ありふれた10割で世界最強   作:QAAM_M1911

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ROUND4

ろくに眠れなかった次の日。早速訓練が始まった。飯食った後に毒ガス訓練とかじゃなくて良かったと思ったのは俺だけだろうか。

 

指導教官は、ハイリヒ王国の騎士団長であるメルド・ロギンス。騎士団長がつきっきりでいいのかという気はしなくもないが、勇者一行を半端者に任せるわけにはいかないから、ということらしい。というか勇者ってのはやっぱ天之河で良いんだな。納得いかねぇ。

 

まず最初にやる事。それがステータスプレートと呼ばれる銀色の板に血を垂らす事らしい。自分の客観的なステータスを数値化してくれる、身分証にもなるアーティファクト……現代では作ることのできない魔法の道具のことであり、結構なレアものらしい。例外的に世間に普及しているのが、ステータスプレートというわけだが。てなわけで、俺のものがこれだ。

 

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北斗剛 17歳 男 レベル:1

 

天職:格闘家

筋力:80

体力:80

耐性:100

敏捷:80

魔力:10

魔耐:50

技能:無限の可能性・決闘者の戦場・気配感知・魔力感知・言語理解

 

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おっとぉ、ステゴロ習ってたせいか格闘家認定されたぞ。つか魔法系クソ低いな。あとなんだこれ無限の可能性って。あと決闘者の戦場ってなんだ決戦のバトルフィールドかよ。いや明らかに変なのあるよ。

 

因みにだがレベル1の平均値はおよそ10なのだとか。つまり魔力的には普通という事か。あと天職はまぁ……ドラクエの職業みたいなのだ。その分野に対して才能が凄まじい事になるのだとか。

 

「ハジメ、どうだ?」

「あっ……えーっと……」

 

そう言って俺はハジメのそれを覗き込んだ。

 

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南雲ハジメ 17歳 男 レベル:1

 

天職:錬成師

筋力:20

体力:30

耐性:20

敏捷:20

魔力:20

魔耐:20

技能:錬成・言語理解・作業

 

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「ふぅむ……まぁ良くはないが凄い悪いって訳ではないか。つかなんだこの作業っての。」

「僕も分からない……というかツヨシは凄いね。」

 

一角から凄い歓声が響くが俺は気にする事もなく、この変なスキルについて考察を始める。作業……いやもう分からん。何だこれ。あ、技能ってのは所謂才能であり、先天的なもの。しかし派生技能として後天的に授かるものもあるのだとか。一人平均二つか三つ程。んで、ハジメのステータスプレートを団長が見ると、難しい顔をし始めた。

 

「む……ぅ?非戦闘系の錬成師としてはステータス的に平均より上だがなんだこの……作業というのは。見たことが無い。」

「え、えぇ……?」

「おそらく字面からして非戦闘系の技能だろうが……むぅ……分からん!」

 

そう団長が笑って言った。お手上げ、という意味での笑いだろうがまぁなぁ……

 

「おいおい、南雲。もしかしてお前、非戦系か?鍛冶職でどうやって戦うんだよ?」

 

と元々イジメを起こしていた檜山が隙あらば、という風にそんな言葉を投げかけた。

 

「戦争ってのはインフラやらも重要なんだがなぁ……まぁ良い。団長、最後です。」

「おっ、そうか!最後は……むぅ……これまた胃が痛くなる……」

 

さっきの作業ってのも不明だし、なんならこっちの無限の可能性やら決闘者の戦場やらも不明瞭過ぎる。

 

「だがステータスは恐ろしく高いな。魔力系はてんでダメだが、物理的な攻撃なら恐らく勇者にも劣らない。君、何かやってたんだろう?」

「叔父から格闘技を。」

「そうか!それは良いな!」

 

今度は別に意味で笑う団長。少なからずショックを受けているハジメだが、そこにステータスはハジメ以下だが、農業系でチート技能を持ちまくっている畑山先生についげきのグランドヴァイパでダメージが加速してる。白崎がハジメに心配そうに駆け寄ってきて、八重樫も苦笑いをする。つか畑山先生結構天然すぎやろがい。

 

 

 

「そういや清水、お前の天職は闇術師だったよな?」

「そうだ。でももっといい技術が欲しかったな。」

「スキルなんざ多すぎても持て余すだけだ。なら一芸特化の方が可能性が広がるぞ。」

「そう言うもんか?相性ゲーになりそうだが……別に良いんだよ相性ゲーで。そっから別の武器を磨けば良いんだよ、まだ時間はあるんだからな。」

 

そう言いながら俺たちはページをめくる。訓練こそしているが、自由訓練の時は決まって図書館にて本を読みまくっている。

 

「……と、言うかさ。結局僕の技能、なんなんだろうね。」

「作業だろ?錬成の速度は早いんだろ?」

「うん。でも、それなら単に錬成速度向上で良いと思うんだ。だから、何か別のものに関しても技能が発動すると思う。」

「複合式か……作業と名前がつくものが早くなるとか?」

「それならこの本を読む"作業"だって早くならないと。」

「そうか……」

 

確かに、そうなればほぼ全ての所作が倍速になるとかもあり得てしまう。と、なるとますます意味が分からない。

 

「……というか、俺のも大概何が何だか分からねぇんだよな。」

「だね。しかも二つ。」

「何も分からねえんじゃ、できる事も少ない。手探りで出来ることを見つけるしかねぇかな。」

「だね。それでさ……」

「どした南雲。」

「異世界に来たんだからさ、使えるんじゃない?あれ。」

「確かにそうかもな……次の自主練は身体動かそうぜ!」

「あぁ。つか今から行くか。」

「そうしよう!」

 

借りた本を片付ける事は忘れずに、訓練場へと向かった。

 

 

 

「さぁ……やろうぜ!」

「行くぞ……波動拳ッ!!」

 

清水が掌底を合わせて前に突き出す。しかし、何もおこらなかった!

 

「あーじゃ僕いけるかな……覇王翔吼拳!!」

しかし、何もおこらなかった!

 

「ダメか……じゃあ俺だ!行くぜ……烈風拳!」

 

地面から空気を掬い上げる様に、手を動かした。その時だった。魔力が勝手に練られ、空気の刃が地面を走っていったのだ。

 

「お…おおっ!?」

「スゲェ!マジかよ!!」

「いや待て、俺は何も……まさか!?」

 

思い当たる節があると言えばある。そう、"無限の可能性"だ。もしかするとだが……

 

「……やってみるか。メラ!」

 

しかし、メラは発動しない。火の玉が出るかと思ったが、全然そんな事はなかった。

 

「うーん?どういう事だ?」

「えっと……じゃ風属性って事でバギは?」

「……ダメだな。ちょっと待てよ……波動拳!!」

 

そう言って俺が突き出した掌からは……あの蒼い波動が射出された。

 

「波動拳と烈風拳は良いけどメラとバギはダメ……」

「共通点がイマイチ分からん……」

「いや、格ゲーと言う可能性もある。」

「あっ、それじゃね?」

「え、じゃあライジングストーム撃てる?」

「一丁やってみっか!ハァァァァ……レイジングストォォォム!!」

 

しかし不発。

 

「あれ?」

「格ゲーじゃない…って事か?」

「待て待て、データ取らねぇと。取り敢えず覚えてる技片っ端から試してみようぜ。」

「だな。」

 

そうして色々と試していった結果……

 

「格ゲー……だな。」

「だね…」

 

とにかく色々と試していったが、出来たものは殆どが格ゲーの技。しかし超必殺などの一部の技は撃つことが出来なかった。

 

「けどよ、じゃなんで断罪のエクスキューションとかは撃てた?あれ一応RPGだろ?」

「テイルズは……あれ格ゲーに近いからなぁ。」

「そうだけど、でも格ゲーってのじゃないんだからさ。更に理解が出来ない……」

「……そうだ、コンボゲーならアレがあるじゃん。」

「アレ……あぁ、デビルメイクライか。だけど武器が……」

「あれのベオウルフなら今でも出来そうじゃね?」

「あー……そうだな、やってみるか!」

 

そうしてベオウルフのコンボを繰り出してみる。すると、一応の為に嵌めていた籠手が光り輝き、ベオウルフの様な効果を生み出し始めた。

 

「……ますます基準が分からねえ。」

「あー……そうだ。もう一度レイジングストーム撃ってみて。」

「あ?」

「もしかしたら……今撃てるかもよ。」

「……ゲージか!」

「そうか!あの時はまだゲージが溜まって無かったから撃てなかった……っし、やる価値あるか!一応ゲージ溜めて……!」

 

一気に溜めた魔力を地面へと打ち付ける。すると、魔力が周囲を巻き込みながら飛散。クレーターが出来上がってしまった。

 

「……やべぇ威力してるな。」

「そりゃそうそう撃てないよな……」

「けど……さ。」

 

「「「凄いカッコいい。」」」

 

男心は留まる事を知らず。しかしこれ以上の情報は得られず。もう一つの疑問を探る事にした。

 

「んで、決闘者の戦場か。これは何だ?」

「固有結界みたいなもんじゃない?」

「Fateかよ。Fate知らんけど。」

「固有結界……ん、まさかとは思うが……」

 

一つの結論が頭の中で組み合わさる。先ほどのやつは例外はあれど格ゲーの要素がふんだんに含まれている。と、すると……

 

「……格ゲーのシステム的なもん、って事じゃね?」

「え、さっきのとセット技能って事?」

「あ、いやそうじゃなくて。発動させると……そうだな、逃げられなくて戦うしかないとか?」

「……とにかく発動させない限り分からないな。やってみるか!」

「っし、取り敢えず俺とやってみようぜ。ハジメは下がってな。」

「うん。」

 

発動条件のデータ取り。それは必要になるが、条件をどう踏めば良いのかは分からない。よって、それっぽい事をやり続けるしかないのだ。

 

「取り敢えずコールでもしてみる?」

「まずはイントロ……からか?」

「決め台詞でも考える?」

「……まぁそれは良い。さて、やるぞ!デュエル開始の宣言をしろ磯野!」

「磯野じゃないよ!?あー……デュエル開始ィィィ!!」

 

そうハジメが叫んだ瞬間。俺たちの周囲に立方体の結界が出現した。

 

「おぉっ!?これが!」

「決闘者の戦場……」

「おーい!聞こえてる!?」

 

張り巡らされた結界の外側の声も聞こえる様だ。ハジメの方を見てから、俺はその声に応えた。

 

「あ?聞こえてるよ。どうした?」

「二人のステータスとかが可視化される様になったんだ。外から見ると体力とかが一目瞭然だよ!」

「ゲージとかはないのか?」

「ある…けど清水君のゲージがちょっと異常と言うか……」

 

俺と清水は共に頭の上に?を浮かべる。ゲージが異常、の意味が分からないのだ。ハジメはその様子を見て、驚くべき事を俺たちに言った。

 

「……清水君、ゲージが50もあるんだよ!?」

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