イーデン校入学試験から、数日が経った今日…12:00より、合格者の受験番号が公開される。所謂、『合格発表』だ。一海と諒芽も、フォージャー家に同行する形で、合格発表に行くことになった。途中、ヨルのブレスレットが切れたり、黒猫に前を横切られたり、アーニャがウ◯コを踏んづけたりと、色々なハプニングがあった。
一海(た、偶々だよな…これ……)汗
諒芽(あぁ、そうだ…偶々だ、偶々……)汗
度重なる不幸に、一海と諒芽も流石に心配して脂汗をかいていた。やがて、会場に着き、合格者名簿を見たが……そこに、アーニャの名簿は無かった。それを見たフォージャー家、一海と諒芽は思わず顔を真っ青にしていた。
ヨル(お、落ちた……)
ロイド(落ちた……)
アーニャ(おちた……)
一海(これは夢、これは夢……)
諒芽(悪い夢だ悪い夢だわるいゆめだワルイユメダ……)
トボトボと会場を後にするフォージャー家と、現実逃避を始める一海と諒芽。1番落ち込んでいたのは、アーニャだった。
ロイド「か、帰ろうか…?」
ヨル「お、お茶淹れますね?」
アーニャ「…ごめんなさい……」
小さい声で謝るアーニャ。
アーニャ「アーニャがウ◯コ踏んだから…」(泣)
一海「あ、アーニャ……」
諒芽「……。」
アーニャに掛けるべき慰めの言葉が見つからず、黙り込む一海と諒芽。するとそこに、思いもよらぬ人物が姿を現す。
???「待たれよフォージャー一家。」
ロイド「…!ヘンダーソン先生…!?」
現れたのは、ヘンリー・ヘンダーソンだった。
ヘンリー「む、君達は…あの時の仮面ライダーかね?」
一海&諒芽「「…はい?」」
どうやらヘンリーは、バッファとダパーンの正体が一海と諒芽であることを見抜いていたようだ。
ヘンリー「声を聞いてすぐに分かったのだ。君達も来給え。」
そうして、イーデン校に通されたフォージャー一家と一海と諒芽。
ロイド「…これは?」
ヘンリー「1番上を見てみろ。」
ロイドはヘンリーから渡された1枚のリストを見ると、1番上にアーニャの名簿が記されていた。
ヘンリー「それは補欠合格者のリストだ。」
ロイド「補欠合格…?」
ヘンリー「そうだ。総合的な採点により、アーニャ・フォージャーは補欠順位1位となった。」
何と、補欠合格者のリストに…アーニャの名前があったのだ。
ヘンリー「正規合格者の中に一人でも辞退する者が居れば、即時合格だ。」
だが、まだ安心はできない。ヘンリーが言ったように、正式に合格した者の中で辞退する者がでなければ、アーニャは合格にならない。
ロイド「で、ですが…」
一海「あんな事を、したのに…何故……?」
スワンの無神経な発言により、彼を殴りそうになったロイド…そして、殴り込んではスワン直々に抗議したバッファとダパーン。
ヘンリー「地球上で最も人間を殺している生物は分かるかね?」
諒芽「…蚊です、よね?」汗
ヘンリー「その通り。」
実は、ロイドが思わず殴った机に…一匹の蚊が潰されているのを、ヘンリーが発見していた。更に、バッファがスワンを壁に遠ざけ、蚊から守ったとウォルターが判断したのだ。
ヘンリー「君達はあの時、危険生物からスワン先生を救ったのだ。これは大きな加点となった。」
偶然が重なり、最終的には補欠合格となったフォージャー一家。
ロイド「無茶苦茶な…」汗
一海(…マジか。)汗
諒芽(ひぇ〜、なんたる偶然…)汗
ヘンリー「君達ライダーも、トラブルから多くの人々を救った。それも大きく加点されているぞ。」
一海「…な、何ですと…?」汗
諒芽「…おぉう。」汗
フォージャー一家もそうだが、バッファとダパーンの活躍ぶりも、面接官は高く評価していた。
ヘンリー「それに、子どもは未来の宝物であり、学校はその子ども達にとって居場所にもなる場所だと言っていたな。君達のその言葉…儂らにしかと、刻まれたぞ。」
あの時、バッファとダパーンがスワンに言い放った言葉…それは、ヘンリーにとって…いや、ここの関係者全員にとって、学校の意義を見直すきっかけにもなったのだ。
ヘンリー「胸を張れフォージャーとライダー諸君、貴様らは我が校に相応しい。」
ヨル「一人でも欠員者が出たら……アーニャさんは合格……」
ヘンリー「そうだ。」
僅かな希望を手にしたフォージャー一家。まだ諦めるには早い。
ヨル(でも、一人でも出なかったら…)
ヨルはもしもの事を思って心配していたが、ヘンリーはこう言った。
ヘンリー「その事なんだが…毎年必ず辞退する者がいる。そのつもりできちんと備えておけ。」
イーデン校は名門である。しかし、名門であるが故に辞退を決断する者は毎年のように必ず出る。僅かな希望が、少しずつ大きくなっていく。
ロイド「ありがとうございます、先生…!」
一海&諒芽「「ありがとうございます!!」」
ヘンリーにお礼を言うロイドと、深々と頭を下げる一海と諒芽。
ヘンリー「儂は入学の頃には教職から外されているかもしれんがね…」
一海「…えっ、どうしてそう思うんですか?」
思わずヘンリーに問い掛ける一海。彼の質問に、ヘンリーはこう答えた。
ヘンリー「…あの豚息子を殴り倒してしまってな。」
フォージャー一家が面接を終えた後、無神経な発言ばかりするスワンの顔面を、ヘンリーは思い切り殴った。だから、面接室から鈍い音が聞こえて来たのだ。
ロイド(あの愚かな男とこの先生、任務にとってどちらが利用価値があるか分からんが…奴が邪魔になれば社会的に殺す方法はいくらでもある。)
そう思ったロイドは、どうにかヘンリーが教職から外されないよう力になろうとする。
ロイド「何かお力になれることがあれば…」
ヘンリー「気休めでも嬉しいよ、エレガントボーイ…まぁ、家で合格の連絡を待っていろ。」
ヘンリーは気持ちだけを受け取っただけで、それ以上は何も言わなかった。
諒芽「…ん?」
その時、諒芽が何かを感じたのか…
諒芽「すいません、ちょっと急用を思い出しました。」
…とだけ言い、走り去って行く。
一海「あっ、おい諒芽…!!す、すみません…俺も…!!」
一海もそう言い、慌てて諒芽を追い掛けて行った。
ヘンリー(あのライダーは、人間を守るため人知れず戦っている…実にエレガントだ、仮面ライダーバッファに仮面ライダーダパーン……)
イーデン校から出た一海と諒芽。どこへ行くのか…
一海「諒芽、どうしたんだよ?」
諒芽「あのとっつぁん坊やが危ない。」
一海「…はぁ?」
諒芽「あの馬鹿ライダー、半グレ達を連れてとっつぁん坊やを襲うつもりだ。その前に、助けに行こうぜ。」
諒芽が変身する仮面ライダーダパーンには、パンダの耳を模した聴覚装置『ダパーンイヤー』が着いている。これは、高い集音機能を持っており、数km離れた会話を聞き取る事ができるのだ。
一海「もしかして、ライダーシステムの効力か何かか?」
諒芽「御名答!!」
ライダーシステムを作れる一海は、それはダパーンならではの力だと察した。そして、諒芽が近くの路地裏に来ると……
スワン「な、何だ貴様らは!?」
半グレA「うるせぇぞクソ豚。」
半グレB「さっさと金目のモン全部出せ、そしたら半殺しで許してやるぜ?」
半グレ達に囲まれたスワンを発見した。そこには、九頭夫の姿もあった。
九頭夫「てめぇか、アーニャを泣かしたクズ野郎ってのは…コイツらが許しても、オレはてめぇをぜってぇ許さねぇ。どのみち死んでもらうのは確定なんだからなぁ?」
スワン「ひ、ヒィィいいいい!!」
九頭夫がバールを振り上げたその時……
バッファとダパーンが乱入し、間一髪のところでスワンを助けた。
九頭夫「いってぇ…よくも邪魔してくれたなぁ!?」
怒った九頭夫も、仮面ライダーブラーリに変身…レイズハンマーを構える。
スワン「なっ!?き、貴様ら…あの時の…?」
自分の目の前に立っているバッファとダパーンを見て、驚くスワン。バッファとダパーンは、スワンに背を向けたまま言う。
バッファ「つべこべ言ってねぇでさっさと逃げろ。」
ダパーン「アイツらは俺らに任せて、早く行けよ。」
スワン「昨日の事があったにも関わらず…な、何故…何故私を守る?」
バッファ「アンタみてぇなクズ人間であっても、俺達はここの人達を守らなければいけねぇんだよ。」
ダパーン「どんなに救いようのねぇクズ野郎でも、この街で暮らす人達を守る…それが、俺達仮面ライダーの役目なんだよ。」
スワン「……。」
バッファとダパーンの言葉に、黙り込むスワン。
バッファ「…何してんだよ、さっさと行けよ!!」
ダパーン「早く逃げろって言ってんだろうが!!」
スワン「…!!」ダッ!!
バッファとダパーンに怒鳴られ、慌てて路地裏から逃げていくスワン。
ブラーリ「奴が逃げたぞ!!追え!!ぜってぇ逃がすんじゃねぇ!!」
ブラーリの言葉を聞き、手下の半グレ達はスワンの追跡を始める。
ダパーン「あのライダーは任せろ!!雑魚を頼む!!」
バッファ「分かった!!」
ダパーンはブラーリと戦い、バッファはブラーリの手下の相手を始める。
バッファ「でやっ!!どらぁっ!!」ドゴォッ!!ドゴォッ!!
半グレ「ぐわっ!?」「があっ!!」
まず、先頭にいた2人の半グレを殴り倒し…
バッファ「うおおおおぉぉっ!!」
半グレ集団に突進し、次々と薙ぎ倒していく。
半グレC「邪魔すんなら死ねぇ!!」
鉄パイプを振り下ろして来る半グレC。バッファはゾンビブレイカーでそれを受け止めると、ブレイカーのカバーを操作する。
その後、半グレCを残った半グレ集団の元に蹴り飛ばし、ブレイカーのトリガーを引く。
ゾンビブレイカーからは紫色の衝撃波が発射され、半グレ集団目掛けて飛んで行く。
半グレ集団「「「ぎゃああぁぁっ!!」」」
半グレ集団は爆発に包まれて行くと、ボロ雑巾と化して戦闘不能になった。
ダパーン「よっ!ほりゃっ!!」ドカッ!!ドカッ!!
ブラーリ「がっ!?んなっ!!?」
ダパーンはマグナムシューター40Xを鈍器として扱い、ブラーリを翻弄する。
ブラーリ「銃ってのは、鈍器として使わねぇだろ!!」
ブラーリはレイズハンマーを振り降ろすが、ダパーンは持ち前の身軽さを駆使して避ける。
ダパーン「武器をどう使おうが、俺の勝手だ…おりゃあっ!!」ドカァッ!!
ダパーンはそう叫ぶと、ブラーリに飛び蹴りを繰り出す。ダパーンの右足がブラーリの顔面にクリーンヒットし、ブラーリの身体は吹き飛ばされ、後方に転がる。
ブラーリ「ぐぅ……くそっ!!」
ブラーリ(このレイズバックル…弱すぎだろうが!!俺にも大型バックル寄越せや!!)
この場には、人質として利用できような人や物は何処にもない。頼れる部下や利用できる手下は既にバッファに倒されている。故に、己の力のみで戦わなければならない。デザイアグランプリに参加する前でも、卑怯な戦いを繰り返していた九頭夫は、真剣勝負には弱いのだ。
ダパーン「おしっ、そろそろ決めてやる!!」
ダパーンはマグナムバックルを外すと、マグナムシューター40Xに装填する。
音声が響くと、銃口をブラーリに向ける。そして、リボルバーを勢いよく回転させた後、トリガーを引く。
アプルーバルリボルバー型のエネルギーが込められたマグナムシューター40Xからは強力な弾丸が発射され、ブラーリに向かって飛んで行く。
ブラーリが大爆発に包まれて行くと、バッファとダパーンは背を向けてその場を去って行った。
九頭夫「うぐっ…ち、ちきしょお……!!」
バッファとダパーンが去った後、路地裏には戦闘不能になった半グレ達と、ボロボロになった九頭夫が取り残されていた。そこに、ヘルメスが姿を現す。
ヘルメス『島袋 九頭夫、見事な負けっぷりだったな。』
九頭夫「お、お前は…違う、オレは負けてねぇ……偶々、調子が悪かっただけだ…!!」
ヘルメス『負け惜しみとは見苦しい…だが、運営側は貴様を敗北と見なした。よって、ここで脱落して貰うぞ。』
ヘルメスがそう言うと、九頭夫のドライバーにセットされているIDコアが消えて行く。次に、九頭夫の身体が消えて行く。
九頭夫「ふ、ふざけるな…オレは、まだ…アーニャとヨルを抱いていないんだ!!やめろ、やめろおおおおぉぉ……!!」
九頭夫の身体が消滅すると、デザイアドライバーが地面に落ちる。
ヘルメス「島袋 九頭夫…貴様は、仮面ライダー失格となった。」
ヘルメスはデザイアドライバーを回収すると、静かに姿を消した。バッファとダパーンの活躍により、この世界にいたジャドウライダーは無事に撃破されたのだった。
この世界のジャドウライダーは撃破されましたが、ゲームは簡単に終わらない……なーんて。