東方魔箱録 〜メモリの使役者〜 作:マイスイートザナディウム
現在来雪が使えるメモリはこちら!
PLANT,FLEET,T-REX,ICEAGE,WISDOM,DRACULA,ZOO,ENIGMA,FIRE EXTINGUISHER,HEAT
はいどうも〜マイスイートザナディウムです!
今回は十一代目の戦いと紅魔館での戦いを書きます。
それではどうぞ!
幻想郷の地に、十一代目博麗の巫女・博麗米亜理が降り立った。
「いやいやいや米亜理さん!貴女生きてたんですか!?」
米亜理の姿を見た霊繋がツッコミを入れた。
「ほえ?そりゃあまぁ…現に此処に居る訳ですし?」
「いやはや…まさか今このタイミングで現れるとは…十一代目…」
ゴースト・ドーパントは米亜理の登場に心底うんざりしていた。
「君が今回の異変の首謀者…て訳じゃないよねぇ…あれ?そこに居る生気を感じられない人?…何か私に似てね?」
米亜理は穢土転生米亜理を指差し言った。
「似てるも何も…これはお前だよ博麗米亜理」
「え?…わぉもしかして某忍者漫画に出てくる死人を手駒にする術?…やだぁ…罅だらけだけど私ってば可愛い…流石は私!」
「言っている場合か!?」
マイペースな米亜理に魅魔がツッコミを入れた。
「全く…余裕でいるのも今のうちだぞ?博麗米亜理…こちらには貴様を含めた博麗の巫女三人に妖精が居るのだからな」
ゴースト・ドーパントが腕を上げると、穢土転生巫女達が米亜理に向けて走り出す。
「魅魔ちゃん霊繋ちゃん少し離れててね」
米亜理はそう言うと右腕が光出しある物が出現した。
「おっと…最初はこれね」
米亜理が右腕に出現したのは、ロケットランチャーーーゴリアスD2だった。
「ヌッ!」
ゴースト・ドーパントはすかさず自身の目の前にツッチーを立たせる。
「はいドーン!!」
パシュゥゥゥ
ゴリアスD2の弾が発射された。
弾は真っ直ぐゴースト・ドーパントに向けて飛んでいく。
「
ツッチーが手を翳すと、地面が壁のように垂直に立った。
ドォォォォン
ツッチーの壁に着弾し、ゴースト・ドーパントは難を逃れた。
「ありゃ?」
呆けている米亜理の背後に八代目が周り込む。
「おっと」
ゴリアスD2を消した後に、八代目の刀を右肘と右膝で白刃取りする米亜理。
「セーフ」
「まだ終わってない!」
魅魔の言うように、今度は初代が米亜理に迫っていた。
「せっかちな先輩達だなぁ」
米亜理は咄嗟に体制を崩し、八代目を巴投げし初代にぶつける。
「えぇい!何をしている!さっさと仕留めろ!」
ゴースト・ドーパントは明らかに苛ついていた。
すると今度は穢土転生の十一代目がハンドガン・サムライエッジを出現させ発砲する。
「おぉサムライエッジ!良いねぇ」
サムライエッジの弾をローリング回避した後に、米亜理は次にアサルトライフル・AF19を出現させる。
「撃ち込んでやるぜぇ!」
AF19を十一代目に向けて撃ち込む。
十一代目もまたローリング回避をしつつ、サムライエッジを撃ち込む。
「危なっ!」
霊繋に流れ弾が飛んできた。
「下がれ霊繋!」
魅魔はすかさず障壁を張った。
「チィ!」
ゴースト・ドーパントは霊体化で流れ弾を回避する。
なお、流れ弾はツッチー達穢土転生達を貫いていく。
二人による銃撃戦を繰り広げた。
「ほいっと!」
米亜理はローリング回避の途中にある物を設置する。
「お次は何でしょな?」
米亜理が手にしたのは
「ほいほいほい!」
三発のグレネードを投げる米亜理。
ドォォォォン
十一代目はグレネードの爆発に直撃に、吹き飛んだ。
しかし穢土転生の再生能力により、身体が再生し始める。
「う〜ん埒が明かないなぁ…何か良いの来い!」
米亜理が続いて出現させたのは武器ではなく乗り物だった。
それは近代兵器であるホバーバイクだった。
ただそれはとある防衛軍が使用するホバーバイクを改造したサイドカーが両脇に装着してある特別製だった。
「おっラッキー!霊繋ちゃん!魅魔ちゃん!ずらかるよ!さっさと乗った乗った!」
「はっ!?」
「ちょっ!?」
突然の事についていけない二人は啞然とするが、米亜理が二人の元に駆け寄る。
「なに呆けてんの!速く速く!」
「ちょっと米亜理さん!?」
「相変わらず破天荒な人ねあんた!」
二人は米亜理にサイドカーに無理矢理座らせられる。
「逃がすと思っているのか!」
ゴースト・ドーパントの命令で、再生が完了した八代目が動く。
「博麗ノ型・
八代目の刀から七色の極太な斬撃が放たれる。
「やべぇ!飛ばすよ!」
米亜理はホバーバイクをフルスロットルで発進させる。
ホバーバイクのスピードで、夢想斬を回避する。
「ダメ元だけどポチッと!」
米亜理がリモコンを取り出し、ボタンを押す。
ドォォォォン
すると八代目の足元に仕掛けてあったC24爆弾が起爆し、下半身を吹き飛ばした。
「良し!魅魔ちゃん踏み台!」
「悪霊使いが荒いな!」
魅魔は土魔法で土台を前方に創る。
「ついでに!」
米亜理はホバーバイクを運転しながら武器を作り出す。
「おっとこれは…」
それは自由の国アメリカで開発された巡航ミサイル・トマホークだった。
「幻想郷の地形変わりそうだけど…しょうがないよね!!砲撃よぉい…Fire!!」
パシュゥゥゥ
米亜理はゴースト・ドーパント達に向けてトマホークを発射する。
「ムッ!」
ドゴォォォォォォン
トマホークは着弾し、ゴースト・ドーパント達が立っていた地形が少し抉れた。
「無茶苦茶な事しないで下さいよ米亜理さん!!私か霊夢が後で紫に怒られるじゃないですか!!」
トマホークの爆撃を見た霊繋が叫んだ。
「その時は私も一緒に怒られてあげるよ!」
「にしても凄い物撃ちますね…だが…」
「魅魔?」
魅魔は爆撃された場所を見つめる。
「Dr.ガイストは死んじゃいない…あれでも奴にとっては目眩ましにしかならない」
「やっぱね…〝裏〟幻想郷だっけ?…今回の敵は今までの異変首謀者とは比べ物にならない程の存在みたいだし…」
「米亜理さん…組織の事を知ってるんですか?」
元々〝裏〟幻想郷に所属していた魅魔が驚いた表情で米亜理に尋ねる。
「全部を知ってる訳じゃないよ…まぁ成り行きでちょっと知っちゃっただけ…それより今はこの異変をどうにかしないとね…久々に異変解決と洒落込みますか!!」
「ちょっと米亜理さん」
米亜理はフルスロットルで森の中を爆走し始める。
爆煙が晴れると、そこには無傷のゴースト・ドーパントが立っていた。
「まさか巡航ミサイルを持ち出すとは…おかげで巫女達が消し飛んだではないか…」
トマホークの着弾で、巫女達の再生が少しだけ遅れていた。
「まぁ良い…今は役目を果たすとしよう…ボス達もこの状況を見過ごすとは思えんしな」
ゴースト・ドーパントは再生途中の穢土転生達を棺桶に戻し、その場から消えた。
〝裏〟幻想郷にて、ゴールドメモリ所有者達が集まり異変の観察をしていた。
「おいおい…まさか十一代目が乱入して来るとはな」
「どうします?十一代目博麗の巫女博麗米亜理…穢土転生で手駒としてこちらも戦力に入ってますが…」
克巳と董香は、ボスである麟を見る。
「そうだね…歴代巫女の中で一番
「あ?」
「
「あの娘と言うと…あぁ
董香が言うマテリアルとは、その者が持っているメモリの名前である。
〝裏〟幻想郷が誇る三人の番人。
それぞれ『フォートレス』,『ファクトリー』,『マテリアル』のメモリを授かった三人の妖怪で構成されている。
「アイツか…分かった…だが何でアイツなんだ?十一代目位シルバーメモリの奴らで始末出来るだろうに…」
「始末だなんて勿体無い…彼女も来雪が成長するには必要な人材…つまりは僕達にも必要な存在だよ?それを始末なんてする訳ないでしょ?ただ今のままだとこちらとしても厄介な存在だからね…そうだねぇ…能力までとは言わないけど…
「記憶を封じる…成る程…そりゃアイツが適任だわな…分かった…ちと遠いが行ってくるわ」
克巳はそう言うと瞬時に消えた。
「本当に便利な能力ですよねぇ克巳君の能力って」
(さてと…Dr.ガイストが放った穢土転生達…良い具合に暴れてね)
場所は変わり、着々と紅魔館に近づく三人の穢土転生。
「一体何処まで歩かされることやら」
蘭武が愚痴を言った。
「……何か見えて来たぞ」
獄糸が見つけた物は、レミリア達が暮らす紅い館である紅魔館だった。
「あれぇ?…どっかで見たことある様な…」
ロベールは自身の記憶を呼び起こしていく。
「全体が赤一色…趣味悪」
紅魔館を見て蘭武が愚痴った。
「チッ…勝手に技の体制になりやがった」
蘭武が地面に手を付けると、天高く跳び上がる。
「おぉ高く跳んだねぇ…人間にしては凄い脚力じゃん」
(青導蘭武…聞いたことある名前だと思ったが…成る程道場泣かせの蘭武か…噂通りの脚力だな)
「………」
美鈴は門の前で来雪達の帰りを待っていた。
「…来雪さん…咲夜さん……」
帰りを待つ美鈴だが、それと同時にあることを察知していた。
(こちらに近づいて来る気配が三つ…チルノちゃん達じゃない…この気配は…ッ一人が跳び上がった…来るッ!!)
「龍神脚!!」
美鈴が空を見ると、蘭武が急降下キックを放った。
「ッ!」
ドスン
美鈴は咄嗟に腕をクロスし龍神脚を受け止めた。
そして蘭武の顔を見て驚愕する。
「えっ…」
「…ッ」
蘭武も美鈴の顔を見て驚いた顔をした。
「まさか」
「そん…な…」
蘭武は技を止め、その場から離れた場所に着地する。
「その顔その動き…美鈴ちゃんか?」
「…蘭武…さん…」
美鈴は嘗ての兄弟子であり、事故により死んだと聞かされていた初恋の人物が目の前に現れた事に混乱した。
「ハハッ…見違えたな美鈴ちゃん」
「蘭武さん…どうして貴方が此処に…師範からは事故で死んだって…」
「え?事故?…あぁ…まぁ…事故っちゃあ事故か…師範…気を利かせて事故死って事にしてくれたのか…サンキュ」
蘭武は本来の死因が飴玉を飲んで窒息死したという阿呆みたいな死に方を誤魔化してくれた師範に静かに感謝した。
「この悪趣味な外装…見渡す限りの紅…やっぱり紅魔館かぁ…懐かしいね」
蘭武の後ろからロベールと獄糸も遅れて歩いてきた。
「紅魔館…スカーレットデビルの根城か…」
「うん?…あれ?美鈴ちゃん?久し振りだねぇ元気だった?」
「ッ!ロベール様?…蘭武さんだけじゃなくロベール様まで…どうして…」
美鈴は蘭武だけでなく主の叔父にあたるロベールも居ることに驚愕する。
「何だ吸血鬼の旦那…美鈴ちゃんと知り合いか?」
「蘭武ちゃんこそ美鈴ちゃんと知り合いなんだねぇ…知り合いもなにもねぇ…此処兄貴の館でねぇ…兄貴がどっからかメイドとしてスカウトしたのが美鈴ちゃんなんだよねぇいやぁ懐かしい」
「ロベール様!メイド時代の事を余り蘭武さんに言わないで下さい!!」
美鈴は顔を赤くし叫んだ。
「メイド?美鈴ちゃんが?…ホントに成長したなぁ…それだけ俺は長い間死んでたんだな…」
「ううん…蘭武さん…ロベール様…そちらの方も恐らく死んでいた方なのでしょう…何故死んだ筈の貴方方が…」
美鈴は咳払いした後に真面目な顔で尋ねた。
「いやぁそれがさぁ…俺達にも分かんないんだよねぇ…目が覚めたらこの三人で森の中に居てさぁ」
「………」
おちゃらけた返答をするロベールを無言で獄糸は睨み付けていた。
「俺達は何者かによってこの世に再び呼ばれた…そして身体の自由を奪われ手駒扱いだ…ムカつくけどな」
「死者を使役…到底許される事では無いですね…」
美鈴は怒りを露わにする。
すると門が開いた。
「なんだか懐かしい気配がするから出てきてみれば…どういう状況よこれ」
そう言いながら館から、スカーレット姉妹とパチュリー及び小悪魔が出てきた。
「お嬢様!」
「全くレミィったら…魔女使いが荒いんだから」
「パチュリー様パチュリー様…どうやらそんな事言ってる場合じゃ無い様ですよ?」
パチュリーの小言を小悪魔が真面目な顔で切り捨てた。
「やぁレミリアちゃんにフランちゃん久し振り〜元気だった?」
ロベールが呑気に手を振りながら言った。
「ロベール叔父様…何故貴方が此処に…」
「ロベールおじさん…どうして」
「もうレミリアちゃんったらそんな叔父様だなんて硬っ苦しい呼び方無しだぜ?フランちゃんを見習いなよおじさんだけで良いってのに」
「今はそんなことどうでも良い…何故死んだ筈の貴方が此処に居るのかを聞いているんです叔父様」
「もうお硬いなぁホントに堅物な兄貴にそっくりに育っちゃってぇ…おじさん悲しくて涙が出てきそうだよ」
ロベールは不機嫌そうに言った。
「お嬢様…ロベール様達は何者かによって蘇らせられた存在らしいです」
美鈴が簡潔に報告する。
「そう…何処の誰だか知らないけど…
「え?何レミリアちゃん俺の為に怒ってくれてるの?…ヤダ…おじさん嬉しくて泣きそうだよ」
レミリアの反応に少しばかり嬉しそうにロベールは反応した。
だがそんな雰囲気をぶち壊す様にロベールが上着を脱ぎ始める。
「あれ…ヤバッ…レミリアちゃん達気を付けなよ…マジでヤバいから」
ロベールが先程のおちゃらけた態度とは一変し焦っていた。
(叔父様が服を脱ぎ始めた…確かにマズイわね)
ロベールの能力を知っているレミリアは警戒態勢を更に強くする。
「パチェ!結界!」
「既に張ってるわよ」
「流石ね!」
パチュリーの言葉を聞いたレミリアが、スピア・ザ・グングニルを構えながらロベールの懐に飛んだ。
「ッ!」
(速い…これがスカーレットデビルかよ)
蘭武はレミリアのスピードに戦慄した。
「叔父様ごめんなさい」
ズシャア
レミリアはロベールに謝罪すると、スピア・ザ・グングニルで心臓辺りを貫いた。
「………」
レミリアは不快感を露わにする。
自身の身内に手を掛けた事に対する不快感だった。
「…避けた方が良いよレミリアちゃん」
「ッ!?」
心臓を潰したのに喋ったロベールを見て驚愕するレミリア。
するとすかさずロベールは能力で右腕を丸鋸に変形させた。
ギュイイイイイイン
ロベールは丸鋸になった右腕をレミリアに向けて振り降ろす。
ガガガガガガ
丸鋸は咄嗟に飛び込んだフランドールのレーヴァテインで防がれていた。
「お姉様!」
「ッ!助かったわフラン」
スピア・ザ・グングニルを引き抜き、二人は後ろに下がった。
「ナイスだよフランちゃん…いやぁおじさんヒヤヒヤしたよ」
大穴が空いた胸は徐々に再生していった。
「この体…死人なだけあって不死身みたいだねぇ」
「チッ…薄々そう思ってたが…目の当たりにすると余計にムカつくな」
ロベールの言葉を聞いて蘭武が舌打ちした。
「それもそうだけど何より許せないのが………俺の可愛い姪っ子達を俺の手で始末させようとする術者だよねぇ」
ロベールのおちゃらけた言葉の裏には強い怒りが滲み出ていた。
「……吸血鬼と一緒なのは不愉快だが…仕事だからな」
獄糸はそう言うと懐から銀のナイフを取り出した。
「…チッ…美鈴ちゃん…俺達を止めろ」
蘭武はそう言いながら構える。
「蘭武さん…」
「覚悟を決めなさい美鈴…じゃないと殺られるわよ」
「おじさん…」
「……悪趣味な術ね」
フランの悲しそうな顔を見たパチュリーが呟いた。
「…フラン…貴女は下がりなさい…貴女が叔父様と殺り合う必要は無いわ」
レミリアはフランドールを気遣い言った。
フランドールはレミリアの思うように辛そうな顔をしていた。
ロベールが死んだと聞かされた時、フランドールが一晩中泣いていたのをレミリアは知っていた。
幼い時から懐いていた相手を今から殺さなきゃならない…そんなことをフランドールにやらせたく無いのだ。
「ううん…お姉様…私もやるよ…だって許せないもん…おじさんをあんな風にした奴を…」
辛そうな顔をしながらフランドールは言った。
「フラン…分かったわ…でもキツくなったら下がりなさい」
「うん…」
「…ごめんねレミリアちゃん…フランちゃん」
そんな姉妹を見てロベールは静かに言った。
場所は変わり異変の元凶である白玉楼へと繋がる階段下。
そこに先程まで米亜理達と戦っていたDr.ガイストが既に辿り着いていた。
「冥界白玉楼…上質な魂が集められそうだ」
Dr.ガイストが持っているステッキで地面を叩くと、二つの棺桶が出現した。
ガガガガガガ
ドスン
棺桶が開き消えると、中から二人の男性が出てきた。
「さて…〝裏〟幻想郷の為…ひいてはボスの為に働くが良い」
一人はガタイの良い厳つい鎧を着た大男で、もう一人はイタリアの軍服を着た男だった。
「…む?…此処は何処だ?」
ベニート・ムッソリーニ
「何だ…こりゃ?…」
典韋
「ベニート・ムッソリーニ…そして典韋」
「む?…何だ貴様」
「お前達は私の力によって再びこの世に蘇った…お前達には我等の目的の為に働いてもらうぞ」
「てめぇ…何もんだか知らねぇがワシは殿以外の下に付く気はーーー」
典韋が持っている斧を振り上げ、Dr.ガイストに斬り掛かろうとする。
「フッ」
「ッーーー」
Dr.ガイストが典韋を睨みつける。
すると典韋は、まるで人形の様に動かなくなった。
「これは…」
ムッソリーニは突然動かなくなった典韋を見て察した。
「お前達の人格は私の思いのまま…ベニート・ムッソリーニ…お前も逆らえばコイツと同じ様に人形と化すことになる」
「……ふむ…どうやらその様だ…」
ムッソリーニは観念したのか、Dr.ガイストに対する敵対反応を解いた。
「蘇らせられたと言ったな?…貴様は私と此奴に何をさせる気かね?」
「お前達にはこの上に居る剣士の足止めをしてもらう…私はその奥の屋敷に用があるのでな…所謂揺動だ」
「ふむ…まぁ良いだろう…私にも叶えたい野望があるのでね…そのチャンスがあるのであれば文句はない」
ムッソリーニの言葉を聞き、Dr.ガイストはとあるメモリを渡す。
「これは?」
「我等が組織が量産しているメモリだ…典韋は兎も角お前は現代に近しい者…戦う術をボスから授かった…では行け」
「ふむ…面白い」
「ーーー」
Dr.ガイストの命令で、ムッソリーニと典韋が階段を登り出す。
「さて…では始めるとするか」
コツッ
再びステッキで地面を叩くと、棺桶が更に二つ出現する。
ガガガガガ
ドスン
中から二人の女性が出てきた。
一人は先程Dr.ガイストと共に米亜理達と戦っていた八代目博麗の巫女・博麗霊斬だった。
そしてもう一人は黄緑色のロングヘアで触覚のような物が2本生えており、オレンジ色の瞳はよく見ないとわからんが昆虫のように複眼になっている女性だった。
『蟲の力を使う程度の能力』
嘗てはその能力故に『蟲の女王』と呼ばれ、風見幽香のライバルだった妖怪である。
「ふむ…此処は人格を戻しておくか…フッ」
「……ん…何だ…また呼び出したのか貴様」
人格が戻ったと同時に不機嫌そうな顔をする霊斬。
「どういう事だ…私はあの時…」
「ん?…お前さん…セクト・バグスターか?」
「…八代目博麗の巫女?…何故お前が?…躓いて即死したと聞いたが…」
「そこの爺さんに蘇らせられた…此処にお前さんが居るということは…お前さんも死んだか」
セクトは霊斬の言葉で自覚する。
自身が死人なのだが、今現世に再び蘇った事を。
「博麗霊斬…お前はムッソリーニと典韋がしくじったら戦闘に参加しろ…元魂魄家の出であるお前ならば対処も容易いだろう」
「……懐かしい感覚だと思ったが…白玉楼か此処は…悪趣味な奴だな貴様…」
霊斬はそう言いながらムッソリーニ達の後を追った。
「セクト・バグスター…お前は私と来い」
「お前…私に何をさせる気だ?」
「いずれ分かる…」
Dr.ガイストは笑みを浮かべながら言った。
「………」
白玉楼へと続く階段の最上階ーーー
白玉楼の庭師兼剣術指南役である半人半霊・魂魄妖夢は、手に持つメモリを見つめながら異変解決に来る筈の博麗の巫女を待っていた。
「…
妖夢は自身のメモリを見つめ、悲しい顔をしていた。
「…ッ」
妖夢は前方に気配を感じ取り、自身の刀・楼観剣と白楼剣を構える。
「ムッ?…何かと思えば…ただの小娘か」
妖夢の目の前に、上がってきたムッソリーニと典韋がいた。
「…お前達は何者だ…人間…では無い…此処はお前達の様な者が来るの所では無い…即刻立ち去れ」
「ふむ…人間では無い…か…分かってはいたがやはり人間として復活した訳では無いようだ」
ムッソリーニがそう言うと、控えていた典韋が斧を振り上げながら走り出す。
「ッ」
妖夢は楼観剣と白楼剣で斧を受け止めた。
典韋は持ち前の怪力で妖夢を押し始める。
「何て…力ッ」
殺戮人形と化した典韋は斧を器用に動かし、白楼剣と楼観剣を弾いた。
「ッ!?」
妖夢は自身の刀を二刀とも弾かれた事に驚愕する。
「終わりだな」
ムッソリーニはその光景を見て言った。
「ッ」
妖夢は咄嗟に先程持っていた金色のメモリを取り出した。
【NASCA!】
ナスカメモリからガイアウィスパーが鳴る。
妖夢は首筋の生態コネクタにメモリを挿し込む。
キュピーン
妖夢の姿が徐々に変化し始める。
ナスカの地上絵のような模様が刻まれた、騎士のような姿。
妖夢はナスカ文明の記憶の
ナスカ・ドーパントは自身のナスカブレードで、典韋の斧を弾いた。
「ほう」
「…まさか此処でコレを使うとは…博麗の巫女達が来た時のとっておきだったのに」
ザシュン
ナスカ・ドーパントはナスカブレードで典韋を斬り裂いた。
「霧彦さんの想いが詰まったこのナスカブレードに、斬れぬもの等…あんまり無い!!」
はいということで、急遽白玉楼での戦いを少し追加しました。
今回は新キャラーーー
ベニート・ムッソリーニと典韋,そしてゼクト・バグスターの三人が登場しました。
ベニート・ムッソリーニと典韋のアイディアを下さった神谷主水さん、セクト・バグスターのアイディアを下さった肘神さまさんありがとうございます!
そして神谷主水さん申し訳ありません。
ムッソリーニと典韋の登場経緯を勝手に変えてしまいました…
理由としましては展開が思い付かなかった為、Dr.ガイストの穢土転生として登場して貰いました。
本当に申し訳ありません。
さて妖夢が変身したナスカ・ドーパントですが、今は本来の青いナスカです。
次回はそんな妖夢の戦いを描きます。
次回もお楽しみに!
それでは!