ダイヤ「ムッッキーーーーー!!!!」
曜「ダイヤさん落ち着いて!」
ダイヤ「落ち着いてなどいられるものですか!なんですのその無礼千万な輩は!」
ダイヤ「挨拶もろくにしないでおいて、言うに事欠いて挑発など、ふざけているにも程がありますわよ!」
善子「さっすがダイヤさん!!ダイヤさんならそう言ってくれると思ってたわ!」
ダイヤ「それほどでもありますわよ!なんと言ってもこの私は沼津一の走り屋、ジュエリーシスターズの黒澤ダイヤですわよ!」
善子「ダイヤさん!あんなじゃりん子たちなんかコテンパンにしちゃって!なんたって沼津一なんだもの!」
ダイヤ「フフフ...言われなくたって、」
善子「おおぉーー!!!」
ダイヤ「できませんわ。」
善子「なんでよ!!!」
梨子「それはそうでしょ。ダイヤさんのスープラはこの前のバトルで壊れちゃったから修理中なんだもの。」
善子「うわぁ〜ん!そうだった〜!」
ダイヤ「面目ないですわ...」
果南「しょうがないよ。この前のアレは不可抗力だし、仮に事故ってなくてもあんな挑戦者が現れるなんて誰も予想できないし。」
鞠莉「一番の問題は、誰がbattleするかってことよね。ダイヤ以外にも実力のある人はいるんだもの。」
花丸「バトルの条件は向こうが全部指定してるんですよね?」
梨子「えぇ。期日は3日後、場所は『西伊豆スカイライン』。」
花丸「地元民のマルたちの方が土地勘と経験値では有利ずら。有利と言っても、よっぽどの用事がない限りはあの道は走らないから、アドバンテージと言えるかは微妙だけど...」
ダイヤ「そう考えると...候補は千歌さん、花丸さん、果南さんの3人でしょうか?御三方とも実力はありますし、勝機は十二分にあるかと。」
果南「あー、私はパス。その日は家の用事があるから走れないや。」
ルビィ「そうなると、あとは花丸ちゃんと千歌さんの2人になるね。」
花丸「マルは何度か走ってるからある程度慣れてはいるけど、実力と車のスペックは千歌さんのが断然上だし...」
千歌「でも私、手伝いでいつも使ってるのは下の道だから、西伊豆はあんまり走ったことないんだよね〜。」
一同「うーん...」
曜「じゃあ、実際にコースを走って、どっちが速いかで決めたらいいんじゃない?」
ダイヤ「いいですわね。花丸さんと千歌さん、2人でバトルして勝った方がバトルを受けるということにしましょう。」
ー翌日、西伊豆スカイラインー
ヴォオオオオオ...
花丸「まさかこんな形で千歌さんと走る日が来るとは...」
千歌「花丸ちゃん、よろしくね!手加減なしで行くよ〜?」
花丸「はい!オラも手加減なしの全力で走らせてもらうずら!」
梨子「ダイヤさんはこの勝負、どちらが勝つと思いますか?」
ダイヤ「花丸さんはコースレイアウト、相手の走り方やマシンスペックなどの情報を知識として理解して走る方です。一方、千歌さんはそのような情報を感覚で掴んで走る方です。前もって分かっている情報が多ければ多いほど花丸さんが有利ですが、だからといって千歌さんの分が悪いわけではありませんわ。あらゆる情報を感覚で掴み、即座に対処する適応能力の高さ...あれは土地勘や知識などと言った情報を凌駕する可能性も秘めてますわ。」
梨子「つまり、どちらが勝ってもおかしくない...バトルの選考とはいえ、ますます気になる一戦ですね。」
ルビィ「あれ?善子ちゃんと曜さんは?」
果南「あぁ。善子ちゃんはあの2台の追走って感じで参加するみたいだよ。最近走る練習してるし、あの二人に引っ張ってもらえば感覚も掴みやすいだろうしね。」
鞠莉「曜は単に近くで見物したいってだけらしいわ。好奇心旺盛ね〜!」
善子「頑張ってついて行こうとは思うけど、期待はしないでよね?」
曜「ヨーシコー!安全運転でお願いするであります!」
善子「善子って言うな!ヨハネ!」
曜「ほらほら、もう始まっちゃうよ!」
善子「え!?ウソ!?」
ルビィ「カウントいきまーす!5!4!3!2!1!」
フォオンフォオンフォオン!!
ヴァアアンヴァアアン!!
ルビィ「ゴーー!!!」
ギャギャギャギャ!!!
ファアアアアン!!!!
ヴェアアアアアアア!!!!
曜「全速前進!ヨーシコー!」
善子「ヨハネだってば!」
ウヴァアアアアア!!!!
千歌「まずは花丸ちゃんの後ろについて様子見しようかな。」
この道は初めて走るけど、そんなにキツいカーブもないし、道の状態もそこまで悪くない。道幅も割と広いし、走りやすい道だ。これなら今から前に出ても走れそう。
花丸「流石に付いてくるずらね。そうじゃなくちゃ、ダイヤさんを圧倒した相手とは言えないずら。」
いくらマルの後ろを付いてきているとは言え、普通初めて走る道をこんなスピードで走らないずら。ドラテクもそうだけど、千歌さんは並外れたハートの強さも持ってるずらね。
フォアアアアアアアアア!!!!
ヴェアアアアアアアア!!!!
曜「うわ、あっという間に2人とも見えなくなっちゃったよ!」
善子「この堕天使ヨハネを振り切るとは、人間風情がなかなかやってくれるわね...」
曜「善子ちゃんはまだ始めたばっかりでしょ。無理せず走ろ?」
善子「承知!...にしても、あまり土地勘のない千歌さんでさえあんなスピードで走れるのに、北海道から来たって言うあの二人はなんでこの場所を対決場所に選んだのかしら?」
曜「うーん...何事においても経験っていうのは大きなアドバンテージになるからね。それ無しで勝算があるとすれば、よっぽどテクニックに自信があるとか?あ、ここもうちょいアクセル踏めるよ。」
善子「あ、うん。...あの妹はともかく、姉の方はそんな自信家には見えなかったけど。何か企んでるというか、考えがありそうな顔をしてたわね。」
ヴェアアアアアアアア!!!
花丸「依然として千歌さんに動きはないずらね。」
千歌「道の様子はだいたい掴めてきた...そろそろ前に出るよ!」
ファアアアアアアア!!!!!
千歌さんが加速した!ここで仕掛けるつもりずらね!
花丸「させないっ!」
ヴェアアアアアアアア!!!!!
千歌「!?」
花丸ちゃんの車、速い!!
軽自動車なのにパワーが全然違う!エンジンを載せ替え?したって言ってたけど、こんなにも変わるものなんだ...!
花丸「いけるずら!」
怪物軽トラを相手に、マルのモコがサイド・バイ・サイドをキープしてる!やっぱり、スズキが世に送り出したK6Aエンジンは最高で最強のエンジンずら!だからこそ...だからこそこの勝負、負けられない!
花丸「マルの車と、テクニックが!一番速いということを証明してみせる!!」
千歌「花丸ちゃん、すごい気迫...車からでもすごく伝わってくる!」
花丸ちゃんは、私よりも運転は上手くないって自分で言ってた。そして車のことも。でも花丸ちゃんは、私が持ってないものをたくさん持ってる。車の性能や部品に関する知識、道の走り方や運転の基本的な技術。そして何より、自分が乗る車に対しての自信と誇り。
花丸ちゃんのその熱意は、私なんかよりもずっと大きいし、もしかするとチームの中で一番大きいかもしれない。それってすごく素敵なことだし、羨ましい。
私は...
なんで走ってるんだっけ?
花丸「うぅ...やっぱり適わなかったずら...」
ルビィ「花丸ちゃんは頑張ったよ!それ以上に千歌さんが速かっただけだよ!」
梨子「次のバトルは千歌ちゃんが出るってことで決まりね。」
ダイヤ「違う場所から来ているとはいえ、挑戦者はこちら側。相手がどんな策を講じてくるか分かりませんわ。気を引き締めて臨むのですよ。」
千歌「はい...でも、明日のバトルは花丸ちゃんに出てもらった方がいいかもしれないです。」
一同「え!?」
鞠莉「what's!?いきなり何を言い出すの千歌っち!」
千歌「このバトルでは勝ったけど、やっぱり少しでも走り慣れてる人の方がいいと思うし、勝ったって言っても最後の最後までずっと並走してたから...」
梨子「それでも勝ったことに変わりはないのよ?自信を持って、千歌ちゃん。」
花丸「マルは、千歌さんに走ってもらいたいずら。負けちゃったのは悔しいけど、それでも同じチームだから、自信を持って送り出したいずら!」
ルビィ「そうですよ!千歌さんなら絶対にあの二人に勝てますよ!」
千歌「花丸ちゃん...みんな...」
「...分かった。私頑張るよ。」
曜「...」