さぁ、ゲームの時間だ   作:やさぐれショウ

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57. 開催、焼肉祭

温泉を満喫した翔達は、一海達と野クルメンバー達と合流した。彼らが宿泊するキャンプ場は同じであるため、交流も含めて夕食に焼肉祭を行う事にしたのだ。チェックアウトは明日の昼、水は係の人が後で持って来てくれるとの事……薪は自由に使ってOKだ。テントは街並みが見える場所に立てた。野クルメンバー達のテント張りにも協力し、夕食の準備を行う。そのタイミングで、係の人が水が入ったタンクを持って来た。飲料水と火消し用のジョウロだ。焚き火の際、キャンプファイヤーはせずに丁寧にやるようにと……

 

千明「そうだ!!折角だから、ウッドキャンドルやろうぜ!!」

 

なでしこ「ウッドキャンドル?」

 

諒芽「何だそれ?木をロウソクにするのか?」

 

翔「ちげぇよ。丸太に切り込みを入れ、着火剤を詰めて火を起こす…ロウソクに見えるからウッドキャンドルってんだ。」

 

千明「スウェーデントーチや木こりのロウソクとも呼ばれるらしい。」

 

翔と千明の説明に納得するなでしこと諒芽。

 

あおい「青空君よぉ知っとるなぁ。」

 

翔「闇雲にキャンプはできねぇよ。」

 

千明は薪を束ね、真ん中に着火剤を詰めてウッドキャンドルを完成させた。翔は鉈とナイフを取り出すと、薪の加工を始める。

 

紫「翔、何をするつもりだ?」

 

翔「黙って見てろ。」

 

まずは薪を細くした後、薄く削って形を整え、最後はナイフを使って真ん中に窪みを作った。そして、まるでロウソク立てを彷彿とさせるウッドキャンドルを完成させた。長い物や短い物、太い物、細い物、洋梨のような物等、豊富な種類のウッドキャンドルを作ってみせた。

 

千明「おぉー!!スゴイな青空!!」

 

翔「…大したことねぇよ。」

 

なでしこ「わぁ、可愛い〜!!それ、欲しくなっちゃう。」

 

翔「ロウソク立てなら作ってやる、どの形がいい?…その前に、ウッドキャンドルに火ィ着けたらどうだ?」

 

翔の言葉を聞き、千明が完成させたウッドキャンドルに火を着ける。

 

千明「普通の焚き火とはちょっと違った雰囲気で。」

 

なでしこ「良いねぇ♪」

 

千明「これ、上に鍋直乗せして料理も出来るんだぜ?」

 

あおい「それスゴイな!」

 

幸喜「けど、煤で真っ黒になっちまうぞ?」

 

なでしこ「それもそうだね。」

 

翔「各務原、一応全種類作ったが…どれが良い?」

 

千明「早っ!?」

 

あおい「青空君職人やなぁ。」

 

なでしこ「それじゃあ、この太いので♪」

 

なでしこに太いロウソク立てを渡す翔。

 

翔「大垣、犬山、お前らもいるか?」

 

千明「良いのか?じゃあ、この長い奴で!!」

 

あおい「ウチは細いので、ありがとうな♪」

 

野クルメンバーに手作りロウソク立てを渡した翔は、肉を焼くためのグリルを準備する。あの小さなグリルに、温泉で倒したジャマトから入手したグリルパンを出す。その後、焚き火台を取り出して薪をセットし、着火剤を使って火を起こした。

 

なでしこ「焚き火見てると、どうしてこんなに落ち着くのかな?」

 

あおい「せやな〜。」

 

友香「パチパチという音、何だか癖になりますよね。」

 

V「…確かに。」

 

ウッドキャンドルに癒されていると、ウッドキャンドルが倒れてしまった。

 

「「「うわぁっ!?」」」

 

翔「…ん?」

 

なでしこ「びっくりしたぁ…!!」

 

あおい「何なんいきなり?」

 

だが、千明と翔が迅速に対応した事で辺りに火が燃え移らずに済んだ。

 

あおい「これ、よぉ見たら細いアルミ製やないの…熱で切れてもうたんや。」

 

どうやら薪を纏めていたアルミが細く、火の熱によって切れてしまったようだ。

 

千明「な!?だから鍋乗せなくて良かっただろ!?」

 

翔「な、じゃねぇよ…」汗

 

千明にツッコミを入れた翔は、まだ薪にしていない太い丸太を立てる。

 

翔「薪を並べるより、丸太そのものをウッドキャンドルにした方が良い。」

 

そして、ナイフを使って丸太の中心に溝を作っていく。そこに着火剤を詰めて火を起こした。

 

彩羽「おぉ、さっすが翔君!!出来る弟でお姉ちゃん嬉しいゾ♡」

 

翔「死ね。」

 

彩羽「ひっどぉい!!」

 

千明「にしても、青空って何でも出来るよな。ホントに流石だよ。」

 

N「だからこそ、翔君はアタシ達のリーダーなのよ。」

 

色々出来る翔はメンバー達から頼りにされ…寧ろ、欠かせない存在と化しており、いつの間にかリーダーにされている。それはライダー達の中では御約束なのだ。

 

あおい「千明ちゃんも見習わんとなぁ♪」

 

千明「お、おう…そう、だな……」汗

 

翔「やめとけ、お前はお前のままで良い。」

 

あおいに弄られる千明をフォローした翔は、焼肉の準備に取り掛かる。

 

翔「お前らも準備しろ、今宵は祭りだ。」

 

なでしこ「うん!!晩御飯の準備だね!!」

 

なでしこは煮込みカレーの準備を、翔達は焼肉の準備を行う。翔はメンバー達に指示を出しながら、食材を焼いて行く。

 

なでしこ「翔君、今回もありがとうね。でも、何だか悪いような気もする…えへへ……」

 

翔「バカ、気にすんじゃねぇよ。調子に乗って買い過ぎたんだ、俺はお前達を利用しているだけだぜ?後は、餃子鍋の恩があんだ…美味いモンは多くの信頼する奴と食った方が美味いからな。」

 

ジャマトとの戦いやキャンプ等を通じてなでしこと交流した翔は、彼女の事を信頼するようにもなった。彼女はジャマトライダーによって負傷した翔の看病にも協力してくれたのだ。数々の恩があり、それらを返そうと焼肉祭を開催したのだ。トングを使って食材を両面焼いて行き、紙皿に盛り付けていく。なでしこ達もカレーが完成し、食事に取り掛かっていた。

 

千明「うまっ!?」

 

あおい「ホンマに美味しいわぁ♪」

 

なでしこ「えへへ♪」

 

翔「こっちも食うか?」

 

翔は野クルのメンバー達に肉野菜が乗った紙皿を渡した。

 

千明「サンキュー青空!!」

 

あおい「ありがとうなぁ青空君♪」

 

なでしこ「ありがとう翔君♪」

 

メンバー達の笑顔を見た翔は、持ち場に戻って仲間達と食事に取り掛かる。

 

一海「美味ぁ…!!」

 

幸喜「やっぱ焼肉はタレだな!!」

 

諒芽「塩胡椒もいけるぞ!!」

 

紫「皆、米も炊けているから各自でよそってくれ。」

 

友香「たっくさんありますので、好きなだけおかわりしてくださいね♪」

 

米と言う単語を聞き、一海、幸喜、諒芽は真っ先に飛び付いた。肉を口に運んですぐ、山盛りにした米を掻き込む。

 

3人「「「むっほぉ〜、たまんねぇ〜♪」」」

 

翔「…ったく。」汗

 

幸せそうな男3人に呆れつつ、肉を口に運ぶ翔。

 

彩羽「どう翔君、美味しい?」

 

翔「まぁまぁだな…」

 

N「そう言いつつ、良い顔してるじゃない♪」

 

翔「黙って食え、オカマ。」

 

N「そうオカマ…オカマ!?言ったわね!?あんたレディに対して最・大の侮辱を!!ンムッキィィイイイイ!!

 

V「N、少し抑えて…」汗

 

オカマと呼ばれてキレるNを落ち着かせつつ、肉野菜を口に運ぶV。

 

V「…ん、美味しい。」

 

諒芽「翔ちんもほら、米だぞ!!米米!!米だ米だぁ!!」

 

翔「コメコメコメコメうっせぇなぁ…黙って手渡せってんだよ。」

 

諒芽から山盛りご飯を受け取り、肉を乗せたのち、それを一気に掻き込む翔。咀嚼しながら、キャンプ場から見える夕焼けの街並みを見る。

 

翔(…たまには外で飯を食うのも、悪くねぇな……ま、3回目だがな……)

 

なでしこ「綺麗な景色を眺めながら、美味しい外ご飯。」

 

あおい「キャンプの醍醐味や〜♪」

 

千明「美味いけど、なんか不思議な味だなこれ。」

 

なでしこ「フッフッフッ、よくぞ気が付かれましたな。」

 

千明の疑問に、なでしこはある物を取り出しながら言う。

 

なでしこ「じゃーん!!隠し味は豚骨ラーメンのスープだよ!!」

 

千明「あー!!ラーメン屋さんの豚骨カレーって奴か!!」

 

なでしこ「うん!!」

 

翔(へぇ、中々面白いチョイスだな……)

 

なでしこのカレーには、隠し味として豚骨ラーメンのスープ(粉末状)が入っていた。彼女曰く、余った粉末スープでよく作るとの事…また、そのままだと塩味が強いため、小麦粉と水で薄めるとの事……千明の家では、肉じゃがをカレーにし…あおいの家ではおでんをカレーにしているようだ。その後は、野クルメンバー達も翔達の焼肉祭に参加した。何とか食材を全て平らげた後、あおいが持ってきたマシュマロを、千明が持ってきた焼き鳥を焚き火で直焼きしたり、薪をくべたり雑談をしたり……ライダー達と野クルの交流は、楽しい一時となった。

 

 

 

すっかり夜になり、焚き火を処理したり片付けを済ませたメンバー達…就寝に入るのだが……

 

千明「ぬぅ〜、テント狭っ!?」

 

どうやら、千明達のテントが狭く、眠れないようだ。それもそのはず…彼女達は1つのテントを3人で使っているのだ。広さは、3人入るのがやっとであった。

 

千明「2人が限界だろ…」汗

 

なでしこ「でも、1人で寝るのはなんか寂しいよぉ〜…」

 

あおい「せやなぁ…」

 

千明「んじゃ、ここは公平に……」

 

そして、じゃんけんの結果……なでしこが1人負けし、外で寝ることになった。

 

なでしこ「グスン……」

 

翔「何だ、まだ寝ねぇのか…?」

 

近くには翔がいて、夕方作った小さなウッドキャンドルを読書灯代わりに、読書をしていた。

 

なでしこ「翔君こそ、まだ寝ないの?」

 

翔「いつジャマトが出るか分からねぇんだ…簡単に寝られるかってんだよ……」

 

なでしこ(そうだ…リンちゃんは今、どうしてるかな?)

 

なでしこは別の場所でキャンプしているリンとL◯NEでやり取りを始める。そっちもかなり寒いらしく、温泉がつぶれていて入れなかったそうだ。夜景が綺麗だとの情報を聞き、しばらく起きていてと頼んだ。

 

翔「…何だ、夜回りか?」

 

なでしこ「うん、ちょっとね……えっと、翔君…お、お供してくれませんか…?」汗

 

翔「…良いぞ。」

 

なでしこが持つランタンの明かりを頼りに、暗闇の中を進むなでしこと翔。

 

なでしこ(うぅ、怖いよぉ…)

 

ヒュォォオオオオ〜……

 

なでしこ「ひいぃっ!?」

 

翔「ただの風だ。」汗

 

翔に励まされながら、何とか暗闇を脱出する。

 

なでしこ「やっと暗いとこから出れた〜…」

 

翔「ご苦労さん。」

 

なでしこ「リンちゃん待たせたるから早く行かないと…!!」

 

翔(志摩?ここには居なかったぞ…?)

 

なでしこに着いていき、ある場所にたどり着く。すると、なでしこはスマホを構え、夜空を撮影した。

 

翔(成る程…そういう事か……)

 

リンとはL◯NEでやり取りしていると理解する翔。その後、なでしこのスマホにリンから夜空のスクリーンショットが送られてきた。

 

 

なでしこ「…綺麗だね。」

 

 

リン「…綺麗だね。」

 

 

彼女達のやり取りを黙って見守る翔。

 

翔(ジャマトの気配は無し、か…この一時に水を差そうモノなら、容赦なくぶっ潰す……)

 

なでしこ「翔君も、ほら…一緒に写ろう?」

 

翔「…仕方ねぇな。」

 

最後に、夜景をバックになでしこと共に写真に写った翔だった。

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