有名NTRゲームのハーレム野郎はハーレム大先生でした。 作:蒼井魚
俺が個……いや、
だが、ようやく自分が
どこにでもいて、どこにもいない。
次に彼と会えるのは……何百年後になることやら……。
――必要なのは情報だ……!
1
「っ!? なんだ、これ……」
体が軽くなるような感覚、風邪が治ったような感覚。だけど、後ろに居てくれた本物の
「……俺と相沢大先生は二人ぼっちだった。俺という存在を唯一理解して、語り合うことは無かったが、それでも」
行かないでほしかった。
枕を壁に向かって投げつける。心は荒むがこの世界を放棄する理由にはならない。
まだまだ原作にすら到達できていない。進むんだ。進み続けろ……!
「お兄ちゃん? お寝坊になるよ」
心配そうな顔をした妹が入ってくる。投げつけられた枕と冷や汗が流れる顔、それを見て父に報告を入れようとした。
「大丈夫だよ、怖い夢を見ただけさ……」
違う、怖い現実を考えた。夢なんかじゃない。
――現実。
「何時だ……こりゃ、朝ごはん作れないな……」
壁掛け時計を見る。
いつも朝の五時に起きて朝食の準備をしていたが、自分の体内時計に絶対的な信頼を持ち過ぎたらしい。帰りに目覚まし時計を買う理由が出来てしまった。
トテトテと小さな足音を響かせて俺の顔を見つめてくるこのみ、覗き込まないでくれ……強がりがバレそうだ……。
「お兄ちゃん……わたしは味方だよ……」
「ふふ、可愛い妹め……こうしてやる!」
「えへへ」
心優しい妹を抱きかかえて頭を撫でる。何度も繰り返して愛した妹、最初の世界で救うことは出来なかった。俺は大先生のことを知っている。でも、宝くじを当てるには一回目を犠牲にしなければならなかった。
二回目は宝くじを当選させ、相沢大先生と同じように彼女を救った。でも、彼女の純潔を救うことは出来なかった……。
反則だろうが、金も奪って小汚いおっさんに売り渡してはした金すら手に入れようなんて! ……相沢大先生もこの感情に苦しんだ。助言も無し、本当は教えていたのかもしれない。でも、俺に彼の声は聞こえなかった。
「パジャマで学校には行けない、着替えるから少しまっててくれ。朝ごはんは……父さんの秘蔵カップ麺だな」
「え!? お父さんが500円なのにいっぱい買ったあの!!」
「しー! 父さんには内緒だぞ」
俺はこの世界の行く末を見届けなければならない。そして、相沢大先生の意思を継ぐ。
そうだな、俺は相沢明広だが……相沢「
戻ってくるのを待つしかない。どうせ死ねば戻ってくる。彼も俺という存在とワンセット、だから……。
「……逃げられると思うなよ、
面白いか面白くないか
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面白い
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普通
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面白くない