盲目(予定)になったので世界を感じようと思います 作:空たん
「ウェンティ?」
思わず口からこぼれたことにより綺麗な演奏は止まってしまい
どこかもったいないように感じてしまう
ウェンティは声のした方へ顔を向けると私と目が合った
するとウェンティは風に乗ってゆっくり降りてきた
「君は・・・誰だい?」
「私はその・・・」
「・・・僕と君は初対面のはずなのにどうして僕の名前を知っているのかな?」
普段の飲兵衛詩人とは思えないほどの鋭さを発揮するウェンティに
威圧され言葉に詰まってしまう
「わ、私はグローリーです
いつだったかは忘れましたがあなたが歌っているところを見ていたので
それで知っていました」
「ふーん・・・じゃあグローリーは僕のファンなんだね!」
「そ、そうですね」
さっきの雰囲気とはうってかわり柔らかくなった
「なーんだ警戒して損しちゃったよ~」
どうやら乗りきったみたいで安心した
「ところでグローリーはどうしてここに?」
「私、テイワットを旅するのが夢なの、だからここに来たのは鍛錬の一環」
「へーとても大きな夢をもっているんだね」
「ええ、本当は今すぐにでも行きたいけど旅に出たところで野垂死ぬだけだから」
「すごく慎重なんだね」
「うん」
ウェンティとの語らいに花を咲かせているうちに
日が傾いてきていることに気づいた
「日が暮れてきたね、僕はモンドに帰るけどグローリーはどうするの?」
「私はここに残るわ、一晩中風を感じようと思っているの」
「風を・・・」
「うん」
「・・・いい風が吹くといいね」
そういってウェンティはいつの間にか消えていた
心なしか心地よい風が肌を撫でていくのを感じ目を閉じる
晩御飯や明日の支度を終わらせるとあたりは真っ暗で私が持っているランプから温かみを感じる
「あれがウェンティか・・・」
寝袋に入りウェンティのことを思い出す
あきらかに人とは違う存在感があった、それは風を感じてもそれがわかる
風は気まぐれで感じようと思っても何も乗せずただ流れていくだけなのだが
ウェンティの周りにいる風は嬉しそうに流れていた
恐らくウェンティは風と心を通わせることができるのではないだろうか
いやもともと風の妖精だったからできるのか
世界を感じるのならウェンティレベルで風を感じないといけない
「まだまだ対話が必要ね・・・」
そのまま私は眠りについた
今日は不思議な少女に出逢った
初対面にもかかわらず僕の名前を知っていることに警戒をした
僕は吟遊詩人をうたっているが人前ではあまり歌っていないのだ
そのためグローリーが嘘をついているのはわかりきっていた
しかし彼女の周りを流れる風達はグローリーに興味をしめしていて
なにかを伝えようと必死で可愛かった
ここまで風に愛されている人間を見たのはひさしぶりで僕も興味がわいた
グローリーは何かを隠しているのはわかっていたが
風達は彼女になついているため悪い奴ではないのだと警戒を解き
それから日が暮れるまでグローリーとの会話に花を咲かせてしまい
僕はモンドに帰ることにしたが
グローリーはここに残って風との対話をするようだった
「いつか風達と心を通わせることを願っているよ」
ありがとうございました!