この世界にやって来て、約1週間が経った。世界的大スターである翔達は、この日は別々に行動をしていた。その理由は……
カメラマン「では翔様、お願いします。」
翔「…あぁ。」
今日の仕事は、偶然にも皆それぞれ違う時間にあったからだ。おいしーなタウンの中華ストリートにて、翔は写真撮影をしていた。
カメラマン「撮影は以上になります、お疲れ様でした!!」
翔「お疲れ。」
撮影を終えた翔は、街を散策するために歩き始める。彼は今、中々割れない卵をねんねこに入れ、ゆっくりと歩く。
翔「おい寝坊助、見てみろよ…美味そうな香りが広がるこの街、たくさんの人で賑わってんだろ?」
卵に優しく話しかけながら、街を歩く翔。大きな卵を抱えて歩いているからか、街中の人から注目の的になっていた。
主婦「ねぇねぇ、あの人…もしかして世界的大スターの?」
おば様「えぇ、翔様よ♪」
学生1「翔様じゃん!ねぇねぇ、声掛けてみない!?」
学生2「ムリムリ!!ウチら絶対相手にされないって…!」
学生3「大きな卵を抱えて、どうしたんだろ?」
学生4「きっと動物が好きなんだよ!」
こちらの世界では、世界的大スターという設定であるため、人々からは嫌でも注目される。目立つことが苦手な彼は、少しずつ歩くスピードを上げ、中華ストリートを歩く。
翔(悪いな寝坊助…また今度ゆっくり回ろうぜ……)
中華ストリートを抜け、人通りが少ない道へとやって来ると…翔は歩くスピードを緩めた。
一海「おっ、よぉ!!」
そこに、一海と幸喜がやって来た。
幸喜「なぁ翔!俺らの卵が孵りそうなんだ!!」
翔「…それは皮肉のつもりか?」
幸喜「いやいや、そうじゃなくって!!」
一海「おいおいおいおい、段々割れて来てるぞ!!」
幸喜と一海が抱える卵は、段々割れて行く。やがて、卵が完全に割れると…そこから出てきたのは、やはりレイズバックルだった。
幸喜「ぬおっ!?何だこれ…手裏剣みたいなのがついてるぞ!?」
一海「俺のはドリルだ、コイツは強そうだな。」
幸喜のは緑色のメインカラーに、手裏剣のような物がついたバックル…一海のは銅色のカラーに、ドリルが着いた小さなバックルだ。
翔「……。」
一海「ま、まぁ…翔、お前のもきっと孵るって、な?な?」
翔「…ちっ、無責任なこと言ってんじゃねぇよ!!」
翔は一海に怒鳴ると、どこかへ去って行ってしまった。
幸喜「あっ、おい翔!?」
一海「待て幸喜!!そっとしてやってくれ…」
幸喜「な、何で…!?」
一海「怒った奴に構い過ぎてると、返ってヒートアップするだけだ……だから、そっとしておこう。」
幸喜「…た、確かにそうだな……」
自分以外の卵は無事に孵った…だが、何故自分のだけは孵らない……翔はそれに納得していなかった。
翔(だからといってかち割る訳には行かねぇし…どうすりゃ良いんだ……)
翔は考えた…どうすれば卵が孵るのか……そして、たどり着いた答は……
翔「よし、行くぞ寝坊助!」
まず、公園にてブランコに卵を乗せ…自分はブランコを押した。滑り台も一緒に滑り、砂場にて山や城を作ったり…
ゆい「…あれ、翔さんだ。」
ここね「ホントだ…」
らん「ん〜?あの卵、何の卵だろ?」
偶々ここを通り掛かったゆい達は、卵と一緒に公園で遊ぶ翔を見てキョトンとした。
ローズマリー「んま〜!!あれは正しく…子どもを大切に思う父親……あんな旦那様が居たら、素敵じゃない!!」
らん「そう言えば、らんらんも昔…お父さんとああやって遊んでもらったな~。」
ここね「何だか、あの卵さんが羨ましいかも…」
ゆい「うんうん!翔さんはきっと、素敵なパパになる…って、もうなってるか……」汗
パムパム「あっ、移動するパム!」
メンメン「着いてってみるメン?」
メンメンの言葉を聞いたメンバー達は、翔に気付かれないよう…こっそり後をつけた。翔にはバレてないと思っていたメンバー達だったが……
翔(誰かに着けられてると思えば…プリキュアの奴らか、まあ良い……)
あっさりバレていた。やがて、ボート場へとたどり着いた翔は、卵と共にボートへと乗った。パドルでボートを漕ぎながら、卵へと話し掛ける翔。
翔「どうだ寝坊助、中々気持ち良いだろ?」
時よりボートを停め、見える景色を卵にも見せていた。
翔(コイツにも、色々なことを経験して貰わねぇとな…かわいい子には旅をさせろって言うし。)
翔なりの子育て方法はこれだ。共に経験を積み、共に成長して行こうという考え…一海達は卵を温めていたのだが、仲間達と一緒では面白くないと感じたようだ。
ゆい「そう言えば、卵って温めると良いんだっけ?」
ローズマリー「ちょっとゆい、ヨダレ出てるわよ?」汗
コメコメ「コメ〜…」汗
ゆい「…えっ?」
ここね「ねぇ、あそこ…」
らん「はんにゃ〜!!じゃ、ジャマトだぁ!!」
そんな彼の元に、ジャマトの魔の手が伸びて来る。
翔「…。」
翔は卵をねんねこで隠すと、パドルを1本掴み、構えを取った。モーターボートを使い、ジャマト達は高速で迫って来る。
ジャマトα「ジャッ!!」
翔「ムンッ!!」ゴスッ!
ジャマトα「ジャアッ!?」
翔が振るうパドルが、ジャマトの顔面に命中し…ジャマトは着水した。
翔「おらよっ!!そらっ!!」ゴンッ!ボコォッ!
その後も、ボートに乗り込もうとするジャマトにパドルで攻撃し、次々と池へ落としていく翔。しかし、着水したジャマトは消滅することはなく、泳いでボートによじ登ろうとしている。そのせいで、ボートが傾く。
翔「…ちっ、鬱陶しい連中だな!!」
腸が煮えくり返った翔は仮面ライダーに変身、ゾンビブレイカーを唸らせ、よじ登って来たジャマトを叩き斬って行く。不安定な足場であっても、戦闘経験が豊富な彼にとっては何ともない。
ギーツ「ムンッ!!」ズバァッ!!
ジャマトβ「ジャアアァァッ!?」
ゾンビブレイカーだけではなく、左手のバーサークローも武器として使い、ジャマトを確実に始末していく。
ギーツ(向こうからも来やがったか…アイツらにプリキュアが倒されたら都合が悪い……)
ゆい達がいる方角からも、ジャマトの群れが迫って来るのが見えたギーツは、ボートによじ登って来たジャマトの1体を池に蹴り落とす。その直後…ボートからジャンプし、着水させたジャマトを踏み台代わりにし、岸へと到達…ゆい達の方へ走って行く。
ローズマリー「ちょっと!!ジャマトが来てるわよ!!」
らん「はにゃっ!?」
ここね「あっ、ライダーが…!!」
ギーツ「ムンッ!!」ヴオオォォッ!!
迫り来るジャマトの群れを、ギーツはゾンビブレイカー1振りで瞬殺…残るは水に落ちたジャマト軍団だ。
ゆい「仮面ライダー…!!」
ギーツ「俺について来なけりゃ、こんな事にはならなかったかもな?」
ゆい「えっ!?な、何の事かにゃあ…?」大汗
ギーツの言葉に、目線を泳がせるゆい。
ギーツ(嘘下手か…)汗
らん「仮面ライダー!その卵、らんらん達が持ってようか?」
ギーツ「いや、大丈夫だ…寝坊助には色々旅をさせてやりてぇからな。」
ギーツはゾンビブレイカーを握りしめ、ゆい達の前に立つ。そんな彼に、救いの手が舞い降りる。
ナーゴ「翔さん!!」
ギンペン「助太刀するぞ!!」
ナーゴとギンペンが救援に駆け付けたのだ。
ギーツ「一海達はどうした?」
ギンペン「アイツらなら、街中に現れたジャマトを始末している。」
ナーゴ「紫さんと私は一海さんの指示でここに来ました。」
ギーツ「そうか。」
池に着水したジャマト達は、岸へ上がると…ライダー達に迫って来る。ナーゴとギンペンが前戦へと走ったため、ギーツはゆい達の近くに立ち、彼女達を守ることに専念した。
ナーゴ「ふっ!!にゃあっ!!」ゴスッ!バキッ!
ナーゴはレイズプロペラを鈍器代わりに使い、ジャマトを殴り付ける。
ギンペン「やっ!はぁっ!!」
ギンペンは2つのレイズファンで、ジャマトを斬り捨てて行く。すると、ナーゴが空中へ飛び上がり、空からジャマトを攻撃した。彼女らの攻撃を潜り抜けたジャマトに待っていたのはギーツ…ゾンビブレイカー及びバーサークローの餌食になっていった。
ギーツ「さて、何故着いて来ようと思った?」
ローズマリー「うっ、まさかバレていたの?」汗
ギーツ「あぁ、そうだ…んで、何故着いて来ようと思ったんだ?質問を質問で返してんじゃねぇぞ?」
らん「いやぁ、翔さんって素敵なパパになるんだろ〜なぁ〜って、思ったの!!」
ギーツ「素敵なパパ、俺がか?」
ここね「はい、翔様はその卵に色んな経験をさせているんですよね?」
ギーツ「そうだな。それがどうした?」
ゆい「皆で話してたんだ、翔さんみたいなパパが居たら素敵だよね〜って♪」
ギーツ「……。」
ギーツはデザイアドライバーからバックルを引き抜き、変身を解いた。
翔「おい寝坊助、お前はどう思ってんだ?俺はお前にとって、良いパパになれてんのか?なぁ?」
らん「ねぼすけ?まだ出て来てないけど…」
翔「…だからだよ。」
ローズマリー「えっ、ちょっと待って?寝坊助寝坊助って、まさか…その子の名前…?」
翔「…そうだが?」
翔が無表情で言うのだから、ローズマリーはム○クの叫びのようなリアクションをした。
ゆい「寝坊助さんかぁ、寝過ぎは良くないよ〜?あ、食っちゃ寝はもっと良くないか…」
ここね「何が産まれるんですか?」
翔「…さぁな。」
紫「あぁ、その卵は」
翔「紫、余計な事を言うな。」
紫がネタバレをしようとしていると思った翔は、彼女の口を封じた。
友香「紫さん紫さん、ここは翔さんを見守ってみませんか?」
紫「それも悪くなさそうだ…こんなにも真剣になっているのだからな。邪魔者は私らで始末しようじゃないか。」
翔「そこ、何をコソコソしてんだ?」
友香「いえいえ、今回も手応えのある敵でしたねと言ってました♪」
紫「そうだな。翔、今日のお前の戦いも実に見事だった。」
翔「何だよ急に、気持ち悪い………」