(存在しない)死神の呪いを受けた青年   作:夜桜家の壁

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続き


死神の影響はどこにいても‥‥‥… 相棒ってなんだろうね

「ちょっとお姉ちゃん!!また僕の服とり……誰!?ちょっと母さん僕何も聞いてないんだけど。」

「ちゃんと言ってたよ。(せつ)が最近放心状態になってるから記憶してないだけでしょ。そんな事よりその姿で影月の前にいていいの?」

 

 

雪と呼ばれた彼女はニヤニヤしている椿姉さんの顔と私の顔に視線を往復させ、最後に自分の来ている服がメイド服であることを認識するとすぐさまリビングから出て行ってしまった。階段をのぼる音とドアが勢い良く閉める音が聞こえてきた。

 

 

「あの、結局彼女のこと何も聞けなかったのですが…あっでも名前が夜桜雪だということはわかりましたけど。」

「母さん。わたしちょっと雪のところ行ってくる。だからその間に雪のこと話しといて」

「はいよ。じゃあ話すけど最初に言わないといけないことがある。あいつは男だ」

 

 

……………

 

………

 

 

 

マジで!?えっ雪って男なの。あいつメイド服着ているし、普通にスタイル良かったよね!?髪だって男子にしては少し長めだしきれいだし何なら体格がもう女性みたいに少し丸みを持った体つきだしなによりもかわいいじゃん!!」

 

 

「おーい声漏れてるぞーそんなにかわいいって思うならなでてきな。雪について話した後にだけど。」

「流石になでたりしません。後普通に考えてファーストコンタクトが女装してるときって気まずい以外何もないです。」

「女装は雪が風呂はいったタイミングで椿が着替えを取り替えてるだけだから勘違いしないように」

 

 

椿姉さん……よくそんな事できますね。せめて今日はやめておきましょうよ。

 

 

「雪は夜桜家の長男だったけどこれからは影月のほうが誕生日早いから次男だね。まあ雪は長男であることに誇りとかそんなのないし、なんなら優しい兄か姉がほしいとか言ってたぐらいだから優しく接してあげれば女装見られたくらいどうとでもなるよ」

「あのそれ雪からすると同情されてるようにしか見えないのでは?」

 

 

少なくとも私ならそう思う。いや、おそらく男なら皆そう思うだろう。

だったら私が女装して謝りに行けば同情してるとは思われないのでは?

……いや普通に変な空気になるだけだな。

 

「そういえば影月くんって動画投稿してたって聞いてるけど続けるの?続けたいなら全然続けていいよ、雪だってやってるし。まぁ最近はあまり投稿出来てないらしいけどさ。続けるなら動画投稿という共通の話題ができると思うし、やめても前にやってたってちょっとした話の話題にはなる。そこから仲を深めていくといいよ」

「わかりました。では少しずつ仲を深められるようにしていきたいと思います。」

 

 

さえさんはなんだか小難しいような形容し難い少し困っているようにも見える顔をしたのち

「あと1週間もしたら仕事に行くからその時までに雪とある程度仲良くなれ。話す機会なんかはこっちで作ったりはしてあげるからさ。雪のことは雪と話してわかっていけばいい。それが仲良くなるために本当は一番大切なことのはずだから。まぁ正直なところ仕事に行ったらもうほとんど帰ってこないから仕事場にいる時にいらない心配はしたくないの、なんだったら仲良くできてるって安心が欲しいからさ。

さて、そろそろお腹が空いてくる頃だろ、今から作るからしばらくは部屋でゆっくりとでもしとくといいよ」

 

私はその言葉に甘えて部屋で休むことにした。

 

 

 

部屋に着いてすぐ私はpcの電源をつけて動画投稿を再開させることが出来ることを伝える動画を作り始めた。本当なら文章で書けばいいだけの話だけれども今回は久しぶりに編集したくなってしまったので面倒くさいことをしている。

 

 

「ッッッ……‥‥‥」

急に視界が暗くなる。

「だ〜れだ!」

すぐにそんな声が聞こえてきた。こんなことをするのは椿姉さんしかいないと思うので、とっても冷ややかな声で

椿姉さん?(邪魔しないでね)

と言い放った途端、

 

 

 

椿姉さんは一歩下がろうとして何故か少し音を立てて崩れ落ちていた。

 

 

「いったぁ〜……くはないけど、危なかった。そんなことよりも何してるの?へぇ動画編集してんじゃん。えーと、なになに『動画投稿再開のお知らせ』あーそりゃ引っ越しの間は動画編集できるわけないもんね。納得。ちなみにどのチャンネルよ影ちゃん」

「影ちゃん⁉︎今までであなたそんな呼び方した事ありましたっけ?私の記憶ではもうそんなの無いのだけど。それよりも椿姉さん体大丈夫ですか?」

「全然大丈夫かな。そんなことよりこの椿姉さんに教えなさい」

 

 

そう言って椿姉さんは私の後ろから覗いてきた。私は教えるつもりが無いので拒否していたら、なんとこの人はすぐに私からマウスを奪ってしまった。そうなるともうどうとでもなれといった感じである。

 

 

「相棒ってなんだろうね。一緒にいて楽な存在?それとも一緒にいると頼りになる存在?」

 

少しすると私にそんな問いかけがかけられた。しかしその答えは簡単だった。

 

「その答えはは俺の中ではただ一つだけ、いつの間にかそこにいるだけの腐れ縁だ」

「あっそう。ならいいや、もうすぐご飯だとさ」

 

椿姉さんから聞いてきたのになんか素気なかった。天才って理解しようとするだけ無駄なことし始めるし多分それの一つなんだろう。そう結論を付けて夕食を食べに下に降りて行った。

 

 

 

 

「やっと降りてきた。椿達、遅いじゃないの冷めないうちにはやく食べな。

「ごめん母さんsorry sorry……じゃあいただきます」

「いただきます。」

 

私は椿姉さんがいただきますと言ったのでコレを逃すまいといただきますと繰り返すように言った。しかし、目の前にある夕食を見て少し困惑していた。

 

「今日は影月くんが家族になるお祝いに石焼ビビンパを作ってみました。作った後だけど、影月くん食べれる?」

「食べれますよ。なんなら少し好きな方ですね」

 

そうテーブルの上にはマジの石の器の中にビビンバが入っていたのである。さえさんは料理が得意なのは前から知ってたけどここまでやる人だとは思ってもいなかった。

ご馳走様でした。食べ終えた時に椿姉さんがまたしても後ろから視界を塞いできて、今度は驚くことは言った。

「今日一緒のベッドで寝ようか」

 

えっ、!?


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