「え、マジで!?ランキング上位の人からいろいろ教われんの!?
オラ達、マジラッキーすぎだろ!」
「だから、隣で騒ぐなって、言っているだろうが!」
フロウにつられて、興奮しだしたゼオンを、再び、パコンっと、いい音をたてながら、頭を叩いたマキナは、兄貴達にすみませんと軽く頭を下げた。
「構わないわ。あんまり、叩くのも、かわいそうよ。」
「そうだぞ!オラの天才的な頭脳が馬鹿になったらどうするんだよ!」
「ゼオンの場合は、元からよくない頭脳を、叩いて調子だしてるところがあるだろうが」
「ひっでーなシキ!オラの頭は、昭和のテレビみたいに、叩いても鮮明になればいいな。
とか、思ったり思わなかったりだな!」
「だから、よく叩いてやってんじゃねーか。ありがたく思えよ。」
ゼオンをかばったつもりだったルインさんは、友人達のやりとり、呆気にとられような顔をして、それから、クスクスと笑いはじめてしまい、それにつられて、マナさんまで、笑いはじめてしまっていた。
「あー、俺達はこんな感じなんで、気にしないで続けてください。」
とリオンが、説明を促していた
「相変わらず、変なやつらだなお前らは、まあ、とりあえずだ。
ジョーイさんにトレーナー登録をしてもらう前に、いくつか言っておく事がある。
まず、お前達はパートナーポケモンをつれてはいるが、モンスターボールはまだ持ってはいないだろう?」
「確かに、キャラメイクの段階では、モンスターボールからじゃなくて、そのままの姿で、出てきたな。」
兄貴の説明に思わずうなずくと
「お前達の今の段階では、ポケモントレーナーではなくて、ポケモンと仲の良いただの人、という位置づけだ。
最初に訪れたポケモンセンターで、ジョーイさんにトレーナー登録をしてもらってはじめて、パートナーポケモンは戦いを一緒にしてくれるようになる。」
「…と、いうことは?」
「そうだ。パートナーポケモンを手にしたからといって、ポケモンセンターによらずに、野生のポケモンとバトルをしようとしても、パートナーポケモンは、いうことを聞いてはくれない。」
俺の思っていた通りの答えが、帰ってきた
「それって、注意事項みたいにあらかじめ説明はないんですか?」
リオンの言う事は、もっともであるが、そういう感じの説明はされてないよなと、キャラメイクからポケモンセンターにくるまで、されてなかった事を思い出した。
「ベータ版からファーストプレイヤーの間には、キャラメイクの後に、あらかじめ、チュートリアルを受けるか受けないかの選択があった。
だが、チュートリアルを受けない状態ではじめるプレイヤーが、大半でな、この事が原因で、運営が、セカンドプレイヤーから、キャラメイク後に、チュートリアルを受けられるかどうかを問う表示を消したらしい。
今では、先輩プレイヤーが、初心者プレイヤーを指導する事が、暗黙の了解なったという訳だ。
サードプレイヤーから、表示を元に戻すかどうかはまだわからないがな。」
「今では、初心者プレイヤーに指導を専門にするチームもあるぐらいだから、困ったら探してみるのをおすすめするわ。」
クスクス笑っていたルインさんも、話に戻り、アドバイスをしてくれた。
「それでも、先達プレイヤーをすり抜けて、やらかす馬鹿もいるだろう。
その評価をゲームレビューをして、このゲームのプレイヤーが、今後減るのはどうかとは思うんだがな。」
運営に対しての愚痴ともとれる兄貴の言葉に、俺達が、やらかす側の方ではなくてよかったと思った。
「それと、トレーナー登録をすると、ポケモン図鑑がもらえる。
視覚の端にあるメニューウインドウは、ゲーム外部のメールのやりとりと、運営からのメッセージ、そして、ログアウトボタンぐらいしか、使いみちがなくてな、ポケモン図鑑の方が、このゲームではよく使う形になる。
いわゆるスマホや、タブレットの扱い方と同じだ。
ポケモンナビゲーションという機能も、ポケモン図鑑で、使用できるアプリのひとつだ。」
そういえば、リュックサックを入手する時に、そんなメッセージを聞いていたのに、どこにも、その機能がなくて、不思議だったのを思い出す。
「ポケモンナビゲーションは、ポケモン図鑑で使う唯一の外部のツールだ。
ポケモン図鑑そのものの検索や、攻略サイト、掲示板なんかを見る事ができるぞ。」
「ポケモン図鑑と名うっているのに、図鑑の機能は外部ツールなんだな。」
「まあな、これは検証プレイヤー達の推測なんだか、ある程度の情報や、プレイヤー間のウィキ、個人のブログなんかを別にする事で、余計なデータを混入させない狙いが運営には、あるんだろうと考えられている。」
へー、と俺達はうなずき、兄貴につれられて、ジョーイさんのいるカウンターに行くと、パートナーポケモンを渡して、あっさりと、拳大のモンスターボールに入ってポケモン図鑑と一緒にトレイに入って戻ってきた。
「それぞれの腰に、丸みのある溝が入ったベルトが現れているはずだ。
そこのどこでもいいから、その溝に、ポケモンの入ったモンスターボールをあててみろ。」
確かに、いつの間にか、腰にベルトが巻かれていて、利き腕側の方に、6つの丸みのある溝が、触れてみると、よくわかった。
言われた通りに、ナエトルが入った拳大のモンスターボールをその溝に持っていくと、まるで磁石が引き合うように、腰に取りつき、拳大の大きさから、ピンポン球サイズにまで、小さくなってしまった。
驚いて、慌てて、モンスターボールをベルトから外すと、元の大きさに戻り、そして、もう一度、腰に装置すると、ボールの大きさが小さくなっていた。
「スゲー。面白いなこれ!」
「だろう?
ちなみに、腰にモンスターボールをつけておくと、ポケモン図鑑で、ポケモンの様子を確認できるぞ。
それと、6体以上のモンスターボールは、ゲットするとポケモン図鑑に入れ替えの機能が入っているから、そこでポケモンの入れ替えができる。
他に、ポケモンセンターのパソコンでも入れ替えが可能だ。」
ほらそこのと、近くのパソコンを指さすと、マキナと、ゼオンは、興味深そうに、パソコンを操作していた。
俺は、ポケモン図鑑を操作して、自分のポケモンであるナエトルの様子を確認した。
ナエトル:♂:Lv.5
図鑑No.387:ナエトル
親[トリガー]
タイプ[くさ][ ]
特性[しんりょく]
持ち物[ ]
わざ
1:たいあたり
2:からにこもる
3:ワイドガード
4:
[のんき]な性格、『トリガー』の最初のポケモン。
Lv.5の時に出会った。[昼寝をよくする]
「…ワイドガード!?たまご技を覚えているのか!」
「…ほう。ついているなトリガー。
最初のポケモンが、たまご技を覚えているのは、2割ほどらしいからな。
ちなみに、色違い、夢特性のポケモンが、最初のパートナーの場合も、限り無く低いが、これまでに報告例もある。」
「…マジか。能力値は、表記されてないんだな。」
「PMOでは、努力値、能力値はマスクデータだ。
性格、個性、育て方からおおよその見当で、見るしかない。
逆に言えば、このゲームでは、能力値に左右されない戦いができる。
実際、アニメ作品のような、『よける』を指示したり、『ひかりのかべ』のような、技の多重展開、技の組み合わせや、チームウォーでの相乗効果なども確認されている。
まさしく、この世界は無限の可能性と自由度が高いゲームだと言う事だ。」