戦車!洗車します!(急)
河島「これより、戦車道の授業を行う。」
愛宕(いよいよかぁ、楽しみだなぁ!)
武部「みほ、寒くない?」
みほ「うん…大丈夫…」
五十鈴「4月とはいえ、まだ寒いですものね…」
寒い風に吹かれる中、愛宕は戦車道実習者を見渡す。
「思ったより集まりませんでしたね。」
「まぁ、そういうものだと思うよ。」
「どんな戦車があるのかなぁ、楽しみ!」
「怪我しないよねぇ?」
「どんなスポーツとかよりも怪我はしやすいんじゃないかな…?」
歴史の人物っぽい恰好をしている人も居れば、バレー部の恰好(寒そう…)もいる中々自由だなと思った。
そこへ一人の天然パーマの子が生徒会に近づいて話しかけてきた。
?「あ、あの…」
河嶋「うん、どうした?」
?「せ、戦車は・・・ティーガーですか?それとも・・・」
小山「えーっと、なんでしたっけ?」
角谷「かーしま、開けて」
河嶋「は、只今。」
結局何の戦車があるのかも分からず、大きな倉庫らしきモノが大きく開き始める。
が、そこにあったのは大きな鉄塊らしきナニかだった。
「えぇ・・・何これ・・・」
「ボロボロだぁ・・・」
「ありえなーい・・・」
あちらこちらから不満の声が飛び交う、当たり前である。
いざ戦車道を受けようと戦車目の当たりにしたら鉄塊があるのは衝撃的だろう。
五十鈴「わびさびで、良いのでは?」
武部「こんなの只の鉄錆だってば!」
しかし、愛宕とみほは違った。二人は戦車らしきモノに近付き、注意深く見つめ。
みほ「転輪とかも無事そうだし・・・」
愛宕は戦車の周囲をぐるっと見て、答えを出した。
愛宕「走行的には修理すれば問題なさそうだよ!」
この二人の発言により、周囲は明るさを取り戻すが如く喜び始めた。
「やったー!」
「楽しみー!」
「ここからが第一歩ぜよ。」
「ばんざーい!」
そう言って皆が喜んでいたところ会長が首を突っ込んだ。
角谷「はいはいはい、喜ぶのはまだ早いよ。何故なら…かーしま、説明して。」
河嶋「は、現在戦車は一両しかないが、何年か前に我が校は戦車道をやっていたこ
とがある。故に、この学園の何処かに戦車がある筈だと…いや、必ずある。」
愛宕「じゃあ、のんびり探しますk」
河嶋「明後日、戦車道の教官がお見えになるので、その前に残り何両か探してきて
欲しいのだ。」
愛宕「え…?明後日…?」
「ええぇぇぇぇ!?」
こうして、私達戦車道の部員達は、戦車を探す旅に出かけたのであった。
裏の山
戦車は必ずあると言われ探し続けているが…
武部「何処にあるっていうのよー!!」
みほ「けど沙織さん、どうしてこの山の中に入ったの?」
武部「何とかを隠すには林の中って言うじゃない!!」
五十鈴「それは森では…」
武部「どっちでも同じようなものでしょ!!」
思っていたより過酷な活動な上に更にモテ要素がない為、躍起になっている沙織であった。
その間、上へ目指していた愛宕が後ろから人が付いてきていることに気が付いた。
愛宕「あのー!」
?「は、はい!」
みほ・五十鈴・武部「え?」
全員が後ろを振り向いた。
そこには生徒会に話しかけていた天然パーマの子が居た。
話しかけづらそうに木々を用いて隠れながら付いてきたみたいだ。
みほ「あ、あの…良かったら一緒に戦車探しませんか?」
?「い、良いのですか?」
みほ「はい。」
優花里「私、2年普通科の秋山優花里と申します。不束者ですが、宜しくお願い致します。みほ殿!」(みほに向かって敬礼)
みほ「あ、はい…宜しく…?」
全員の自己紹介を終えて、改めて戦車探しに精を出す。
しばらく探索していると、五十鈴が。
五十鈴「ん…あっちから鉄のような匂いがしますね。」
そう言って方角を指す。
愛宕「匂い!?」
優花里「凄い!嗅覚が過敏なのですね!」
武部「華道やっているとそんな過敏になるの!?」
みほ「華さん、華道しているんだぁ。」
五十鈴「私だけかも知れませんけどね。」
愛宕「よし、そうと決まれば!」
愛宕は華が指した方向にダッシュで向かった。
優花里「パンツァーフォー!!」
武部「パンツの阿保!?」
愛宕「あっ!!」
と、同時に盛大にズッコケた。
愛宕「きゃあああああ!?」
優花里「あぁ!愛宕殿が先に行ってしまわれました!」
みほ「早く追いかけましょう。」
武部「ちょ、ちょっと!パンツの阿保ってどういう意味なのよー!」
五十鈴「聞き間違いでは…」
優花里に続き、皆は走って愛宕を追いかけた。
愛宕「痛っ!!」
思いっきり何かにぶつかった様だが、止まって何より…も束の間。
愛宕「戦車!戦車があったよおぉ!!」
そう喜びながら皆を呼ぶ。
みほ「見つかりました!?」
優花里「どんな戦車なのですか?」
武部「もー、心配かけないでよー!」
五十鈴「元気な事は確かですね。」
全員が愛宕と合流した瞬間
みほ・優花里・武部・「きゃあああああ!?」
五十鈴「あらあら…」
愛宕「ほえ?皆何をそんなにも驚いているの?」
愛宕自身は全く気が付いていないようだったが…
武部「由衣!血!血!急いで保健室連れて行くよ!!」
優花里「まるで激戦区から逃れてきた兵隊の様ですうぅぅ!!」
みほ「連絡は私が済ませておくので、武部さんと優花里さん、華さんは由衣さんを宜しくお願いします!」
愛宕「ごめんねぇ・・・」
流石に頑丈とはいえ、失血には勝てない、皆に運ばせてもらった。
その頃、生徒会室で…
河嶋「分かった、運搬は後で自動車部に依頼するので、引き続き調査を…はい…?」
しばらくして電話を切り、会長に報告する。
河嶋「たった今、裏山で戦車を一両見つけたそうです。それと」
角谷「おー、やるじゃん」
小山「皆、頑張っていますね!」
河嶋「…負傷者が出たので、保健室に連れていく、との事です。」
角谷・小山「え・・・?」
角谷の干し芋と、小山の持っていた本が床に落ちる。
その後、3両見つかり、計5両の車両が自動車部によって運ばれた。
ー--翌日ー--
愛宕「ひやぁぁ!圧巻だねぇ。」
頭部を包帯グルグル巻きにされた状態で戦車を舐めるように見ている。
優花里「89式中戦車甲型、38(t)軽戦車、M3中戦車リー、Ⅲ号突撃砲F型、Ⅳ号中戦車D型、どれも個性がある戦車が集いましたね!!」
武部「戦車なんて皆同じように見えるんだけど・・・」
五十鈴「中身が違うのではないのでしょうか?」
愛宕「カッコいい!!」
優花里「そうでしょう!?見た目だけじゃなくて、戦車一つ一つに魅力があるのですよ。」
みほ「やっぱり年月が経っているからか、酷く錆びちゃっているなぁ。」
河嶋「見つけた者が乗っていいが、我々は38tに乗ることにする、君達はⅣ号に搭乗してくれ。」
しばらくして・・・
河嶋「自分の搭乗する戦車は覚えたか?明日は教官が来る、粗相のないよう、綺麗にするのだぞ。」
全員の乗る戦車が決まったところで清掃が始まった。
が、愛宕は昨日の怪我もあるので見回り係を任された。
角谷曰くは、「監視及びサボり魔確認だから、気楽に見て回ってねぇ。」と、言われた。人員の把握をするのに丁度良いので一人一人のチームを調べることにしたの、だが。
愛宕「あの…何をしているのですか?」
一応バレー部チームの方の戦車から見て回ってみたものの、二人は作業をしており、もう二人はバレーのトスのパスを繰り返していた。
?「何って?バレーだよ。部員が足らなくて廃部になっちゃってね、だから再復興目指して戦車道に入ったわけさ。」
一人は磯辺典子さん、特徴は会長同様凄く背が小さいこと。
愛宕「このペースで終わらないと思うのだけど?」
磯辺「どれくらい掛かるか少しだけ考えて、後は根性で終わらせればいいから!」
愛宕「え、えぇ…」
?「私も、戦車に乗るのは初めてだけど、経験がない部分は根性で埋めるしかないのだ。」
この人はバレー部チームの一人、川西忍さん。特徴は後ろ髪を結んでいるのと、目が鋭いのが特徴。
川西「だからこそ、我々はバレー復興の為に、根性で乗り切るつもりだ。」
異様に張り切っているが、身体の負担の事も視野に入れているのだろうかと心配していると。
?「大丈夫、その為に交代制で戦車を洗っているのだから。」
戦車の上から声を掛けられたのは近藤妙子さん、赤い鉢巻きか、後ろの大きなリボンが特徴。
そして最後に戦車の後ろから顔を出したのが。佐々木あけびさん、金髪が特徴。
?「どうも、こんにちは、って随分傷だらけだけど、大丈夫なの?」
愛宕「大丈夫ですよ、頑丈が売りなので。」
と、意気揚々と肩を回す。
佐々木「へぇ、頼もしいねぇ!バレー部入らない?ウチのキャプテンも小さいけど、そぐわないように頑張って仕上げるよ?」
と、バレーの勧誘をされたが、部活には既に入っていると言い、断っておいた。
愛宕「えーと、次は…」
?「高松城を水攻めじゃあ!」
と、水を浸して戦車を洗っているのが杉山清美さん、本人からは左衛門佐と呼ぶようにと言われ、特徴はいつも左目を瞑っている事。
?「瑠璃光を渡れぇ!」
と、モップを空高く掲げているのが仙台エリさん。赤いマフラーが特徴で本人からはカエサルと呼ぶようにと言われた。
?「ペリーの黒船来航ぜよ。」
と、戦車のキューポラ近くで足を組んで座っているのが野上武子さん、おりょうと呼ぶようにと言われ、特徴は語尾に「~ぜよ」を言うらしい。
?「戦車と水と言えば・・・」
と、何やら考えているのが松本里子さん、エルヴィンと呼べば良いらしい。皆個性が際立っているなぁと、しみじみ思う。特徴は何かの軍帽を被っている事。
エルヴィン「おお、そうだ。ノルマンディー上陸のDD戦車だな。」
カエサル・左衛門佐・おりょう「それだ!!」
と、一斉に声を張り上げて共感をしていたが、自分はノルマンディー上陸しか知らないから深くは言えないけど歴史の話をしている事は分かった。
愛宕「この戦車…砲塔が回らないのですね。」
と、歴女さん達のチームの戦車を眺める。
エルヴィン「それは戦車の履帯によって回すことは出来る。」
カエサル「しかも、戦車の高さは普通の戦車より低めだし。」
おりょう「砲身も長く設計されているから攻撃力も高いぜよ。」
左衛門佐「隠密行動からのドカンッと撃破出来るな。」
愛宕「頼もしいですね~。」
と言って、次の戦車へと見回りをする事にした。
愛宕「次の戦車は…うえぇ!?なんでこの辺り水浸しになっているのよぉ!」
突如、愛宕に水が襲い掛かる。その原因は・・・
?「恵みの雨だぞ~!!」
と、元気っ子が辺り一面を水浸ししながら戦車を洗っている。
?「ひゃあ冷たい!!」
?「ちょっとぉ!、水圧強過ぎない!?」
?「びしょ濡れ~!」
?「ブラ透けちゃうってば~!!」
?「め、眼鏡が濡れて見えないよぉ…」
?「・・・綺麗」
その他の戦車を洗っていた他の方は全員愛宕同様びしょ濡れになっていた。
全員私より一個下の1年生チームらしい。
キューポラから叱っているのが澤梓さん。
やたら胸を隠しているのが宇津木優季さん。
手で頭を押さえて濡れないようにしているのが山郷あゆみさん。
眼鏡を必死に拭いているのが大野あやさん。
ホースから噴出された水飛沫で起こる虹をのんびりと眺めているのが丸山紗季さん。
そして、このびしょ濡れの大原因が、阪口桂利奈さん。超元気っ子で、口癖は「あいー!」らしい…
去り際にホースの水圧を緩めておいた。あれ以上近くに居ると風邪引く…
そうして生徒会の担当する戦車へと辿り着いたのであったのだが…
愛宕「どうして会長はそこで干し芋を食べているのですか…」
と、キューポラ付近で寛ぎながらのんびりと干し芋を頬張っている。
副会長は多分中で掃除しているだろうし、外側は小山先輩に任せるとして
愛宕「会長、全員分回ってきたので戦車を洗車してきても宜しいですか?」
と、名簿を返そうとすると。
角谷「上手いね!座布団一枚。後干し芋要る?」
と、言われ少しだけ固まった。
愛宕「そんな事を仰りたい訳ではないです、会長も手伝ってやって下さいよ。小山先輩と河嶋先輩だけじゃ大変ですよ?」
角谷「会長の特権だからやらなくt」
小山「会長も手伝って下さいよ~!!」
非常に困っていたので、会長にペイっと名簿を投げ渡して一緒に生徒会の戦車を洗うことにした。
余談だが、河嶋先輩は何故か会長から貰った干し芋を食べてお腹を下していたらしい、可哀想…
思ったよりもゆっくりとストーリーが進行していますが、あまり早くするとざっくりとした話になってしまいますので、今のペースで進行させてもらいます。
誤字脱字、物語の構成やキャラのセリフに違和感があるかもしれませんが、温かい目で見守って下さい。
次回もお楽しみに!!
(追記:見えやすいように文章を変えました。2022年9月26日)