無機質ポンコツAIに恋をするTSクール独り言ダウナー系少女。   作:ネギ好き

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プロローグ

 

 

 

雨の音が聞こえて来た。

 

 

 

 

 

『さっっむ』 

 

 

 

寒い。そう思った。顔と首元が特に冷たい。布団内部にも冷気が漂っている。けど心地良い。寒さに適応している感覚で、何でも出来る気がする。

 

普段は瞼を重い重いに開くのだが、今日は自然と目が開いた。いつもは朧げに映る視界だったが今は明瞭に映る視界。久々の感覚にすこし脳が震えた。

 

 

いつもの通り、癖というもので寝てしまって固まった体を左右に振り子のように動かしていく。自然とこの動きをする。体がそうしろと言っているようだ。

そして覚めていくうちに思うのが降ってくる雨。

 

『雨か』

 

ちょっと気分が高揚する。久々の雨だからだ。

ちょうどいい雨音は睡気をもたらし、考える自分は少しの時に目を閉じてた。二度寝は無かった。

 

 

 

‐ ‐ ‐                                                                                                                                         

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目を開ける。前の部屋と明るさは変わらない。雨だから暗いのだろう。そして今は何時なのか?それが気になる。

 

 

 

 

 

『何時?』

 

 

顔まで布団をくるまして、息が切れそうな掠れた小さな声で言った。ちょっとわざとかもしれない。

 

 

 

しかし、変化は無い。ただの一人言のようだ。少し焦る。

 

 

 

それでは困るので、問いを加えて重ねて、何度も言う。なぜか出来ない。

 

 

起きて頭を打ってみた痛いきつい。ただただつらいだけで直らなかった。

 

 

 

頭が継続的に痛いし、その痛みは脳を混乱させ、額を熱くした。布団でうずくまり頭を押さえ、目を瞑り、心を休める。解除可能な暗闇は痛みを和らげるとともに、寒気とともに頭を冷やしてくれる。

 

そうして冷静になっていると、脳が迸る様な感覚が来て一つ方法を思い出す。頭を打つのが遠回りに功だったらしい。

 

すこし時代を進めるだけでこんな方法があるなんて思わない。方法は頭を打つじゃなくてこれだ。これを言うのは少しはずか楽しみであったりする。

 

 

 

 

 

 

『コネクト38。』

 

 

暗かった部屋から一変する。再接続できたんだ。良かった。安堵でそう思う。

 

眼からやさしめの光を受け、少しの間があった後にシンプルで太い白文字がのっぺりと部屋に表示される。ここの設定は永久に変えられないらしい。

 

『接続しました。』

 

世界的に有名なメロディが流れ出して、端的にシンプルなサポートAIが告げた。

 

いつもの反応で心が雨のち晴れテンションが落ち着く。ちょっと手間がかかったが聞かせてもらう。

 

 

『38今何時。』

 

 

『午前5時30分です』

 

 

 

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38に声は付いていない。その機能は別売りで未発売らしい。らしいと言っているのはネット友のオタク情報だから。あとは興味がないから、うろ覚えだからだ。僕は必要分使えればそれでいい。無駄がないARデザインもまあ気に入ってるし、故障したこともないから、調べない。

 

この38との仲はそんな感じだ。物語の未来のようにAIが感情を得たり、人類滅亡とかそういうものはない。長年使っていれば愛着は湧くがそれはモノのもの。そこだけはなにも進んでいなかった。

 

ある実験が無ければの話だが。

 

 

・・・

 

 

 

 

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