俺の高校生活は最初から最後まで間違っていたのか? 作:ユウア ブルーラム
そして、いよいよ卒業式が始まった。1、2年生時に参加する卒業式は学校関係の人や卒業生しか話さないので、去年は席に座っているだけの時間が多かった。その合間は退屈で仕方なかった。しかし、今行なっている卒業式は一応俺たちが主役であり、今年は話す事が多い。俺は親や後輩の前で声を出したくはないが、ずっと座って過ごすよりはマシな感じがする・・・。
それだけでも良かったんだが、、、何故か俺らの代から卒業生が最後に歌を歌い、体育館を退場する事に代わってしまった。ちなみにその変更しようと考えが出た場には俺と言うより奉仕部の3人、生徒会が居たのだ。なんでも、今年はいつもとは違う卒業式にして、卒業生に最後の思い出を歌で締めくくり、素晴らしい卒業式にしてあげたいと考えが生徒会から出たらしい。
普通は卒業生からそういう意見が出る気もするが、、、。俺は別に今までの形式でも良い思い出として残るとはあまり思わず、卒業式より文化祭や体育祭、普段の休み時間の方が思い出として残りそうではある。まぁ、俺がそんなに深く考える必要はないがな。
・・・話は脱線してしまったが、生徒会でその話が上がったことで3年生にアンケートをしたようだ。項目には「卒業式で最後の思い出として友達と歌を歌って、高校生活を締めたいか」であり、選択肢は「やりたい」、「やりたくない」、「どっちでもいい」になった。3個目にが1番多く集まったらどうするんだと思っていたが、アンケートが集計時に「どっちでもいい」が多かったら、先生達と相談して生徒の半分以上がそうならやる事に決まっているとのこと。選択肢それぞれの意味をしっかりと理解して予測して作っているんだと感心した。結果は「どっちでもいい」が1番多かったようで、卒業式で歌う事に決定した。みんなはそれで満足していたが、俺は不満しかなかった。俺的には当日卒業式でいつものような段取りや形で終えてあまり疲れてない状態で帰りたかったんだがな、、、。歌もそこまで上手くはないから羞恥心を持ってやるのも罰ゲームをされてるのではと勘違いしてしまうぐらいだ。最悪皆の声にうまく溶け込んでやろうとしたが、決定したのが12月とは3ヶ月前だったので、合唱部や吹奏楽部が中心となって授業の時間や昼休み、放課後に集まって練習する事になった。その為、バレないようにして歌おうとした思惑が破れ、真面目に練習しなければならなかった。最後の1年くらいゆっくりしたいのが強い分、卒業式の為に時間を費やしてしまい休みがなくなるのは正直辛かった。それが原因で奉仕部も活動する日も制限され、由比ヶ浜とは毎日会っていたが、雪ノ下とはたまにしか会わない。それでも部活の日に会ってみればいつもと変わらなく話すのは決まっている。つまり、約2ヶ月という長期間をなんとか乗り越え、今俺はここに立っている。歌が上手くなかった俺が最初の頃よりも雑さや伸びにくさ等が解消され、自身でも上手くなったと自覚してしまうぐらいに成長したのだ。俺からしたら思わぬ成長ではあり驚いてはいるものの、以前より強くなったと思ったら嬉しくなるのは当たり前だろう。周りはそれに気づいてはいないが、気づかせたいという気持ちになりはする。それでは大人気ないのも一つであり、俺は周りを気遣える為言うのを我慢した。そこのところを寧ろ1番褒めて欲しいぐらいだ。
「おぅ?比企谷、やっと来たんだな!」
「なんだよ、、来たら悪いかよ。」
「いやぁ、比企谷が見かけないから来ないのかと思ってさ。」
「俺はいつもこんな感じだから違和感ねぇよ。逆に今日来なかったから、周りからいじられて黒歴史になる気がしてならない。」
「確かに、あり得そうだな!!(笑)」
俺が列に並んでいる時に話しかけてきたのは葉山隼人だ。奉仕部での依頼で1番関わっていた人物が葉山であり、一度奉仕部の関係が壊れるきっかけにもなっている。俺からしたら、奴はリア充としてまず許せず、何より「皆が仲良く」が当たり前のようにする振る舞いが事態を悪化させていた。結局はその掲げていたもののがこの世界では当たり前ではないと気づいたが、それでもそれを掲げている。だが、その難点を理解した上でみんなと接してそれに近い関係を築いていくようこの先も頑張るようだ。
いよいよ俺達、卒業生が体育館に入場する時間になった。出来ればもう来てしまったかと少し落胆した。今までに一回でも卒業式を体験した人なら予想つくと思う。体育館入り口から入場すると、周りには1、 2年生や教師、そして俺を含めた卒業生の親族等大勢の中で注目されながら体育館ステージ前にある椅子まで行かなければいけない。自意識過剰だと言われればそう納得せざるを得ないが、俺みたく日常で人と話す経験が少ない人にとっては声を出すだけで噛まずにできるかが心配なのだ。だから倍の緊張を感じてしまい、話す時はより不安でしかなく、更に周りの目線にも敏感であるため正直きつくてしょうがない。休みたいは休みたいが、卒業生は必ず出席しなければ、最後に目立ってしまい黒歴史として残るのだ。それもあり仕方なく卒業式にメンタルを削られながら参加するしかない。
「比企谷?緊張しているみたいだな。」
そして、今待機している時に何故か前にいる葉山が話しかけてきた。俺からすればこんな時に会話できる力も残っておらず、卒業式に参加する力しかない。
「やっぱり緊張しているのか?」
まだ言葉を返していないのに葉山は再び言葉を投げかけてくる。返さないと永遠に続くのか?これは、、
「よしっ!皆、前のEクラスが全員行ったから、入場するぞ!」
そんな事を考えていると、列の先頭で待機している平塚先生が後方に聞こえるぐらいの声で声を掛け、平塚先生を先頭に入場していった。
「平塚先生も入場していった事だから、今日はお互い思い出に残る卒業式にしよう!」
入場し始める時にまた葉山が俺に言葉を返してきた。やはり何か言葉を返さなきゃ、終わらないようだ。
「あんた、さっきから隼人が声掛けてるのに無視するなぁし!」
「「!?」」
俺が葉山と話さないでいると、クラスのオカンである三浦優美子、通称あーしさんと呼ばれる、いや俺がたまに心の中で言っているだけだな。クラスの皆から獄炎の女王として恐れられている。最後の最後になんで怒られなきゃいけないのかは意味不明だ。
「・・・俺は卒業式の事だけで頭がいっぱいだから、誰か人と話す力はない。」
「そんなの隼人を無視する理由にはならないし!」
「優美子、そこまで言わなくていいよ。俺は暇だったから比企谷と入場するまで話したかっただけで、強要させる気はないよ。」
「・・・なら、何で三浦が口出す前に辞めないんだよ。それにさっきまで話してたから、あれじゃダメなのかよ、、」
「それとは関係なく、話したいだけさ。」
こんな時に面倒臭いなぁ。俺は葉山とは話す機会がまぁ、多少はありはしたものの、そこまで仲が良いわけでもない。なのによく俺と交流しようとしてくるのは疑問しかない。自分で言ってはなんだが、人に話す内容がそんなに面白いと言うわけでもないんだが、、、。それを気にしないのか、葉山から話しかけることが多い。三浦も、、てか、ほとんどの人に言えてしまう。なんか自分でそう思っていると皆が思い出に浸るとは別に泣きそうになる。
「まぁ、ヒキオは卒業式に遅刻してくるような奴だし、性格上に卒業式自体が苦手そうだし。」
「悪かったな。それより今日の遅刻は偶々だ。あれは俺のせいというより雪ノ下のせいだぞ。」
「そうか、今日みたいな最後の日に部活の仲間と話すのは比企谷らしくないな。」
「うるせえ!」
「隼人に何言っているだし!」
「や?今のは葉山が悪いだろう。」
「事実だろう?」ギロ
「・・・そうです」
「ハハハ、いつもの君が見れて安心したよ。」
「いつも俺は逆らえないって決めつけるな。」
「実際にあーしが言った通りの事が奉仕部や日常でもあるんでしょう?だから最終的にヒキオが負けるんじゃないの。」
「ぐっ!」
三浦のいう通りで、俺は休みの日に予定がある、俺は今考えている事、行動自体が周りに何故か把握されている。そのため嘘を見破られやすい性質から相手と無理に話して自分からボロを出したくないのだ。特に今いる三浦や雪ノ下、小町には隠していても意味がないけど、つい癖でやる。あとはまぁ、雪ノ下さんは俺だけに関係なく誰でも会えば読み取れそうで怖い。こんな既に多くダメージを受けてる状態で考えるのは良くないから、あまり詮索し過ぎるのは辞めておこう。
さっきも言ったように俺達は入場する時間が近づいており、今まさに体育館に入場してステージ前に自分達のクラスの席に向かっている。そんな時に葉山が声をかけ、それに相手しなかったら三浦に怒られる始末だ。俺は予想外のダメージでやる気が駄々下がりして、始まったばかりの自分達の卒業式に早く終わって欲しいと思った。そして、ステージ前にある自分達の席の前まで行き、平塚先生は皆が終わったのを確認して着席の指示を出し、俺達のクラスは席に着いた。
ー???視点ー
3年A組からE組まで入場してきまして漸く顔見知りの先輩方がいるFクラスの時間になりました。縦に男子、女子で二列に並ぶので外から見つけやすい筈です。あ、列の先頭平塚先生がいました!海老名先輩も居ますね。もうそろそろ葉山先輩や戸部先輩達が来ますね。あと先輩は緊張していると思いますが、こんなに多くの在校生やご家族が見ている中でちゃんと歩けるんですかね?そう思っている内に戸部先輩が来たみたいですね。その少し後ろに、、、、先輩何やってるんでしょ。先輩の前にいる葉山先輩と三浦先輩となんか話しています。入場の時、歩くのに専念する筈ですが、卒業式が楽しみって感じでもなさそうです。おそらく葉山先輩達から先輩に声を掛けて、、、何か気に障ったのか三浦先輩が注意したのでしょうね。全く、今日は先輩方の卒業式なので、皆さんが一番楽しむ?のは間違いではありませんが、初めからあの様な感じで大丈夫でしょうか。先輩は緊張に疲れがプラスされていつもより大変なのか、顔色が悪そうですね。まだ始まったばかりですが、頑張って下さい!私も精一杯頑張りますから、あとで私を癒して下さいね!
それぞれの話がずれてしまっている可能性もありますので、そこはご了承ください。