「っちちち、すまねぇ! 大丈夫だったか……ん?」
「あら〜? 大神さんこそ、怪我はありませんか?」
「何だ、クリークか! って、俺の事分かんのか?」
理事長と遊び終わり急いでスカーレットの元へ戻る途中、俺はスーパークリークと遭遇した。しかも彼女は、タキオンの薬で子供になった俺を、一目で大神勇斗だと気づく。
「私が貴方を見間違える訳がありませんから〜。でも、どうしてそんな姿に?」
「ああ、まあちょっとな……」
特にクリークに隠す理由もないので、事の顛末を彼女に話す。目を細めて俺の話を聞くクリークは、保母さんが子供の言葉を優しく待つ様に、慈愛に満ちていた。
(つーかこれ、傍から見たら完全に母と子だな。クリークの包容力がデカすぎて、俺より年下だって事忘れそうになるわ)
「──ってわけだ。スカーレットじゃなくて、こうなったのが俺で良かったのが不幸中の幸いだな」
「それは大変でしたね〜。でも理事長を想って行動したのは、とっ〜ても立派でしたよ。よしよ〜し」
「まっ、まあな! なんたって俺は勇者やってたんだ、こんぐらい当然よっ!」
クリークは身を屈めて俺の頭を撫でる。彼女の温かい手に包まれていると、母親に全てを委ねている様な安らぎを感じると共に、何処かいけない気持ちになってくる。
いわゆる、そういうプレイみたいで。赤ちゃんプレイ的なね。正直、俺の性癖にブッ刺さりであるため、無意識に気持ちの悪い下卑た笑みが出てしまう。まあ今の俺は小学校低学年のガキンチョにしか見えないし、可愛いもんだろ、たぶん。
「とりあえず、俺はスカーレットのとこに戻っからよ。騒がせて悪かったなクリーク、じゃあな!」
本当はもう少しクリークに甘えていたいが、流石にそんな訳にはいかないので彼女の手をそっと避けてこの場を立ち去る、が──。
「うふふっ、待ってください大神さん。その姿のまま学園を動き回ったら、目撃した子達が驚いてしまいますよ?」
クリークを横切って道を進もうとした瞬間、彼女が俺の動きより素早く移動し、正面に立ち塞がる。その一瞬のスピードは明らかにウマ娘のモノを超えていた。何故か不敵な笑みを浮かべるクリークに、ゾクっとした寒気を感じ顔が引き攣ってしまう。
「お、おう……。そうかもしんねぇけどよ、アイツんとこ戻らねぇと怒られちまうし、スカーレットと一緒にいるはずのタキオンに治す方法教えてもらわないといけないかんな……」
「そういう事でしたら、私に任せてください! 大神さんのお世話は、私が責任を持ってやらせて頂きますので〜。さあさあ、私と一緒に行きましょ〜?」
「ちょっ!? 何で俺を抱き抱えるっ!? おい、クリーク! 話聞いてたぁ!? 俺、戻るって言ってたんだけどぉ!!」
若干、話が通じていない様子のクリークは、俺を両手で抱き上げるとスタスタと歩き始める。突然そんな事をし出した彼女の目は、普段の温厚な瞳でありながら、抑えきれない衝動に染め上げられた狂気の色をしていた。
(どうしちまったんだ、今のクリーク!? いつもと違って自分を制御出来ずに、感情の赴くままに動いてるって感じだ……。そういや前に、子供好きって言ってたけど……。もしかして、今の俺の姿が何か彼女の琴線に触れたのか? いや、んな事より早く脱出しねぇと!)
「こ〜ら! 暴れちゃメッ、ですよ〜。は〜い、大人しくな〜れ……。ふふっ、いい子でちゅね〜。偉い偉いでちゅよ〜」
「なっ!? 体が動かねぇ……! クリークおめぇ、いつの間にこんな魔法覚えたんだ!?」
抱き上げられた腕の中で暴れ出す俺に、ゆっくりと手をかざすクリーク。すると、どうした事か俺の四肢に力が一切入らず、彼女に抵抗する事が出来なくなった。
クリークが俺にかけた金縛りの魔法、対象の行動を完全に停止させ身動きを封じる、かなり高レベルの魔法である。俺はクリークに教えた事もないし、彼女はこんな魔法がある事も知らないはずだ。
(まさか、独学で習得したのか? この短期間でこの魔法を? 天才を超えた天才、俺じゃなきゃ心が折られてるね!)
クリークの底知れない才能に涙目になりながら、為す術もなく俺は彼女に連れて行かれるのだった。
────────────────────────
──時は遡り、十月下旬。八雲風太と共に魔物討伐に出掛けたあの日、俺はクリークに会っていた。理由は彼女のスマホを届けるため。何故かは知らないが、俺達を覗き見ていたクリークが現場に落としていった物だ。
寮に侵入しクリークの部屋の前まで来る。中には彼女とルームメイトの子がいる様で、上手くクリークだけを呼ばないと厄介な事になりそうだ。
(……まっ、いっか! 出て来るのがクリークじゃなくてもどうにかなるでしょ!)
考えを放棄した俺は、クリークがやって来るのを願いドアを叩く。すると部屋の中の二人の内の一人が動き出す。これはクリークの気だ、助かった。
「は〜い、どなたですか〜…………えっ?」
「よっ」
扉を開けたクリークは俺の姿を目にすると、驚きのあまり固まってしまった。困惑するクリークに説明してやりたいところだが、長居して寮内の生徒に気付かれてしまってはまずい。
さっさと要件を済ませてこの場を立ち去るために、未だ目を白黒させているクリークの手を取ってスマホを渡す。
「これ、忘れ物な。次からは気を付けろよ、んじゃ」
手早く用を済ませ来た道を帰ろうとするが──。
「まっ……! 待ってくださいっ!」
気を取り直したクリークに腕を掴まれてしまった。しかも、その際に彼女にしては珍しく大きな声を上げたので、部屋の奥にいたルームメイトが心配して声をかける。
「クリークさん、何かあった?」
「だ、大丈夫ですよ、タイシンちゃん! ちょっと大声を出してみたくなっただけですから〜! 気にしないでください〜」
「……? そう、ならいいけど」
不審に思いながらも特に気にかける様子のないルームメイトに、ホッと胸を撫で下ろすクリーク。ナリタタイシンが此方を見ていないのを確認した彼女は、俺に近づき耳打ちする。
「ここでは何ですから、場所を変えましょう。お話したい事があります、いいですよね?」
「……わかった」
その後、寮近くの人気のないベンチへと移動し、クリークに問い詰められた俺は今日の事、そして俺自身の事を洗いざらい話した。正直なところ彼女に話す気はなかったのだが、泣きながら「本当の事を教えて下さい」と懇願するクリークに今更隠す気にはなれなかった。
俺と風太の闘いを覗いていたからか、意外にもクリークは驚く素振りも疑う事もしなかった。唯々俺の話を静かに聞いていたクリークは、全てを聞き終えると俺の体を優しく抱きしめる。
「ごめんなさい……貴方に過去を話させてしまって……貴方の近くに居たのに気づく事が出来なくて……。そして……何も知らないというだけで、大神さんが闘っている所を見て、怖いと思ってしまって……本当に……ごめんなさい……!」
「クリーク……」
涙を流しながら謝る彼女の事を自然と抱きしめ返す。クリークの体から伝わる体温の温かみと共に、俺を想ってくれる優しい気持ちが流れ込んでくる。
母が子に向ける様な無償の愛。クリークから感じられる情念は正しくそれだと言える。何故彼女がそこまで想ってくれているのかは分からないが、久々に受け取る愛情に俺の心が満たされていく。
それから泣き止んだクリークは恥ずかしそうに俺から離れる。いつもお姉さん然としている彼女にしては珍しく、少女の様に恥じる姿はめちゃくちゃ可愛かった。
落ち着いたクリークは、どうして俺達を覗いていたのか教えてくれた。何でも、夏合宿の際に倒したタコもどきとの戦いを見ていたらしく、俺が一体何者なのかを確かめる為に尾行したらしい。あの時は敵が放った墨に全員視界を塞がれていると思っていたが、どうやらクリークだけは難を逃れていた様だ。
「そうだったのか……ごめんな、心配かけて。不安だったろ、答えを知るまで。俺もお前の気持ちに気づいてやれなかったんだな……」
「いいんですよ、私が勝手に不安がっていただけですから〜。それに……ようやく分かりましたから、私が貴方の為にやるべき事を……。ねえ、大神さん……?」
「……何だ?」
先程の可愛らしい顔とは打って変わって、何処か覚悟を決めた凛々しい表情で俺を見据えるクリーク。空気感が変わった事に戸惑うが、俺もクリークに合わせて真剣な面持ちで話を聞く。
「私にも教えて下さい……戦える力を……!」
「っ! 本気で言ってんのか……クリーク……!」
「……本気……です……! 貴方を支える力を……貴方を護れる力を……それが自分にあるというのなら、私は手に入れたいんです……!」
何の因果か、スカーレットと同様にクリークからも戦う力の修行を頼まれてしまう。正直断りたいのだが、クリークの意志は固く中々折れてくれそうにない。
「初めて大神さんと初めて会った時から思っていました……この人は数え切れない悲しみを抱えているんじゃないかって。明るく元気に振る舞っていても、時折見せる陰りのある笑顔に私はどうしようもなく胸が締め付けられました……。だからその悲しさを、寂しさを、埋めてあげる為にスカーレットちゃんが選んだ様に、私も貴方の隣で戦って護っていける力を手に入れないといけないって思ったんです……!」
どうして力を欲しいのか理由を聞くと、クリークは包み隠さず話してくれた。徹頭徹尾、俺の事を想ってくれている言葉を聞いて目頭が熱くなる。こんな事を聞いて受け入れない訳がなく、結局俺はクリークにも修行をつけることになった。
基本はスカーレットとのトレーニングがあるので、放課後の空いている時間や休日をどうにかやりくりしてクリークと修行を始めた。日数的にはスカーレットと雲泥の差があったが、クリークの覚えの早さは驚異的で、メキメキとその力を自分のモノにしていった。
彼女は回復や補助、防御や妨害など、サポート力に長けた能力を開花させ、攻撃型のスカーレットとは真逆の成長をしていく。世話好きでみんなのお母さん的存在なクリークらしい力だ。
──そして現在。
「喉、渇いていませんか? 少し待ってください、今用意しますから〜」
力を蓄えたクリークによって、俺はその身を囚われている。どうして。
「おっぱいは流石に出せませんから、この哺乳瓶で我慢して下さい。はい、あ〜ん。んっ、よくできまちた! ふふっ!」
俺を抱き抱えたままベンチに座ったクリークは、何処から取り出したのか哺乳瓶を俺の口に突っ込み、優しく頭を撫でてくる。未だ彼女にかけられた魔法を解く事が出来ない自分は、大人しくクリークの指示に従うしかない。
仕方なく哺乳瓶を吸うと中身はミルク、ではなくスポーツドリンクだった。しかもめちゃくちゃ美味い。クリークのお手製なのだろうか、一気に飲み干してしまった。
「あらあら、もう飲み切っちゃったんですか? 気に入ってくれたみたいで良かったです! まだおかわりもありますから、沢山飲んで下さいね〜」
空になった瓶を見たクリークは喜び、中身を追加して俺に渡してくる。地味に魔法を使って補充していたし、魔力の扱いが上手すぎないですかね。
(うーん、どうすりゃこの赤ちゃんごっこから抜け出せるんだろ。見たところ、クリークはまだ満足してなさそうだしな……もしかすると、元に戻れなかったらずっとこのままなのか……? そいつだけは御免被りたいな……いや、それはそれでいいかも……)
慣れた手つきで哺乳瓶を口に含みながらそんな事を思っていると、クリークが俺のお腹をさすってくる。温かいクリークの手で触られていると、安心するし落ち着いてきて何だか眠くなってくる。
もういっその事こと全てを委ねてしまおうか。そう思えてしまう事に違和感すら感じなくなった俺は、もう考える事をやめてクリークに身を預けたくなるが──。
「クリーク……俺……、トイレ行きたいから離してくんない?」
一瞬にしてその考えは吹き飛んだ。さっきまで何事もなかったのに、急に襲い掛かってきた尿意に焦りを隠せない。一刻も早くトイレに駆け込まなければ漏らしてしまう程だった。
「ようやく効いてきたみたいですね〜。心配しなくても大丈夫です! おむつの用意はありますから、ぜ〜んぶ私に任せて大神さんはリラックスしていて下さい」
「は……? クリーク、なに……言って……?」
この緊急時にクリークは笑顔のまま、俺を離そうともしない。それどころか、何もない空間からおむつを取り出し、俺に履かせようとしてくる。抵抗しようにも彼女の魔法の効果がまだ続いており、簡単にズボンを剥ぎ取られてしまった。
「お前……! もしかして、俺が飲んだドリンクに盛ったのか……? こんなすぐに小便したくなるなんておかしいぞ……!」
「うふふ、よく分かりましたね〜。そうなんです、さっきのドリンクには利尿作用のある、カフェインとカリウムがちょっと多めに入っているんです。人体には害のない程度の量ですから、安心してくださいね〜」
「ならさっさとトイレに行かせてくれ……! このままだと、目も当てられない事に……!」
「それは駄目です。今の大神さんは赤ちゃんなんですから、おむつを履いてここでしーしーしなきゃいけないんです。ほら、ママが準備してあげますから、暴れないでくだちゃいね〜」
彼女の目が、笑顔が、狂気に彩られる。普段のクリークが聖母ならば、今の彼女は母である事に飢えた悲しき魔物にしか見えない。
まずい、そろそろ我慢の限界だ。このままいくと俺は、人として、そして大人としての尊厳が消え去ってしまう。それだけは、それだけは避けなければ。この一線を超えてしまったら、一生クリークの玩具確定な気がする……!
「うおおおおおおおおおおっ! そんな情け無い男になりたくない! クリークの前でぐらいはカッコいい俺でいさせてくれぇ!!」
「ああん! もうっ、大人しくしてください! いい子ですから、ねっ?」
どうにか身じろいで脱出を試みるが、彼女が手をかざすと何故か俺の反抗する意志が小さくなっていく。段々とクリークに反発するどころか、赤ちゃんになってしまうのを受け入れる気になってくる。
(い、意識が薄れる……!? なんかクリークが本当にお母さんに見えてきたぞ……? これ、もしや暗示か催眠の魔法でもかけられたのか……! くそっ、もう拒絶できない……っ!!)
「は〜い、パンツを脱いでおむつを履きますよ〜。そーれっ!」
クリークの指がパンツにかかり、俺の下半身がすっぽんぽんになる──
「──待ちなさいっ!!」
「あ、貴女はっ!?」
「……スカーレット……か……!?」
俺のちんぽこがこんにちはする直前、我が愛しの担当、ダイワスカーレットが肩で息をしながら現れた。
「やっと見つけたわ、トレーナー! それに……クリーク先輩も……!」
「スカーレット……!」
思わぬ救世主の登場に、もう諦めていた俺の心が立ち直る。クリークも表情に一切変化はないが、頬に汗が伝うのを見ると少なからず焦っているらしい。
「どうしたんですか、スカーレットちゃん? そんなに慌てて、何かあったんですか?」
「…………」
クリークの問いかけには応じず、スカーレットは無言で俺達に近寄ってくる。しかも感じた事がない程の強烈な威圧を放って。クリークも途轍もない圧を発してスカーレットに対抗するし、さっきまでの穏やかな空気が嘘の様に、殺伐としたモノになった。
二人のウマ娘が目を合わせること、いや、睨み合うこと数秒。スカーレットがおもむろに右手を上げ、目にも止まらぬ速さで振り下ろした。その際、彼女の武器である長剣をその手に顕現させて。
「ッ!!」
真っ直ぐにクリークへと振り下ろされる剣。しかしそれは彼女に到達する事はなかった。
「スカーレットちゃん、危ないですよ? 急にこんな事したら、私以外だったら怪我しちゃいます〜」
「やっぱり……! クリーク先輩も修行をつけてもらってたのね……!」
クリークが手を前に出すと、魔力で練り上げた障壁が展開し、スカーレットの剣が魔力の壁に阻まれる。余裕の表情で攻撃を受け止めたクリークに、スカーレットは敵意を向けたまま一度距離を取る。
「おかしいと思ってたのよ……最近、アンタが放課後に何かコソコソしていたから……! まさか、クリーク先輩と二人きりで修行していたなんで……担当であるアタシを差し置いて……! 二人で! イチャイチャしてたんでしょ! アタシのトレーナーのくせに! この浮気トレーナー!」
違うわこれ、敵意向けてるの俺にだわ。不倫した男に向ける様な冷ややかな目で俺を見ないでくれ、スカーレットよ。
「まあまあ、落ち着いて下さいスカーレットちゃん。大神さんの1番は今もスカーレットちゃんですから! 私は2番目でも全然大丈夫なので、仲良くしましょう? ね?」
「そっ、そんなの認められる訳ないですっ!! 第一、コイツはアタシのトレーナーなんです! 人のトレーナーに勝手に手を出しておいて、都合の良い事言わないで下さいっ!」
「えっ? これってそういう話なの?」
「はい、そういうお話ですよ〜」
(まさか俺を巡って二人の美少女が言い争う事になるなんて、こんな日が来ようとはな……もしかして、俺今モテ期が来てるのかっ!? でも二人共学生だから、諸手を挙げて喜べねぇよちくしょう!!)
「アタシのトレーナーを返して下さい、クリーク先輩……!」
「三人でずっと仲良くする、という条件ならいいですよ〜」
んなアホな事を考えている内に、二人の空気がさらに悪化し今にも戦いの火蓋が切って落とされそうになる。スカーレットは剣を構え、クリークは魔力を練る。
両者共、頭に血が上っている様で止まりそうにもない。このまま彼女達が衝突したら、その余波で学園が壊れかけない。どうにか二人の矛を収めなければ。
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああっ!!」
「うふふ〜!」
「待てっ、おめぇら! こんなとこで喧嘩なんかすん──あっ」
二人の間に割って入り、喧嘩の制止をするが──。
「うそ……!」
「あらあら〜……!」
俺は忘れていた。クリーク特製ドリンクのせいで、俺の膀胱が崩壊寸前だったという事を。少しでも動けば何もかもが漏れ出てしまうという事を。
「あぁ、ああああああああああ…………」
結果的にこの俺の
「見ないでくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」
「はぁ、ほんとに災難な一週間だったぜ……。やっぱこの体が1番いいや……」
「まさか一週間も子供のままとはね。アンタも大変だったわね」
「マジでな。タキオンには実験と称して身体中いじくられるし、クリークは懲りずに俺をお世話しようとするし、お前も俺の事着せ替え人形にするしよぉ……」
「し、仕方ないでしょ! アンタが可愛すぎたのが悪いわよっ!」
「なんじゃそりゃ……。たまーに遊んだ理事長との時間が、1番の癒しになるとはな……後でやよいっちにお礼言っとかないと」
「まあいいじゃない、元に戻れたんだし。結果オーライでしょ?」
「……いやまあ、漏らしたとこお前らに見られたって事実がなければ、な……」
「う……で、でも! あれは事故みたいなモノだから、アタシもクリーク先輩も気にしてないし、恥ずかしがる事ないわよ!」
「それだけなら俺もそこまで気にしてなかったんだが……」
「なに? どういうこと?」
「……あの時、二人に見られながら漏らした事に、ちょっと興奮を覚えてしまった事が1番恥ずかしいというか……自分の変態性に我ながら情け無いというか……」
「…………アンタ、一回死んで心洗い直してきたら?」
「一回死んでも直んなかったつーの!!」