さぁ、ゲームの時間だ   作:やさぐれショウ

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17.孵らぬ卵

この世界にやって来て、約1週間が経った。世界的大スターである翔達は、この日は別々に行動をしていた。その理由は……

 

カメラマン「では翔様、お願いします。」

 

翔「…あぁ。」

 

今日の仕事は、偶然にも皆それぞれ違う時間にあったからだ。おいしーなタウンの中華ストリートにて、翔は写真撮影をしていた。

 

カメラマン「撮影は以上になります、お疲れ様でした!!」

 

翔「お疲れ。」

 

撮影を終えた翔は、街を散策するために歩き始める。彼は今、中々割れない卵をねんねこに入れ、ゆっくりと歩く。

 

翔「おい寝坊助、見てみろよ…美味そうな香りが広がるこの街、たくさんの人で賑わってんだろ?」

 

卵に優しく話しかけながら、街を歩く翔。大きな卵を抱えて歩いているからか、街中の人から注目の的になっていた。

 

主婦「ねぇねぇ、あの人…もしかして世界的大スターの?」

 

おば様「えぇ、翔様よ♪」

 

学生1「翔様じゃん!ねぇねぇ、声掛けてみない!?」

 

学生2「ムリムリ!!ウチら絶対相手にされないって…!」

 

学生3「大きな卵を抱えて、どうしたんだろ?」

 

学生4「きっと動物が好きなんだよ!」

 

こちらの世界では、世界的大スターという設定であるため、人々からは嫌でも注目される。目立つことが苦手な彼は、少しずつ歩くスピードを上げ、中華ストリートを歩く。

 

翔(悪いな寝坊助…また今度ゆっくり回ろうぜ……)

 

 

 

中華ストリートを抜け、人通りが少ない道へとやって来ると…翔は歩くスピードを緩めた。

 

一海「おっ、よぉ!!」

 

そこに、一海と幸喜がやって来た。

 

幸喜「なぁ翔!俺らの卵が孵りそうなんだ!!」

 

翔「…それは皮肉のつもりか?」

 

幸喜「いやいや、そうじゃなくって!!」

 

一海「おいおいおいおい、段々割れて来てるぞ!!」

 

幸喜と一海が抱える卵は、段々割れて行く。やがて、卵が完全に割れると…そこから出てきたのは、やはりレイズバックルだった。

 

幸喜「ぬおっ!?何だこれ…手裏剣みたいなのがついてるぞ!?」

 

一海「俺のはドリルだ、コイツは強そうだな。」

 

幸喜のは緑色のメインカラーに、手裏剣のような物がついたバックル…一海のは銅色のカラーに、ドリルが着いた小さなバックルだ。

 

翔「……。」

 

一海「ま、まぁ…翔、お前のもきっと孵るって、な?な?」

 

翔「…ちっ、無責任なこと言ってんじゃねぇよ!!」

 

翔は一海に怒鳴ると、どこかへ去って行ってしまった。

 

幸喜「あっ、おい翔!?」

 

一海「待て幸喜!!そっとしてやってくれ…」

 

幸喜「な、何で…!?」

 

一海「怒った奴に構い過ぎてると、返ってヒートアップするだけだ……だから、そっとしておこう。」

 

幸喜「…た、確かにそうだな……」

 

 

 

自分以外の卵は無事に孵った…だが、何故自分のだけは孵らない……翔はそれに納得していなかった。

 

翔(だからといってかち割る訳には行かねぇし…どうすりゃ良いんだ……)

 

翔は考えた…どうすれば卵が孵るのか……そして、たどり着いた答は……

 

翔「よし、行くぞ寝坊助!」

 

まず、公園にてブランコに卵を乗せ…自分はブランコを押した。滑り台も一緒に滑り、砂場にて山や城を作ったり…

 

ゆい「…あれ、翔さんだ。」

 

ここね「ホントだ…」

 

らん「ん〜?あの卵、何の卵だろ?」

 

偶々ここを通り掛かったゆい達は、卵と一緒に公園で遊ぶ翔を見てキョトンとした。

 

ローズマリー「んま〜!!あれは正しく…子どもを大切に思う父親……あんな旦那様が居たら、素敵じゃない!!」

 

らん「そう言えば、らんらんも昔…お父さんとああやって遊んでもらったな~。」

 

ここね「何だか、あの卵さんが羨ましいかも…」

 

ゆい「うんうん!翔さんはきっと、素敵なパパになる…って、もうなってるか……」汗

 

パムパム「あっ、移動するパム!」

 

メンメン「着いてってみるメン?」

 

メンメンの言葉を聞いたメンバー達は、翔に気付かれないよう…こっそり後をつけた。翔にはバレてないと思っていたメンバー達だったが……

 

 

翔(誰かに着けられてると思えば…プリキュアの奴らか、まあ良い……)

 

 

あっさりバレていた。やがて、ボート場へとたどり着いた翔は、卵と共にボートへと乗った。パドルでボートを漕ぎながら、卵へと話し掛ける翔。

 

翔「どうだ寝坊助、中々気持ち良いだろ?」

 

時よりボートを停め、見える景色を卵にも見せていた。

 

翔(コイツにも、色々なことを経験して貰わねぇとな…かわいい子には旅をさせろって言うし。)

 

翔なりの子育て方法はこれだ。共に経験を積み、共に成長して行こうという考え…一海達は卵を温めていたのだが、仲間達と一緒では面白くないと感じたようだ。

 

ゆい「そう言えば、卵って温めると良いんだっけ?」

 

ローズマリー「ちょっとゆい、ヨダレ出てるわよ?」汗

 

コメコメ「コメ〜…」汗

 

ゆい「…えっ?」

 

ここね「ねぇ、あそこ…」

 

らん「はんにゃ〜!!じゃ、ジャマトだぁ!!」

 

そんな彼の元に、ジャマトの魔の手が伸びて来る。

 

翔「…。」

 

翔は卵をねんねこで隠すと、パドルを1本掴み、構えを取った。モーターボートを使い、ジャマト達は高速で迫って来る。

 

ジャマトα「ジャッ!!」

 

翔「ムンッ!!」ゴスッ!

 

ジャマトα「ジャアッ!?」

 

翔が振るうパドルが、ジャマトの顔面に命中し…ジャマトは着水した。

 

翔「おらよっ!!そらっ!!」ゴンッ!ボコォッ!

 

その後も、ボートに乗り込もうとするジャマトにパドルで攻撃し、次々と池へ落としていく翔。しかし、着水したジャマトは消滅することはなく、泳いでボートによじ登ろうとしている。そのせいで、ボートが傾く。

 

翔「…ちっ、鬱陶しい連中だな!!」

 

 

《GRAB! GRASHER! ZONBIE》

 

《READY FIGHT!!

 

 

腸が煮えくり返った翔は仮面ライダーに変身、ゾンビブレイカーを唸らせ、よじ登って来たジャマトを叩き斬って行く。不安定な足場であっても、戦闘経験が豊富な彼にとっては何ともない。

 

ギーツ「ムンッ!!」ズバァッ!!

 

ジャマトβ「ジャアアァァッ!?」

 

ゾンビブレイカーだけではなく、左手のバーサークローも武器として使い、ジャマトを確実に始末していく。

 

ギーツ(向こうからも来やがったか…アイツらにプリキュアが倒されたら都合が悪い……)

 

ゆい達がいる方角からも、ジャマトの群れが迫って来るのが見えたギーツは、ボートによじ登って来たジャマトの1体を池に蹴り落とす。その直後…ボートからジャンプし、着水させたジャマトを踏み台代わりにし、岸へと到達…ゆい達の方へ走って行く。

 

ローズマリー「ちょっと!!ジャマトが来てるわよ!!」

 

らん「はにゃっ!?」

 

ここね「あっ、ライダーが…!!」

 

《TACTICAL BREAK》

 

ギーツ「ムンッ!!」ヴオオォォッ!!

 

迫り来るジャマトの群れを、ギーツはゾンビブレイカー1振りで瞬殺…残るは水に落ちたジャマト軍団だ。

 

ゆい「仮面ライダー…!!」

 

ギーツ「俺について来なけりゃ、こんな事にはならなかったかもな?」

 

ゆい「えっ!?な、何の事かにゃあ…?」大汗

 

ギーツの言葉に、目線を泳がせるゆい。

 

ギーツ(嘘下手か…)汗

 

らん「仮面ライダー!その卵、らんらん達が持ってようか?」

 

ギーツ「いや、大丈夫だ…寝坊助には色々旅をさせてやりてぇからな。」

 

ギーツはゾンビブレイカーを握りしめ、ゆい達の前に立つ。そんな彼に、救いの手が舞い降りる。

 

ナーゴ「翔さん!!」

 

ギンペン「助太刀するぞ!!」

 

ナーゴとギンペンが救援に駆け付けたのだ。

 

ギーツ「一海達はどうした?」

 

ギンペン「アイツらなら、街中に現れたジャマトを始末している。」

 

ナーゴ「紫さんと私は一海さんの指示でここに来ました。」

 

ギーツ「そうか。」

 

池に着水したジャマト達は、岸へ上がると…ライダー達に迫って来る。ナーゴとギンペンが前戦へと走ったため、ギーツはゆい達の近くに立ち、彼女達を守ることに専念した。

 

ナーゴ「ふっ!!にゃあっ!!」ゴスッ!バキッ!

 

ナーゴはレイズプロペラを鈍器代わりに使い、ジャマトを殴り付ける。

 

ギンペン「やっ!はぁっ!!」

 

ギンペンは2つのレイズファンで、ジャマトを斬り捨てて行く。すると、ナーゴが空中へ飛び上がり、空からジャマトを攻撃した。彼女らの攻撃を潜り抜けたジャマトに待っていたのはギーツ…ゾンビブレイカー及びバーサークローの餌食になっていった。

 

 

 

ギーツ「さて、何故着いて来ようと思った?」

 

ローズマリー「うっ、まさかバレていたの?」汗

 

ギーツ「あぁ、そうだ…んで、何故着いて来ようと思ったんだ?質問を質問で返してんじゃねぇぞ?」

 

らん「いやぁ、翔さんって素敵なパパになるんだろ〜なぁ〜って、思ったの!!」

 

ギーツ「素敵なパパ、俺がか?」

 

ここね「はい、翔様はその卵に色んな経験をさせているんですよね?」

 

ギーツ「そうだな。それがどうした?」

 

ゆい「皆で話してたんだ、翔さんみたいなパパが居たら素敵だよね〜って♪」

 

ギーツ「……。」

 

ギーツはデザイアドライバーからバックルを引き抜き、変身を解いた。

 

翔「おい寝坊助、お前はどう思ってんだ?俺はお前にとって、良いパパになれてんのか?なぁ?」

 

らん「ねぼすけ?まだ出て来てないけど…」

 

翔「…だからだよ。」

 

ローズマリー「えっ、ちょっと待って?寝坊助寝坊助って、まさか…その子の名前…?」

 

翔「…そうだが?」

 

翔が無表情で言うのだから、ローズマリーはム○クの叫びのようなリアクションをした。

 

ゆい「寝坊助さんかぁ、寝過ぎは良くないよ〜?あ、食っちゃ寝はもっと良くないか…」

 

ここね「何が産まれるんですか?」

 

翔「…さぁな。」

 

紫「あぁ、その卵は」

 

翔「紫、余計な事を言うな。」

 

紫がネタバレをしようとしていると思った翔は、彼女の口を封じた。

 

友香「紫さん紫さん、ここは翔さんを見守ってみませんか?

 

紫「それも悪くなさそうだ…こんなにも真剣になっているのだからな。邪魔者は私らで始末しようじゃないか。

 

翔「そこ、何をコソコソしてんだ?」

 

友香「いえいえ、今回も手応えのある敵でしたねと言ってました♪」

 

紫「そうだな。翔、今日のお前の戦いも実に見事だった。」

 

翔「何だよ急に、気持ち悪い………」

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