東方魔箱録 〜メモリの使役者〜 作:マイスイートザナディウム
現在来雪が使えるメモリはこちら!
PLANT,FLEET,T-REX,ICEAGE,WISDOM,DRACULA,ZOO,ENIGMA
はいどうも〜マイスイートザナディウムです!
今回は来雪達と今後組織と戦うことになるメインキャラを一人お披露目します!
タイトル通りメインキャラは犬妖怪です。
なお、今回は戦闘シーンはありません!
長くなりそうなので二話に分けて構想しました。
それではどうぞ!
エニグマ・ドーパントの一件があって数日。
人里、人通りの少ない裏通りにて二人の男女が話していた。
「ホントなんだろうな?…これがあれば俺は超人に…」
「はい…ただこれは安い買い物ではありません…良くご覧になって、じっくり考えて下さい」
黒服の女が持つのは複数のガイアメモリが収納されているトランクで、男はその複数のガイアメモリを一つずつ手に取り見定めている。
そして考えに考え抜いた結果、男はCOCKROACHと書かれたメモリに決めた。
「お客様お目が高い…それは量産型で他のメモリよりもお安い値段設定の割に性能面が良く、大変人気の商品になっております…そちらに致しますか?」
「……あぁ…これにする」
「毎度有難うございます…では手続きの前に再度確認を…購入後は返品等出来ませんので良くお考えになり購入してください…そのメモリは他のメモリよりはお安いと言えど、決して安い買い物では御座いません…本当にそちらで宜しいですね?」
「……あぁ」
女は笑みを浮かべた。
「畏まりました…ではお支払いは前払いですので…今回が初めての購入ということで…そうですね…特別に〇〇万円でご提供させて頂きます」
「…良いのか?」
「えぇ…今後ともご贔屓に」
女は笑みを浮かべながら言った。
男はメモリを購入、生体手術を施した後にその場を去った。
「……」
女は無言で男が去った方向を見ていた。
そこに一人の女がやって来た。
「売れた様ね…」
「あぁ村瀬さん…えぇ…コックローチのメモリが先程売れました」
その女の名は
ガイアメモリを幻想郷に流通させる組織・ミュージアム(仮)に所属する売人達を束ねるリーダー格の一人である。
「量産化出来る上に性能面も良い…その上本物のゴキブリ同様生命力の高さからユーザーから人気を勝ち取ってるメモリ…ほんとに実用性が高いメモリよねぇ」
「えぇ…ゴキブリは苦手ですが…おすすめ商品ですからね」
「さてと…それじゃ玖伊那ちゃん…メモリをじゃんじゃん売って頂戴ね」
着火は売人の女、
「分かっています…幻想郷に住まう人々の発展の為に…全力を尽くすつもりです…まぁ私は獣人なのですが…」
玖伊那は頭に付いている獣耳を動かした。
「ハァ!…ハァ!…ハァ!」
「重心が乱れてますよ!…突きも甘い!」
紅魔館の庭で来雪は美鈴に稽古をつけて貰っていた。
「はい!」
「良い返事ですが型がまだなっていない!もう3セットです!」
「は、はい〜!!」
来雪は美鈴の言われるまま型の稽古をする。
「美鈴ったら張り切ってるわね」
「それ程良い弟子が出来て嬉しいんじゃないかしら?」
その光景をレミリアとパチュリーがテラスで紅茶を飲みながら見学していた。
「それにしても…何で来雪の紅茶はクソマズなのかしら…」
レミリアは咲夜が淹れた紅茶を飲みながら呟く。
「クッキーとかお菓子は美味しいのにね」
パチュリーは来雪の作ったクッキーを一口齧って呟く。
「はい!今日はこの辺にしましょうか」
「ハァ…ハァ…ハァ…はい…ありがとう…ハァ…ございました…ハァ」
来雪は尻もちついた状態で美鈴に礼を言った。
そこにフランがやって来た。
「来雪お姉さんお疲れ様!」
フランは来雪にタオルを渡す。
「ハァ…ありがとうフランちゃん」
「美鈴もお疲れ様!」
「いえ私はそんなに疲れてませんよ妹様、ですがありがとうございます」
美鈴は微笑みながら言った。
「うひゃ~美鈴さん疲れてないんですか?…私もうクタクタですよ〜」
「私は妖怪ですからね…人間の来雪さんより頑丈かつ経験が違いますから」
「来雪〜美鈴〜フラン〜終わったならお茶にしましょ〜」
レミリアが3人を呼んだ。
「は〜い」
「分かりましたお嬢様」
「今日のおやつ何〜?」
「あっ今日のおやつは私が作ったクッキーだよ」
「やった!来雪お姉さんのクッキー美味しいから楽しみ!」
来雪の答えにフランは喜んでいた。
「…咲夜、あなたも此処に座ってお茶にしましょ?」
「はいお嬢様…ではお言葉に甘えて」
四人もテラス席に付きお茶を楽しむことにした。
「あぁ!酷い私は仲間外れですかぁ!?」
そこに新聞を持った小悪魔がやって来た。
「そんな訳無いでしょ?…こあも早く来なさい」
「流石はパチュリー様」
小悪魔は笑いながら席に付く。
「こうして家族全員でのお茶は最高ね」
レミリアが呟く。
「そうですね〜…あっそうそうこれ見てくださいよ」
小悪魔がみんなに新聞の記事を見せた。
「これ…射命丸さんの?」
「そうなの…でこの記事なんだけど…」
小悪魔が見せたのは人里で起こっている事件の記事だった。
「”人里で変死体!この短期間で既に4件目”?…変死体ねぇ」
レミリアが記事を読んだ。
「射命丸ちゃんから聞いたんですけど~…その死体…青い粘液の様な物で顔を覆われていたらしいですよ?」
小悪魔が来雪を見ながら言った。
「来雪さん…これ…ドーパントによる事件じゃないですか?」
「…小悪魔さんの言う通り…似たような能力を持ったドーパントは幾つか存在する…でも実際に見た訳じゃないから断定できないんだよね」
「この前のエニグマ事件といい…ガイアメモリによる被害が増えてきてるわね」
咲夜は数日前のエニグマ・ドーパントの件を思い出す。
「…そういえば霊夢は大丈夫なの?咲夜から聞いたけど知人が亡くなったって」
フランは霊夢の心配をした。
「うん…かなり参ってたと思う……返事も上の空だったし…まぁ魔理沙さんがフォローしてくれてたけど…やっぱり心配だな」
来雪は暗い顔しながら言った。
「来雪さん…」
「…兎に角…私この事件を調べてみようと思う…ドーパントによるものなら止めたいし…これ以上悪事にメモリの力を使われたくないから」
「…そう…分かったわ…美鈴…あなたも来雪に協力してあげなさい」
レミリアが美鈴に言った。
「最初からそのつもりでした…お嬢様」
「流石美鈴ね」
「すみません美鈴さん…私の修行を見てくれてるのにメモリ探しまで…」
「気にする必要はありませんよ来雪さん…私がやりたいと思っているだけです」
来雪の反応に美鈴は微笑みながら言う。
「美鈴が居るから大丈夫だとは思うけど…来雪…気をつけなさいよ」
「うん!」
レミリアは来雪にそう言った後無言で美鈴を見つめる。
それに答えるかの様に美鈴も頷いた。
(もし来雪が無茶しそうになったら止めなさい)
(分かりましたお嬢様)
二人は目で会話していたのだ。
長年共に暮らしている家族としての信頼でこういった事が出来るみたいである。
「ん?レミちゃんと美鈴さん…何で見つめ合ってるの?」
「気にする事無いわ来雪」
「えぇ…来雪さんにはまだ早いですかね」
「えぇ!教えてくれても良いじゃないですか!」
来雪の反応に皆が笑い出した。
いつの間にか来雪も紅魔館の一員としての役割を得たみたいだった。
場所は変わり、紅魔館近くの森の中。
ポツンとある小さな家から一人の少女が出てきた。
その少女の頭と腰には犬耳と尻尾が生えていた。
「クンクン……嫌な匂い…何かが起こりそうだね」
犬耳少女の手には紫色のメモリが握られていた。
人里にて来雪と美鈴は聞き込みをしていた。
だがどれもこれも信憑性の薄いものばかりで調査は難攻していた。
「ハァ…全然手がかりが見当たらない…」
「仕方ありませんよ…ガイアメモリが事件に関係あるかどうかすら謎なのですから…」
「でも顔を青い粘液で覆われた死体って…」
「もしかしたらそういう能力を持った何者かがドーパントの事件の様に見せている…ていう可能性もありますし…」
「何者かって?…あまりドーパントとかメモリとか認知されてないんですよ?何でメモリの事件にする必要あるんです?」
「……さぁ?」
来雪の問に美鈴は答えられなかった。
「ハァ…」
溜息をつく来雪。
「クンクン…クンクン…クンクン」
「ん?」
来雪の近くに犬耳少女が匂いを嗅ぎながら近付いてきた。
「近いなぁ…クンクン…クンクン」
「何?…匂いを嗅いでる?」
「この人?…段々来雪さんに近付いてません?」
「え?」
「クンクン…クンクン」
そして犬耳少女は遂に来雪の足元に鼻を近付けた。
「ヒッ」
来雪は若干引いていた。
「クンクン…ん?」
犬耳少女と来雪の目が合った。
「えっと…何か?」
「クンクン…匂いの発信源は君だね」
犬耳少女の答えに来雪は顔を青くした。
「匂いの…発信源……美鈴さん…私…臭いですか?」
来雪が涙目で美鈴に聞いた。
「えっ!?イヤイヤ…紅魔館出る前にお風呂にも入ってますし!…汗臭くは無い…はず…」
「目を逸らさないで下さいよ!」
来雪は泣きながら美鈴に怒鳴った。
「あっ違う違う!別に君が臭いとかそんなんじゃなくて!私からしたら人間の匂いって多少の違いくらいで殆ど同じっていうか…じゃなくて!あぁまた私やっちゃったぁ!ごめんなさい!」
犬耳少女は慌てて訂正した。
「突然ごめんなさい…人里に入った辺りからこれと同じ匂いを感じたから追跡してたんだ」
犬耳少女は懐からガイアメモリを取り出した。
『ッ!』
二人はガイアメモリを見て反応した。
「やっぱりこれのこと知ってるんだね…これを知ってる人をずっと探してたんだ」
「あなた…何処でそれを?」
来雪が犬耳少女に問う。
「一年以上前かな?…私が住んでる森で落ちてるのを拾ったら、これが私の二の腕に刺さって凄い力をくれたんだよね」
犬耳少女はガイアメモリについて語る。
これを使ってから弱小妖怪だった自分がそこそこ強くなったこと。
変身してなくても嗅覚が更に良くなったこと等など。
「だからこれを知ってる人を探してたの…これが何なのか私も知りたかったし」
「……」
来雪は犬耳少女の話を聞いて考えていた。
(変身してないのに能力が向上した…もしかしてハイドープに?…でもメモリの毒素にやられてる様子もない…う〜ん)
「あなた…それを使って何とも無かったんですか?」
美鈴が犬耳少女に聞いた。
「えっ?何ともって?」
「えっと…それはガイアメモリって言って…」
今度は来雪が語りだした。
外の世界にある風の街風都で流通するガイアメモリの事を。
「へぇ…そっか…危険な代物なんだね…これ」
犬耳少女はガイアメモリを見つめながら言った。
「でもあなたは毒素にやられてる様子がない…寧ろその力を使いこなしてる節まである…」
「こう言ってはなんですが…あなたはそのメモリを手にしてこれまで何をしてましたか?」
美鈴が犬耳少女に聞き出す。
「え?…う〜ん…私はさっきも言った通りこれを使うまでは弱小妖怪だったんだ…妖怪の世界は何かと物騒でさ…弱肉強食で弱い奴から死んでいく…私もその枠組みだった…これを使ってから枠組みから外れてね……護身用として使ってたんだ…使ってから私も強くなってて…正直な話…今これを手放せって言われたら…う〜ん…まぁでも危険な代物だし…知ってる人が持ってたほうが安全だよね…うん」
犬耳少女はガイアメモリを来雪に渡そうとする。
「え?」
「これはあなたが持っているべき物なんでしょ?…じゃあ返すよ…今まで借りててごめんなさいね」
「でも…」
来雪は考えていた。
犬耳少女はこのメモリに選ばれている。
このメモリは彼女を主と認めているのだ。
「……ううん…それはあなたが持ってて」
「えっ?でもこれは…」
「
「……」
犬耳少女はメモリを見つめる。
そしてメモリを見つめて微笑んだ。
「ありがとう…えっと…」
「あっ私は園田来雪って言います…こっちが私の師匠で家族の紅美鈴さん」
「紅美鈴です…宜しくお願いします」
「来雪さんに美鈴さん…うん…私は
来雪と紗綾は握手した。
「あっそうだ!」
来雪が何かを閃いた。
「うん?」
「紗綾さん!あなたにお願いが!」
来雪達一行に新たな仲間、犬妖怪の犬飼紗綾が加わった。
はいということでメインキャラにオリジナルキャラ、犬妖怪の犬飼紗綾の登場です!
今後の異変でも来雪と共にメモリによる事件を解決していきますのでお楽しみに!
さて売人として村瀬着火と有国玖伊那を登場させました!
考えて下さった肘神さま様、メモリに憑かれた男様ありがとうございます!
なお有国玖伊那につきましてはまだ売人ですので悪しからず。
イメージとしては園崎霧彦さんをイメージしてますので今後をお楽しみに!
さて次回はコックローチ・ドーパントとの戦いになります!
次回もお楽しみに!
それでは!