窓から残念ながら光が差し込んでくる事によって、俺は起こされた…
思ったよりカーテンがないと光が入ってくることが、ここ数日で分かったのでとりあえず、遮光カーテンが欲しい。
とりあえず何をしようか悩んでいるとピンポーンとインターホンの音がしたので、玄関まで行きドアを開ける。
「おはようございます」
「おはよう、制服ってものは君は知らないのか?」
今の柳田の格好はバリバリ軍服。
この子、もはや私服や制服というものを知らないんじゃないか?
どうせ柳田はなんか言われたら脅せば解決するも考えていそうだしな。
「制服よりもこっちの方が慣れてるので」
「それは良いとして、とりあえず袖に憲兵っていうのは辞めようか」
「憲兵マントと一緒に貰ったのでつけてみました」
「もはやよく分かんないのだが、とりあえず中で待っててくれ」
柳田に部屋の中に入ってもらって、俺は脱衣所で着替えた。
流石に柳田だけ軍服だと悪いので、しょうがなく俺も軍服を着た。
なんか戦争に囚われてる人間って感じがするが、俺と柳田は残念なが戦争が人生だからな。
俺は着替えが終わると、部屋に戻った。
「思ったんだが、俺と柳田はコースの紙を提出してない訳だが、どこに行けば良いんだ」
「確かにどうすれば良いのか分からないですね」
「とりあえず事務室に行けばいってみるか」
「確かにそうですね」
「後さ、今ケータイを見たら明日、くろがね四駆送るからって来てた」
「バイクも貰いますか?」
「まずくろがねを改修工事をしてからにしよう、バイクは陸王とか送られてくると思うしな」
「古いやつしか送られてこないですね」
くろがね四駆が貰えるのはありがたいが、燃費悪いし、多分モーターも変えてないだろうから、部品総とっかえの精神で行くしかない。
仕事が増えたな。まぁ先に部品も変えて燃費も向上する改造が加えられてるのを祈るばかりだな。
車検は……知らん。俺達に法律なんてもの通用しないしな。
「さて、さすがに行くか」
「忘れ物はないですか」
「忘れ物なんて戦場に置いてきた」
「私は正義を置いてきましたよ」
そんな変な会話をしつつ俺達は家を出て学園に向かった。
家から学園は遠くはないので、車は必要ではないかも。
本当に何のために貰ったか分からなくなるが、前みたいに何処か行かないと行けんくなった時に使うとしよう。
さて学園に着いたのだが、まず最初に向かったのは、事務室。
特に変哲もない普通の事務室で、こう言うところは何故かコーヒーの匂いしかしない。
「お二人ともどうされました?」
事務の職員が先に聞いてきた。
受付前にいたので、声かけるスピードがものすごく早かった。
まぁ、こんな服を着てるので不審者だと思われたのだろう。
「コース選択の紙を提出してないんですけど、この場合どうすれば良いですか?」
「コース選択の紙を提出してない………え?」
「私と中佐どちらも提出してないです」
誇らしげに柳田が言うが、事務員は…やべー奴らに声かけたよと言う顔をしている。
「…ちょっと待ってて」
奥の方に走って行ったのだが、大丈夫だろうか。
数分すると奥から先から先ほどの人が戻ってきた。
「お待たせ。それで何だけど本当に二人ともコース選択の紙を出してないんだよね?」
「何にも出してないですね」
「私も出してないです」
「はぁ…まぁそれは良いとして、紙は貰ってる?」
「待ってます。転校初日で渡されたので」
「うん?転校初日?あれまさかだけど、毎年あるコースの説明受けてない?」
「ただ紙を渡されただけですね」
「コースの資料を渡すからちょっと待ってて」
また奥の方に走って行った。
そんなに走らなくても良いのでは?と思うんだが、早く終わらせたいのであろう。
「中佐はコースはどうしますか?」
「普通科みたいなのあったらそれで良いと思う」
「コースとしてまでの戦車道はしたく無いですよね」
「部活としてやるのは良いかもしれないが、その時間があるかは分からんし、人は集まらないだろうな」
本当に戦車道をやりたい人ならコースを選ぶだろう。
不死鳥の時は、あの周りの学校に戦車道が無かったから成り立っていた。あの時のメンバーは元気だろうか…。
そんな事を思っていたらまた戻ってきた。
「お待たせ、資料を持ってきたから、これを読んでコースの紙を来週の月曜日に提出して」
「それまで何の授業を受ければ良いか?」
「特例すぎて、分からないから授業は受けなくて良いが、気になる授業があったら受けてみれば良いと思う」
「承知した。時間かけて申し訳ない。ありがとう」
ここから暇になったので、戦車の様子でも見に行くことにした。
外に出て戦車の方に向かって行く途中に、自衛隊の輸送機が飛んでるのが見えた。
そしてそこから戦車を落下させているのも確認できたのだが、何でこの国は戦車を空輸したがるんだ?
変な所に落ちたら大変な事になるので戦場以外ではやめてほしい。
「あれ、陸軍のせいか、自衛隊のせいか分からないから確認しに行くか」
「確かにそうですね。急ぎましょう」
落下地点に急ぐと、確かに戦車があったが、その下には誰かの車がぺちゃんこに潰されている。
普通に陸軍がこれをやったら、腹切りレベルなんだが、大丈夫だろうか。
そしてもう少し奥を見ると、生徒が集まっていた、秋山が居るので戦車道の人たちであろう。
それも生徒はこちら側を向いて、皆の前で述べている者が、教官かな。
あの後ろ姿…服は自衛隊ので間違えないのでとりあえずひと安心で、なんか見たことあるような感じなんだよな。
「柳田、あの後ろ姿見たことあるような気がするんだが、気のせいか?」
「そうですね。私は分からないですね」
「陸軍ができた時に自衛隊の奴とも交流あったからその時に会ってる可能性があるな」
そんな事を考えていると、前に戦車欲しいとか言ってた子と目があった。おもちゃ見つけたみたいな目をしてるよあの子。
他の奴は…秋山とあの子以外知らんな。何なら秋山しか名前知らんし。
「中佐、とりあえず戦車の方に行きますか」
「そうだな、こんな事してる場合じゃないか」
「そういえば田邊さんはいつ来るんですか?」
「知らないけど、個人的にはそんな早くなくても良いかな」
田邊は、不死鳥メンバーの中でも変な人の部類に入るのだが、これで砲手も運転も出来るのだから、重宝してたんだよな。
足りない時は田邊を入れれば良かったから。
そして何故か、目が合った子がこっちに来た。
俺、この子とそんなに関わりなくない?好かれる理由もないし、何なんだろうか。
「中佐って小動物みたいな女子に好かれますよね」
「他にこんな奴いたか?」
「オレンジペコさんとかですね」
「あ〜ペコか。さてこれどうしようか」
あちら側を見るとなんか、見られてますね。
よく考えたら軍服着てる不審者だもんなこれ。
そこに駆け寄るこの子も変な子だけど。
教官もこっち向いてるから顔を見たら思い出した。
蝶野さんか。自衛隊の戦車道のやつに所属してる人だな。
この人、教え方が雑と言うか適当なんだよな。
「羽黒さん、お久しぶりですね」
「蝶野さんもお久しぶりで、相変わらずで何より」
「それはどう言う意味で?」
「そりゃもうね。荒っぽいとことか」
ここで、戦車を落下させるのは普通はありえないが、この人なら十分あり得る。蝶野さんとはそう言うタイプの人間だ。
「蝶野さん、初めまして陸軍所属の柳田と申します。階級は大尉です」
「こちらこそ、自衛隊戦車教導隊の蝶野 亜美です。階級は一尉です」
「……知り合い?」
「一応、知り合いではあるが、その前に君は何でこっちに来た?」
「………」
「何だこの子」
「二人はもちろん戦車道をしに来たのだろう?」
「特に何のコースも選んでないな」
「中佐と同じで何も選んでません」
「え?羽黒さん中佐にまで昇進したの?」
「言ってなかったですね。てか、周りの人ぽかーんとしてますので、そちらはそちらでお話を続けてください」
「そうでしたね。お二人はちょっとここに居てください」
そうして蝶野さんは向こう側に戻った。
この子は戻ってないけど、何なのこの子。
とりあえず居てと言われたからここにいるが、何か用があるのだろうか。
「君は戻らなくて良いのか?」
「……」コク
「中佐、この子どうします?」
「どうするも何も、どうしようもないな、撃つわけにはいかないし」
「……⁉︎」
「反応はするんだけど、あまり喋らないな」
「まぁ喋りたくないならそれはそれで良いんじゃないですかね」
ついでに言うと柳田の得意分野は拷問、脅迫などである。
敵以外には使用しないで欲しい。
「なんか頭撫でられて喜んでるペコを思い出したわ」
「オレンジペコさん…大丈夫なんですかね」
「……⁉︎…」頭を少しこっちに下げる
「撫でて欲しいのか?」
「……」コク
撫でて欲しいらしいので、知らん子の頭を撫でる。
これ…大丈夫?なんか向こうからの視線が痛いんだけど。
そんな事をしていたら蝶野さんが手招きをしている。
とりあえず横まで来てみた。
「二人共、自己紹介をして欲しいかな」
「了知しました。秋山以外は初めまして、帝国陸軍所属の羽黒と申します。階級は中佐です」
「同じく、帝国陸軍所属の柳田です。階級は大将です」
「それも羽黒さんは、戦車道を昔してたので分からない所は聞いてみてね」
「はい!羽黒殿は何処の戦車チームにおられたんですか」
「不死鳥というチームで隊長をしてました」
「え?不死鳥?あの」
「みほ殿は不死鳥をご存知ですか」
「何処かの学校に所属などしてなくて、連合という形で優勝までしたチームだよ」
「なら、貴様たちも戦車道をやるべきだ」
「戦車道をやるかなんて俺達の自由だ、君に決める権利などない」
「生徒会に逆らうというのか」
「知らんがな」
「まぁまぁ、桃ちゃんおちついて」
何だこいつ。こっちに引っ付いて来てる子よりも面倒いぞ。
人は権力を持つと愚かになると教わったが、間違えではないな。
「中佐、殺りますか?」
「これでキレていたらキリが無い」
「そこの子、死にたいなら構わないけど羽黒さん達には敵わないよ」
「無闇には殺さないぞ、片付けるのがめんどくさい」
これを言った後にめちゃくちゃ空気が凍った。
軍人なんて狂ったやつにしか出来ないのは分かるだろう。
何なら戦車道だって、ミスったら死ぬ事だってある。
もはや戦車道は小さな戦争だろ。
「はいはーい!教官!」
「えーと教官は、やっぱりモテるんですか?」
「狙った的は外したことが無いわ。撃破率は120%よ」
「玉砕してるだけ」
「…では戦車道の訓練と行きましょう」
「本日は、何をなさいますでしょうか」
「じゃあさっそく、実戦をやってみましょう」
「え?初日からでありますか?」
「戦車なんてバーと動かして、ダーって操縦して、ドンと撃てばいいんだから」
「中佐、この人はいつもこのような感じなんですか?」
「昔から実践第一だからな」
蝶野さんが多分戦車の方に歩いていった。
他の奴もそちら側について行き始めた。
なんか隣にいるよく変わらん子は、まだ居るんだけど、何でこの子はここにいるんだ?
「君はついて行かなくて良いのか?」
「…?」
「何で分かってなさそうなんだ。戦車道選んだんじゃないのか?」
「……」コク
「私達は戦車道を選んでないので、あちらについて行った方が良いですよ」
柳田がそういうと、あの子は走って行った。
よく分からない子だったな。
やっぱり思うんだが、一番怖いのは人間だと思うんだよ。
それも謎の行動する奴が一番怖い気がする。
「中佐、この後どうしますか?」
「とりあえず戦車の点検をやりにいくか」
こちらとしても一応点検という名の、チトの確認作業と慣らしをしようと思っている。
次の戦場にはチトが配備される…はずなので少しでも慣れておきたい。
自衛隊マジで61式でも良いから供与してくれないかな。
そんな事を思いながらチトの場所に進んで行った。
小説を待っていたことに気づいたので、参考にしつつ書いてます。