は想像に難くない
ノールとて高位の闇魔法の使い手である『ドルイド』であるが、こればかりは研究をメインとしていたノールと実戦を重んじているクレムトの単純な戦闘経験の差があったといえよう
多数との効率的な戦い方というのは一朝一夕で学び取れるものではないのだから
故にこうなるのは必然とすらいえた
うぐっ!
や、やはり私では救えません、でした、か
ノールさんっ!!
クレムトの召喚した亡霊戦士達の集中攻撃を受けたノール
数体は撃破したものの、それだけでは彼に迫る凶刃を防ぐ事は出来なかった
なお、亡霊戦士と言っているが基礎能力でいえば戦士というよりも、上級クラスであるウォーリアの低レベルクラスに相当する為、『当たれば痛い』などという生緩い攻撃力ではなかったのも致命的だった
デュッセル、ノールと僅かな時間で既に2人もの死者を出してしまったエフラム達
クレムト自身の闇魔法に対抗できるだけの魔法に対する耐性を持つのはナターシャのみ
だが、ナターシャの場合は彼女の使う光魔法は
更にナターシャは物理防御力が低く、クレムトの使役する亡霊戦士達と非常に相性が悪い
なお、亡霊戦士と一括りにしているが、この亡霊戦士個体によって多少能力も変わる
が、それ以上に問題なのが
特に今回のクレムトが召喚した亡霊戦士の一部は危険極まりない
更に面倒なのが『亡霊』戦士なので、地形を無視する事である
現在ルネス王宮付近で戦闘をしているが、全体的にはルネス王国軍が押している形で推移している
その為、反乱軍の陣付近での戦闘となっており、当然ながら陣幕やテントなどの遮蔽物がそれなりにある訳で
その遮蔽物を
なお、首魁である村長は既に自身で命を絶っており、話し合うべき冷静さを残した人物はこの戦場に存在しなかった
勿論反乱軍において、だが
クレムトはノールを始末した事を無機質な瞳で見届けると更に亡霊戦士を召還し続けようとする
はっきり言えば、『当てさえすれば』どんな非力な一撃だとしても容易に倒せるのが亡霊戦士
なのだが、逆を言えば『攻撃を当てなければ』倒せないということでもあった
エフラムとしてはクレムトによる更なる亡霊戦士の召喚は何としても阻止せねばならない事
故に
あの男を止めるぞ!!
そう号令をかけるのは何の不思議もなかった
アメリアは余りにも変わり果てた自身の『恩師』の姿に動揺していた
オラ走れ。止まってる暇はないぞ?
守りたい、ねぇ?
ま、否定する気はないけどよ。その為にはある程度の力が要るんだよなぁ
想いを貫きたきゃ、先ず強くなれ。そして強くあれ
力のねえ理想や想いなんて何の意味もねえからな
口は悪かったし、態度も決して良い人ではなかった
それでも
事前準備は怠るな
いざって時の備えを怠る奴は大体長生き出来ない
金を惜しむな、名誉もプライドも惜しむな。何よりも命を惜しめ
うら若き少女にする様な話でない事も戦場に出るのであれば、と苦々しい顔をしながらも教えてくれた
だからこそ、アメリアは今まで生きてこられたと思っているし、感謝もしている
その人がこんな姿になって、自分と対峙しているなんて思いたくはなかった
ふむ、グラドを想って武器を取ったのか
黒曜石とかグラド三騎と仰々しい呼び方をされていても、アメリアにとっては優しく接してくれた人だった
そう、でしたか
貴女は強いのですね。私もそのくらい心が強ければ
悩みながら、苦しみながら、それでも明日へ歩き続けようとした人がいた
生きてなんぼだ
まあなんだ。死ぬなよ?
依頼だからと無力な自分に沢山のものを与えてくれた人がいた
だからこそ、アメリアは前に進む事を選ぶ
自分のすべき事を、いやしたい事をする為に
行きますっ!
・・・
アメリアはその重装備をものともしない勢いで、クレムトに挑みかかる
クレムトの周囲にいる亡霊戦士達の攻撃はアメリアの守備を貫く事は出来ない
だからこそ、アメリアは目の前の人物にだけ集中出来る
アメリアは自分の、クレムトの周りにいる亡霊戦士達の装備をしっかり確認しており、その中に
戦場を見渡して、しっかり確認する事が大事だ
闇雲に突っ込んで戦うなんざ、猪のやる事
頭を使え。やるなら効率よく、徹底的にやれ
クレムトが事あるごとに口を酸っぱくして言っていた事だった
アメリアが持つのは『銀の斧』
重量こそ嵩むが、周辺の亡霊戦士達の攻撃を躱すには槍よりも
相手の装備を見て、それに見合った武器を選べ
出来なきゃ戦える場所を作れ
アメリアがエイリーク達の仲間になってから常に意識している事
だが、幾つか変わった事もある
はあっ!
っ!?
クレムトが教えた斧の扱い方
勿論、それはアメリアの今を支える基礎として、今なお色濃く残っている
だが、アメリアはあれから沢山の出会いをし、経験も積んだ
僅か一年足らずではあるが、ルネスの元戦士長であったガルシアから斧の使い方を学び、ジストから戦場での立ち回り方を聞いた
そして何よりも
オラァ!敵に呑まれてどうすんだ!
気持ちで負けて勝負になるか!!.
あの砂漠で戦ったケセルダとの一戦
それがアメリアの実力を更なる高みへと導いていた
粗暴で力任せに見えて、大振りの攻撃の合間にフェイントや意図的な空振りを加える事で相手の消耗を誘う戦い方
今までのアメリアに無かった選択肢だった
ビュッ!!
相変わらず、アメリアの攻撃は当たらない
例えどれだけクレムトがおかしくなろうとも、彼が培ってきた経験だけは彼の血肉となっているのだから
が、クレムトに取って見知った動きになりつつあるアメリアを見て、クレムトは少なからず動揺している様だった
っ!!
クレムトの絶句する様な息遣いがアメリアに聞こえた気がした
やあああっ!!
アメリアが
ケセルダ?
クレムトは靄のかかった様な意識の中で友人の姿を幻視した
いや、そんなはずはない
ケセルダは間違っても
違う、筈だ
だが、相手から繰り出させる攻撃は自身の友人が繰り出すソレと同じ様な印象を受ける
既に精神がおかしくなっているクレムトにとって、既に考えられる事といえば、あの傲慢で無鉄砲な友人の事くらい
クレムトは消えかかる意識の中で重なるはずの無いイメージを重ね合わそうとしていた
それ故に
やあああっ!!
相手の繰り出した攻撃
その二の刃に対応する事が出来なかった
クレムト、さんっ!
クレムトを倒したアメリアだったが、アメリアは直ぐに倒れ伏した彼の元にいた
倒したいとはアメリアは思っていない
止めたかったのだ
・・ああ、なんだ嬢ちゃんか
ようやく正気に戻ったのか、弱々しいながらもアメリアの呼びかけに応えた
待ってて下さい!直ぐに特効薬で
アメリアは自分の携帯する特効薬を使おうとするも
やめとけ、無駄だから
クレムトはそれを止めた
そもそも精神を削り取る様な手法で亡霊戦士を大量に召喚、制御していたクレムト
傷は癒せたとしても、精神まで癒せる程の効果はない
というより、どんな高い薬だろうが回復効果のある杖だろうが精神の再構成など不可能
どこぞのユグドラル大陸には
そしてそれを知ってクレムトはその外法を行使したのだ
後悔する気も、謝罪する気も一切ない
しか、し見事に負けた、もんだ
言葉とは裏腹にクレムトの口調はさっぱりとしたものだった
クレムト、さぁん
アメリアはもう涙声しか出ない
彼の身体の熱がどんどん下がっているのだから
しかし、因果なものだ。教えた俺の基礎にケセルダの奴の技が乗っかるとは、な
クレムトも辛いのか、目を閉じたまま弱々しい声で話す
いや、最早呟いていると言ってもおかしくはないだろう
後進を育て、てこそ一流だった、か?・・ようやくあの野郎と肩を並べられた、かねぇ?
・・・クレムトさん?
此処にルネス王国における反乱軍は最後まで抵抗していた傭兵クレムトの死をもって終結した
その後の事を少しだけ語ろう
大規模な反乱によりただでさえ荒廃していた国内が混乱したルネス王国
一連の混乱の責任を取り、王子エフラムはルネス王国の後継者の立場を妹であるエイリークに譲り、その後エフラムは一生を費やしてルネス王国国内の安定に尽力する
その傍らにはロストンより移り住んできたラーチェルの姿があったそうだ
兄であるエフラムからルネス王国トップの地位を譲られる事になったエイリークであったが、隣国のヒーニアス王子とターナ王女からの様々な支援や協力。腹心であるゼトとフランツらに支えられて荒廃したルネス王国の再建にその人生を捧げる事となる
しかしながら、辺境視察中に反乱軍の生き残りに狙われてフランツを喪う事になってしまう
それでも粘り強く国内の安定の為に心を砕き続けた結果、ルネス王国はかつての治安を取り戻した
フレリア王国では、無理矢理帰国させられたターナが父親であり国王でもあるヘイデンを痛烈に批判
ヘイデンもまた自身の不始末の責任を痛感していた事もあり、ヒーニアスに実権を譲り隠居する事とした
なお、反乱軍の主力を撃破したルネスより反乱軍との決定的な決裂の原因となった反乱軍側の使者を殺害した件について問い質された事により当時ルネス王都に展開していたフレリア騎士団首脳部達は責任を追及された
国王として即位していたヒーニアスはこれについて厳罰を与える事とし、関係者については異例ともいえる苛烈な処置を行なった
なお、反乱軍蜂起の直接的原因である武器や食糧の供出について判明するのはヒーニアスの次の国王即位まで待たねばならなかったりする
ジャハナ王国では帰国した亡き女王イシュメアの息子であるヨシュアが国王として即位した
が、言うまでもなく国民からの猛反発を受ける事となり、本来なら王家を護る盾である再建された衛士隊も公然と国王批判をする程であった
ジャハナ王国が安定するのにはヨシュアの孫、つまりヨシュアから更に二代先の国王による治世まで待たなければならなくなる
グラド帝国
いや、後に帝国を支えていた文官達が相次いで自死した事により、グラドは共和制を採用
グラド共和国と名を改める事になる
ルネス王国における反乱軍騒ぎの半年後、グラドにかつてない規模の地震が発生
ただでさえ滞っていた国内の各種設備などの整備などが更に災害対策により遅れる事となった
とはいえ、帝政末期における大陸侵攻時それを良しとしなかった文官達は皇帝の命に反すると理解していながらも、非常時の為の備蓄を積み上げていた事などもあり、早期に国内復興への道筋が出来たという
なお、グラド崩壊を齎した当時の皇帝ウィガルドやそれに仕えたグラド六将の評価については共和国になってからも揉める事となった
ロストンは魔王フォデス討伐の最後の希望として機能していたが、それを前面に出しての交渉などについて一切をマンセルは認めなかった
ただロストンはそこにあるべし
国を出てしまった者達やあの戦乱において命を落とした者達に対して攻撃的な発言や行動を控えさせ、大陸協調の要として機能する事となる
グラド共和国
グラド帝国より名を改めたそこにアメリアは居た
帝国の終焉を自分達の死とともに認めさせた『穏健帝』ウィガルドに彼が死してなお忠を貫いた文官達の嘆願もあり、アメリアは祖国へと戻る事が出来たのである
とはいえ、彼女に対するグラドの民からの風当たりはキツいのだが
ふー。やっぱり私は武器を持って戦うのは苦手だったのかなぁ?
畑を耕し終えたアメリアはそうこぼした
とはいえ、ルネス王国軍では『王女の盾』として畏敬の念を集めていた彼女ではあったのだが
世間ではグラド帝国によるルネス王国侵攻から魔王フォデス討伐までを『大陸動乱』と呼ぶ様になり、その後のルネス王国における反乱軍と王国軍の戦いを『ルネス内乱』と呼ぶ様になっていた
彼女はその一連の戦いで多くのものを手に入れ、そして喪った
アメリアはいつもの様に自宅の裏手にある小高い丘の上にいた
そこにはアメリアが当時愛用していたボロボロになった銀の斧と鋼の槍が交差する様に地面に突き刺さっている
(何でいえば良いのか、あの時他の方法があったのか?今でも考えちゃいます。でも私は貴方達の技を継いで生きていきます。もう振るわないかもしれませんけど)
アメリアはソレに手を合わせて、目を閉じていた
(でもやっと手に入れた日常。これだけは守りたいと思います)
アメリアはそう
斧と槍の刺さっている石の台座
そこにはこう書かれていた
我が恩師達、ここに眠る
と
国を作ろうとした男がいた
国を滅ぼそうとした男がいた
悲劇も惨劇も何もかも乗り越えて、ヒトは進んでいく
まだ見ぬ道の果てへと
という訳で完結となりました
短編という事と昔書いた下書きがあったのでそこまで時間をかける事なく完結させれると思いましたが
無理、でしたね(白目)
プライベートで色々あったのも理由ですが、言い訳しても良い訳ないですよね?(突然の某会長的ジョーク)
この様な作品を読んでいただき本当にありがとうございました