SIDE マキナ
俺が、このPMOというゲームを知ったのは、動画投稿サイトから、おすすめ動画として出てきたことだった。
この動画を見てから、遂にはポケモンもVRMMO化するのかと関心を持って、調べていると、ゲンナイ……いや、今はトリガーか、トリガーから誘いが来た事で、それならと、テスターとして応募してみた。
しかし、結果は惨敗。
悔しさから、ファーストプレイヤーにも応募しても、抽選に落ちて、ゲームをやる意欲が無くなってきたところで、セカンドプレイヤーとして、ようやくできるようになった。
シキのやつから、自分は落ちたけれど、彼女が2人分、当選したって言うもんだから、どうせなら、トリガーに、ドッキリでも仕掛けてやろうかと、予定よりも少し早く港で待つ事にした。
俺は、最初に選ぶポケモンは、正直、ヒトカゲの色違いがよかったが、時間をかけたくはなかったから、それなりに進化後が強いポケモンなら何でもいいと、結局、ドラメシヤに決めて、トリガーと、フロウを出待ちして驚かせてやった。
それから、トリガーの兄貴のマグナムさんと合流すると、話が進むにつれて、このゲームの難易度がかなり高い事が、わかったのみならず、タイプ統一パーティーが主流だとさ。
ドラメシヤのタイプは[ドラゴン]と[ゴースト]
ドラゴンか、ゴーストかで悩みどころだが、チームとしてのタイプを考えると、
ゼオンは、[でんき]タイプ。
リオンは、[ほのお]タイプ。
トリガーは、[じめん]タイプ。
フロウは、おそらく[こおり]タイプ。
マナさんは、[みず]タイプの雨パが妥当か。
シキは、進化後の事を考えると、被らないように、[あく]タイプだろう。
……よし、決めたぞ。
俺は、[ゴースト]タイプだ!
そんな思いを乗せながら、草むらの陰から、後ろ姿のジグザグマに向かって、システムアシストがかかった動きで、モンスターボールを投げつけた。
SIDE トリガー
中腰で移動するマキナの姿は見えなかったが、モンスターボールが、山なりになって飛んでいくのが見えた。
モンスターボールは、ジグザグマに当たって、ジグザグマがモンスターボールに入り、ゆらゆらと揺れて、小さな花火が上がったのが見えた。
マキナは、立ち上がって、モンスターボールを拾いに行って、戻って来た。
「システムアシストは、違和感がすごいな。
あの引っ張られる感覚は、慣れるのに時間がかかりそうだ。」
と、どこか、うれしそうにマキナが言う。
「これで、2つ目の、『スニークゲット』はわかったな。
次の、3つ目の捕獲方法たが、これは『友情ゲット』と、呼ばれている。
この友情ゲットは、システムアシストもなければ、ベータ版、ファーストプレイヤーのチュートリアルを受けたプレイヤーからの情報でもなく、実際にプレイしたことで判明した捕獲方法になる。
このPMOというゲームの世界の野生のポケモンは、戦闘で倒してしまうと、その場で透明になって、見えなくなってしまう。
これは、倒された側のポケモンを、運営が『消滅』や、『死亡』という表現を避けるための措置らしいんだが、中には、野生のポケモンを戦闘で倒さずに、体力ゲージをギリギリに減らしたままで、捕まえもせずにその場を離れるような、ポケモンに経験値が入ることも無い、ただ、痛めつけるために戦闘をするような悪質なやつがいてな。」
「悪の組織ロールのPK達に限らず、こういう人は、まれにいるのよ。
だけれど、そんな時に、別のプレイヤーが、その傷ついたポケモンを治療して助けた事で、そのポケモンが助けたプレイヤーになついて、モンスターボールを見せると、ポケモンの方から、モンスターボールに入って捕まえた。
なんて事があったの。」
「その事がわかってから、野生のポケモンの方にも高度なAIが積んであるんじゃないかと言われはじめてな、いくつかのチームが検証した結果、野生のポケモンを戦闘ではない方法で捕まえられる事が判明して、この捕獲方法を『友情ゲット』という呼び方で呼ぶようになったという訳だ。」
「この捕獲方法は、手本を見せられるわけじゃ無いから、捕獲方法のチュートリアルは、これで終了よ。
そして、最後に、『クラフト』について教えておくわ。」
「クラフトは、一定のロールでなければ、行うことが出来ないものになる。
お前達の中で言うならば、トリガーの『さぎょういん』、マキナの『てつどういん』、マナさんの『ふなのり』、シキの『つりびと』がクラフトを行うことができる。
こういうロールのことを、プレイヤー間では『クラフターロール』とも呼ばれている。
それぞれのロールによってできることが変わってくるが、たとえば、『つりびと』の場合、海辺や川沿いにある街にある『釣具屋』にいくと、店主NPCに、特定のポケモンがよく釣れる釣り餌の作り方を教わることができる。
『ふなのり』ならば造船所や船着場、『てつどういん』ならば、駅なんかといった所に行けば、自分達ができることがわかるだろう。」
「俺の『さぎょういん』は、何ができるんだ?」
たとえ話しに、自分のロールのことが出てこなかったので、聞くと
「『さぎょういん』は、少々特殊でな、今のところ、『ボングリの実』から、古いタイプのモンスターボール、それこそ、『ヒスイ地方』産のモンスターボールと似たような出来損ないをつくることができるが、『ジョウト地方』の『ヒワダタウン』に行っても、『ガンテツ』さんに正式に作り方を教えてもらえたのは確認されていない。
それこそ、ボングリの実は、『ボンドリンク』の原料になるのがほとんどだ。
誰かが弟子入りの方法を見つけるか、作り方を発見するのか、はたまた、これからアップデートで、追加されるのかは、まだわからないな。
まあ、いろんな街を巡ってみれば、何か発見があるかもしれないぞ。
……これで、一応、最初に覚えておくチュートリアルは教えたと思うぞ。」
俺はなんとなく、さぎょういんをクラフターロールに加えてもいいのかと、自分自身でも、よくわからない顔になったような感じがして、気持ちが悪くなっていた。
「で、ここからは、あなた達がチームを組んだら、レギオン登録をすることを前提に、特別に話すわ。
よく聞いていてね。
一つ目、『チームを組むまでは、一人、もしくは、ペアで動くこと。』
今のあなた達は、トレーナーとしては、ライバル同士よ。
あなた達で、ポケモンバトルをすれば、ポケモンは気絶するし、金銭のやりとりも発生するわ。
これからチームを組むことになる親しい仲間同士で、ギスギスしないでほしいし、もしも、チームを組まないってなれば、私たちもいろいろと考えなきゃならないでしょう?
そうなってほしくないから、1人、もしくは2人ぐらいで、動いた方がいいと思うわ。
2つ目、『できるだけ、たくさんの地方、いろんな街のフレンドリィショップでロールワークを探すこと。』
これは例えば、ポケモンによって、NPC達が迷惑をかけられているから、どうにかしてほしい。だったり、ポケモンを捕まえたいから手伝ってほしい。とか、こういうロールワークは、その地方にいないポケモンがいたり、普段のフィールドにはいない、いわゆる『ユニーク個体』が現れることがあるわ。
外見に特徴があったり、覚えないはずの技を覚えているポケモンがいたりするから、積極的にロールワークを探してみなさい。」
GALSさん誤字報告ありがとうございました。