バオオオオオオオ!!!!
バタン
ルビィ「この前見たって言ってたのは別の峠だったけど、きっとここにも来てくれるよね!」
ダイヤ「えぇ、そうですわね...。ですがルビィ、その前にひとつ聞きたいことがあるのですが。」
ルビィ「うゆ?どうしたの?」
ダイヤ「このマフラー、どうにかなりませんの?」
ルビィ「えへへ!いいでしょこのマフラー!この方がアリストしゃんにも似合うと思ったんだぁ!」
ダイヤ「...」
「ブッッッブーーー、ですわ!!!!!」
ルビィ「ピギィ!」
ダイヤ「ルビィ!いくらあなたでもこれは許容できませんわよ!黒澤家の娘ともあろうものが、あろうことかフルストレートなどという、野蛮ではしたないカスタムなどして!あなたは走り屋である前に女子高生ですのよ!?もっと慎み深い立ち振る舞いをしなければ、網元である黒澤家のメンツ丸つぶれですわ!だいたいこのアリストも...」
鞠莉「その声は...ダイヤじゃない!!」
ダイヤ「!?」
「ま、鞠莉さん...」
ダイヤ「鞠莉さん、なぜ貴方がここにいるのです...?」
鞠莉「そんなことは今どうでもいいわよ!久しぶりね〜!留学に行った時以来だから、3年ぶりかしら!随分とLADYになったわね〜!」
ダイヤ「えぇ...貴方もあの頃よりもずっと大人びていますわ...」
鞠莉「そうだ!お互い積もる話もあると思うし、どこかでお茶しながらでも話さない?もちろん私持ちで!」
ダイヤ「あ、あの...」
鞠莉「決まりね!どこかこの時間でも開いてるrestaurantはあるかしら?まぁ開けてもらえばいっか!それなら〜...」
ダイヤ「鞠莉さん!」
鞠莉ルビ「!?」
ダイヤ「お気持ちは嬉しいですが、今日はあいにくそういう気分ではないので...。
申し訳ありませんが、また次の機会にお願いしますわ。」
ダイヤ「ルビィ、車を出してください。帰りますわよ。」
ルビィ「え、でも...」
ダイヤ「いいのです。だから早く。」
ルビィ「う、うゅ...」
バアアアアアアアア......
鞠莉「...first contactは失敗ね。」
果南「チャンスはまだあるから焦らなくてもいいよ、鞠莉。」
鞠莉「焦ってなんかいないわ。...ただ嬉しかったのよ。ダイヤが元気そうだったのと、久しぶりにダイヤと話せた事が。」
果南「でも、鞠莉がこれからやろうとしてることは、せっかく繋がりかけたダイヤとの関係を、また壊すことかもしれないんだよ?それでもいいの?」
鞠莉「えぇ、分かっているわ。でもそれくらいの覚悟で向き合わないと、ダイヤは振り向いてはくれないわ。だからいいの。」
果南(鞠莉...だいぶ本気みたいだね...なら、私はもう鞠莉のことは止めない。二人を見守る役に徹するよ。)
バオオオオオオオ......
ルビィ「おねいちゃあ...あの人って誰なの?おねいちゃあが話したくないなら、ルビィも聞かないけど...」
ダイヤ「そうですわね、この際だから話しますわ。別に隠していたことではないですし、もしそうだったとしても、もう時効ですから。」
3年前、私と果南さん、そして先程の鞠莉さん。その三人で私たちは『スクールアイドル』という活動を行っていましたわ。
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ー3年前ー
ダイヤ『今日の練習はここまでにしておきましょうか。イベントまでそう日もありませんし、ここで体を壊したら元も子もありませんからね。』
鞠莉『じゃああとは各自自主練ってことでOK?』
果南『そうだね。基礎練習とかランニングなんかは家でできるから、そういうのがいいかもね。』
鞠莉『All right!じゃあ、私は先に帰るわね〜!』タタタッ
ダイヤ『鞠莉さん、最近は特に熱心ですわね。』
果南『リーダーのダイヤよりも熱意がすごいよ。まぁ、あのダンスフォーメーションで一番重要な場所を任せてるからね。』
ダイヤ『そうですわね。私たちも、鞠莉さんに負けてられませんわ。イベントまでの残り短い期間、気を引き締めていきましょう。』
果南『フフッ、そうだね。頑張らなくちゃ!』
ーイベント前最後の練習日ー
ダイヤ『鞠莉さん!その足の包帯、大丈夫ですの!?』
鞠莉『自主練してたらちょっとぶつけちゃって...。お手伝いさんったら大袈裟で、ちょっとのキズなのにこんなに包帯巻いてくれちゃって〜!』
ダイヤ『んもー!少しの怪我でも、イベントに差支えがあったら元も子もないと言ったでしょう!貴方は大事なポジションなんですから、特に気をつけていただかないと!』
鞠莉『oh!ダイヤったら、cuteなFaceが台無しだよ〜?』
ダイヤ『ま〜り〜さ〜ん〜!!!!』
鞠莉『No!助けて果南!』
果南『鞠莉はおっちょこちょいだなぁ〜。今回は大事なさそうでよかったけど、気をつけなよ〜?』
鞠莉『off course!!』
ーイベント当日ー
ダイヤ『私たちの出番はもうすぐ...おふたりとも、気を引き締めて行きましょうね。』
果南『さ、舞台袖に移動しようか。』
鞠莉『...そうね。行きましょう。...うぅっ!』ガクッ
ダイヤ『鞠莉さん!?』
鞠莉『大丈夫!!ちょっと足がもつれただけ!平気だから!』
果南『...』
『ちょっと触るよ、痛かったら言ってね。』
スッ ズキッ!!!
鞠莉『あぅ...っ!!』
果南『かなり腫れてる...この前ちょっとぶつけたっての、嘘でしょ?』
鞠莉『...』
果南『ダイヤ、ちょっと話があるからこっち来て。』
ダイヤ『...分かりましたわ。』
果南『今回のイベントは辞退しよう。』
ダイヤ『そうするしかありませんわ...。私の...私のせいですわ...』
果南『違う。ダイヤのせいじゃない。鞠莉にだって非はあるし、そもそも誰のせいでもないよ。しょうがなかったんだよ。』
ダイヤ『でも!あの時自主練をOKしたのは私で、あのフォーメーションを考えたのも私ですわ!あんなことさえ考えなければ...!』
果南『ダイヤ、自分を責めないで...またチャンスはあるから...。』
こうして、私たちはそのイベントを辞退した。そしてその後、再びスクールアイドルとして活動することはありませんでしたわ。
鞠莉さんには当時、海外留学の話がいくつか来ていました。ですが鞠莉さんはその全てを断って私たちとスクールアイドルを続けていました。
スクールアイドルとしての活動がなくなり、私と果南さんは鞠莉さんに海外留学する事を強く勧め、結果として鞠莉さんは留学した。鞠莉さんの未来を奪うまいと、私と果南さんが考えた、精一杯の策でした。
結局その後、在学中に鞠莉さんと会うことはなく、廃校阻止のために始めたスクールアイドルも辞め、学校は統廃合になった...
ダイヤ「これが果南さん、鞠莉さんとの事の顛末ですわ。」
ルビィ「...そうなんだ...」
ダイヤ「ルビィが気にすることなんてひとつもないですのよ?これは私たち三人の問題。既に解決しましたし、これから進展することもないのですから。」
ルビィ「でもおねいちゃあ、だったら...」
「どうしてそんなに寂しそうな顔をしてるの?」