東方魔箱録 〜メモリの使役者〜 作:マイスイートザナディウム
現在来雪が使えるメモリはこちら!
PLANT,FLEET,T-REX,ICEAGE,WISDOM,DRACULA,ZOO,ENIGMA
はいどうも〜マイスイートザナディウムです!
前回に引き続き事件の解決に動く主人公達を書いていきます。
少し短いですが温かい目で見てもらえると幸いです。
それではどうぞ!
来雪は紗綾に事情を説明した。
「青い粘液で顔を覆われた死体……物騒ですね」
「うん…もしかしたらそれを引き起こしているのがドーパントの可能性があるんだ…紗綾さんの嗅覚ならメモリを追えるんじゃないかなって」
「なるほど……分かりました…出来るか分かりませんがやってみます」
紗綾はそう言うとメモリを嗅いた。
「メモリの匂いって独特で…殆ど同じ匂いをしてるんですよね…匂いを嗅いでて思いました」
「メモリに匂いがある事自体驚きですよ」
紗綾の感想に美鈴が苦笑いする。
「クンクン……クンクン………ん?」
紗綾があることに反応する。
「どうしたんですか紗綾さん?」
「メモリの匂いって訳じゃないんですけど……この匂い…恐怖に怯えてる匂い」
「恐怖に怯えてる?」
「何でそんな事が…」
来雪と美鈴は紗綾の嗅覚に驚いていた。
「このメモリを使ってから嗅覚が更に良くなってですね、人の感情や体調が匂いで分かるようになったんですよ…それより早く行きましょう!」
紗綾の嗅覚を頼りに二人は着いて行った。
「ハァ…ハァ…ハァ…」
一人の男が何かから逃げていた。
「何なんだよあれ…ハァ…早く逃げねぇと!」
男はその場から離れようとする。
しかし
バッ
男の目の前にゴキブリの様な怪物が現れた。
「ワァァァァァァァ!?」
男は腰を抜かした。
「逃がすと思ってんのか?」
「何なんだよお前!俺が何したってんだよ!?」
「お前は俺を怒らせた…だから消す」
ゴキブリの怪物は右手で男の頭を掴んだ。
「やめッ!!」
「フッ」
グチャァァ
右手から青い粘液が吹き出し男の顔を覆った。
「フフフ…俺を怒らせた罰だ」
ゴキブリの怪物はその場から立ち去ろうとした。
「シャアッ!」
「ッ!?」
ゴキブリの怪物は突如飛んできた斬撃を避けた。
「避けられましたか」
そこに紗綾達が駆け付けた。
「テメェ…この俺に攻撃とはなぁ」
「コックローチ・ドーパント…今までの事件はコックローチの能力によるものだったんだ」
「知られたからには……此処で殺す」
ゴキブリの怪物、コックローチ・ドーパントは持ち前のスピードで来雪達に接近した。
「来雪さん!」
美鈴が来雪の前に出て、コックローチ・ドーパントの腕を掴んだ。
「ッ!?俺の攻撃を…」
「幾ら動きが速かろうと…気を探れば防ぐのは簡単です」
「チッ!」
コックローチ・ドーパントは凄まじいスピードで連続パンチを繰り出す。
だが美鈴はそのパンチを悉く防いだ。
「無駄です…ドーパントになってもこの程度では私は倒せませんよ」
「どいつもこいつも俺をバカにしやがって!」
コックローチ・ドーパントは距離を取った。
「ブッ殺す!!」
コックローチ・ドーパントは青い粘液を弾丸の様に飛ばす。
「やらせない!」
【ICEAGE!】
キュピーン
来雪はメモリを左掌に挿し込み、アイスエイジ・ドーパントになる。
「ハァッ!!」
アイスエイジ・ドーパントの冷気で粘液弾は凍結し、その場に落ちた。
「クソがァァ!」
「フッ!」
美鈴がすかさずコックローチ・ドーパントに蹴りを入れた。
「グッ…クソッ!」
コックローチ・ドーパントは羽を広げその場から飛び逃走を図った。
「逃がすと思って…」
「待って下さい美鈴さん」
後を追おうとする美鈴を紗綾が止める。
「紗綾さん?」
「私が追跡します」
紗綾がメモリを取り出す。
【KERBEROS!】
紗綾がメモリのボタンを押し、ガイアメモリからガイアウィスパーが鳴る。
キュピーン
紗綾は右太腿の生体コネクタにメモリを挿し込んだ。
挿し込んだ太腿から紫色の霧が発生し、肉体を作り上げる。
頭部と両肩が犬の頭部を模しており腕をチェーンが巻き付き、脚には脚枷が付いた姿だった。
紗綾は地獄の番犬ケルベロスの記憶の
「ケルベロス…また私が知らないドーパント」
「では行ってきますね」
ケルベロス・ドーパントはその場から跳び、コックローチ・ドーパントの後を追った。
「クソクソクソ!クソが!」
コックローチ・ドーパントは悪態をつきながら飛んでいる。
既に人里から離れていた。
「あの三人は必ず殺す…まずは対策をーーー」
ジャララ
コックローチ・ドーパントの足にチェーンが巻き付いた。
「なッ!?何だァ!?」
チェーンの先にはケルベロス・ドーパントが居た。
「思ったより離れていましたね…正直驚きですよ」
「テメェ!?…まさかあの犬女!?」
「燃えなさい!」
ケルベロス・ドーパントのチェーンから炎が立ち昇った。
そしてそのチェーンに繋がれているコックローチ・ドーパントに炎が燃え移った。
「アチャァァァァァァ!?」
炎で羽が燃やされたコックローチ・ドーパントは墜落した。
「さて…ここからが本番ですね」
ザザザ
「グッ…クソ!」
コックローチ・ドーパントは人里から少し離れた森に落ちた。
「鬼ごっこは終わりですよ」
ケルベロス・ドーパントが空から降りてきた。
「ワン公風情が…ブッ殺す!」
「先程からブッ殺すブッ殺すって……小者に見えますよ」
「テメェ…テメェまで俺をバカにスンのかぁァァァ!!」
コックローチ・ドーパントがケルベロス・ドーパントに粘液弾を放った。
「やってる事がさっきと同じですよ」
ケルベロス・ドーパントは難なく躱した。
「それだけなら次は私です!」
ケルベロス・ドーパントは腕のチェーンを伸ばし、鞭のようにコックローチ・ドーパントを叩く。
ズゥンズゥン
「ガッ!?」
コックローチ・ドーパントはチェーンによる攻撃で転がった。
「クソ!犬女ガァ!」
コックローチ・ドーパントは粘液弾を放ちながらケルベロス・ドーパントに向かっていく。
「どうやら戦いにおいては素人ですね…」
ケルベロス・ドーパントは粘液弾を避けながら右手の鉤爪に猛毒エネルギーを溜めた。
「ブッ殺す!!」
「…フッ!」
ケルベロス・ドーパントとコックローチ・ドーパントは互いに攻撃を叩き込んだ。
「……多分人間でしょうから教えておきますね…
「何ィ?」
「言っている妖怪が居るとすれば…それは弱小妖怪だけです…元の私のようにね…」
コックローチ・ドーパントの身体が次第に崩れていく。
「ナッ!?」
「あえて言いますね…
「クソガァァァァァァァァ!!!」
ドォォォォン
コックローチ・ドーパントは叫び声を上げながら爆発した。
パキンッ
爆煙が晴れるとそこには人間の男が横たわり、その近くには砕かれたメモリが散乱していた。
「…あっ!?メモリが!」
ドュゥゥゥゥン
ケルベロスメモリを体内から取り出した紗綾が顔を青くしながら嘆いた。
「どうしよう…来雪さんに渡さなきゃいけなかったのに…」
紗綾は砕けたコックローチメモリを拾いながら呟いた。
「紗綾さ〜ん!」
「ヒッ」
そこに美鈴が来雪を背負いながら飛んできた。
「大丈夫ですか?」
「あっ…はい…大丈夫なんですけど…」
来雪の問に紗綾は戸惑いながら答える。
「あの…その…すみません!」
「え?」
「メモリ……壊しちゃいました」
紗綾は砕けたコックローチメモリを来雪に見せた。
「えっ?……メモリブレイク…どうやって?」
「えっと…多分…私の能力が原因かと」
紗綾が顔を青くしながら言った。
「えっと…私は【切り裂く程度の能力】を持っていまして…メモリを使用する様になってから能力が格段と強くなって…ある程度の物は切り裂ける…様に……すみませんすみません本当にすみません!」
「う…うん…回収出来なかったのは残念だけど…でもこれ以上被害が出ないなら…うん」
来雪は若干元気が無くなった。
「まぁまぁ…取り敢えずこの人を運びましょう」
美鈴が来雪を慰めながら言った。
「そう…ですね」
来雪達は男を連れて人里に戻ろうとした。
その様子を遠くから見ていた者が居た。
「ありゃりゃ…あのお客さん負けちまった…どうするんで着火さんよ」
男は売人のリーダー格の一人である村瀬着火に尋ねる。
「どうもこうも…あなたを呼んだからには分かってるでしょ?」
「そりゃそうか…じゃあ……
「えぇ…データは取れたし…お願いね…昴君」
着火はその男、
「そんじゃまぁ、さっさと終わらせて酒でも呑みに行きますかね」
昴の額には一本の角が生えていた。
塔守昴の種族は上級妖怪である鬼。
組織では売人をしていたが、その実績から数ある執行チームのメンバーへと昇格を遂げた存在だった。
昴は一本のメモリを懐から取り出した。
そのメモリには突きつけられる拳銃で『T』が描かれていた。
【TRIGGER!】
「そらよっと」
昴がトリガーメモリを宙に投げる。
キュピーン
そして右掌の生体コネクタにトリガーメモリが挿さり姿が変わる。
青い機械の様な姿に頭部の単眼はスコープ状。
右腕と一体化している専用武器『トリガーマグナム』が際立つ姿。
塔守昴は狙撃手の記憶の
「さてと……」
トリガー・ドーパントはトリガーマグナムの照準を合わせた。
「ターゲット…ロック……そんじゃ…さようならっと」
ドォォン
トリガーマグナムから青いエネルギー弾が放たれた。
「ッ!二人共伏せて!!」
美鈴が来雪と紗綾に呼び掛ける。
『ッ!?』
「アァァァァァァァァ!?」
ドォォォォン
エネルギー弾は真っ直ぐ男に向かって放たれ、着弾した。
エネルギー弾を受けた男は木っ端微塵になった。
「狙撃!?何処から!?」
紗綾と美鈴が辺りを見渡すが見当たらなかった。
「ほい、お仕事終了」
トリガー・ドーパントはトリガーマグナムを下げながら言った。
「ご苦労さま」
「いえいえ…これが執行チームのお仕事ですからねぇ」
着火とトリガー・ドーパントはその場から立ち去った。
犯人の男の死亡により、コックローチ・ドーパントが起こした事件は終わった。
はいということでコックローチメモリはメモリブレイクさせました。
まぁ無数にある物なのでまだ来雪の元には良いかなと思った次第です。
今回は新キャラとして執行チームの塔守昴、紗綾のメモリとしてケルベロスメモリを登場させました!
塔守昴を送ってくださったメモリに憑かれた男様、ケルベロスメモリを送ってくださったヴァイロン様ありがとうございます!
タワーメモリと量産型トリガーメモリの案で送ってくださったので今回はトリガー・ドーパントとして書かせて貰いました。
タワー・ドーパントは後ほど登場させますので暫くお待ち下さい。
ケルベロス・ドーパントのイメージとしては仮面ライダーフォーゼのハウンド・ゾディアーツをイメージしました。
書いといて何だが…最後は呆気なかったなぁ…
空白期編はこんな感じで進行しますので悪しからず。
春雪異変までいつまで掛かるだろう……早めに空白期編を終わらせるか…その後の永夜抄や花映塚,風神録等の間にも空白期編を設けるので少しずつやっていきたい。
次回もお楽しみに!
それでは!