夢見た者、夢を捨てた者   作:鞍馬エル

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別ルート開拓

舞台であるマギ・ヴァルについては第一話を参照の事


異伝 相対するとき
 苦難の道へ


傭兵クレムトはグラド出身の少女アメリアを鍛える様に依頼を受ける

 

本来ならば、クレムトレベル上級職となった傭兵への報酬としては余りにも少額であり、別に受ける必要もなかった

が、クレムトとしては年端もいかない少女が態々地獄へと至る道を選ぶ理由が気になった為にこの依頼を受ける事にした

 

 

 

 

 

で、お嬢ちゃんがアメリアか?

 

は、はい。…あの、傭兵さんなんですよね?

 

 

クレムトと出会ってアメリアが彼に抱いた印象は

何だが傭兵って感じがしない

というものだった

 

マギ・ヴァル大陸における傭兵のイメージは砂漠の王国ジャハナ出身の傭兵達であり、その殆どは剣士などの剣や戦士と言った斧を扱う者達である

特にジャハナ出身の傭兵は前者の比率が圧倒的に高く、クレムトの様に魔法を扱う傭兵というのはあまり類を見ないものであった

その為、アメリアの戸惑いも無理のない話でありクレムトもそんな彼女の内心を普通に理解している

 

 

傭兵といっても一概に物理に秀でた者ばかりじゃ無い

まぁ、俺みたいな傭兵はそんなに居ないだろうが

 

 

居てたまるか

恐らくこの場にクレムトと親交のあるケセルダやアイオス、ジストやテティスなどが居れば口を揃えてそう言うだろう

 

 

----

 

傭兵クレムト

またの名を『闇刃』或いは『頸刈りのクレムト(傭兵殺し)

という物騒極まる二つ名を持っている

 

クレムトの信条は

『受けた依頼は完遂する

完遂する以上、効率的により効果的に』というもの

 

 

その為山賊討伐などを依頼されれば、真っ先に頭目を潰しにかかる

クレムトのクラスは『サマナー』であり、亡霊戦士を召喚、使役して戦う闇魔法の使い手

同じ闇魔法の使い手であり上級職の『ドルイド』と違い、杖を使いこなす事は出来ない

 

が、ことに単身で動く事を良しとする傭兵クレムト

彼にとって、回復方法は手持ちのリザイア(生命吸収魔法)と万一の為に携帯している特効薬で事足りる

魔法に対する高い耐性を持つが故に状態異常にかかる事は殆ど無い

 

…というか、クレムトに状態異常を通せるレベルの相手となるとそれこそ大国グラドの将軍クラスくらいなもの

そんな割に合わない仕事を引き受けるつもりなぞクレムトには全くなかったのだ

 

 

俺は慎ましく生きる

…傭兵という血塗られた職業を選んでおいて慎ましくとは?

と思わなくもないが、クレムトからすれば生活に困らない程度のお金があればそれで満足できるのだ

 

 

寧ろこの男、趣味に没頭する為に傭兵稼業(仕事)をしているまであり、基本的に

手早く確実に、そして後腐れなく

という事を依頼を受ける時の重要なポイントとしていた

 

 

なので敵の指揮官に対する不意打ち(夜討ち朝駆け)暗殺(壁抜けからの強襲)は朝飯前

なんなら反乱鎮圧に駆り出された時などは『キラーアクス装備の亡霊戦士』で敵の反乱していた着陣して僅かな後、領主を惨殺している

 

その結果、反乱騒動は僅か一日ほどで鎮圧される事となり、クレムトは満足した表情でその場を後にした

 

 

傭兵の多くは『成功報酬制』であり、依頼を達成して初めて報酬を手に入れられる

…などと思うと落とし穴に嵌まるので要注意だ

 

特に相手側にクレムトがいる場合は

 

依頼を達成したとしても依頼主が死んでいては報酬を貰えるかどうか怪しくなる

そして傭兵を戦で雇う人物というのは大抵それなりの地位にある人物であろう

なので、その人物がクレムトの抹殺対象になる事もしばしば起きるのだ。そうなると待ち受けるのはタダ働き(依頼人の死)。そうすると丸損確定となる

その上でクレムト(効率厨)を相手にしなければならなくなる時すらある

 

 

1番困るのが依頼云々抜きでクレムトが暴れ回る事

 

 

 

クレムトにとっての趣味は読書であり、偶にまだ見ぬ蔵書や奇書を求めて各地を転々とする事がある

そんな時に騒動が起きて、本を探す邪魔をされるとクレムトはキレる

 

傭兵クレムトは傭兵の中ではかなり珍しく手元に金をしっかりと残す人物だ

そして、多少の傷はリザイアでゴリ押せる

最悪リザイアと食糧さえあればどうにかなる。なってしまうのが傭兵クレムトなのだ

 

殺意の乗った一撃(クリティカル)など出た日にはそれを受けた相手の殆どが物言わぬ肉塊になる事請け合いである

 

 

 

 

----

 

 

 

そんな傭兵の中でもかなり『ヤバい』クレムトだが、基本は物腰柔らかな人物

なので多少侮られても全く気にしない

 

 

や、別に侮ろうが侮るまいが殺せと言われたら殺すから関係ないわ

 

という実に頭バーサーカーな考え方をしている

勿論顔見知りと敵対したとしてもクレムトは一切気にしないし、取り合わない

 

仕事は仕事

私情を仕事に持ち込んじゃあ傭兵失格よ

との事

 

 

その為多くの傭兵はクレムトが敵陣にあると知った瞬間逃げを選ぶ

倒すとしても,余りにも犠牲が多すぎては本末転倒なのだから

 

 

 

さて、グラド軍に志願するって聞いたけど

 

は、はいっ

 

 

どんぐらい強くなりたいのさ?

 

どれくらい、ですか?

 

 

そ、例えば戦場を支配したい位強くなるとか?

 

ええっ

そ、そこまでは考えてないですよぉ

思わぬ言葉に慌ててそれを否定すると

 

 

…そうか

 

(なんでこの人少し残念そうな顔をするのっ!)

私は目の前の人が何を考えているのか分からず少し恐怖をおぼえてしまった

 

 

 

----

 

 

うーむ、全体的にやはり筋力が不足している、か

とは言え『緋閃』(アイツ)みたいなのもいるから一概に筋力を付ければ良いという訳でもないのだが

 

まぁまずは体力づくりからか

よーし、クレムトさん久し振りに張り切っちゃうぞー

 

クレムトは嬉々としてアメリアの訓練メニューの作成に取り掛かった

…勿論、その間の時間が勿体無いのでアメリアには走り込みを指示した上で

 

 

走れ走れ〜

もたもたしてたら亡霊戦士さんが追いつくからな〜

 

え、ちょっと待ってくださいって!

思わずアメリアはクレムトの方を見るが、普通にクレムトは術式を展開しており亡霊戦士が今正に現出しようとしていたのである

 

 

参考データ

 

 

アメリア(見習い兵士)レベル1

HP16 力4 技3 速さ4 幸運6 守備2 魔防3 移動4 体格6

槍E 装備無し

 

亡霊戦士レベル2

HP1 力6 技7 速さ2 幸運0 守備0 魔防0 移動4 体格5

斧D 鉄の斧

 

クレムト(サモナー)レベル5※一部ドーピング有り

HP40 力(魔力)25 技27 幸運24 守備20 魔防28 移動8 体格9

闇A リザイア 特効薬

 

 

 

アメリアと亡霊戦士の移動力は同じなので

彼女が遅れれば遅れる程ピンチです(鬼)

 

 

走れアメリア

追いつかれたら振り切れないからなぁ

 

ひーん、どうしてこうなるんですかぁ

 

 

気の抜けたクレムトの声を受けてアメリアは必死に走る

流石に死にたくはないのだから

 




割とこっちのクレムトははっちゃけてます

まぁ、敵対したらどんな相手でも殺すんですけどね?

エイリークはクレムトと話をするか?

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