もしもポケモンがVRMMOになったら   作:岩鋼玄武

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ポケモンセンターまで

さて、俺達は、港町の建物や風景を見ながら、ポケモンセンターへと歩いて行くにつれてたくさんのプレイヤーやNPCが行き交う、様々な道具を、テントのような設備がいくつも並ぶ市場のような通り『カイナ市場』を歩く。

 

基本的に、プレイヤーと、NPCの違いは、頭の上の逆三角形のくるくると回るマーカーで、表示されていて、一般的なプレイヤーなら水色に近い青、NPCなら、黄色で分かれている。

 

一般的と、あえて言うのは、これも、ロールの役割による区分けがされているからだ。

 

今までのポケモンをプレイしてきたことのある人はわかるだろうが、一般的なロールは各シリーズのストーリーで、ジムバッチや、その地方の冒険の途中で、遭遇するたくさんのポケモントレーナーのことをさしている。

 

しかし、各シリーズのストーリーでは、『○○団』などと、悪の組織と呼ばれる、団体に遭遇しては、襲ってくるのだ。

 

このPMOでは、一般的なロールだけではなく、こういう『○○団』という悪の組織の一員としてのロールにも就くことができるのだ。

 

こういったロールのプレイヤーは、赤色のマーカーで表示されていて、他のゲームでいう、プレイヤーキラー[以後、PKと表記]に該当している。

 

こういったロールにも、いろいろと、メリットがあるらしいのだが、事前に調べても、専用の掲示板サイトは鍵付きらしくて見る事はできなかった。

 

さて、俺達が、いるのは、『カイナシティ』だ。

 

察しのいい人にはもう分かっているだろうが、この地方は、『ホウエン地方』である。

 

なぜ、ホウエン地方にきていたというのには、理由がちゃんとある。

 

カイナ市場を興味深く見渡しながらも、断腸の思いで、今は、素通りし、カイナ市場を抜けたところで、今度は、鮮やかな朱色の屋根が、見えた。

 

 

「おー!これが、ポケモンセンターか!

わかりやすいな!」

 

 

ドーム型の朱色の屋根に、壁の色は白一色の対比で、誰が見てもわかりやすい、モンスターボールの形を思わせるデザインが施されているこの建物が、目的のポケモンセンターである。

 

各地方のポケモンセンターは、このデザインで統一されていて、他の設備建物にも、各モンスターボールのデザインが施されているので、とてもわかりやすくなっている。

 

思わず大きな声をあげたゼオンは、うるせぇな!と、シキに軽く頭を叩かれながらも、ウキウキ顔で、ポケモンセンターの自動ドアをくぐり抜けて、それ続くようにしながら、なぜか、ポケモンセンターの右側の窓を見つめるような人たちを横目に、不思議に思いながらも、俺達もゾロゾロとポケモンセンターに入っていった。

 

ポケモンセンターの内部は、救護施設というよりも、道の駅やサービスエリアなんかにありそうな観光案内所のように見えた。

 

真上は、3メートルはありそうな明るい天井で、正面には胸の高さのカウンター越しに、桃色髪で看護師姿のジョーイさんがいて、各四隅には鉢植えに入った観葉植物があり、右側にはパソコンのような装置が4台と、木製に見えるテーブルと3つの椅子が2セット並び、左側には、人1人が、入れる円筒形の設備が4台並んでいた。

 

その右側のテーブルで、一組の男女が、こちらに気づいて、俺達を手招きした。

 

 

「ようやく着たか、こっちだこっちに来い。」

 

どちら共に青いマーカーで、プレイヤーとわかっていて、男の方が、俺達を呼び寄せてきた。

 

「あー、今回はすまんな兄貴。

わざわざ、チュートリアルを頼んでさ。」

 

そう、このスポーツウェアの格好の男キャラは、俺にチュートリアルぐらいなら、頼まれてもいいぞと、なぜか俺がセカンドプレイヤーに当選していたことを知っていた、離れて暮らしている兄貴である。

俺は、片手をあげなから、近いて行くと、兄貴の目の前に座っている女性プレイヤーが、声をかけてきた。

 

「へぇー、君が、『マグナム』の弟君なんだ。

私は、『ルイン』、よろしくね。」

 

「どうも、俺はトリガーといいます。相棒のナエトルです。

よろしくお願いします。」

 

俺は、頭を軽く下げるが、

 

「ルインさんって、あのルインさん!?」

 

フロウが驚いて声を上げ、

 

「あ、すみません。

俺はフロウっていいます。

もしかして、『シルバーブレッド』のリーダー、ルインさんですか?」

 

「誰?痛っ!」

 

不思議そうな顔で、聞いてきたゼオンは、今度は、マキナに叩かれながら、

 

「失礼だろ。

あ、俺は、マキナっていいます。

今、叩いたのは、ゼオン、その隣が、ゼオンの弟のリオン、それとシキと、シキの彼女のマナさんです。

俺達は、それぞれに、事前に情報を調べているのと、そうじゃないのがいるので、すみませんけど、説明をお願いします。」

 

「シルバーブレッドは、俺達が所属しているチーム名だ。

こっちのルインの姐さんはシルバーブレッドのチームリーダー、ちなみに俺は、サブリーダーをやらせてもらっている。」

 

「もう、姐さんはやめてって、言ってるじゃないの。

改めて、チーム、『シルバーブレッド』のチームリーダーのルインよ。

セカンドプレイヤーの新人のチュートリアルの指導に行くって、マグナムが言うものだから、せっかくなら、私も行くって、ついてきちゃったの。」

 

「俺は、一人でいいと断ったんだがな。

まあ、説明役が、増えたとでも思ってくれ。」

 

ひどーいと、頬を膨らませるルインさんを横目にやれやれと首を振る姿の兄貴に、ずいぶんルインさんに振り回されてそうだと俺は思った。

 

「説明役って、そんな豪華な!

シルバーブレッドっていえば、『チームウォー』での、ランカーチームじゃないですか!」

 

「チームウォー?」

 

テンションを上げながら話すフロウに、マナさんが首をかしげていう。

 

 

「まずは、『チーム』から説明した方がいいか。

チームとは、ジムバッチを3つ以上持つプレイヤーをチームリーダーにした、3人から、9人のグループのことだ。

かつては携帯ゲーム時代に、秘密基地と呼ばれていたシステムを、当てはめたものらしく、他のゲームでいう、『クラン』『ギルド』『カンパニー』などというものを、PMOでは、チームとなっている。」

 

「チームウォーは、チーム同士のポケモンバトルね。

詳しい説明は省くけど、TVTの6対6のバトルで、普通のバトルから、障害物リレーだったり、スポーツだったり、いろいろと戦い方があるのよ。」

 

「トリガー、お前達もチームを組むつもりで、集まったんだろう?」

 

「そのつもり。

そういえば、この前のメールで、それなりに有名っていうのは、ランカーだったって事?」

 

そういえば、そういう内容が、メールに書いてあったと、今思い出しながら、聞くと

 

「あの時の時点ではな。

今は、ランカーといっても今は30番台から50番台を行ったりきたりだ。」

 

「いや、確かログインする前に見たまとめ掲示板サイトじゃあ、現在の全チーム数は10万チームを越えているって、書いてありましたよ!

それで、その順位は、すごいですって!」

 

「あら、ありがとね。

今は、どこのチームも、セカンドプレイヤー流入を見ながら、プレイしているから、この変動は、まだわからないわ。」

 

興奮状態のフロウにつられるように、他の友人達も、次第にテンションを上げはじめていた。

 

 

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