ダイヤ「以前と比べたら、格段に上達していますわよ。」
善子「そう?」
ダイヤ「えぇ。ハンドリングから伝わってきていた不安な感じもだいぶなくなりましたし、アクセルワークやブレーキングも洗練されて、安定感のある走りになっていましたわ。」
善子「よかったぁ〜。ダイヤさんにそう言ってもらえるなら自信が付くわ!」
花丸「5.5LでV8のモンスターマシンをこれだけ扱えるなら十分なレベルずら。まだまだ改善点はあるけど、それはこれから地道に取り組んでいけばいいずら!」
善子「あの厳しかったずら丸が...!あぁ、正しく今日こそラグナロクの日!」
果南「でも油断しちゃダメだよ?心の余裕がなくなったら、今まで練習してきたことがちゃんと発揮できなくなるからね。一番は平常心を保つことだよ。」
善子「我は天界を追放されし堕天使ヨハネ...ちょっとやそっとのアクシデントでは動じぬ...」
梨子「またそんな調子のいいこと言って...事故っても知らないわよ?」
曜「まぁまぁ!これで善子ちゃんも走り屋の仲間入りってわけだね!」
ルビィ「やったぁ!善子ちゃん、今度一緒に走ろうね!」
善子「フッ...今度と言わず、今からでも遅くはないぞ?...あとヨハネ」
ダイヤ「そうしたい気持ちはわかりますが、皆さん明日も予定があるでしょうし、今日はこの辺でお開きにしましょうか。」
梨子「えぇ、そうしましょうか。」
......ウウォオオオオォォォォォ
......ヴォオオオオオォォォォ
曜「スポーツカーだ!2台も来たよ!」
花丸「ポルシェと90スープラずら...どっちも戦闘力の高い車ずら。」
ダイヤ「こんな時間に来るということは、ただのドライブ目的ではないでしょうね。」
梨子「どうします?あの2台の走りを見てから帰ります?」
ダイヤ「...いえ。興味はありますがわたくしは明日の朝が早いですし。皆さんも予定があるでしょうから長居は無用でしょう。帰りましょうか。」
バタン
にこ「それらしき車はちらほらいるけど、そう多くはないわね。」
バタン
真姫「羽目を外して走れる場面ってこういう時くらいしかないから、ギャラリーは少ない方がローリスクだわ。」
ダイヤ「ん?...え゛ぇ゛っ!!!」
ルビィ「ピギャッ!ど、どうしたのお姉ちゃん!?」
ダイヤ「ルビィ!あれを見なさいルビィ!!」
ルビィ「あれって...あ、あわわ、あわわわわわ!!!!」
ダイルビ「まさか!まさか!まさか!まさか!」
ダイルビ「『BiBi』の二人だぁーーーー!!」
善子「えっ、なんか黒澤姉妹のアリストめっちゃ騒がしいんですけど?」
曜「何かあったのかな?ちょっと聞きに行ってみようか。」
善子「そうね。ちょっと心配だし。」
バタン
善子「外まで聞こえてるわよ?ちょっと大丈夫?」
曜「何かあったの?」
ウィーーーン
ダイヤ「あなたたちは...」
ようよし「あなたたちは?」
ダイヤ「...今すぐここから立ち去りなさい!!!!わたくしとルビィはここに残りますわ!!!!」
ようよし「は、はいいぃぃぃ!!!」
ダイヤ「他の方も!!!良い子は就寝の時間ですわよ!!!とっとと帰りなさい!!!」
果南「うわ...ダイヤなんか喚いてる。ちょっと止めてくるよ。......ダイヤ!恥ずかしいからやめな!?」
真姫「なんか向こうが騒がしいわね...」
にこ「ギャラリーの注目も向こうに行ってる事だし好都合ね。今のうちに1本走っとくわよ。」
真姫「極力静かに出るようにね。」
ウウォオオオオォォォォォ......
ヴォオオオオオォォォォ......
果南「他の人も見てるから喚くのやめなって!」
ダイヤ「果南さん!止めないでくださいまし!!これは私にとって一世一代の大!!チャン!!ス!!!この気を逃す訳にはいきませんの!!」
果南「うるさい!!網元の娘がみっともない!わけわかんないこと言ってないでさっさと帰るよ!」
ルビィ「あーー!お姉ちゃん!!あの二人が!!」
ダイヤ「え?んまーーー!私としたことが見逃すとは!!追いかけますわよルビィ!!」
ルビィ「うゆ!!おねいちゃあのためならルビィ、がんばルビィするゆぉーーーー!!」
ダイヤ「というわけで退きなさい果南さん!怪我しますわよ!」
果南「え、あ、はい!」サッ
ブアアアアバババババ!!!!!
パパパパパン!!!!
キャアアアアアアアアアバアアアアアアアアアアア!!!!!!!
ゥバアアアアアアアアァァァァ......
......
花丸「...竜巻でも起こったずらか...?」
バアアアアアアアアアアア!!!!!
ダイヤ「もっとスピードあげなさいルビィ!それではあの二人を見失いますわよ!ほらもっとコーナー突っ込むのです!」
キャキャキャキャ!!!!
ルビィ「うゆゆゆゆ...踏んば...ルビィぃぃ!」
ガッ!! ガリガリィ!!!!
ルビィ「ピギィ!!アリストしゃんのエアロがぁ!!」
ダイヤ「エアロ擦ったくらいでみっともないですわよルビィ!大和撫子たるもの、エアロなどガリってナンボですわ!気持ちを強く持つのです!」
何としても私はあの二人に直接会わなければならない...私にはそうする義務がある...
何故ならば...
私は絢瀬絵里のファンだからですわ!!!
私がスクールアイドルを目指したのは、μ'sがきっかけですわ。その中でも絢瀬絵里、彼女に強く憧れましたの。凛としていて美しいパフォーマンスを見た時、私は彼女のようなスクールアイドルになって輝きたいと強く強く願いましたわ。夢破れたあとも彼女への憧れだけは消えませんでした。μ'sが解散になったあとも、矢澤にこ、西木野真姫、絢瀬絵里の3人で『BiBi』というユニットを結成し、超人気アイドルユニットへと瞬く間に登り詰めました。スクールアイドルという肩書きがなくなってもなお色褪せないその魅力とカリスマ性があったからこそ、私はずっとファンでいられたのです。
そして今しがた、その『BiBi』のメンバーのうち二人が目の前にいました。せめてこの思いを、今までの感謝を伝えられるなら!このチャンスを逃してはならないのです!!
ダイヤ「ルビィ!もっと出ないのですか!?」
ルビィ「こ、これ以上は無理だよぉ!!」
ダイヤ「ぐぬぬぬ...ルビィ!運転を変わりなさい!わたくしが運転しますわ!」
バアアアアアアアアアアア!!!!!!!
ギャギャギャアアアアア!!!!
ダイヤ「絶対に追いついてみせますわよ!!」
ヴォオオオオオオ......
善子「ダイヤさん、すごい剣幕だったわね...」
曜「幼馴染の果南ちゃんですら追い返してたよ。それにいきなり飛び出していっちゃうし。一体何があったんだろう?」
善子「まさか、伝説の悪魔であるルシファーが憑依した!?それなら何とかしてヨハネの下僕として使役したいものね...」
曜「いやそれはないから...ってうわ!見てこの道!すごいブレーキ痕だよ!」
善子「絶対ダイヤさんとルビィのじゃない...ここまでして追っかけるってことは、目的はやっぱりあの2台で間違いないわね。」
ルビィ「あ!見えた!テールランプの光だよ!」
ダイヤ「捕まえましたわよ...!BiBi、覚悟ぉ!!!」
バアアアアアアアアアアア!!!!!!
にこ「む...なんかややこしそうなのが1台、遠くから来てるわね。」
真姫『宿はもうすぐそこだし、さっさと宿に入ってやり過ごすのがいいと思うわ。』
フォオオオアアアアアア!!!!!!!
ヴォオアアアアアアア!!!!!!
ルビィ「トンネルに入っていっちゃった!」
ダイヤ「やはり沼津方面ですわね。」
BiBiほどの人気アイドルユニットともなれば、いくらオフでも高級ホテルに宿泊するはず。ですが沼津市街近辺で宿を取れば、あの2台はかなり目立つ...。パパラッチやファン、移動距離と一般市民の目を避けることを考えれば、宿泊するホテルは限られてくる。淡島の『ホテルオハラ』、三津浜の『松濤館』、そして『十千万旅館』...車を停めてからのアクセスを考えれば、ホテルオハラはなしですわね。となると残りは二つ...一件ずつ確認していくとしましょうか。
ヴォオオオオオォォォォ......
ルビィ「あれ?なんでスピード落としちゃったの?」
ダイヤ「まずは松濤館。」
それらしき車はなし、ですわね。となれば...
ダイヤ「!!」ニヤリ
ダイヤ「見つけましたわよ...!」
ルビィ「え!どこ!?」
ダイヤ「あそこの駐車場を見なさい、ルビィ。」
ルビィ「ほんとだ!さっきのポルシェとスープラだ!」
よりにもよって我がチームメンバーの家に宿泊してくださるとは...これは一気にエリーチカへ近づきましたわよ。
待っていてくださいまし!エリーチカ!!