ファアアアアアアア!!!!
どうして?どうしてあんなスピードで走れるの?こんなに見通しのきかない霧に覆われてて、土地勘もないはずなのに!
ダメだ、勝たなきゃ!勝たないとみんなに合わせる顔がない!
ヴァアアアアアアアア!!!!
スピードが一気に落ちましたね...土地勘はあまりないということでしょうか。だからと言って手を抜くことはしませんよ。
理亜「次短いストレート。ギアそのまま全開で。」
千歌「どうすれば...」
テールライトがどんどん見えなくなっていく...!どうすればいい?どうすればあの二人に勝てるの?
ダイヤ「千歌さんが追い抜かれて、しかも差が開いてますわ!一体何が起こっていますの!?」
梨子「そんな...!千歌ちゃん、練習は十分していたはず!」
どうしちゃったの、千歌ちゃん...!
花丸「もしかして、マシントラブルずら!?」
善子(違う...千歌さん、やっぱり大丈夫じゃなかったんだ!やっぱり曜の言う通り、負けてしまう...)
理亜「姉様、あの軽トラ遂に見えなくなったよ。やっぱり大したことなかったね。」
聖良「...あのキレのある走りは見間違いだったんでしょうか...」
ファアアアアアアア......
テールライトを追いかけながら走ってるけど、それももう限界...あの二人との差がどんどん開いてる。やっぱり私じゃダメだったんだ...
みんな、ごめんね。私じゃ勝てなかった。走る目的のない私じゃ...
ファアアオオオォォォ...
...ヴォアアアアアアアア!!!!
千歌「!」
聖良「今はバトル中ですよ。こんなところで何をしてるんです?」
千歌「それは...」
聖良「対戦相手がこんな調子では話になりませんね。戦う意思のない相手と走っても、それはバトルとは言えません。」
千歌「...すみません...」
聖良「あなたの走りには光るものがありました。決して実力がないという訳ではないのにこんな結果になってしまって、残念でなりません。このバトルは取り消しです。」
理亜「私たちは遊びでストリートバトルをやってるんじゃない。そんなふざけた態度で相手しようなんて、バカにしないで。」
聖良「...行きましょう、理亜。」
千歌「...」
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ー翌日ー
キーンコーンカーンコーン
花丸「やっとお昼休みずら〜」
ルビィ「それにしても昨夜のバトル、まさかあんなことになるなんてね。」
花丸「千歌さんがバトルを放棄してバトルは取り消し、再戦が週末の夜ずら。どうして千歌さんは途中でやめたんだろう?」
ルビィ「うーん...ご飯食べ終わったら、千歌さんの様子見に行く?」
花丸「そうしてみるずら。」
梨子「千歌ちゃん、一緒にご飯食べよ?」
千歌「うん。」
曜「あ、私も一緒にいい?」
梨子「もちろん!千歌ちゃんもいいよね?」
千歌「うん、いいよ。」
千歌「...昨日はごめんね。みんなあんなに応援してくれたのに、あんなことしちゃって。」
梨子「誰も怒ってないから大丈夫よ。それよりも、千歌ちゃんらしくない行動だったからみんな心配してるわ。あの時何があったの?」
千歌「...ほんのささいな事だよ。だからあんまり気にしないで。」
曜「千歌ちゃん...」
千歌「それよりさ!次のバトルって誰が出るの?あの二人、すっごく強かったからなにか作戦も考えないと!」
梨子「そ、そうね...バトルに出る人はまだ決まってないわ。できれば花丸ちゃんか果南さんに出て欲しいなとは思っているけれど...」
千歌「そっかー、花丸ちゃんもすごく速いから、きっと勝てるよ!果南ちゃんは...走ってるところ見た事ないからなぁ〜、どうなんだろ?」
曜「千歌ちゃんはそれでいいの?」
千歌「...え?」
曜「千歌ちゃんは本当にそれでいいの?悔しくないの?」
千歌「そ、それは...」
千歌「...理由はどうあれ、あの二人には適わなかったんだから、私じゃダメだったんだよ!でもあんな速い人たち見たことなかったから、すごく勉強になったな〜って!」
梨子「千歌ちゃん...」
千歌「あ、そうだ!私先生に呼ばれてたんだった〜!ちょっと職員室に行ってくるね〜!」タタタタ...
梨子「やっぱり話してくれないわね、千歌ちゃん。」
曜「多分、みんなに心配かけたくないのかもしれない。」
梨子「どうしたものかしら...」
ルビィ「こんにちは〜」
花丸「こんにちはずら〜、ってあれ、千歌さんはどこずら?」
曜「花丸ちゃんとルビィちゃん!どうしたの?」
ルビィ「千歌さんが心配だったのでちょっと見にきました。」
花丸「でもいないですね〜。」
梨子「ふたりとも...ありがとう!」
ルビィ「それで、様子はどんな感じですか?」
曜「あんまり良くないね。なにかあったのは確実なんだけど、千歌ちゃん話そうとしないし...」
一同「うーん...」
花丸「こうなったら、最終手段に出るしかないずらね...」
ルビィ「そうだね、それが一番効果があると思う!」
梨子「私たちに残された道は一つだけね。」
曜「そうだね...(何の事だろ...?)」
ジーーーー...
曜「...え?私!?」
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夜、三津浜にて
ザザーーーン......
千歌「私、どうしたらいいんだろ...」
みんなそれぞれに走る理由があってあの峠を走ってる。でも私は、美渡ねぇや志満ねぇが乗れって言うからずっと乗ってて、あの道もずっと走ってたから速いだけで、走る理由なんてなかった。
みんなと競ったり、それで仲良くなれた人が増えたりするのが楽しかったから私はみんなと一緒にいただけ...速く走る理由なんて、どこにもない。
あの日のバトルだって、本当は花丸ちゃんの方が走りたかったはずなのに、私が勝ったからって譲ってくれた。それなのに私、全然走れなかった。
私、もしかしたらあのチームにいるべきじゃないのかもしれない。
千歌「......」
チカチャーン...
曜ちゃん、あの時すごく心配してくれてたのになぁ...きっとあの時、私が悩んでることバレてたんだろうなぁ。
ちかちゃーん!
なにか一緒にしたいってずっとずっと思ってたのにできなくて、心配してくれたのに打ち明けられなかった。これじゃ友達失格かも。
千歌「ずーっと一緒にいたのになぁ...」
曜「ちーかちゃんっ!!」
千歌「あ...曜ちゃん...」
千歌「...って!曜ちゃん!?」
曜「ヨーソロー!渡辺曜であります!」
千歌「なんでここにいるの!?終バスもう終わっちゃったのに!うわ、汗びっしょりじゃん!」
曜「ふっふっふ〜、千歌ちゃんのためなら自転車でだって駆けつけるよ!」
曜「ずっと一緒にいた仲なんだよ?千歌ちゃんの悩み、聞かせてよ。」
私、バカチカだ...
こんなに私のことを思ってくれる友達がすぐそばにいてくれたのに、一人で勝手に塞ぎ込んで、みんなから逃げるような事までして...
千歌「...しいよ...」
千歌「私、悔しいよ!!」
千歌「鹿角さんたちに負けたのも悔しい!だけどそれ以上に!応援してくれたみんなの気持ちに答えられなかった自分が!走る目的なんかないのに何となくで花丸ちゃんからチャンスを奪ったことが!悔しいんだよ!!」
曜「...やっと言ってくれた。」
曜「走る理由は必ず、千歌ちゃんの心の中にあるはずだよ。今はそれに気づいてないだけ。そうじゃなかったら、千歌ちゃんはこんな風に悔しいって思えないよ。」
千歌「でも、本当に思いつかないよ...!」
曜「だったら今度のバトル、一緒に走ろうよ!今すぐには見つからないなら、千歌ちゃんが見つけられるまで私がサポートする!」
千歌「え...?」
曜「私、ずっと千歌ちゃんと一緒になにかしてみたかった。千歌ちゃんの力になれたらってずっと思ってたんだ。だからきっと、今がその時なんだよ!」
そうだったんだ...私と曜ちゃんの気持ちはずっと一緒だったんだ...!!
千歌「曜ちゃん、ありがとう!!」
曜「今度のバトル、絶対に勝とうね!!」