我輩はウマ娘になったポケモンである。 作:てょわわわぁ~ん
我輩はシャドーレイスである。此度は大変嬉しいことがあった。
併走が許されたのだ。それも現行のトレセン学園に所属しているウマ娘たちと。
ふふん、我輩の王すら手を焼いた駄々が効いたと見える。矜持は時に投げ捨てる物なのだ。さしもの我輩も内心狂喜乱舞の限り。
そして、何時もとは条件が違った。
トレセン学園内のレース場を使わせて貰えるようになったという。
何か裏を感じずにはいられないが、かと言って我輩や両親が身金を切る必要もなしときた。
強いて言えば誤算として、その両親が仕事と急用の為に参加できないトラブルが起こった事なのだが、我輩がこの機会を逃す筈も無く参加した。
そうして、どうしても会ってほしい人物らが居るとの要望もありトレセン学園に前日入りし、車椅子を押されながらも遠目から様々な生徒たちを見る。
ブラインドジョークではない。
常人には見えぬそれを、我輩は見たのだ。
やはりというか、一部を除いて見えるのは、ウマソウルの大きさが小さいというか、色が薄い。熱が無い。本人たちの精神性に由来しないまた別の部分なのだから、当たり前ではある。
もしもその熱量に精神性が大きく左右されるなら我輩の妹のライスシャワーはあんな性格ではなく、きっとズケズケとものを言い、生意気ながらも愛されるような、そんな性格になっている筈だ。
ああ、だが一人。一人で走っているのかと思えば、その前を先導する何かの背を追うウマ娘。最後は見えたおおよその距離だが四バ身は付けられていただろう。そこをピークに速度が緩まった。
もっと近くならば、音や肌から感じる感覚で細かく把握できたかもしれないが、これだけ距離が空いていてはそれもできぬ。
先導するアレを、我輩はウマソウルと呼ぶべきか、幽霊と呼ぶべきか、我輩は暫し悩んで、幽霊として見る事にした。
我輩にとってウマソウルとは体内に収まっているからこそウマソウルである。アレは、ウマソウルと同じ成り立ちをしているものの単独で行動している。単独で動き、考えることのできる霊的な存在であるなら、幽霊だろうと半ば投げやりに考えた。
アレが此方をじっと見つめている事に気が付き、軽く手を振る。
「あら、お友達がいたのかしら」
「いえ、きっと気のせいです。行きましょう」
我輩の目が見えずとも、何かを見ることが出来るのを知っている研究者のウマ娘からの質問を遮るように、先に進んだ。
⭐︎
────なんだあいつ?
「どうしました?」
────なんか、変なやつが学園にきた。幽霊じゃねえけど。
「……不審者、ですか?」
────いや、カフェのダチが見たら興奮しすぎそうなやつ。
「…………そういえば、今日はお客さんが来ると……言っていましたね……」
────もしかしたら、カフェともダチになれるかもな。オレが見えてるみたいだし。
「……そう、ですか」