『ゼオン』
SIDEゼオン
2XYZ ○/△ 21:45
現在地:クチバシティ
トリガーの兄貴のマグナムさんに、いろいろと教えてもらってから早、2日ほど。
あいつらとは、カイナシティのポケモンセンターで別れたけれど、双子の弟のリオンとマキナの3人で、どこに行くか話しあった結果、地続きになっている、『カントー』『ジョウト』に行けば、早くバッチが集められるんじゃねーかっていう話になって、とりあえずカントー地方の『クチバシティ』にオラは、きていた。
ほかの2人?そっちはそっちで、活動してると思うけど、何やってんのかは知らねー。
ルインさんに言われたけど、正直、ポケモンの事は詳しく知らないから、レベル上げと、ジムバッチ集めをやって、早いとこ、チームを組むように動くのが、オラの方針。
チームのリーダーとして、真っ先にやるべき事は、それだろうと思う。
とりあえずは、フレンドリィショップに行って、ロールワークを受けながら、金を稼ぐところかな。
「えーと、どんなロールワークを受けたほうがよかったんだっけか?
まあいいや、オラのランクで受けられるのは…これでいいや。
店員さん。これ、オナシャス!」
とりあえず、見つけたのを、店員に渡して、ロールワークを受けると、とりあえず、フレンドリィショップから出て、さっきのロールワークを見る。
依頼名:何のしわざ?
依頼者:ダイキ
場所:サント・アンヌ号
ランク:1~3
ロール:規定無し
報酬:1500pm
内容:
サント・アンヌ号が停泊する度に、周囲の水ポケモン達が、なにやらケガをしているらしい。
何の仕業なのか、調べてくれないか?
とりあえず、港に行けばいいかと、足を進めたら、オラが港に来た時にはいなかった、何やら、豪華客船が見えてきた。
「あれが、サイト・アンヌ号?でかっ!?」
リアルの地元に、たまに寄港する豪華客船とけっこう似ているぐらいの豪華客船っぷりに、思わず声が出た。
「いやいや、これの調査って、どれだけ時間かかんの…」
すると、船と港をつなぐ桟橋の前に立っていた水兵風の格好をした男が
「オーイッ。そこの青年、見学か?
それとも、『ふねのチケット』を持っている乗船希望者か?」
「えーと、このロールワークを受けて来たんだけどさ。
本当にこの船であってる?」
オラはその男に、ポケモン図鑑を取り出して、受けたロールワークを見せると、さすがに、あってるのかどうかわからなくて、聞いてみた。
「たしかにこの船は、サント・アンヌ号だ。
だが、ダイキのやつ、船長に言われていたことを、外部のトレーナーに頼んでいたのか…
ちょっと待ってくれ、ダイキのやつを呼び出すから。」
と、船の方に走り出すと、5分程度経って、水兵風の男が、二人になって、戻ってきた。
「待たせて、悪かったな。
おい、ダイキ、せっかく受けて来たくれた人に失礼な事をするんじゃないぞ。」
「オラは、ゼオン。
あんたが、このロールワークを出したダイキって人?」
「お待たせしました。
『ふなのり』のダイキです。
タツロウさん、対応ありがとうございました。
ゼオンさん。どうぞ、よろしくお願いいたします。
まずは、ついてきてください。」
えらく丁寧なしぐさで、言ってきて、ついてくるように言われたから、オラは船の中に入ることになった。
船の中は、豪華客船というだけあって、通路でさえも、落ち着いた雰囲気のあるホテルの廊下というような見た目をしていて、ときおり見える大部屋は、煌びやかなシャンデリアや真っ赤な絨毯が敷かれていた。
そして、階段を下りて行くと内装ががらりと変わっていて、乳白色の簡易的な壁や、配管がむき出しの天井の通路にきて、その一室に入るように言われて入ると、パイプ椅子と、簡易的な机がある詰め所のような場所で、そこに座ると、ダイキが話し出した。
「改めまして、ロールワークに依頼を出したふなのりのダイキといいます。
今回は、このサント・アンヌ号でみられている件で、調べてほしいことがありまして、依頼させていただきました。
このサント・アンヌ号は、ご覧になられた通りに、いろいろな地方を巡る豪華客船となっています。
この船には、乗客のみならず、見学客や、荷物の運搬業者、乗組員などが乗り降りを頻繁にしているのですが、そのいずれもが、このカントーのクチバシティに入港するたびに、船の周りにいた水タイプのポケモン達が、ケガを負っていたという報告が上がっておりまして…」
「…で、オラにその調査をしてほしいってことだよな?
でも、いろんな人が出入りするような、こんなデカイ船を一人で調査するっていうのは無理があるんじゃねーの?」
「もともとは、われわれが船長や、船のオーナー様に、調査をするように言われていました。
そして、前回カントーを出航して、戻ってくるまで、乗組員や、乗客達への聞き込み捜査を行った結果、いくつかの証言を得られました。」
「そこまで、分かっているなら、別にロールワークに依頼を出す必要なんてなかったんじゃねーのか?」
「いえ、その証言の中には、われわれ乗組員では調査を躊躇するようなものもあり、かと言って、ジュンサーさんや、『けいさつかん』の調査が入れば、サント・アンヌ号の航行ができなくなってしまいます。
それは、オーナー様からも言われています。
なので、外部のトレーナーに証言の調査をお願いしたのです。」
「オラの個人的には、そういうとこに、調査してもらった方がいいように思うけどな。
…まあいいや、んで、その証言っていうのはどんなのがあったんだ?」
「まずは、船の調理を担当している『りょうりにん』からの話しです。
『翌日のための仕込みを終わらせて、自分も休もうかと思い、消灯して、寝室に向かおうとしていたところでした。
食品の貯蔵庫から音がしていたので、見に行くと、暗い室内のはずなのに、扉が開いていたのです。
その貯蔵庫の中を覗くと、突然、目の前を強烈な光が現れて、何かに突き飛ばされて、倒れてしまいました。
慌てて、電気を付けると、食品がいくつか無くなっていて散らかっていたので、片付けをしていたのですが、疲れが溜まっていたので、そのまま、貯蔵庫でうたた寝してしまい、後になって報告しても、お前が、寝ぼけて食べたんじゃないかと、言われてしまいました。
本当に見たんですけど、誰も信じてくれないのです。』
ということでした。
このことから、騒動の原因が、密航者、又は密航したポケモンで、食品を盗んでいたのではないかというのが、仮説の一つです。」
「でも、水タイプのポケモンには、何にも繋がらないよな?」
「…ええ、たしかにそうです。
そして、2つ目の証言です。
サント・アンヌ号の乗客の『だいすきクラブ』の方からは、
『ワテクシは、旅行先の景色を見るのが、何より楽しみにしていますの。
なのにせっかく、カロスから来たというのに、カントーの港の景色には、ポケモン達の姿が無いじゃないの!
…そういえば、カントーの港に着いてすぐに、甲板にいた時に、どこからか、話し声が聞こえましたわ。
ポケモンが必要だ、とか、これで計画を進められる、とかなんとか。
次の船上イベントの打ち合わせとかじゃないんですの?』
その方の言うイベントには、我々乗組員には心当たりはありません。
このことから、何やら、乗組員や、乗客とは
違う思惑がある人が乗っているようです。」