少し悪ノリした
「そう言えば、タイガ。タイガのお母さんってどんな人なんだ?」
「いきなりどうしたんだ、ヒロユキ?」
「お父さんやお爺さんの話はよく聞くけど、お母さんの事は聞いた事がなかったなって。」
「それは、母さんは警備隊じゃなくて科学局だからな。けど、いつも世話になってるんだぞ。
このタイガスパークは、トレギア母さんが開発したんだからな。」
「トレギア? それは、男性的な名前のように思えるのだが?」
「旦那、そういう事言うとナンタラハラスメントとか言われちまうぜ」
「むっ。それはすまない。」
「気にしなくて良いと思うぞ。母さんは男だったんだし。」
「「「男だった?!」」」
「ウルトラマンって性別変わるのか?!」
「私は知らないぞ!」「オレもだ!」
「そんなに驚く事じゃないだろ。地球にもそういう生き物はいるだろ?」
「それはそうだけど……」
「なあ、タイガ。光の国じゃよくある事なのか?」
「いや。母さんだけだぞ。」
「「「驚いて当然じゃないか!」」」
「いやー。経緯を聞いた身としては、覚悟しておいた方がいいかなって。」
「経緯って?」
「それはな
結構前の話……俺が生まれる前なんだから当然だけど……科学局のヒカリ長官がハンターナイトツルギっていう復讐者になった事があったんだ。
当時の母さん……まだ男だったけど……は、父さんへの憧れの裏返しであるコンプレックスもあって、光を信じられなくなる出来事だったんだ。
「なぁ、タイガ。お袋さんには悪いけど、トレギアで統一してくんない?
聞いてて男なんだが女なんだが〜ややこしいんだよ。」
わかった。
悩みに囚われていたトレギアは、謎の声に導かれ、見知らぬ建物に入って行った。
そこで謎の声に、『光とはなんだ?闇とはなんなんだ?!』と聞いたんだ。
そしたら、
『他の種族と比べるとエネルギーとしての光を扱っているだけでなく、
存在の核が光エネルギーと希望などの概念的な光であるのか、絆などを大切にし信じる傾向がある。
それらを知りたいのなら、自身の光を知るべきだ。』
と返ってきたらしい。
ならば、と自分を光に変換してデータを取る事にしたんだ。
「「「なんでそうなる?」」」
さぁ?
母さんも何でそんな風に考えたのか不思議がってるよ。
それだけ、追い詰められていたって事じゃないか?
それで、その実験をしていたんだけど。
再構築の段階で、同僚の一人が性転換する種族と会った事を話してたんだ。
そしたら、自分達は性別が変わったら外見がどうなるのかって話題で盛り上がったらしいんだ。
その話を聞いて、トレギアは、
女になったらこんな姿になるのだろうか、
そのまま子供を作るならタロウが相手になるのか、
と考えてしまったんだ。
再構築には自身による自身のイメージが必要なのに、そんな事を考えてしまって、
青が混じったレッド族の女性になってしまったんだ。
「まあ、そんなこんなで女になった母さんは、いろいろあって父さんと結婚したって話だ。」
「って事は、オレ達も自分の姿を忘れてたら、そうなってたって事か?!」
「いや、忘れるだけなら、実体を取り戻せないだけだろう。
具体的に考えても、別の姿にはそうそうならない筈だ。」
「母さんも最初は、元に戻ろうとしてたらしいけど、出来なかったんだって。」
「ところで謎の声と施設はなんなんだ?」
「あぁ、それならグレイさんだと思うぞ。」
「グレイさん?」
「その名はU-40にも届いている。
なんでも、あのレイブラッドを倒すために身を挺した戦士であり、大隊長ウルトラの父と大戦士ベリアルの友人だとか。」
「スゲー人じゃん!」
「ははは。
(ベリアルさんが『どんなアドバイスしたんだ、あのアホ!』って言ってたのは言わない方がいいかな……)」
《ある時の黄金の地》
〜それらを知りたいのなら、自身の光を知るべきだ。」
『そうか、それなら……』
若者の悩みに答えていると、声をかけられた。
「んっ?勝手に端末を弄らないでもらえるかな、タルタロス。」
「済まないな、我等が救世主。ちょっと気になったものでな。」
アブソリューティアンのタルタロスは、ウルトラマングレイに端末を返した。
「まったく。言ってくれれば貸すのに。
それに救世主って言うの辞めてくれない?」
「良いではないか。貴方のお陰で我等の故郷は救われ、余剰エネルギーの輸出等もできるようになったのだから。」
「私の技術が役に立ったのなら、研究者としては本望だよ。君たちが光の国との同盟に前向きなのも有難いしね。」
「その程度では返しきれない恩なのさ。」
(これからも恩は返させて頂きますよ。)