ラブライブ!サンシャインR   作:χ-u-魚

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第2部 第3話 Saint Snow

ファアアアアアアアアン......

 

『信じて送り出したいずら!』

 

『千歌さんなら絶対にあの二人に勝てますよ!』

 

 

本当にそうなのかな...?

 

ファアアアッ ファアアアアアアア!!!!!

 

花丸ちゃんは全力で私に向かって来てくれた。『負けたくない』って気持ちもすごく伝わってきた。それに対して私は、あの2人とバトルする理由どころか、車に乗って走る理由すら見つけられてない。ただ美渡ねぇ志満ねぇに言われたから乗ってるだけで、みんなといるのは楽しいけど車が好きな訳でもない。

花丸ちゃんと比べたら何もかも中途半端なのに、あのバトルで勝ったからって、本当に私でいいのかな...?

 

 

ウヴァアアアアアアア...

 

善子「千歌さん、だいぶこの道にも慣れてきたんじゃない?タイムも上がってきてるし。これなら明日は問題なく勝てそうね。」

 

曜「そうかな?私はなんか引っかかるんだよね〜。」

 

善子「そうなの?とてもそんな感じには見えないけど。」

 

曜「なんか元気ないって言うか、上の空って言うか...ここもうちょいイン寄せられるよ。」

 

善子「オッケー。」

 

ギャアアアアアアアアア!!!

 

善子「元気の塊みたいな千歌さんにそんなことあるの?」

 

曜「どんなイメージなのそれ...見てれば分かるよ。千歌ちゃんとはずっと一緒にいるし」

 

善子「おぉ...!魂の契約!友人という関係を超越した、まさに闇の眷属!」

 

曜「闇って!悪者みたいになってるじゃん!そんなんじゃないよ〜!次キツめの右カーブだよ。」

 

善子「承知!!†インフェルノ・コーナリングッ†!!!」

 

ギャギャギャギャ!!!!!

 

曜「うわあぁぁ!!やりすぎだよ!」

 

 

 

バタン

 

千歌「はぁ...」

全然ダメだ...いつもみたいに走れなくなってる...バトルは明日なのに、こんなんじゃみんなに合わせる顔がないよ...

 

 

曜「千歌ちゃん。」

 

千歌「曜ちゃん...」

 

曜「千歌ちゃん、無理してない?」

 

千歌「っ...!だ、大丈夫だよ!コースもだいぶ頭に入ってきたし、明日は調子よく走れそうだよ!」

 

曜「そっか。でも千歌ちゃん、無理は絶対にしちゃダメだよ?私ができることだったら何でもするからね?」

 

千歌「うん...ありがとう、曜ちゃん!頑張るよ!」

 

 

 

ー翌日、待ち合わせ場所にてー

 

 

梨子「いよいよね。千歌ちゃん、準備はいい?」

 

千歌「うん。大丈夫だよ。」

 

曜(千歌ちゃん、やっぱり元気ない...みんなは気づいてないみたいだけど)

 

花丸「千歌さんなら絶対勝てるずら!自信を持って走って!」

 

ルビィ「千歌さん、がんばルビィ!」

 

ダイヤ「気持ちを強く持つのですよ!北海道に負けてはなりませんわよ!」

 

千歌「うん!精一杯やってみるよ!」

 

ブオオオオオオオ...

 

善子「来たわね。」

 

ルビィ「あ、来たよ!」

 

善子「それにしても、曜の言う通り千歌さんが本調子じゃないって言うなら、このバトル勝てるの?」

 

曜「私の予想でしかないけど、このままだと千歌ちゃんは...負ける。」

 

善子「!!」

 

聖良「お待たせして申し訳ありません。」

 

梨子「いえ。約束の時間まではまだありますから。バトルの詳細をもう一度確認しておきましょうか。」

 

聖良「そうですね。バトルのコースは西伊豆スカイライン、同時スタートで先にゴールに着いた方の勝ちということで。」

 

梨子「スタートはこの広場で、ゴールは戸田峠駐車場でしたよね。」

 

聖良「えぇ。ところで、対戦相手はどなたでしょうか。」

 

ダイヤ「高海千歌さん。この方があなた方の対戦相手ですわ。」

 

千歌「...高海千歌です。よろしくお願いします。」

 

聖良「鹿角聖良です。いいバトルにしましょう。」

 

理亜「鹿角理亜。よろしく。」

 

梨子「ではそろそろ始めましょうか。車をスタート位置に並べてください。」

 

 

 

千歌「いつまでもウジウジしてられない!みんなのために勝たなきゃいけないんだから!」

勝たなきゃ...勝たなきゃ!!

 

 

ルビィ『各ポイント準備OKです!対向車もいません!』

 

梨子「わかったわ、ありがとう。それじゃあカウントいきまーす!」

 

「5!4!3!2!1!」

 

ファン!ファン!ファン!ファアアアアアアア!!!!

 

ヴォン!ヴォン!ヴォン!ヴォオオアアアア!!!!!

 

梨子「ゴーーー!!!!!」

 

 

ファアアアアアアアアア!!!!!!

 

バアアアアアアアアア!!!!!

 

ギャギャギャギャギャギャ!!!!

 

梨子「インプレッサの立ち上がりが速い!さすが4WDね。でも千歌ちゃんも負けてない!」

 

聖良「まずは様子見、お手並み拝見させてもらいますよ。」

 

ファアアアアアアア!!!

 

千歌「前をとった!これなら何とか持ちこたえられそう。」

 

 

バアアアアアア!!!!

 

理亜「白ナンバー。エンジンの排気量が変わってるみたい。」

 

聖良「えぇ。この軽らしからぬパワーとスピードはそれが原因でしょうね。侮りがたい相手です。」

 

千歌(大丈夫、このコースはきついカーブが少なかった。私ならブレーキをかけずにギアを落とすだけで突っ込んでいくこともできる!)

 

ファアアアアアッ ファアアアアア!!!!!

 

理亜「!」

 

聖良「車の性能もさることながら、ドライバーのテクニックも相当なものですね。それでこそ私たち、『セイントスノー』の相手に相応しいというものです。」

 

 

善子「第一セクション、千歌さんが先頭で通過したわ!」

 

(曜が心配してたの、やっぱり思い過ごしだったみたいね。あのキレのある走りなら大丈夫そう!)

 

 

ファアアアアアア!!!

 

ヴォアアアアアア!!!!

 

千歌(ほぼ全開で走ってもなかなか離れない...やっぱり向こうから条件を言ってくるくらいだもん、相当自信あるはずだよね。)

 

千歌「でも...絶対に勝ってみせる!」

 

 

 

ダイヤ「これはマズいですわね...このバトル、いよいよ分からなくなってきましたわ。」

 

ダイヤ『こちら第2セクション戸田駐車場。辺り一帯に霧が立ち込めてきましたわ。』

 

梨子「霧が...!分かりました。一般車の情報はまだ入っていないのでバトルは続行しますが、事故などのトラブルに注意してください。他のオフィシャルの方にはこちらから伝えておきます。」ピッ

 

霧...バトルに限らず、運転において夜の闇よりもドライバーにとって脅威になる存在...千歌ちゃん、気を付けて...

 

 

 

フッ

千歌「なにこれ...霧!?うぅ、急に視界が悪くなった!」

 

アクセルを踏みたくても、視界が悪いせいで踏んでいけない!でもそれはきっと相手も同じはず!条件は全部同じだよ、焦るな私!

 

 

 

聖良「霧ですか...。どうやら気候は私たちの肩を持つようですね。準備はいいですか、理亜。」

 

理亜「オッケー。いつでもいいよお姉様。」

 

聖良「任せましたよ。ッ!!」

 

 

ヴォアアアアアアアアアア!!!!

 

千歌「な、なにっ!?追い上げてくる!?」

 

ギャアアアアアアアアア!!!!!!

 

ヴァアアアアアアアア!!!!

 

カーブ手前で追い抜かれた!霧のせいで視界が悪いはずなのに、私よりも上のスピードでカーブを抜けていった...!どういうこと!?

 

千歌「ッ!!追いかけなきゃ!」

 

ファアアアアアアアアア!!!!

 

テールライトの光がうっすら見える。霧が晴れるまではあの光を追いかけていれば、引き離されるなんてことはないはず!そこから、追い越してみせる!

 

 

 

理亜「次キツめの左。ブレーキ使って。」

 

ヴァアアアアアオオオオ!!!!! キャアアアアアアア!!!

 

理亜「3速で踏めるだけ踏んで。」

 

ヴォアアアアッ ヴォアアアアアアアアアア!!!!!!

 

理亜「緩めの右。そのまま突っ込める。」

 

ヴァアアアアアアアアアアアアアアア!!!!! キャキャキャキャ!!!!

 

 

 

恐らく相手は『土地勘のある方が有利』だと考えたことでしょう。従来であれば全くもってその通りです。ですが私たちは違う。私たちの前では土地勘などという曖昧なものは意味をなさない。私たちなら悪天候ですらも味方に付けられる。

さぁ千歌さん、あなたがどうやって私たちに

挑んでくるのか、見せてもらいますよ。

 

 

 

 

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