東方魔箱録 〜メモリの使役者〜   作:マイスイートザナディウム

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Count,The,Memorie's!

現在来雪が使えるメモリはこちら!

PLANT,FLEET,T-REX,ICEAGE,WISDOM,DRACULA,ZOO,ENIGMA,FIRE EXTINGUISHER,HEAT

はいどうもマイスイートザナディウムです!

長らくお待たせしました…まさか半年近く更新して無かったとは…ホント申し訳無い!

今回は初の一万字超えになりました…ここまで書いたのほぼ無いかも?

今回の話は少し入れてみたいキャラを数人参入させました!

誰が選ばれるかは読んでからのお楽しみで、それではどうぞ!!


Yの逆襲/〝裏〟での死闘

来雪達がフィスト・ドーパントと戦いを繰り広げている一方ーーー

 

 

ーー人里の外れーー

 

 

「夢想封印!!」

 

「マスタースパーク!!」

 

霊夢と魔理沙はある存在に向けて己の技を放った。

 

「無駄だ無駄無駄!!」

 

霊夢と魔理沙の技は、相手にしているドーパントの配管に吸い込まれる。

 

そして吸い込まれた霊力と魔力はドーパントの腹部にあるタンクに溜まった。

 

()()()は負けたが今回はそうはならねぇ…オメェ等をブッ倒した後は紅魔館に行って園田来雪をぶっ潰す!!」

 

「あの時って何時だよ!」

 

「………」

 

魔理沙はドーパントの言う()()()が検討もつかないが、霊夢は思い当たる所があった。

 

それは数十分前に遡るーーー

 

 

 

「………」

 

霊夢は嫌な予感を感じ、人里に訪れていた。

 

「お〜い霊夢〜!」

 

「ん?なんだ魔理沙か」

 

人里内を歩いていた霊夢に通り掛かった魔理沙が駆け寄った。

 

「なんだは無いだろう?折角魔理沙さんが話し掛けてやったのに」

 

「余計なお世話よ…私は今忙しいのよ」

 

「なんだよツレねぇなぁ…」

 

魔理沙が霊夢の態度に文句を言うが、霊夢はお構い無しに辺りを見回していた。

 

「…なんかあったのか?」

 

魔理沙は霊夢の行動で、何かを察した。

 

「……別に」

 

「嘘つけよ…何年一緒に居ると思ってんだ?私に隠し事は無しだぜ霊夢」

 

魔理沙は真面目な顔で霊夢に言った。

 

「……はぁ…最初はただ人里を歩いてただけだった…でもね…なんか嫌な予感がしたのよ…ただそれだけよ」

 

「お前が嫌な予感がするって言ったらほぼ悪いことが起こる事確定じゃねぇか……メモリ関係か?」

 

「さぁね…私の取り越し苦労ならそれで良いんだけど……」

 

霊夢が呟いたその時だったーーー

 

「見つけたぜ博麗霊夢」

 

『ッ!』

 

二人の前に一人の男が立ちはだかった。

 

「ッ…あんた」

 

「待ってたぜこの時をよ!!」

 

男は懐からメモリを取り出した。

 

「ッ!ガイアメモリ!」

 

魔理沙はガイアメモリを確認すると、ミニ八卦炉を取り出した。

 

「冥土の土産に教えといてやる!俺の名は碇 溜五郎(いかり ためごろう)()()()の命令でテメェらを地獄に送る男だ!」

 

 

【ACCUMULATION!】

 

 

碇と名乗った男は、右腕にメモリを挿し込む。

 

 

すると、碇の身体が膨らみ始めた後に弾け飛ぶ。

 

腹部にタンクがあり、身体中に配管が巻き付いた姿。

 

碇は蓄積の記憶の怪物(超人)、アキュムレーション・ドーパントへと変身した。

 

 

 

そして冒頭に戻る。

 

「クソッ!何なんだよアイツ!!」

 

魔理沙はアキュムレーション・ドーパントに向けて魔法を放ちつつ愚痴る。

 

「レミリア達が起こした異変の前に来雪と一緒に人里に行った話…覚えてるかしら?」

 

霊夢は御札で応戦しつつ語る。

 

「あっ?そういやそんな話してたな…その時にドーパントに襲われて……まさか?」

 

「えぇ…その時ドーパントになって襲ってきた男よ…多分〝裏〟幻想郷関連のドーパントかしら?…其奴に連れ去られてから見てなかったけどね」

 

碇 溜五郎は元々人里に住んでいた人間なのだが、怒りをすぐ八つ当たりで発散させるタイプの男だった。

 

この性格じゃダメだと思い克服したいと考えていた矢先、〝裏〟幻想郷の番人であるマテリアルこと河城みとりからフリートメモリを買い取り来雪と霊夢に襲い掛かった。

 

しかし二人に返り討ちにあい〝裏〟幻想郷のシルバー幹部の一人、スパイラルこと鷺沼夢継に粛清された筈だったのだがーーー

 

 

 

人里近くの森の中、そんな霊夢達とアキュムレーション・ドーパントの闘いを()()()()越しに見ている者たちが居た。

 

「碇くん頑張ってるね」

 

一人は全身が真っ赤、髪から服装に至る全てが赤で統一された少女ーーー

 

「だが良かったのか?あのメモリはボスから頂いた物だろう?」

 

もう一人は丸眼鏡を掛け頭に白いリボン,胸に黄色いリボンを付けた白衣を着ている女性だった。

 

「良いの良いのどうせ私には合わないメモリだし…にしても博麗霊夢に霧雨魔理沙…随分成長したね…私と対峙した時は私よりガキンチョだったのに」

 

「今でも見た目はガキンチョだと私は思うがな」

 

「あっ!()()()ヒドくない!?これでも私貴女の科学の先生なんだけど!?」

 

「それに関しては感謝してるが…」

 

彼女達は嘗て博麗霊夢がまだ博麗の巫女として未熟だった時代、レミリア達が幻想郷に幻想入りするよりも前に対峙した存在ーーー

 

 

夢幻伝説

岡崎夢美

『科学で再現出来る程度の能力』

 

 

 

夢を探す科学

朝倉理香子

『魔力をエネルギーに変える程度の能力』

 

 

 

「それで…良いのか?あの男は元々ーー」

 

「鷺沼夢継に粛清される筈だった?…そうだね、本来はだめかもしれないけどね…でも勿体ないじゃない?何も出来ずに処分されるなんて…だったら有効活用しないと、〝裏〟幻想郷の目的は園田来雪ちゃんを成長させる事らしいからね…その為には霊夢達にも成長して貰わなきゃいけないでしょ?」

 

「だからあの男にメモリを渡し霊夢達にけしかけたと?」

 

「まぁタイミング良く魔理沙も来てくれたし、彼には頑張って貰おうよ…さて私達もそろそろーーー」

 

「ふ〜んなるほどね~」

 

『ッ!?』

 

夢美達は後ろを振り返る。

 

そこには十一代目博麗の巫女博霊米亜理が立っていた。

 

「ここ最近時空の乱れみたいなのが続いてたけど…貴女達が元凶って事ね?」

 

「博霊米亜理…規格外の巫女が何故ここに…」

 

「いやいやそんだけの魔力持ってる癖に何いってんのさ…上手く隠してるみたいだけど私は誤魔化せないよ?多分だけど魅魔ちゃんと同等かそれ以上の魔力量じゃない?」

 

米亜理は理香子の底知れぬ魔力量を探知しやって来たと言った。

 

「チッ…ホント自分の魔力が嫌になる…コレだから魔法は嫌いなんだ」

 

「苛立つ事ないよ理香子、人間の私からしたら羨ましいくらい欲しい力だけどね」

 

苛立つ理香子を慰めながら前に出る夢美。

 

「まさかこの世界で貴女に出会うとは思わなかったよ岡崎夢美教授」

 

「へぇ〜…私を知ってるんだ…それにしても教授かぁ…少なくともこの世界で私を教授って呼ぶ奴居ない筈なんだけどーーー」

 

「そりゃそうでしょ?私貴女の世界にも行ったことあるし?何だったら貴方が発表した()()()()()()()()もあの学会で聞いてたしね」

 

「ッ」

 

夢美は米亜理の話を聞いて固まる。

 

「いやぁ凄いよね、科学が発展した世界で魔法の存在にいち早く気付いちゃうなんて…そんな貴女が何故こんな事してるのかな?態々別作品(べつのせかい)の住人をここに連れて来るなんて面倒な事までしてさ?」

 

「……私の事知ってるなら分かると思うけど…何唯の実験だよ…私は科学者だからね、気になる事があれば検証し答えを導き出すのが仕事だしね」

 

「科学者ね……〝裏〟幻想郷に入ってまで未知への探求を求めるとはね」

 

「〝裏〟幻想郷に入る?フフッ勘違いしないで貰いたいなぁ…()()()()()()()()()()()()()()()

 

「………は?」

 

米亜理は突然放たれた爆弾発言に呆気を取られた。

 

「この世界に来たことによって私も魔法とまではいかないが不思議な力を手に入れたんだよ…『科学で再現出来る程度の能力』って不思議パワーをね…外の世界まで行って色んな技術を見た…まぁ私のいた世界と比べたら化石に等しいレベルだったけど…でも探してる内に興味深い技術を見つけてね」

 

夢美は懐からメモリを取り出した。

 

「ガイアメモリ…凄い技術だ…私の世界にも無かったよ…地球の記憶をこんな小さなUSBメモリに内蔵し、挿し込むことで驚異的な力を手に入れる代物…いやはやもっと早く出会いたかったね、さて話がそれたね…〝裏〟幻想郷についてだったね、私の能力は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()能力でね…外の世界に()()って街がある…その街に面白い組織があってね…いや組織じゃなくて()かな?〝裏〟風都って街があってね、実際に行って見てきてさ…いったいどうやって裏の世界に街を建造したのか興味深かったよ…まぁ今となってはどうでも良い事なんだけど」

 

(風都って…ガイアメモリがある時点で思ってたけど…ここ仮面ライダーWの世界線だったの?)

 

夢美の説明を聞きながら、米亜理は思考していた。

 

「〝裏〟風都を探索しそこに跋扈する怪物達を薙ぎ払いながら観察を続けた結果、私の能力で〝裏〟風都を再現出来る事に気付いた…抑々考えればこの時かな、ボスに「私の()()()に協力してくれないか」とスカウトされたのは…勿論OKしたよ…私も〝裏〟風都の技術を試せるチャンスだったからね…そこで創り上げたのが〝裏〟幻想郷…幻想郷の裏の世界…私の科学力を以て再現した新たな世界…いやぁ世界の創造とは何とも痺れる刺激的な体験だったよ…あぁ勘違いしないでね?ボスと呼んでるけどそれはあの人の正体を分からなくする為の隠語みたいな物だ、私は〝裏〟幻想郷の生みの親に過ぎない…よって君達と戦う気は無いし、関与する気もサラサラ無い…私は私が造った世界に生きる者たちがどのような結末を迎えるか見届ける義務がある、ここにいる理香子や今は不在だが()()()は私の助手として私に付き従っているが〝裏〟幻想郷所属ではない…今回の異変は私が興味本位で起こしたものだからね、彼らがどうやってこの逆境を乗り越えるのか…楽しみながら観察してたって訳さ」

 

「なるほどね~…まぁ全然関係ない訳じゃ無さそうだし取り敢えず捕まってくれると助かるんだけど?」

 

「あははですよね〜……はぁ捕まる訳無いじゃん、それは断固拒否させて貰うよ…ちゆり!!

 

シュン

 

「たく人使いが荒いご主人様だぜ」

 

突如として夢美の前に現れた金髪ツインテールに服装はズボンのセーラー服の少女ーーー

 

 

時をかける夢幻の住人

北白河ちゆり

『空間移動が出来る程度の能力』

 

 

夢美の前に着地したちゆりの腰には、〝裏〟幻想郷の幹部達が付ける事を許されるガイアドライバーREXが巻かれていた。

 

「〝裏〟幻想郷所属じゃないんじゃ無かった?」

 

「所属じゃないよ?ただ私達は〝裏〟幻想郷でも特殊な立ち位置でね、そうだなぁ…食客みたいなものかな?拠点を造ってあげただけなのにVIP待遇だよねぇ幹部でも何でもないのにドライバー渡されてるんだから」

 

「んな事どうでも良いだろ夢美様…ずらかるぞ」

 

ちゆりは懐からメモリを取り出す。

 

 

【ZONE!】

 

 

ガチャン

 

ちゆりがガイアドライバーREXにゾーンメモリを挿し込む。

 

そして身体を折り曲げると、四角錐の小さな物体に変化した。

 

ちゆりは地域,地帯,区画の記憶の怪物(超人)、ゾーン・ドーパントに変身した。

 

フワフワ

 

ゾーン・ドーパントが宙に浮き出す。

 

「ゾーン・ドーパント……確か9×9のボードを作って指定したマスに対象を移動させる能力だったかな?」

 

「9×9だぁ?んな狭い範囲しか移動させられないゴミ能力なら使ってねぇよ」

 

「ちゆりはゾーンメモリの適合者でね、自身の能力と相まってゾーンの能力も強化されてるのさ」

 

「空間移動が出来る程度の能力…地味な能力だがゾーンメモリの適合者に相応しい能力だな」

 

夢美の解説に理香子が反応する。

 

「それじゃあね博霊米亜理…また会う日があればお茶でも御馳走するよ」

 

「敵をお茶会に招待してんじゃねぇよたく…そらよ!」

 

ゾーン・ドーパントの目が光ると、ゾーン・ドーパントを含めた3人はその場から消えた。

 

「…はぁ…また面倒な面子が現れたものだねぇ…さて、彼らを返す方法を考えなきゃな」

 

米亜理はそう言うと人里とは()()方向へと歩き出した。

 

 

ーー〝裏〟幻想郷ーー

 

〝裏〟幻想郷にて穢土転生の深雪と同盟を結んだ姫乃は、〝裏〟幻想郷からの脱出を試みる為番人を探していた。

 

「恐らくここら辺にいる筈なんだけど…」

 

「…今探してる番人って誰なの?」

 

番人を探す深雪に姫乃が質問する。

 

「そうだねぇ…まずマテリアルだけはダメだね…アイツは能力が強すぎる…ボスの右腕が執行人として送り込む確率が他の番人より多いから、それだけ仕事が出来るやつなのは確か…今探してるのは他の二人…()()()()()()()()()()()()のどっちかかな…まぁフォートレスの方はどちらかと言うと()()()にいる事が多いから実質ファクトリーになるかな」

 

「……そのファクトリーの変身者って?」

 

「えっとねーー」

 

深雪が説明に入ろうとしたその時だった。

 

 

「何だよういの事探してんのか?」

 

『ッ!?』

 

二人の背後に大きな鋏を背負ったかそりが立っていた。

 

「ういがお前らが探してるファクトリーだぜ?」

 

「…神斬かそり…何で私の能力がーー」

 

深雪は戦慄しながら言った。

 

「あっ?…良く見たらお前…穢土転生じゃねぇか?…あの老害が…テメェの駒縛れてねぇじゃねえか面倒くせぇな!後な、番人舐めんなよ?テメェの能力がどんなのか知らねぇがそう簡単に突破されたら番人なんか出来ねぇよ」

 

「…姫乃ちゃん…予定は狂ったけどここを突破しなきゃ幻想郷に帰れない…覚悟ある?」

 

「勿論…ここを突破して凱君の所に帰るんだ」

 

二人は構える。

 

「ういとやる気か?…ほ〜ん面白ぇ…そういや試したかった事があったんだよなぁ」

 

かそりは笑みを浮かべながら言った。

 

「よし思ったが吉!早速試すとすっか!」

 

パチン

 

かそりが指を鳴らすーーー

 

スゥ

 

すると二人の背後に何かが降り立った。

 

『ッ!?』

 

それは一人の女性だった。

 

金髪でオレンジの和服に加え、彼女の周りには巨大な()()が5つも浮いていた。

 

「ッ!?こいつは…」

 

「こいつの名は()()()()…魔界に居たのをういの能力で動かしている…ういの手駒さ…丁度試してみたかったんだよ」

 

 

災いの目

幽玄魔眼

『魔眼を操る程度の能力』

 

 

 

「……姫乃ちゃん…作戦変更…」

 

「えっ?」

 

ガシッ

 

「逃げるよ!!」

 

深雪は姫乃の手を掴み逃げ出す。

 

「ちょっ!?深雪ちゃん!?」

 

「逃がすと思ってんのか?!行け幽玄魔眼!!」

 

「………」

 

かそりの命令で幽玄魔眼は動き出した。

 

 

「ちょっと深雪ちゃん!?どうしたの急に!?」

 

「幽玄魔眼はマズイ!アイツには死角が無いんだよ!」

 

必死に逃げる深雪達を、幽玄魔眼は5つの魔眼で迎撃した。

 

5つの魔眼からレーザーが放たれ、辺りを焼いていった。

 

「やっぱ殺す気で来るよね!?」

 

(深雪ちゃんのこの慌てよう…そんなにヤバイ奴なのあの子?)

 

幽玄魔眼を知らない姫乃は、深雪の反応で察する。

 

そんな二人は運命に見放されていたーーー

 

 

「ッ!マズイ!!」

 

深雪が急に止まる。

 

「深雪ちゃん?」

 

「……嘘だろ…」

 

深雪は戦慄した。

 

何故なら逃げた先に、Dr.ガイストが放った穢土転生であるレイラ・プリズムリバーと生前幽々子がいたからだ。

 

「なるほど…貴女達を捕らえる為に呼び出されたのね」

 

「狐かな?貴女はなんか私達に似てる様な…」

 

「幽々子さん?何で幽々子さんが此処に?」

 

「?…何処かで会った事あったかしら?」

 

生前幽々子は姫乃が自分を呼んだ事に、首を傾げた

 

「ッ危ない!!」

 

「ッ」

 

ドンッ

 

深雪が姫乃を押し出すと、先程まで自分達が居た場所にレーザーが放たれ深雪の上半身とその射線上に居たレイラの左半身が消し飛ばされる。

 

「レイラちゃん」

 

「……どうやら左半身が消し飛んでも死ねないみたい…」

 

姫乃を庇った深雪と巻き添えを喰らったレイラの身体はみるみる再生していった。

 

「穢土転生で助かった…」

 

上半身が戻った深雪は呟いた。

 

そんな彼女達の所に、幽玄魔眼が追い付いた。

 

「………」

 

「あら?…貴女は」

 

生前幽々子は幽玄魔眼を見て呟く。

 

「深雪ちゃん…これ…」

 

「…最悪だ…幽玄魔眼だけでも厄介なのに……」

 

「………」

 

幽玄魔眼は無言のまま、5つの魔眼を自身の周りに浮遊させる。

 

「貴女方に恨みはありません…ですがどうしようも無いのも事実…」

 

左半身が戻ったレイラは、自身の左腕に触れる。

 

するとレイラの左腕がラッパの様な形に変化した。

 

「私が触れた物は何であれ楽器になる…そして音は時に建物をも破壊する武器になる…」

 

レイラはラッパになった左腕を深雪達に向け、左指をラッパの端に見立て加える。

 

「出来るならこんな事したく無いのだけれど…」

 

生前幽々子は自身の周りに死霊を召喚する。

 

「……腹を括ろうか姫乃ちゃん」

 

「…そうだね」

 

深雪は爪を伸ばし、姫乃は黒いアタッシュケースの様な物を何処からとも無く取り出す。

 

「幽々子さん達は私がなんとかする…姫乃ちゃんは申し訳無いけど幽玄魔眼をお願い出来る?」

 

「うん…任せて…行くよ、パンドラ!」

 

二人は互いに背中を預け、走り出した。

 

「やぁぁぁ!!」

 

姫乃は黒いアタッシュケース・パンドラを幽玄魔眼に振り下ろす。

 

「……」

 

ドスンッ

 

幽玄魔眼が避けると、彼女の立っていた場所が抉れる。

 

「……」

 

幽玄魔眼は5つの魔眼からレーザーを放つ。

 

「パンドラ!!」

 

姫乃の呼び掛けに、パンドラは形を変え巨大な手裏剣の姿になった。

 

「ウゥゥッ!」

 

手裏剣になったパンドラでレーザーを受け止める。

 

「やぁぁ!」

 

レーザーを打ち消し、パンドラを投げる。

 

「……」

 

幽玄魔眼に向かって投げられたパンドラを、1つの魔眼でガードする。

 

そして残った4つの魔眼から再びレーザーを放つ。

 

「ッ!」

 

姫乃はレーザーが放たれた瞬間に走り出した。

 

 

「えっ!?姫乃ちゃん!?」

 

その一部始終を見ていた深雪は思わず叫んだ。

 

「余所見とは余裕ですね」

 

プップクプー

 

レイラが左腕のラッパを吹くと、振動波が放たれる。

 

「危なッ!」

 

深雪はそれを躱した。

 

 

幽玄魔眼のレーザーに直撃した姫乃だがーー

 

「……」

 

ボフンッ

 

爆煙の中から無傷の姫乃が飛び出す。

 

「パンドラ!!」

 

魔眼の1つに刺さったパンドラが、姫乃の呼び掛けに応えアタッシュケースの姿で戻ってきた。

 

「…ッ」

 

「たぁぁぁぁぁ!!」

 

ドンッ

 

姫乃はアタッシュケースとなったパンドラで、幽玄魔眼の顎を下から殴り飛ばした。

 

 

「そう言えば姫乃ちゃん…能力で攻撃を受け付けないんだっけ…私庇わなくても良かった的な?」

 

「なるほど…あの子結構やるわね」

 

生前幽々子は死霊を操りながら感心した。

 

 

「………」

 

幽玄魔眼はよろけたが、立て直す。

 

ピチャッ

 

「………」

 

幽玄魔眼の口元から紅い滴が垂れる。

 

「……………ッ!!!」

 

それを見た幽玄魔眼の目が更に赤く光る。

 

彼女を中心に5つの魔眼が集まり、黄色い稲妻の様なオーラを纏い出す。

 

 

「ッ!やばい!幽玄魔眼の奴()()()!気を付けて姫乃ちゃん!!」

 

 

「分かってる!」

 

姫乃はパンドラを構える。

 

「ッ!!!!!」

 

喋らないが、その表情は完全にキレていた幽玄魔眼ーーー

 

幽玄魔眼は懐からある物を取り出した。

 

 

「ッ!?はぁ!?嘘でしょ?何で幽玄魔眼に持たせてるかなぁ!?」

 

深雪が叫ぶ。

 

「あれは……小箱?」

 

「……とてつもない力を感じるわね〜」

 

レイラと生前幽々子も幽玄魔眼が持つ物を見て反応する。

 

 

「…それは…ガイアメモリ」

 

姫乃は幽玄魔眼がガイアメモリを取り出した事で更に警戒した。

 

「………ッ」

 

 

ドクンッ

 

姫乃は本能的に一歩下がった。

 

無言で姫乃を睨みつける幽玄魔眼を見てある感情を感じ取った。

 

 

 

 

かそりに洗脳された幽玄魔眼だが、それ以上にただの人間である姫乃に一太刀いれられた事に対して抱いた感情に支配された。

 

 

「……………」

 

 

ユルサンゾ ニンゲン

 

 

「ッ」ゾクッ

 

無言の幽玄魔眼がまるでそう言っているかの様に姫乃を睨みつけ、姫乃は背筋がゾクッとした。

 

 

【EYES!】

 

 

幽玄魔眼はメモリを起動すると、自身の首に挿し込んだ

 

すると幽玄魔眼の身体が陽炎の様な物に覆われ、姿を変える。

 

幽玄魔眼は眼の記憶の怪物(超人)、アイズ・ドーパントに変身した。

 

「…………」

 

アイズ・ドーパントになっても無言だったが、幽玄魔眼だった頃と同じく5つの魔眼がアイズ・ドーパントの周りを浮遊し続ける。

 

「ドーパント…倒せるか分からないけど…此処でやられる訳にはいかない!!」

 

パンドラを構える姫乃。

 

「…………ッ!」

 

アイズ・ドーパントが5つの魔眼を引き連れ走り出す。

 

「もう少し力を貸して、パンドラ!!」

 

パンドラは姫乃の呼び掛けに応え、再び手裏剣の形になる。

 

 

 

 

ーー人里ーー

 

「ガァァァァァァァ!!」

 

「フッ!」

 

ティーレックス・ドーパントの咆哮を回括りながらフィスト・ドーパントが近づく。

 

「ッ!?」

 

「遅い!」

 

ドスンッ!

 

そのままティーレックス・ドーパントの大きな顔に正拳突きを放つ。

 

「ガハッ!?」

 

「来雪さん!」

 

ティーレックス・ドーパントを庇いつつ突風を起こしフィスト・ドーパントを吹き飛ばす文。

 

「クッ…流石は烏天狗…厄介ですね」

 

「あややや…私の風を受けてもその程度のダメージですか…やはりドーパントと言うのは興味深い存在ですね」

 

「文だけじゃねぇけどな!!」

 

フィスト・ドーパントの背後から凱が斬り掛かる。

 

「フッ」

 

フィスト・ドーパントはその場で軽く身体を捻ると、斬り掛かって来た凱の腕を掴む。

 

「なっ!?」

 

「ハァッ!」

 

そのままフィスト・ドーパントは凱を背負い投げの要領で投げ飛ばす。

 

「おわっ!?クソッ!」

 

凱は投げ飛ばされたが、受け身を取り体勢を立て直した。

 

「こいつ…結構強いな…そんじょそこらのドーパントとは違うぜ」

 

「メモリが適応してるのか…それとも変身者自身のポテンシャルなのか…どちらにしても強敵です」

 

「そうですね~……これは私も()()で行かないといけませんかねぇ」

 

文が少し真面目な顔になった。

 

「やめとけよ文…お前が本気だしたらここら一帯更地だろうが…」

 

「あやや…そう言えば私を知ってるんでしたね…まるで私の本気を見たみたいな言い方ですね?」

 

「こっちの世界にも居るんだよお前が…まぁ本気を見たことは無いが、本気じゃなくても強いんだ…本気だしたら被害は尋常じゃないだろうよ」

 

「凱さん…確かに文さんが本気だしたら他の人にも被害がいくかも…」

 

「来雪さんも酷いですねぇ〜」

 

文は笑いながら言った。

 

「ですが…どうしたものですかねぇ」

 

「…何の相談をしてるか知らんが……来ないならこちらから行くぞ?」

 

フィスト・ドーパントはまた構える。

 

「来るぞッ」

 

『ッ!』

 

3人が構えたーーー

 

その時だったーーー

 

 

「おいおいさっきから煩いぞ?何の騒ぎだこれは?」

 

騒ぎを聞き付けた一人の女性が現れた。

 

だがその女性は人間ではなかったーー

 

紅白の和装の女性だが、特徴的なのは額に生えた赤い角に脚が靄のようになっており無かった。

 

「あややや?随分懐かしい人が出てきましたね?」

 

「ん?何だ妖怪の山の烏天狗か…久しいな、で?妖怪の山の天狗が何故人里に居るんだ?」

 

「いやいやそれはこっちの台詞ですよ()()()さん?…貴女地獄に居たはずじゃ?」

 

「好きでこんな所に来たわけじゃない…()()()()の奴が幽玄魔眼が居なくなったから探すの手伝えとか抜かしやがってよ…仕方なくだ…」

 

その女性は嘗て霊夢と地獄で激闘を繰り広げた人物ーーー

 

 

星の騎士

矜羯羅(こんがら)

『☆€#・^@程度の能力』

 

 

「んで?何だその奇っ怪な妖怪は?知らない内に新たな妖怪でも生まれたか?」

 

「貴女以上に奇っ怪な妖怪居ないでしょ?」

 

「……強いですね貴女…」

 

フィスト・ドーパントは矜羯羅を見るや否や呟いた。

 

「ほ〜う…何だ分かるか?…これでもそれなりに力を持っていると自負はしているが…」

 

矜羯羅は盃の酒を飲みながら答える。

 

「おい文…誰だあれ?」

 

「あやや?私を知ってるのに彼女を知らないんですね?…彼女は矜羯羅さん…霊夢さんがまだ飛ぶことも出来なかった頃に対峙した地獄の妖怪?です…正直私もそこまで詳しくは無いのですが元は人間だったって話もありますね」

 

「矜羯羅さん…なんだろう…凄い圧を感じるよ」

 

ティーレックス・ドーパントは矜羯羅の底しれない力を感じていた。

 

「んで?そこの妖怪…どうだ?やるか?」

 

矜羯羅はフィスト・ドーパントを見つめながら刀に手を掛ける。

 

「………やめておきましょう…今貴女とやり合うのは得策では無さそうだ…貴女方との決着もいずれ…」

 

フィスト・ドーパントはティーレックス・ドーパント達を見ながら言うと、その場から跳んで姿を消した。

 

「何だつまらん…じゃあお前がやるか?」

 

矜羯羅は今度はティーレックス・ドーパントを見て言った。

 

「えっ?いやいやいや!やりませんよ!第一私妖怪じゃないですし!」

 

ティーレックス・ドーパントは慌てて変身を解いた。

 

「ん?何だ奇っ怪な妖怪かと思えば人間か…はぁつまらん」

 

矜羯羅は刀から手を離す。

 

「あややや…正直矜羯羅さんが通り掛かってくれて助かりましたよ」

 

文は団扇をしまいながら言った。

 

「ふん…何ならお前が相手してくれてもーーー」

 

「冗談じゃ無いですよ貴女相手にしてたら疲れるじゃないですか!」

 

「何故誰も私と遊んでくれんのだ?」

 

「貴女の遊びは遊びじゃないですからね!」

 

矜羯羅は文のツッコミを受けて少しだけ悲しくなる。

 

「終わったならオレは行かせて貰うぜ?早く姫乃を見つけなきゃいけねぇからな」

 

「あっ凱さん!良かったらその姫乃さん?の捜索手伝いますよ!」

 

「いやこれ以上お前らに迷惑掛けらんねぇよ」

 

「迷惑だなんてそんな!人間助け合うのが当たり前でしょ?文さんも矜羯羅さんも良かったら手伝って貰っても良いですか?」

 

「あや?仕方ないですね…来雪さんの頼みですし断れませんよ」

 

「何で私が…いやそうだな…条件としてこっちの用件も手伝え…それであいこにしてやる」

 

文は微笑みながら承諾し、矜羯羅は条件付きで飲んだ。

 

「幽玄魔眼さん?でしたっけ?分かりました!てことで凱さん!私達を頼って下さい!」

 

「……フッ…お人好しだなお前」

 

「そうかな?」

 

「あぁ…超が付くほどお人好しだぜ?正直助かる…改めてだが…五十嵐凱だ…よろしく頼む」

 

凱は来雪に握手を求めた。

 

「えへへ…園田来雪です!よろしくね凱さん」

 

二人は握手を交わした。

 

 

 

 

 

 




はいという事で今回は新キャラとして神谷主水さんの碇溜五郎が登場しました。

神谷主水さんありがとうございます!

碇溜五郎の設定にプラスして本作の幻想入り編【Fの脅威/来雪のやるべき事】で登場させたフリート・ドーパントの変身者を兼任させました。

送って下さった際に「来雪に恨みがある」という説明文だったので、この際だから過去の話と繋げようと考えこの設定にしました。

神谷主水さん、勝手に申し訳ありません!

さて今回オリキャラは碇溜五郎だけですが、どんどん旧作キャラ出していきました!

先ずは〝裏〟幻想郷の関係者として東方project3作目【東方夢時空】より岡崎夢美,朝倉理香子,北白河ちゆりが登場。

正直魅魔と後々登場させる神綺以外出す予定無かったのですが、〝裏〟幻想郷を造ったキャラとして岡崎夢美の科学力なら〝裏〟風都を再現出来るかなと勝手に解釈し程度の能力として組み込みました。

尚、この3人の程度の能力につきましてはとある方に依頼して考えて貰いました。

この場で御礼を申し上げますご協力ありがとうございます!!

北白河ちゆりにゾーンメモリを持たせたのは、空間移動が出来る能力を持ってるならゾーンメモリの力も引き出せるかなと考えゾーンメモリを持たせました。

勿論、岡崎夢美にもメモリは後々持たせる予定なのですが…如何せんメモリ決まっておらずなので後々考えますーー

朝倉理香子のメモリですが、メモリ募集の方に恐らく朝倉理香子のことであろうキャラがありましたのでそちらに合わせたいと思います。

次に姫乃や深雪の前に立ちはだかる東方project1作目【東方靈異伝】より幽玄魔眼ことYuugenMaganが登場。

かそりの能力『洗脳する程度の能力』の力を見せる為に誰が良いかなと模索し、「どうせなら旧作から出したいな」と考え幽玄魔眼を選びました。

最初は神玉ことSinGyokuにしようと思ったのですが、3つの姿を持ってる神玉をどうやって操るかなと思い次のボスである幽玄魔眼にしました。

アイズメモリも幽玄魔眼にぴったりだなと思い付けました。

幽玄魔眼の性格につきましては完全に私の妄想ですのでご了承下さい。

そして最後は来雪達の前に現れた助っ人?として幽玄魔眼と同じ【東方靈異伝】より矜羯羅ことKonngaraが登場。

矜羯羅の性格も私の妄想ですのでご了承下さい。

ただ一人称が私なのは正直違和感があるんだよなぁ…誰か矜羯羅に合う一人称を教えて下さい!!

矜羯羅の能力が文字化けしてる理由ですが……現時点で決まって無いので不明扱いにさせて貰ってます。

いずれ能力は提示されますので、その時までお待ちをば!

尚、今作の矜羯羅は女性にさせてもらってます。

原作だと性別不明なので、イラストとかでも女性で描かれるのが多いみたいなので女性になりました。

矜羯羅にメモリいるかな?

さて次回ですが、ようやくや…コラボ先のフォーウルムさんようやくです!

凱と姫乃の再会と来雪達との別れ…つまりコラボ回終了させたいと考えてます。

今年中には終わらせたい…そして萃夢想編に行かなければ…

次回もお楽しみに!!

それでは!
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