OrverLord ─始祖の吸血鬼─ 作:ブラック×ブラック
アニメで本作をしる事になった「オーバーロード」を題材とした二次創作となります。
筆者は原作を拝読しておりませんので、おかしな点も多々あるかも知れませんが、原作のイメージを損なわないように注意しますので、温かく見守って頂ければ幸いです。
ご拝読頂ければ、大変嬉しく思います。
第一話 夜明け
目覚めは、最悪である。
長年に渡りプレイしてきたDMMORPG『ユグドラシル』のサービスが終了したのだ。
公式サービス開始からすぐさま爆発的な人気、圧倒的な自由度、数多くのプレイヤー達、
華やかな時代がいつまでも続くと誰もが信じて疑わなかった。
コアプレイヤー達にとって、間違いなくそこにこそ『リアル』があった。
ただ、始まりあるものには、終わりもある。そんな当たり前の事を忘れさせられる程熱狂した。
((はぁ~おわったなー…))
未だ思い出と共に布団にくるまり、出社するか、病欠するか(勿論仮病だが)悩んでいる。
((ナザリック凄かったなーあの地下大墳墓ってカッコイイよなぁ。
まぁ、うちもそれなりのギルドハウスは持てたし満足よな。
アバターの作りこみと設定にも拘った、後半にはNPCビルドにも力いれたっけな…。))
ギルド『グリモワール=ファミリア』の仲間達は、主に対人戦で出会ったパワープレイヤー達が自然と集うようになり旗揚げされたギルドだ。
俗に言う『重課金ゲーム廃人』だが、家族とも言える仲間達だった。
そんな仲間達も過疎化が進み、一人また一人と引退していった。
その際、彼等は所持していたワールド・アイテムや希少アイテムの数々、素材やゴールドを
私に託し去って行った為、個人では消費しきれない程かなりの数を所有している状態だ。
しかし、対人戦をする人もほぼいない、生産職の仲間も既に引退した。
モンスター狩りは飽きていたので、強力な武具を発揮する事は数少なかった。
9つの広大な世界も知らない場所はもうないのか…。
そう考えると遊び尽したのかも知れない。しかし、このモヤモヤ『ユグドラシル』への未練…
「私の名は、バルディア・ブラッゼ・アンティウス。始祖の吸血鬼にしてノーライフキング!」
((ハズッ!!さぁ~て、出社準備でもしますかー。さらばユグドラシル!))
「おはようございます、バルディア様。」
「………ん?」
((…だっだれかいるー!!!部屋の中に誰かいるぞー!!!))
艶のある僅かに低く感じられる女性の声が室内に響く。
社員の独身寮一人暮らし、家族もいない…。
そこにいる筈の無い人物に恐怖し恐る恐る布団から顔を出すと…。
なにかフタをされたような空間にいる?
((…おや?これはまるで棺のようだけど…ふむ…なかなか良い棺だ…。
普通こういう暗いところだと目が慣れるまで時間かかるよな…。
しかし…なにっ!この快適空間!!))
先程迄、侵入者に対しあれほど不安や恐怖といった不の感情に支配され冷静でいられなかった筈
だったのだが…。
不思議とそれは徐々に薄れており、快適空間に後ろ髪引かれる思いで棺から出る事にした。
そこに先程の声の主であろう美しい女性が、こちらを凝視している。
「ヒルデリア・クロス…か?」
ユグドラシルで自分が作ったNPCにそっくりな女性に、思わず問いかけてしまったがもう遅い…。不法侵入者がボロボロと涙を流しながら深々と跪いた。
「ははっ!御身の前に!!」
((おや…どうやら、男装の麗人にして執事設定のNPCで正解なのか?
これは、もしかして…。
「ヒルデリア、私は眠っていたのだな?」
寝落ちしたのだから当然だ。
当然の事を聞き、当然の答えが返ってくるものだと思っていたのだが、想定を遥かに超えた返答に驚かされた。
「左様で御座います。
バルディア様が御休みになられてから、300年が経過致しました。
お目覚め心よりお喜び申し上げます。」
「目覚めたのは私一人か?」
その問いに彼女は沈黙で答えた。
((おぉ…単純に現実世界の歳と合わせると…。ほぼ眠ってる感じか…仲間は誰もいないと…))
こう言う時は切り替えが大事である。ずは現状把握だな。
様々な検証(モモンガとほぼ同じ検証をする)から、ここがユグドラシルとは別の世界で自身の
外見や能力等はゲーム時代のそれでありながらも『リアル』であると結論付ける事にした。
((よきっ!いーぞー最高じゃないか!!そーかーそーかーふっふっふー転生ってやつだな!!))
聞きたい事は山ほどあるが、その前に300年間と言う途方なく長い時をいつ目覚めるとも知れない主人の傍らで待ち続けたヒルデリアを労わねばならないだろう。
「ヒルデリア、300年間と言う途方もない時を待ち続けてくれていた事、素直に嬉しく思うよ。」
ヒルデリアが大号泣してしまった。女性を泣かせたのは生まれて初めてだ。
彼女が落ち着くまでしばらく子をあやす様に抱きながら待ち私は転生に対する興奮収まらぬまま、
次いで「眠っていた」とされる空白の300年間の主だった動きから現在の世情等を聞き、さらに
驚愕する事になる。
かつてのギルドハウスは、ドライアド幼女(NPC)が管理する大迷路とその中央にある屋敷がその
ままの状態でバハルス帝国領内北東部に転移したそうだ。
大迷路は、「グリモワール=ファミリア」に属する者以外転移魔法、アイテム無効エリアでドラ
イアドの許可が無い限り永久に彷徨う事になる作りである。
勿論、空からの侵入も不可能である。
今は、国内屈指の大貴族として名を連なれ、それなりの影響力を有しているそうだ。
一体何があったのやら当時の話しも聞いてみたい。そして…。
「アインズ・ウール・ゴウン?」
「左様で御座います。100年前の事でございます。」
ヒルデリアは、主人の目覚めに喜びを隠せないと言った表情を浮かべてはいるが、少し不満そうに
アインズ・ウール・ゴウン魔導国の成り立ちと進撃、バハルス帝国が属国となった経緯等を詳しく
語ってくれた。
((私の知る『アインズ・ウール・ゴウン』なのか?
仮にそうであるならプレイヤーは何人いる?
まさか彼等が100年前に覇権を制していたとは…。
確かあのギルドもギルドマスター以外ほぼログインしていなかった筈だよな…。
正確な情報が欲しいな。
一人で、いやNPCも含めた戦力で世界を制したならそれは武力によるものだよな?
恐怖支配なのか?
友好、敵対、傍観のいずれを選ぶか?
こちらの世界で何かしらの力に目覚めたか?
或いはアイテムか?
いや仲間を得たのか?
支配される事になれた現在の皇帝は無能なのか?
現状では賢い選択なのか?))
いずれにせよ警戒は必要だろう。思考が回転するのがわかる。
「バルディア様、随分と楽しそうに微笑んでいらっしゃいますね。」
「そうだね。少し忙しくなるかも知れないよ。手伝ってくれるかな?」
次回は、本作主人公バルディア・ブラッゼ・アンティウスが気にしていたの300年前のギルド『グリモワール=ファミリア』転移直後のお話しです。
グリモワールのNPC達紹介って感じになります。