「前回のぉぉぉぉおおおお!!! あらすじぃぃぃいいいぃいいいああああぁぁぁああああっっ!!! 新キャラが増えたぜぇいえいえい!!」
「霧島和也、ウオッカの担当トレーナーをしている。名前が出たのは前回が初めてだな、よろしく頼む」
「八雲風太……もとい、勇者としての名はミータリだ。あのバカとはイルラニアで共に旅をしてきたが、断じて友などと甘ったれた関係ではない」
「さっ、櫻井芹奈ですっ! 一応チームレグルスの担当をさせてもらってますぅ! えへへ、ちなみに私24歳なんです。みんなより2つ年上で、これでもお姉さんなんですよっ!」
「櫻井! 今度一緒に食事でも行かないか? この間、いい店を見つけたんだ!」
「ふへぇ!? ミータリさんっ!? あのっ、そのっ……、考えさせてくださーーーーいっ!!」
「ああっ!? 待ってくれ、櫻井!!」
「んーーー…………。あまぁーーーーーーいっ!! てめぇが1番甘いってんだよ、この色ボケレッサーパンダ! 硬派なのは見た目だけってかぁ!? 動物園に売るぞコラァ!!」
「うん、仲が良さそうで何よりだな。それでは本編、スタート!」
「夏合宿じゃーーーいっ!!」
学園からバスで2時間。海と山に囲まれた学園お抱えの宿泊地で、毎年恒例2カ月間の夏合宿が行われる。
参加は個人の自由だが、ほとんどの生徒、トレーナーがやってきている。それだけ有意義な時間だということだ。
期間中の行動は割と自由で、遠征してレースに出るもよし、トレーナーとワンツーマンでトレーニングするもよし、愛を育むもよしといった感じだ。
全体で行われるトレーニングメニューもあるので、デビュー前のウマ娘達も安心して合宿に励めるとの事。
そんなわけで俺とスカーレットも普段とは違う環境で鍛えられるのだ。海とか砂浜なんかはもってこいだ。
いつもより質の良いトレーニングができそうだし、うら若き乙女達の水着姿も拝めるしで良い事づくめ……のはずだったんだけど。
「…………なんで俺達、山ん中にいんの?」
そう。今俺はスカーレットに連れられて、宿からほど近い山の中にいる。木々に囲まれ木漏れ日が差し込むこの場所は、休日に来たのなら最高に気持ちがいいのだろう。
しかし、あいにく今は夏合宿中なのだ。標高が高く酸素が薄いならまた話が別だが、ここはそうではない。観光地として有名なくらい、比較的易しい山だ。もうぶっちゃけ森。景色が良い森なんだわ。
海の方が圧倒的にトレーニングに向いているはずなんだが、スカーレットは一体何を考えるんだ?
当の本人は目を閉じ、腕を組んで佇んでいる。目的は何か、問い正そうとする前にスカーレットが答えを口にした。
「ねえ、トレーナー……。アタシに……、戦い方を教えてくれない?」
「はあ…………。はあっ!? 何言ってんだ、おめぇ!?」
スカーレットの言葉に驚かざるを得ない。俺達は激化する秋のレースに向けての合宿をしに来たはずなのだ。それがどうして戦い方を教える事になんだ!?
彼女の言葉の真意が読めず困惑していると、何か決意した瞳を向けてスカーレットは真剣な声色ではっきりと告げる。
「……前から考えてはいたの。またあの時の魔族みたいなのがやってきたら、アタシはアンタに守られるだけなのかなって……。そんなのは嫌。アンタが闘うのならアタシだって戦いたい! トレーナーだけに全てを背負わせたくない……、アタシも隣で、一緒に背負っていきたいの!」
スカーレットは感情的に思いの丈を叫んでいく。それは嘆きや後悔が色濃く反映され、彼女が感じていた気持ちが痛い程伝わる。
「それに、戦ってた時のトレーナー、凄く辛そうな顔をしてた。……アンタのあんな顔、もう見たくない。アタシが隣に立って少しでもアンタの心が軽くなるなら、喜んで戦うわ。無茶な話なのは分かってる、でもお願いトレーナー。アタシに闘う力をちょうだい!」
知らなかった、彼女があの魔族襲来の日からそんな事を考えていたなんて。どれだけ俺が心配されていたのか、気づかなかったのが恥ずかしい。
あ、もうなんか泣きそうです私。こんな俺の事を気遣って、共に闘いたいなんて言ってくれるヤツ初めてなんだもん。
スカーレットはずっと、悩んでいたんだろうか。俺のために何が出来るのか。そうして出た答えが、今の言葉。
最近、スカーレットに冷たくあしらわれすぎて、好感度下がりまくってたのかと思ってたけどそんな事もないのかもな。だとしたら嬉しい。嬉しいのだが。
「…………ありがとな、お前の気持ちはよく分かったよ。でも、戦いを教えるのは出来ねぇ。いや、正確には教えたくねぇ。スカーレット、おまえさんがいくらウマ娘だとしても、今まで普通に暮らしてきた唯の女の子なんだよ。そんな子を俺の問題に巻き込みたくねぇんだ。だから、スカーレットの願いは聞けねぇ。ごめんな」
スカーレットの申し出は有り難いが、彼女を戦わせる訳にはいかない。
俺は笑顔で走るコイツの姿が好きだ。レースで1番を獲ったときの顔なんて、何回だって見ていたい。
本人には恥ずかしくて言えないが、俺の中でスカーレットはいつの間にか命を懸けても守りたいほど大切な存在になっていた。
そんな彼女を、何が起こるかわからない魔族との殺し合いに参加させたくない。つーわけで、スカーレットにはこの話は諦めてもらって通常のトレーニングに戻らないと──
「…………トレーナー契約を破棄するわ」
へ?
「修行をつけてくれないなら、アタシとアンタの関係を解消する。言っとくけどこれは本気よ。アタシがトレーナーの隣に立てないのなら、そんなのに意味はない。アタシの横にアンタが居るように、アンタの横にアタシが居ないとダメなの。だからアタシをトレーナーと一緒に戦わせて、お願いよ」
「スカーレット……」
まさかここまで覚悟が決まっていたとは。分かってんのか? トレーナーが居ないとレースにすら出られない事を。分かってんだろうな、だからこそこの提案を言ってきたわけで。
というか、俺もスカーレットの担当外されるなんてそんなの嫌ですよ。
どうしたものか、彼女の意思は固そうだし、ここで拒否るとマジで一緒に居られなくなるだろうし……。
「んー……、あー……、むぅ〜………。ああっ! もう! 分かった、分かったよ! スカーレット、おめぇに稽古をつけてやるよ! ただし、やるからには厳しくいくかんな! 目指すは最強! 誰にも負けない戦士にしてやる!!」
「……っ!! 当然でしょ! 何だってアタシが1番なんだから、そのつもりでやりなさいよねっ!!」
嬉しそうな顔しちゃってまあ。こっちはあんま喜べないだけどなあ。決まっちまったもんは仕方ない、今回の合宿は戦闘訓練も追加だ。
「ありがとね、トレーナー……!」
頭を抱える俺と、笑顔のスカーレット。一体この夏合宿、どうなることやら。
「さて、スカーレット。まず初めに、俺の事を力いっぱいぶん殴ってみろ」
「……は? なんで? 修行するんじゃないの? 変態なの? 変態だったわね」
「いや変態じゃないわい。お前も薄々気づいてるとは思うが、力の基礎は俺とのトレーニングの中で殆ど出来上がってんだわ。だから俺がこれから教えていくのは、その力の使い方や実戦での戦闘方法なんよ。俺を殴って欲しいのはお前の力を正確に測りたいからで、この方法が1番手っ取り早い。こっちの見立てだと戦闘力53万ぐらいあると思うぞ、スカーレット」
「いや、基準が分からないわよ」
いまいち納得がいっていないスカーレットだったが、強引な俺に押し切られ、渋々構えをとった。
腰を落とし、左腕は前で右腕は腰に置く。武闘家とかがよくやってる、あの構えだ。
「よーし、ばっちこーい! いいか、本気でやれよスカーレット、本気だぞ!!」
「はいはい、今やるわよ。…………ふぅー」
大きく深呼吸をして精神統一をするスカーレット。そこから爆発的に力を上昇させた。まるで、
(ん? あれ? なんかヤバくねこれ? 待て待て待て待て、俺、気の使い方なんて教えてないよな? しかも、フリーザ様並みの力があるといってもそれは潜在能力込みの話だぞ。あくまで現時点では、そんなに強くねぇはずだ!? こんなの冗談じゃ済まねぇぞ! それになんか魔力も混じってないかこれ!? おいおい、流石の勇者ちゃんもこの一撃を喰らったら危ねぇぞ!!)
しかし、そんな俺の焦りをスカーレットは知る由も無いわけで。力を溜め終わった彼女は、とてつもないスピードでこちらに向かってくる。
「待って、スカーレット! ちょっと待ってくれぇ!! 一旦ストッ──」
「はあぁああああああああぁぁぁああああっっっ!!!」
「もみもぉ」
音を置き去りにするほどの速さで放たれた拳は、漫画みたいに顔にめり込み、そのまま遥か後方へと俺を吹き飛ばした。
「…………………………えっ?」
──22年か。長いようで短かったな、俺の人生。じいちゃん、ばあちゃん元気にしてかっな。父ちゃんも母ちゃんも何してんだろな。
勇者としての2年間もあっという間だった。あの世界の奴らちゃんと平和にやってるかなあ。せっかく魔王を倒したんだから、穏やかにやってるといいけど。
スカーレットとも、もうちょい一緒に居たかった。教えたい事が沢山あったんだけど。まあ、あいつなら1人でも大丈夫だろ………………。
「……ハッ!? 走馬灯っ!? 初めて見たぞっ!? 油断してたとはいえ、あの一撃で死にかけんのかよっ!」
今現在、俺の体は殴られた勢い衰えず、海の上を高速飛行している。飛ばされた速度と時間から、地球半周ぐらい行ってるっぽいな。
恐ろしい女だぜ、ダイワスカーレット。鼻血が止まんねぇぞコラァ。
「フンッ! ……っと、やっと止まったか。とりあえず、スカーレットの所に戻らねぇと。くそー、あのヤロー本気で殴りやがって……。待てって言ったのに」
完全な八つ当たりの愚痴を吐きながら、俺は気を解放してスカーレットの元へと飛んで戻るのだった。
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「あっ、帰ってきた」
フラフラと空を浮遊しながら戻ってくると、呑気な顔したスカーレットが待っていた。
俺の心配なんて一つもしてない様子。死にかけたんだぞ、こっちはよ。
「痛かった…………。痛かったぞ、マジで!! おめぇ、加減って言葉しらねぇのかよ!? もう、ほんっとに、俺がドMじゃなかったら死んでたかんねっ!? 反省しなさいよっ、もう!!」
「いや、アンタがやれって言ったんでしょ。ってかやっぱり変態じゃない。……それで? アタシの力分かったわけ?」
素っ気なく返されてしまった。いやまあ、俺が十割悪いんだけどね。
とりあえず、彼女に攻撃されて判明した事や、その他諸々説明していかなくては。
「ああ、そんで色々と教えなきゃいけない事がある。まず、お前達ウマ娘の力の源、気と魔力についてだ」
「気と……魔力……?」
「俺が空飛んだり、手からビームみたいなの出してただろ? それを可能とさせる神秘のエネルギーが、気と魔力。これはどんな奴もでも持ってるんだ。量の違いはあれどな」
実際に両手の手のひらに、気と魔力で生み出したエネルギーの弾をふよふよと浮かべる。それを興味深く眺めているスカーレットに続けて話す。
「気は正のエネルギー、魔力は負のエネルギー、って感じでそれぞれ属性が違うんだ。もちろん、出来る事も変わってくる。まあ、どちらか片方極めちまえば基本的に大抵の事は出来ちまうから、あんま気にしなくてもいいんだけどな」
気は身体能力を強化したり、絶大なエネルギーを放出する事が出来る。
対して魔力は火や水といった様々な属性の力や、テレポートや物を増やしたりなどの、特殊能力を使える。魔法みたいなもんだな。
さっきも言ったが、どっちか片方を極限まで高めちまえば、何でも出来てしまう。俺の場合は気の方で、魔力の扱いは少し苦手だ。
「…………ねえ、その気と魔力って誰でも持ってるんでしょ? ならなんで、誰も使ってないの? おかしくない?」
話を静かに聞いていたスカーレットが、至極当然の疑問を口にする。彼女が思った通り、この世界の住民は力を使っていない。ある
「そう、そこが重要なんだ。普通の人間は、自分がそんな力を持っているなんて気づかない。総量が少なすぎて、感じる事もできないんだわ。それこそ魔族のような生まれ持っての強者だったり、力を授かった勇者だったりしないとな。まあ、クソほど修行して一定の強さを手に入れれば話は別だが」
「普通の人間は感じられない……。それって、もしかして……!」
スカーレットが驚いたように声を上げる。彼女も気づいたのだろう、俺が言わんとしている事が。
「……最初に言ったよな、ウマ娘の力の源は気と魔力だって。さっきスカーレットの一撃を喰らって確信したんだけど、お前らウマ娘は無意識に2つの力を使ってるみたいだ。レースの時とかな」
目を見開いて驚愕するスカーレット。そりゃそうだ、知らず知らずのうちにとんでもない力を使用してたんだからな。
「ウマ娘自体が持っている力の大きさはそこまででもないんだけど、潜在能力がヤバいっぽいのよ。トレーニングでスカーレットはそれが解放されていって、俺の想像以上に強くなってたんだわ。ウマ娘ヤバい」
「確かに、最近体の調子がすこぶる良かったのよね。走ってる時も不思議な感覚があったし、あれは気と魔力を使ってたのね……」
ぶっちゃけると、ウマ娘が2つの力を行使しているのに気づいたのはごく最近だ。
スカーレットが大幅に強くなったから感じる事が出来ただけで、通常は俺が頑張って気を張らないと検知出来ないぐらい微量な力しか流れていない。
あと地味にとんでもないのが、気と魔力、2つを同時に使っているという事。魔族だったら魔力を、勇者とかの人間の戦士だったら気と、1つの力を主力に使う。というか、使えないのだ。
2つの力を同時に使用するのは、めちゃくちゃ技術が必要になる。それをウマ娘達は種族特有の天性のセンスで扱っているのだろう。俺には無理だ。
「ま、こんなもんだな。おめぇが持ってる力についての説明は。だいたい分かっただろ?」
「一応、なんとなくは……ね。それで? ここからどう修行するの?」
「まずはスカーレットが力を自覚して、自在に操れるようにする。お前さんの場合、魔力と気を一辺に使えるからもういっそのこと、そいつらを融合させて新たな力にしていくぞ。魔気力ってとこだな」
「そんな難しそうな事できるの?」
「安心しろ。今まで無意識にやってた事を、意識的にやるだけだ。そこまで難しい事じゃねぇ。大事なのはイメージすること、自分を信じて力を制御した姿を想像しろ。そうすりゃ、結構簡単に出来るからよ」
思い込みって割と馬鹿にできないもんで、信じ込めば信じ込むだけ己の力になってくれる。気とかはそれが顕著なので、そこまで不安になる必要はない。
「そんじゃスカーレット、魔力か気力、どっちでもいいから形にしてみい? 俺が今やってるみたいにエネルギーの弾とかにしてな。お前なんか火属性っぽいから、火とか出してみれば?」
「アンタそれ、アタシの髪色見て言ってるでしょ……」
呆れ顔をしながらも、俺と同じく手のひらを上にして力むスカーレット。むむむと唸っているが、なかなかエネルギーは出現しない。
「ま、そんな焦んなくてもいいさ。時間はたっぷりあるんだ。今日一日かけて、この課題がクリアできたらいい方──」
「あっ、出た」
「ええええぇぇぇぇええええええええええええ!!??!?!?!!」
見事な炎が、スカーレットの手の中でメラメラと燃えている。しかもよく見ると、既に気力と魔力が融合した、魔気力になっているではないの!
空いた口が塞がらないとはこの事で、簡単とは言ったものの2日、3日はかかると考えていたんだが。
易々と俺の予想を超えてきやがったぞ、このウマ娘。
「すごいわ、これ! 応用したら日常生活にも使えそうね!」
「あっそう、そうすか……。ええい! そしたら次、次じゃあ!!」
「アンタ何キレてんのよ」
「キレてないっ!!」
ちくしょう、俺の計画がパアだ。せっかく、上手くできないスカーレットに、俺が色々とカッコよく力の使い方を教授して尊敬度爆上げしようと思ってたのに!
この天才め。俺が気弾を出すのに一週間もかかったのに、一発で完成させてしまうとは。
しかし、次の課題はそうはいかないだろう。
「よし、そしたら今度は剣を作るぞ!」
「剣?」
「スカーレットはレースにも出るんだから、なるだけ体に負担はかけたくない。俺みたいに素手で戦うなんて言語道断だ。だからお前には武器を使って戦ってほしい。そのための剣だ。魔気力で生成してみろ、絶対に折れず最高の切れ味を持った剣を!」
「……わかったわ、やってみる」
スカーレットのパワーがどれだけ強くても、体の耐久力が伴わなければ自分がダメージを負ってしまうだろう。ましてや彼女はスポーツ選手、その体に余計な怪我は好ましくない。
剣を持てば拳や脚を使わずに、絶大な威力を発揮できるはずだ。それに魔気力で作る事によって、細かい力のコントロールも覚えられるしな。
まさに一石二鳥。断じて、断じて! 俺でも難しい武器の生成をふっかけて、困ってるスカーレットにカッコよく助け舟を出したいとか考えてはいない。
「うむむむむ…………!!」
「スカーレット、まずは俺の手本を見せてやる。いいか、まず剣の形状を頭の中で決めて──」
「出来たわっ!! 見てよ、コレ! 結構カッコよくない!?」
「うわああああぁぁぁぁああああああ!!!! なんかわかってたけどよぉ!! ちくしょう!! なんなんだよ、この天才美少女! 才能の塊かよっ、くそったれ!!」
一目見ただけでわかる業物、赤い刀身に豪奢な柄を持った長剣。魔気力を帯びた、完璧な作りの剣にスカーレットは子供のようにはしゃいでいる。
通常状態の俺がアレで斬られたら、流石にひとたまりもないだろう。もう、なんか、天を仰ぐしかないですよ。
「ええい! スカーレットッ!! その剣、構えろ!!」
スカーレットに半ばやけくそに言い放ち、俺も気で錬成した剣を抜く。
「っ!」
「さっきも言ったが、スカーレットは既にある程度の基盤は出来ている。お前さんに足りてないのは経験、圧倒的に戦闘経験がねぇ。だからもっぱら、俺がつける修行は実戦形式の試合だ。この夏合宿にいる間は毎日、俺と戦ってもらう! 死ぬ気でこいよ、スカーレット。じゃねぇと一生、俺に追いつけないぜ?」
「……当然っ! アンタこそ、油断するんじゃないわよっ!!」
二つの剣がぶつかり合い、凄まじい衝撃音が山中に鳴り響く。俺の名誉と、スカーレットの1番を懸けた地獄の修行が幕を開けた。
ウマ娘の世界について
人とはちょっぴり違う種族、ウマ娘が住んでいる平和で優しい世界。
ウマ娘達の超人的なパワーは、本人達も気づいてないうちに、魔力と気力を体内でエネルギーに返還しているため。
総量は普通の人間と変わりないが、潜在的に秘めている力はその比ではない。
人との絆を育んでいく事で、その力は少しずつ解放されていく模様。ウマ娘とトレーナーという関係は、特に適していると言える。
自分、大神勇斗からしたらこの世界は天国のようだ。住民達が自分なんかを受け入れてくれるのは、ウマ娘という可愛くて、カッコいい奇跡のような女の子達を見て育ったからだろう。
やはり、カワイイは正義なのか。