弱音がオワタ\(^o^)/
作者「相棒ー!」
第1種目:50m走
「閻帝、早く位置につけ」
「ちょっと待って...よし」
閻帝はゴールにテレビを設置するとスタート位置について何かを呟き、変身を始めた。
「今度は何だよあれ!?個性1つじゃないのか!?」
「まるで怨霊だな...」
たらこ唇の生徒、砂糖力道が叫び、烏のような生徒、常闇踏陰が恐れを抱き一歩後退りをする。常闇が言った「怨霊」といった表現は奇しくもその殺人鬼の呼称だった。殺人鬼にはそれぞれ呼称があり、怨霊の本名は「山村貞子」、ハントレスの本名は「アンナ」などとそれぞれの呼称と本名があるが、閻帝は基本呼称で呼んでいる。
『位置についてー...よーい』
パァン
三脚型の測定器が機械音声でそこまで言うとピストルの音がなり、閻帝はスタートする...と言っても━━━
「おい!あいつ消えたぞ!」
「本当だ!一体どこに...なっ、既にゴールしている!」
『1秒06!』
(流石に判定はテレポートしきってからか...)
怨霊の能力はテレビに向かってテレポート出来る能力。ただしテレビから出るまでのラグにより今回は少し記録が落ちてしまい、閻帝は落ち込んでいた。
「テレポートって...ありかよ!?」
「もはや何でもありじゃねえか!」
赤髪の生徒、切島鋭児郎がテレポートに対して突っ込み、瀬呂範太が悲痛な叫びをあげる。
記録...1.06秒
第2種目:握力
「うーん握力かー、まあこいつでいいか。トラッパー」
閻帝は先程の殺人鬼とは別の姿に変身し、トラバサミのようなものを取り出す。それを測定器の握る部分を引き寄せるように設置し、起動させた。
「おい閻帝、その道具は個性の一部か?」
「勿論だ相澤。まあ俺が個性を解いても罠は消えんがな」
トラッパーに変身したことによって口調と声色が変化した閻帝が相澤の質問に答えていると測定器からギリギリと嫌な音がなり...
バキッ!!
「あ...すまない」
「はぁ...こういうこともあるが、それは人に使うなよ?死人がでる」
トラバサミの挟む力が強すぎて測定器を破壊してしまった。こんなものがもし人間の頭や肋骨部分に食らいついたら一溜まりもないだろう。
「安心しろ。噛む強さはこちらで調整できる。今回は少し大きめにしただけだ」
「あれで少し大きめなのか...」
沢山の手を複製し記録を伸ばした障子目蔵は閻帝の発言に若干引きつつも最大にしたらどうなるのかを想像し、頭を抱えた。
記録...測定不能
第3種目:立ち幅跳び
「ナース」
閻帝はまたも別の殺人鬼に変貌し、それに周囲は「一体どれほどの種類があるのか」と驚いていた。
「おい閻帝...それはいつまで浮いていられる」
「これはこの殺人鬼の特徴だから...いつまでも浮けるかしらねぇ」
相澤の質問に対して驚きの回答をし、またもや周囲は驚いた。これで記録は1つは測定不能、もう1つは∞と大記録を叩き出した。
「顔の隠れたお姉さん...いいよね」
頭がブドウのような生徒、峰田実が何かほざいているのが閻帝の耳に入ったが思い切りスルーした。ただ周囲から少し距離をとられ、女子からはゴミを見るような目で見られているのは言うまでも無いだろう。
記録...∞
第4種目:反復横跳び
「これは有効な殺人鬼がいないから普通にやればいっか」
そう言って変貌せずに反復横跳びをしていると...
「ねぇ...閻帝ちゃん可愛くない?」
「そうね...可愛いわね」
「確かに...可愛い」
「まるで小動物のような...可愛らしいですわ」
麗日やカエルのような生徒の蛙吹梅雨、耳郎や八百万など、女性陣だけでなく男性陣も、その必死に反復横跳びをする姿に小動物のような可愛らしさを感じ、加護欲をくすぐられていた。
本人はそんなことを知らず真剣に反復横跳びをしているだけなのだが。
記録...52回
第5種目:ボール投げ
閻帝side
「せいっ!」
おぉ!ボールが減速せずに上がってく!無重力化がお茶子さんの個性かな?一回でも触ればヴィランを無効化できるって中々に強い個性じゃん!
「 「 「 無限!? 」」」
「すっげ閻帝ちゃん以外に無限が出たぞ!」
ほえー宇宙空間まで飛んでっちゃった。距離に左右されないのもプラスポイントだね。
「閻帝、お前はさっきの記録でいいな?」
「大丈夫だよ!あれが僕の出せる最大距離だと思うからね!」
「くぅ~いちいち動きが大きくて可愛いぜ閻帝ちゃん!」
何か変なこと叫んでるけど、まさか僕のことを女の子だとは思って無いよね!あれ?でもそうなるとさっき言ったことは...まあ考えない方が良いことでしょ、多様性多様性。
「緑谷君は...このままだと不味いぞ」
「あぁ?ったりめーだ。無個性の雑魚だぞ?」
そうなの?だとしたら前代未聞の無個性ヒーローじゃん!後でサイン貰おー...ん、相澤先生の目が変わった...ッ!個性使った!
「デャ!」
『46m!』
ありゃ?記録あんまり伸びてないぞ?無個性で入学出来たならもっと記録伸びてもいいんじゃ...まさか個性持ってるの?
「なっ...今確かに使おうって」
「個性を消した」
やっぱり個性持ってるのか。だとしたらあのトゲトゲには無個性だって言ってたのか。んー何で?別に個性がなければ隠して、あればひけらかす。大抵の人間が取る行動はこうなるけど...彼は何で隠してるんだ?あのトゲトゲと何が因縁だとかあるのかな?
「見たとこ、個性が制御出来ないんだろ?」
成る程ね。だから見せない、いや見せれないのか。個性が暴走して周囲に危害が及ぶから、自分から個性を使わないようにした。あまりにも強力だから...成る程、辻褄が合う。だったら試験を合格したのも納得だしトゲトゲが無個性と言ってたのも納得できる。
「昔、熱苦しいヒーローが大災害から一人で千人以上を救いだすという伝説を創った。同じ蛮勇でもお前のは一人を助けて木偶の坊になるだけ...緑谷出久、お前の力じゃヒーローになれないよ」
中々なことを言うけど、正しいね。一人助けて木偶の坊になってお荷物になる。そんなのヒーローじゃない。だからこそ緑谷君はここで何か答えを見つけないと...
「お前の個性は戻した。ボール投げは2回だ、とっとと済ませな」
「指導を受けていたようだが...」
「除籍宣告だろ」
やっぱりトゲトゲ君と因縁あるでしょ!
「相澤く...先生、見込みは?」
「今のところは無い」
へぇ...今のところはってことは
「このボール投げが肝ってわけね」
「ここで同じ事繰り返すようじゃヒーローになんてなれないよ」
さあ、投げ始め...ッ!?あの指は...!
「SMASH!」
指が腫れて...ハイリスクハイリターンの個性?だとしてもあの威力は...
705.3m...強い!
「先生...まだ...動けます!」
「こいつ...!」
きっとあの指の症状が全身に広がることがデメリット...それを指だけに集中させて行動不能にならないようにする。考えたね、緑谷君。でも...
「緑谷君、指見せて!」
「えっ、あっ、うん!」
うーん、中の骨まで折れてるね...確かにハイリターンだけど流石にこれは危うい...
ペタペタペタペタ...
「あっ、あの、閻帝さん?」
指以外は怪我してないね...やっぱり部分的な強化、もしくは身体強化を部分的にしたか...
ペタペタペタペタ...
「え、閻帝さん!?」
「あっ、ごめん。ちょっと待ってね。ナース」
ここまでの怪我は私でも手に負えないわね...取り敢えず包帯だけして...
「はい、これで良いわ。後で保健室に行きなさい。下手したら後遺症が「訳を言え!デクてめぇ!」全く...ナイトメア」
ちょっと眠ってろ。
「か、かっちゃん!?」
「安心しろ、眠らせただけだ」
まあここから悪夢を見せることも...っと、変貌解かないと。
「元の姿に...ねぇ君の個性って」
「今は僕の個性より君の指!あんまり動かさないようにね!」
「わ、分かりました!」
「おい、閻帝ちゃんってあんなに積極的なのかよ...俺も怪我すれば...!」
全く...その時はドクターに治させてやる。
「閻帝、良く止めた。時間が勿体ない、次準備しろ」
上体起こし
「ふんっ!ふんっ!ふんっ!」
「フツーに速いのかよ!」
当たり前だよ黄色頭君!どれだけ鍛えてると思ってるんだ!
記録...49回
長座体前屈
「は、早くして~!」
「フツーに固いんかい...」
何かっ...文句っ...あるのっ...!赤トゲェ...!
持久走
こうなったら...!
「ナース!」
「うぉ!また顔の隠れたお姉さん!」
これ...ルール違反にならないわよね?
「別に良いぞ...コースさえ外れなきゃな」
なら問題ないわね。ブリンクをチャージして...
『スタート!』
「キィー!」
「何だあの声は!?」
「やっぱり怖いわ閻帝ちゃん...」
もう一回...
「キィー!」
「もうあそこまで行ったのですか!?」
「速い!やはり侮れないな閻帝君は!」
ここで...
「ヒルビリー!」
殺人鬼の交代による能力の複数使用!これが強いんだよね!
「おいおい!チェンソーなんか持って何するんだよあいつ!?」
「分かんないよー!取り敢えず最下位にならないように頑張らないと!」
「チェーンソーダッシュゥゥゥ!」
よし、半分まできたかな...そろそろ。
『ボフンッ!』
チェーンソーのオーバーヒート!ここで!
「ナース!」
これでもう一度ブリンクとヒルビリーへの変貌を繰り返せば...
「はい41秒で戻ってきたー!」
これで1位でしょ!えーっと、50m走が1位、握力も1位、反復横跳びはブドウ頭とメガネ君、トゲトゲ君に負けて4位、ボール投げが3位!そして持久走が1位!勝ったな、風呂食ってくる。
「んじゃあぱぱっと結果発表。トータルは単純に各種目の評点を合計した数だ。口頭で説明するのは時間の無駄なんで一括開示する」
えっと...うん、一位だね。最下位は...緑谷くんか。もし個性を上手く扱えてたら上位に入ってもおかしくないんだけどな。
「因みに除籍は嘘な」
「っぷ!」
危ない、笑うところだった。嘘って...んな訳無いじゃん。
「...君らの個性を最大限引き出す合理的虚偽」
「 「 「はあー!?」」」
「あっはっはっは!皆面白い反応するね!」
「あんなの嘘に決まってるじゃない...ちょっと考えれば分かりますわ」
嘘...ねぇ。まあ、ある意味嘘だね。除籍処分は嘘、という嘘をついたからね。ただここにいる人達には見込みがあったってだけだ。いつ除籍されるか分かったもんじゃない。
「これにて終わりだ。教室にカリキュラムなどの書類があるから、戻ったら目ェ通しとけ」
僕も危なかったな~。あのポニテちゃんに負けるところだったよ。
「緑谷。保健室で婆さんに治して貰え。明日からもっと過酷な試験の目白押しだ。覚悟しておけ。おい閻帝、こいつを保健室に連れてけ」
「うん、分かった!それじゃあ緑谷くん!ついてきてね!」
「あ、うん!」
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