ある日のデザイア神殿にて……
諒芽「は〜、またキャンプしてぇなぁ…」
幸喜「何なら温泉とかにもどっぷり浸かりてぇよな!!」
友香「良いですねそれ♪」
N「レディたるもの、我が身のケアは欠かせない…疲れを取る為にどっぷり浸かる温泉、嫌いじゃないわぁ!!」
次のキャンプはどうしようかと、話が盛り上がるメンバー達の他所で翔はキャンプ用の小さなグリルを眺めていた。
斑目「そのグリル、使うのか?」
翔「…あぁ。」
斑目の問いに答える翔は、相も変わらず表情が無い。そしてスパイダーフォンを取り出すと、温泉があるキャンプ場を探し始めた。
幸喜「おっ、何だこれ?鉄製の賽銭箱か?」
翔「ちげぇよ…」
グリルを見た幸喜の言葉に、少し怒る翔。
翔「コイツで焼肉すんだよ、こんな所に賽銭なんて入れられるか。」
紫「翔、食材はどうするんだ?」
翔「どーせジャマトでもぶっ倒すんだろ…スーパーとかで調達した方が早ぇだろうに……」
翔の言葉はすぐに的中する事に…スパイダーフォンがけたたましく鳴り、ジャマト出現の通告がされた。ライダー達はすぐさまジャマトエリアに転送された。
やがて、ジャマトエリアに降り立つと…ライダー達の前にキャンパージャマト達が現れる。その中に1人、デザイアドライバーを手にしているジャマトがいた。
一海「って、アイツ…フィーバースロットを!!」
よく見ると、バックルホルダーにフィーバースロットバックルがある。
翔「アイツは俺が倒す、スロットを取られたからな……」
あのスロットバックルは翔が持っていた物で、ジャマトエスケープ時に奪われたのだった。しかし、今の翔にはレイズバックルが無い。
その様子をデザイア神殿で見ていた斑目は、翔に報酬を送る。
斑目「翔はジャマトエスケープでのミッションをコンプリートしている…であれば、これを使うと良い。」
送信ボタンを押すと、ミッションボックスが翔の元へ転送された。
翔「…?」
近くに落ちて来たミッションボックスを開くと、そこには見たこと無いバックルが入っていた。黒と銀のメインカラーに、オレンジ色が特徴のバックルだ。翔はそれを手にしてすぐ、デザイアドライバーの左スロットに装填する。
ドライバーから音声が響くと、翔は久しぶりの変身ポーズを披露する。右腕を大きく回して狐を作ると、前に伸ばして指パッチンを行う。
…と呟くと、バックル操作を行う。
短い音声が流れた後、仮面ライダーギーツへと変身した翔。だが、複眼にバイザーのようなゴーグル『コマンドグラス』とバイザーの左耳に『コマンドアンテナ』のみが搭載された武装である。顔部分以外はエントリーフォームと対して変わらないが、右手には新たな武器『レイジングソード』を装備している。
ギーツ「今回も俺の失態だ…責任は取る。」
ギーツはレイジングソードを構え、ジャマトの群れ目掛けて走り出す。一海達も仮面ライダーに変身し、ジャマト軍団に立ち向かう。
ギーツ「ムンッ!!」
ギーツがレイジングソードを振るうと、独特な音が響き渡ると同時にジャマトが両断されて行く。すかさずデザイアドライバーを持ったジャマトがジャマトバックルを装填し、ジャマトライダーへと姿を変えた。
ジャマトライダーはフィーバースロットバックルを右手に持ち、ドライバーに装填しようとするが…
ギーツ「させるか…!!」
ギーツによって右腕を切断された。宙を舞うフィーバースロットバックル、ジャマトライダーはジャマトバックルを押し、幾つもの蔓を伸ばす。太い蔓をギーツに、細い蔓をフィーバースロットバックルに……
ギーツ「ちっ…小賢しい。」
ギーツもバックル操作を行うと、レイジングソードにエネルギーを纏わせる。
そして、レイジングソードを振るい、大小様々な大きさの斬撃を飛ばす。ギーツが繰り出す斬撃は、ジャマトライダーの蔓をズタズタと切り裂く。その状態で全力疾走するギーツ。やがて、ジャマトライダーの目の前に到達すると…
レイジングソードでジャマトライダーを一刀両断した。ジャマトライダーは爆散し、デザイアドライバーとジャマトバックルが残った。
ダパーン「ボスが倒れた!!後は雑魚のみだぜ!!」
ギンペン「よし、こちらも決めるぞ…!!」
ギーツ以外のライダー達も、フィーバースロットと各々相性の良いバックルを操作し、ジャマト達を撃破した。ジャマト達が倒されると、その場に食材が落ちた。ジャマトライダーを倒したギーツの近くには、神戸牛や黒毛和牛等の高級肉が…他のライダー達には豚バラやタン、カルビ等のお馴染みの肉、多彩な野菜が落ちた。その後、ギーツは奪われたフィーバースロットバックルを拾い、変身を解いた。他のライダー達も変身を解いて元の姿に戻った。
翔「コイツぁ返して貰う…ついでに、お前のバックルを頂戴しよう。」
幸喜&一海&諒芽「「「おぉ〜!!肉だぁ!!肉!!肉!!」」」
大量の肉を目の当たりにし、喜ぶ幸喜達。
V「米もある。」
N「けど、こんなに食べきれるかしら?」汗
だが、あまりにも大量であるため、9人で食べきれるか不安になってくる。このメンバーの中でも、底無しの胃袋を持っているのが翔と一海。極大胃袋なのは幸喜と諒芽だ。
翔「俺達だけじゃあ無理だろうな。」
一海「どーすっかなぁ…」
翔「悩んでいても仕方ねぇ、取り敢えずキャンプ場行くぞ。」
翔の号令を聞き、メンバー達はキャンプ場へと足を運んだ。チェックインを済ませると、翔と幸喜の指示でテントを設置…翔と諒芽の指示でキャンプ道具の設置を完了した。
翔「そういや、こっから1km先に温泉があるんだとよ…どうする?」
「「「行きたい!!」」」
翔「なら行って来い、俺はここで荷物番してるから。」
幸喜「俺も残る!!翔が肉を食い尽くさねぇかしっかり見張ってるからな!!」
翔「ぶっ飛ばすぞコラ?」
彩羽「アタシも残る、みんな行ってらっしゃーい♪」
翔と幸喜と彩羽が荷物番として残り、一海達とN&Vは温泉へと向かった。
彩羽「ねーねー、アタシ達で先食べちゃう?今ならバレないと思うし、ほら…毒味も兼ねて、ね?」
翔「駄目だ。」
幸喜「そうだぜ彩羽さん、焼肉は皆で食うから美味いんだぜ?」
翔「それに量が減っていたらバレるに決まってる。ま、お前1人が食うなら構わねぇが…仲本と俺は責任取らねぇぞ?」
彩羽「むぅ、わかったよ〜……」
彩羽は余程お腹が減っているのか、不満そうな顔をした。
翔「そういや仲本、火起こしバトルはどうなったんだ?」
幸喜「引き分けだった、勝負なんてすっかり忘れちまってさぁ…火が着いた事に皆大喜びだったし、周りの人達が拍手してくれたんだよ。」
翔「そうか。」
勝負結果を聞いた翔は、鞄の中に右手を突っ込む。
幸喜「今回もマッチ無しで火起こしか?」
翔「いや、今回はマッチを使う。着火剤もな…時には手ェ抜く事も必要だぜ?」
翔はテーブルの上にマッチ型着火剤と木炭が入った袋を置いた。その時、スパイダーフォンが鳴る。
彩羽「もしかしてジャマト!?」
翔「違う、一海からだ。」
スパイダーフォンには、一海達が野外活動サークル(通称:野クル)メンバー達と楽しそうに写る写真があった。
幸喜「おっ!なでしこ達も来てたのか!!しかも同じキャンプ場、テンション上がるぜ!!」
翔「丁度いい、コイツらにも手助けして貰うか。」
彼らは野クルメンバー達を焼肉祭に招待する事にした。これにより、大量の食材を完食する希望が見えた。やがて、温泉から帰って来た一海達と、彼らと合流した野クルメンバー達がやって来た。
なでしこ「お〜い、翔く〜ん!!幸喜く〜ん!!彩羽さ〜ん!!」
なでしこを先頭に、野クルメンバー達が翔達と対面する。
千明「始めまして、アタシは『
あおい「はじめまして~、ウチは『
自己紹介を済ませた後、今度は翔と幸喜と彩羽が温泉へと向かった。
翔「肉を勝手に食ったらどうなるか、分かってるよな……?」
翔はドスの効いた声でそう言い、温泉へと向かった。
温泉に着くと、ライダー達を出迎えたのは……
ジャマト「「「ジャアッ!!」」」
観光客でも店の人でもなく、ジャマトだった。
翔「またジャマトかよ…」
幸喜「けど、数は少ない!!」
彩羽「ならサクッと倒しちゃお!!」
3人はデザイアドライバーにレイズバックルを装填し、仮面ライダーへと変身する。
翔は仮面ライダーギーツ(レイジングフォーム)に、幸喜は仮面ライダータイクーン(フィーバーニンジャフォーム)に、彩羽は仮面ライダーパンクジャック(フィーバーモンスターフォーム)へと姿を変えた。
タイクーン「おっしゃあ、温泉来たぁぁああああ!!1、2、3、まとめてタイマン張らせて貰うぜ!!」
パンクジャック「いぇーい、パンクにいっくよ〜!!」
ギーツ「さぁ、ゲームの時間だ。」
相手のジャマト達はデザイアドライバーにジャマトバックルを装填し、ジャマトライダーへと変身した。細身のジャマトライダーCはタイクーンが担当し、体格の良いジャマトライダーBはパンクジャックが、最後のジャマトライダーAはギーツが担当する。タイクーンは素早く動くジャマトライダーCと互角に戦っている。
ジャマトライダーC「!!」
タイクーン「せいっ!!どらっ!!」
ニンジャデュアラーで伸びて来る蔓を斬り、ジャマトライダーCに攻撃を命中させる。攻撃に怯んだ隙にバックル操作を行い、無数の手裏剣型光弾を投げ付ける。
タイクーン「受けてみろ、忍法・手裏剣連打の術!!」
タイクーンから放たれる光弾は手裏剣、クナイ、矢等様々な武器の形をしている。
タイクーン「オラオラオラオラオラオラオラオラァァアアアア!!」
タイクーンから放たれる無数の光弾を受け、ジャマトライダーCは爆散した。
タイクーン「いっちょあがり〜!!」
ジャマトライダーB「ジャアアァァッ!!」
パンクジャック「よっ、ほっ。」
パワー型のジャマトライダーBの攻撃を避けながら、反撃のチャンスを伺うパンクジャック。よく見ると、ジャマトライダーBの攻撃は大振りであることが多く、攻撃直後に隙を見せる事がわかった。次の攻撃を躱し、右足の『ビッグブーツ』を用いた蹴り技を繰り出す。
ジャマトライダーB「ンジャアッ!?」
パンクジャックの蹴りが顔面に命中し、吹っ飛ぶジャマトライダーB。すかさずパンクジャックはバックル操作を行い、ジャマトライダーBに接近すると、両腕のモンスターグローブで百裂拳を繰り出した。
パンクジャック「アータタタタタタタタタタタタタタタ!!」
パンクジャック「アッタアァァァッ!!」
ジャマトライダーB「ジャアアアアァァッ…!!」
パンクジャックの百裂拳の後、空中へふっ飛ばされたジャマトライダーBは空中で爆散した。
ギーツはジャマトライダーAと剣撃戦をしていた。ギーツのレイジングソードと、ジャマトライダーAのジャマチェーテがぶつかり合い、火花を散らす。
ギーツ「……。」
ギーツはドライバー右スロットにフィーバースロットバックルを装填し、バックル操作を行う。すると、『MONSTER』のところでスロットが止まった。
すると、上半身がモンスターフォームとなり、ギーツはジャマトライダーA目掛けて走り出す。振り下ろされるジャマチェーテをレイジングソードで弾き飛ばす。モンスターフォームの影響で、パワーが向上しているのだ。その後、モンスターグローブで肉弾戦を仕掛けつつ、右手のレイジングソードでジャマトライダーAを斬る。
ギーツ(この剣に着いてるバックル、外れねぇな……まぁ良い。)
ギーツはバックル操作を行い、レイジングソードを構える。
そして、迫り来るジャマトライダーAを、エネルギーを纏ったレイジングソードで斬り捨てた。ジャマトライダーAはギーツの後ろで断末魔を上げ、爆散した。
その後、翔と幸喜と彩羽はほったらかし温泉に入り、疲れを癒やした。当然、男女別々である。
幸喜「くぅ~、あったけぇ♪」
翔「おぉ、コイツァ良い…」
普段は無表情な翔だが、今の翔は笑顔を見せている。彼は大の風呂好きであり、どのメンバーよりも温泉を楽しみにしていた。その為、先程のジャマトライダーとの戦いでは少しだけ本気を出した。
幸喜「気持ち良いな、翔!!」
翔「何当たり前の事言ってんだよ…俺にとって温泉は至福の時、風呂上がりには…なぁ?」
幸喜「コーヒー牛乳!!」
翔「そうだ!!仲本ぉ、よくわかってんじゃねぇか。」
温泉を満喫した翔と幸喜は、風呂上がりのコーヒー牛乳を購入すると、それを一気に飲み干した。彩羽はフルーツ牛乳を購入し、飲み干した。
その後、宿泊するキャンプ場へと戻って行った。
ロキ「何やってんだお前ェェエエエエ!!」
フィーバースロットバックルを取り返され、怒り狂うロキは…またも悔しそうにしている。子どものように地団駄を踏み、頭を一心不乱に掻き毟る。
ロキ「バカな転生者共のお陰でデザイアドライバーは調達出来たのに、おのれ…青空 翔め青空 翔め青空 翔めェェエエエエ!!」
ロキの机には、デザイアドライバーが大量にある。普通の転生者やジャドウを問わず、悪魔の囁きでデザイアグランプリのような大会に参加させ、脱落もしくは退場した者が使用していたデザイアドライバーを調達していたのだ。
ロキ(ジャマトライダーをもっと量産しなければ、その為にジャマトを育てなければ…!!)
ロキは赤ちゃんジャマト達に水やりを始める。ジャマトの木が埋まっている地面には、ヒビ割れたIDコアが無数転がっていた。