東方魔箱録 〜メモリの使役者〜 作:マイスイートザナディウム
現在来雪が使えるメモリはこちら!
PLANT,FLEET,T-REX,ICEAGE,WISDOM,DRACULA,ZOO,ENIGMA,FIRE EXTINGUISHER,HEAT
はいどうもマイスイートザナディウムです!
今年最後の投稿…と言ってももう後数時間なのですが…間に合って良かった…
11000字…多分前回より長いよなぁ
今回でフォーウルムさんとのコラボ回は終了になります。
フォーウルムさん、おまたせしました…
それではどうぞ!!
霧の湖付近にて、来雪を狙うタバリー・ヤマキマーー
だが化物染みた力を持った者が勢揃いしている紅魔館、それも悪魔の妹と瀟洒なメイド長相手には刃が立たなかった。
「クソクソクソォォォォォォォォ!!」
乱雑に火球を飛ばすマグマ・ドーパントだが、二人には一つも当たらなかった。
「……来雪お姉さんが持ってたメモリのドーパントだから警戒してたんだけど…使い手が違うとこうも違うんだね…」
「恐れながら妹様、来雪とあの男は比較対象にすらなりません…考えるだけ無駄かと」
「どいつもこいつも来雪来雪来雪!?なんなんだよ!!」
〝裏〟幻想郷では下っ端のタバリーは、幹部達が来雪の話題を話す姿が面白くなかったーーー
「幹部共は何故あんな小娘を気に掛ける!?あんな何も出来ない小娘を!?」
「……私の前で来雪お姉さんの悪口…」
フランは静かに手をマグマ・ドーパントに向けて掲げた。
「妹様ーー」
「分かってる…右腕は殺らないよ…メモリが壊れちゃうからね…キュッとして……」
フランは静かに手を握り締めた。
「ドッカーン」
グチャァァァ
「……はっ?」
マグマ・ドーパントの左腕が、肉片となり吹き飛んだ。
「ギィヤァァァァァアァァァァァァァア!!??」
マグマ・ドーパントは左腕が飛散した事に発狂する。
そして右腕からメモリが摘出された。
「腕がァァァァ!?オレの腕がァァァァ!?」
「咲夜…」
「既に回収済みです」
フランの命令よりも前に、咲夜は時間を止めマグマメモリを回収していた。
「さてと…後はあれの後始末だね」
「お嬢様や妹様の夜食に致しますか?」
「えぇ嫌だよ…美味しくなさそうだし…お姉様の夜食に回して」
「承知しました」
フランと咲夜の異常な会話ーー
だが紅魔館にとっては日常的な会話だったーー
人間である咲夜や来雪が住んでいる紅魔館だが、レミリアをはじめとする住人(パチュリーやこあは除く)は人を喰らう妖怪ーー
当然目の前に居るタバリーも餌である事に変わりないーーー
「イデェェェェ…イデェよぉぉ」
咲夜がタバリーを回収しようとしたその時だったーーー
シュンッ
「イデェ……よ?」
タバリーの頭が、何者かによって切り離された。
「ッ!?」
「妹様!」
タバリーの頭が落ちた事により、咲夜はフランの前に立ち辺りを警戒した。
(私が見えなかった?…一体何処から…)
フランは自身が見えなかった攻撃に警戒しつつ辺りを見渡す。
「………そこッ!!」
咲夜が茂みの方にナイフを投げる。
キンッ
茂みから金属音が聞こえると、中からドーパントが現れる。
全身黒い怪獣のような姿ーーー
巨大なナイフの角ーー
胴は五つのナイフーー
両肩には2枚ずつ丸ノコーー
腕には50センチのブレードーー
手には三本のクローーー
足は三本の刃の爪ーー
背中は前に反り返ったブレードが5枚ーー
尻尾はノコギリ状の刃が並んでおり、先には3枚の刃が付いた全身凶器の姿をしていた。
「クフフフフフ…」
「なんともまぁ…物騒な姿のドーパントが居たものね」
フランは咲夜の前に立った。
「妹様!ここは私がーー」
「駄目よ咲夜…アイツかなり強いわ…人間の咲夜が出るより私が出たほうが安全なのよ」
「ッ…承知しました…」
咲夜はフランに気を使わせてしまった事に恥じたーー
「メモリは回収出来なかったかぁ…困ったなぁ…〝あの方〟に怒られちまう…」
「あの方?…あの男を始末した辺り…〝裏〟幻想郷の刺客かしら?」
「半分正解だなぁ…確かにそこの奴は〝裏〟幻想郷の下っ端だがぁ…オレの雇い主は〝裏〟幻想郷に身を置いているだけで〝裏〟幻想郷の者じゃねぇしなぁ…メモリを回収する命令を受けたんだが相手が悪すぎる…スカーレットデビルの妹相手に特攻出来るほど
「エッジ…切っ先の記憶のメモリね…通りでそんな凶悪な姿な訳ね…」
フランはレーヴァテインを取り出す。
「おいおいオレはお前らと殺る気はねぇよ?さっきも言ったが分が悪すぎるしなぁ…その男を斬り殺せただけで満足なんだよなぁオレ」
「逃がすと思ってる?…来雪お姉さんの為にそのメモリも回収しなきゃだしね」
「妹様…」
「咲夜は動かないで…あのメモリの能力が分からない以上…人間の咲夜を向かわせるのは危険すぎる」
「………」
「部下想いだねぇ…オレの雇い主もそうだと良いんだが…なぁ!!!」
エッジ・ドーパントは肩と胴の刃をフランに向けて飛ばした。
「ッ!!」
キンキンッ
飛ばされた刃をレーヴァテインで弾くーー
「そんじゃ…ここらで帰らせて貰うぜ…あばよ!」
エッジ・ドーパントは身体を丸くし球状になる。
「ッ!待ちなさい!」
「待てと言われて待つ奴が居るかぁ?」
ドスンッ
エッジ・ドーパントは森の中に跳んだ。
「私が後をーーー」
咲夜が能力を発動しようとした時ーー
「駄目よ咲夜」
フランと咲夜の後ろにレミリアが降りてきた。
「お嬢様」
「お姉様…ごめんなさい…私が居ながらアイツを取り逃して…」
「良いのよフラン…貴女達が無事ならそれで良い…咲夜、メモリを持ってても貴女じゃ分が悪い…メモリを1本回収出来ただけでも上々よ…深追いは駄目よ」
「……はい」
咲夜は悔しそうに拳を握った。
「…そうね…咲夜、貴女にお願いがあるのよ…人里に出掛けた来雪の帰りが遅いから様子を見て来て貰えないかしら?」
「…承知しました…」
シュン
咲夜は能力を使い、その場から消えた。
「お姉様…私咲夜に辺り強かったかな…」
「そんな事無いわ…咲夜も分かってるわよ…貴女が咲夜の事を思って言った事だって」
「…そうだと良いな…」
「……」
レミリアは人里の方向を見るーー
(異世界からの来訪者…どういう者なのかは分からないけど…彼等が今後この幻想郷にどんな影響を及ぼすのか…)
レミリアは能力で見た運命を考えつつ、フランと共に紅魔館に帰った。
「ほらほらどうしたこんなもんかぁ!?」
アキュムレーション・ドーパントが管から弾幕をは飛ばしながら叫ぶ。
「クソ…好き放題やりやがって!」
魔理沙は愚痴りながら弾幕を避ける。
「厄介ね…私達の攻撃をこうも簡単に吸収されちゃうなんて…」
「ハハハハハこりゃ良いぜ!このメモリを下さった〝あの方〟に感謝しなけりゃなぁ!!」
(どうする…アクセルで畳み掛ける?いやそんな暇も与えてくれそうに無いし…)
霊夢は思考しながら弾幕を避ける。
「どうすんだよ霊夢!このままじゃジリ貧だぜ!?」
「うるさいわね分かってるわよ!今考えてるのよ!」
「ハハハハハ無駄だ無駄ァァァァ!!」
アキュムレーション・ドーパントは溜めたエネルギーを放出する為に管を霊夢と魔理沙に向ける。
「このまま消え失せろ!!」
「ヤバいぜ!」
「ッ」
その時だったーーー
「フッ!」
ザンッ
「オォッ!?」
エネルギーを溜めた管を1人の男が斬りつけた。
管は斬り裂かれ、エネルギーが空気中に散った。
「何だ?」
「?」
「ふぅ…よぉ霊夢、魔理沙!無事か?」
それは先程まで来雪達と一緒に居た凱だった。
「あ、あぁ…助かったぜ」
「ていうか…誰よ貴方」
「あっ?…あぁそうだった…ここオレが居た幻想郷じゃなかったんだ…」
凱は頬を掻く。
「霊夢!魔理沙さん!」
そこに来雪達が駆け付ける。
「来雪!それに文か」
「魔理沙さんその反応酷くないですか!?」
「ッ!?何であんたが此処に居るのよ矜羯羅」
「フッ…久しいな博麗霊夢…見ない内に随分と見違えたではないか…」
霊夢は嘗て地獄で戦った矜羯羅を見て驚愕した。
「??霊夢、知り合いか?」
「まぁ…あんたと出会う前に戦った奴よ」
魔理沙は矜羯羅を見て、霊夢に尋ねる。
「クソがぁ邪魔しやがって!!」
アキュムレーション・ドーパントは怒り心頭で叫ぶ。
「話は後だな…先ずはあの木偶の坊どうにかしねえとな」
凱はリベリオンを構えながら言った。
「気をつけなさい…アイツに弾幕は効かない…全部吸収されちゃうから」
霊夢は御札を構えながら言った。
「吸収ね…見た所あの腹のタンクだよな…しゃあ分かった…霊夢!魔理沙!文!矜羯羅!来雪!ありったけの弾幕をアイツにお見舞いしてやれ!」
「はぁっ!?さっきの話聞いてたか!?吸収されて終わりなんだって!」
「ていうか何であんたが指揮してんのよ!誰よ貴方!」
「あややや、私もですか」
「………なるほどな…闘いの素人って訳では無さそうだ」
「分かりました!」
凱の指揮の意図に文,矜羯羅,来雪は理解していがた。
「しゃあ頼んだぜお前ら!!」
凱はそのままアキュムレーション・ドーパントに向けて走り出す。
「ちょっと!」
「博麗霊夢、今はあの男の言う事を聞け」
矜羯羅は刀の切っ先にエネルギーを溜めながら言った。
「あややや、仕方ありませんね」
文も団扇を構える。
「霊夢!魔理沙さん!今は凱さんの指示に従って下さい!」
来雪はヒート・ドーパントに変身し、火球を作り出した。
「しゃあねぇ…来雪が言ってんだ…私らも続くぜ霊夢」
ミニ八卦炉を構えながら魔理沙は霊夢を説得する。
「……あぁもうしょうがないわね!」
霊夢も投げ遣りに従った。
「何しようが無駄だっての!!」
「お前ら!!」
凱が指示を出した。
「夢想封印!!」
「マスタースパーク!!」
「ハァッ!!」
「風神一扇!!」
「星幽天斬!!」
5人はそれぞれの技をアキュムレーション・ドーパントに放った。
「ハン!何かと思えば」
アキュムレーション・ドーパントは管を使い5人の技を吸収する。
「オレにエネルギーを与えるだけだといい加減理解しーー」
「それが目的なんだよ!!」
凱はリベリオンを投げ付ける。
ガキンッ
リベリオンはアキュムレーション・ドーパントのタンクに突き刺さった。
「なっ!?」
「エネルギーを吸収する能力、ならエネルギーが溜まったタンクを物理的に殴れば!」
凱は突き刺さったリベリオンの持ち手に蹴りを入れ、更に突き刺す。
「膨大に溜まったエネルギーはどうなっちまうんだろうな?」
アキュムレーション・ドーパントのタンクから膨大なエネルギーが溢れ始める。
「何ッ!?」
「霊夢結界張れぇぇ!!」
「ッ!ハッ!」
凱がその場を離れながら叫ぶと、霊夢はアキュムレーション・ドーパントの周りに結界を張った。
「バカな!こんなぁ!?ギィヤァァァァァァァァァ!!!」
チュドォォォォン!!
膨張したエネルギーに耐えきれなくなり、アキュムレーション・ドーパントは大爆発を起こした。
結界で覆われたと言えど大爆発した衝撃は抑えきれておらず、一瞬だけ強風が吹き荒れた。
「うわっ!」
変身を解いた来雪は強風で尻餅をついた。
「フッ…中々面白い事考えたな…」
矜羯羅は笑みを浮かべながら呟いた。
「流石霊夢だな、結界を張ってくれて助かったぜ」
「助かったぜ…じゃないわよ!!危うく人里が更地になる勢いの爆発じゃない!!」
霊夢は凱の胸倉を掴みながら叫ぶ。
「いやぁ5人の弾幕が思ったより強大だったみたいだ、アハハハハ」
「笑い事じゃないわよ!!」
「まぁまぁ落ち着けよ霊夢」
「そうです、被害も最小限に済んだんですから良いじゃないですか」
怒り心頭の霊夢を魔理沙と文が止めに入った。
「ハァ…分かったわよ……んで?さっきから聞いてるけど誰よあんたは」
「あぁそうだったな」
凱は霊夢と魔理沙に説明した。
「別の幻想郷から…ね」
「にわかには信じられねぇが…私や霊夢だけじゃなく文の手の内まで知ってんなら嘘じゃねぇか…」
「理解が速くて助かるぜ」
凱は腕を組みながら言った。
「……で?何であんたが此処に居るのよ矜羯羅…地獄の番人のあんたが人里に居るなんて…」
「文句ならサリエルの奴に言え…幽玄魔眼の奴が居ないから探せと奴に無理矢理連れ出されたんだ…私も迷惑してるんだ…」
「幽玄魔眼?…アイツまで此処に来てるの?」
「知らん」
「…グッ…クソ…」
アキュムレーション・ドーパントが爆発した場所に大火傷を負った溜五郎が倒れていた。
「さて…これは回収させて貰うぜ?」
凱は溜五郎の近くに落ちてたアキュムレーションメモリを拾い上げる。
「クソがぁ…お前さえ来なけりゃ上手くいってたんだ…余計な真似しやがってぇ…」
「そりゃ運が悪かったな」
溜五郎は辺りを見回したーーー
「!」
溜五郎は何かを見つけ、大火傷の体で走り出す。
「ッ!テメェ!」
「動くんじゃねぇ!!」
溜五郎が見つけたのは10代前半の少女だった。
溜五郎はナイフを取り出し、少女を人質に取った。
「あんた…」
「最低だなお前…」
霊夢と魔理沙は溜五郎を睨みつける。
『ッ!!!!』
そんな二人を尻目に、文と矜羯羅は引き攣った顔をした。
「この餓鬼の命が惜しけりゃそれ以上近づくんじゃねぇ!!」
溜五郎は少女の首筋にナイフを翳す。
「卑怯な…」
「外道が…」
来雪と凱は呟いた。
そんな時、文と矜羯羅だけ様子がおかしかった。
「……おい人間…そいつを離せ」
「はぁ?聞こえなかったか!?この餓鬼の命が惜しけりゃーー」
「何バカな事言ってるんですか!!命の危険にさらされてるのは
「はぁ?」
ブチュッ
「………は?」
溜五郎が少女を見ると、少女は
そしてその左腕はーーー
少女を掴んでいた溜五郎の左腕だった。
「ッ!!!!!!!ぎゃあああァァァァ!!」
『ッ!!!?』
「ふむふむ…この味…キミ随分怯えてたみたいだね…恐怖に染まった血肉程美味な物はないからね」
「腕がァァァァ!!」
「今日のおやつはキミで決まりだね」
シュンッ
「腕…が…ーーー」
少女が右手を横にスライドすると、溜五郎の頭が落ちた。
「ひっ」
「警告はしたからな…」
「だから言ったのに…」
来雪は目の前で人の頭が転がった事に恐怖し、矜羯羅と文は溜息を付いた。
「ちょっとあんた!」
霊夢が少女に詰め寄る。
「妖怪よね?人里での捕食行為はーーー」
「駄目です霊夢さん!!」
文がとんでもないスピードで霊夢を掴み少女から離れる。
(ッ!?おいおい今の文の動き…見えなかったぜ…まさか本気出したのか!?あの文が!?)
魔理沙は文の行動に驚愕した。
「何するのよ文!」
「貴女こそ何してるんですか!
「天狗の言う通りだぞ博麗霊夢…あいつ相手に命知らずな…」
矜羯羅は冷や汗を掻きながら言った。
「さてと…」
少女はお構い無しに溜五郎の死体を暗黒で包み込む。
すると、溜五郎の死体は跡形も無く消えた。
「おやつも確保出来たし……暇だしちょっとお話しようかな」
「……」
凱は戻ってきたリベリオンを構える。
「やめた方が身のためだぜ異世界人君?キミじゃボクに勝てないよ?」
「そんなのやってみなきゃーー」
「やめとけ…そいつの言う通りだ…この場で奴と渡り合える奴は居ない」
矜羯羅は凱のリベリオンを掴み下げさせる。
「やぁ矜羯羅…久しぶりだね…何百年振りかな?」
「さぁな…にしてもお前が起きているなんて珍しい事もあるものだな…久しいな…
その少女の正体は、現在存命している幻想郷の賢者の1人ーーー
『闇黒を支配する程度の能力』
「日歪?…誰だ?」
「……なるほどね…紫が
「紫も酷い事言うねぇ…まぁボクとしてもキミに関わるとは思ってなかったけどね」
日歪は血で汚れた口元を拭いながら呟いた。
「初めまして現博麗の巫女…知っての通りボクは幻想郷の賢者の1人…空亡日歪…幻想郷の闇を担う者だよ…まぁ…また会えるかどうかは紫や
日歪はそう言うと、自身を暗黒に包み込み始める。
「バイバイ博麗の巫女…機会があればまた会おうね」
日歪はその場から消えた。
「……空亡日歪…ハァ…面倒なのと関わっちゃった…」
霊夢は頭を掻きながら言った。
「さてと…それじゃ行きましょうか」
「行くって…何処にだ?」
魔理沙は疑問に思い霊夢に聞く。
「何処って…そこの男の探し人を探すんでしょ?さっさと済ませちゃいましょ」
「…良いのか?」
凱は意外そうに聞いた。
「来雪があんたを手伝うって決めたんでしょ?なら私も手伝うわよ…でも勘違いしないでよね、あんたを信用してる訳じゃない…来雪が信用してるから…私もあんたに協力するだけよ」
「霊夢…ありがとう!」
霊夢の言葉を聞いた来雪が霊夢に抱き着いた。
「ちょっ来雪!みんな見てるから!今は止めなさいよ!!」
「
凱がニヤニヤしながら霊夢を誂う。
「ッ〜〜!!あんたねぇ!!」
「しゃあねぇ…そんじゃ行くか!」
魔理沙が言ったその時だったーーー
「その必要は無いぜお嬢さん方?」
「は?」
そこに十一代目博麗の巫女/博麗霊夢米亜理が来た。
「十一代目?その必要が無いってーーー」
霊夢が問おうとした時ーーー
「凱君!!」
米亜理の後ろから姫乃が走ってきた。
「ッ!姫乃!!」
凱は走ってきた姫乃を抱き締めた。
「このやろう心配掛けやがって!」
「心配したのはこっちだよぉ!」
「その人が凱さんの言ってた?」
「あぁ!」
来雪が聞くと、凱は嬉しそうに言った。
「十一代目…あんたどうやって見つけたのよ?」
「いやぁ大変だったよ〜…それがさぁ…」
「えっと…ここら辺だよね〜」
岡崎夢美に逃げられた米亜理は、人里に離れた森の中を彷徨っていた。
「う〜ん……あっここだ」
米亜理はとある場所で止まった。
米亜理が見た場所には何も無く、何の変哲もない森が続いていた。
「ビンゴ…思った通り
米亜理は歪みを
「伊達に色んな世界転々としてないからね!この米亜理様に掛かればこんなものよ!!」
米亜理は掴んだ歪みをそのまま引き裂いた。
すると、引き裂かれた歪みの中にとある場所が広がっていた。
「さて…この先かな」
米亜理は歪みの中に入っていった。
「ッ!!」
アイズ・ドーパントは操る魔眼から光弾を放つ。
「パンドラ!!」
光弾をパンドラで弾きながらアイズ・ドーパントへと走る姫乃だがーーー
「ッ!」
アイズ・ドーパントの1つの魔眼から放たれた光弾に被弾する。
「これくらい…?」
姫乃は疑問に思ったーーー
(何で私怯んでるの?…能力で私に対する危害は無力化される筈なのに?)
「……」
隙をついてアイズ・ドーパントは魔眼から光弾を放ち続ける。
「ッ!きゃあ!?」
光弾が被弾し、姫乃は吹き飛んだ。
「姫乃ちゃん!」
ズバッ
「ッ!」
深雪の体が引き裂かれた。
「余所見は禁物ですよ」
それはレイラの能力で弦に変化した髪の毛で放たれた斬撃だった。
「きりが無いわね…私達3人とも死にたくても死ねないのだから」
生前幽々子が悲しそうに呟く。
「うっ…どうして?何で私ダメージを負ってるの?」
「成功したみたいだな」
アイズ・ドーパントの背後にかそりが現れる。
「神斬かそり…」
「教えてやろうか?これが幽玄魔眼の能力…魔眼を操る程度の能力の力さね…幽玄魔眼の魔眼は複数の魔眼の力を行使出来る魔眼でな?行使出来る魔眼の1つに
(最悪だ…幽玄魔眼にそんな能力があるなんて聞いてないよ)
深雪は再生していく中考えた。
「幽玄魔眼…トドメを刺せ」
「………」
アイズ・ドーパントはかそりの命令で姫乃に迫る。
(再生が間に合わない!)
「くっ…」
姫乃はパンドラを構えながら下がる。
その時ーーー
「お嬢さん伏せて!」
「ッ!」
姫乃は言われた通り伏せた。
するとアイズ・ドーパントが火花を上げながら下がった。
「へ?」
かそりが腑抜けた声で呟いた。
「漸く見つけたよ〜」
そこにアサルトライフルを構えた米亜理が現れた。
「ッ!十一代目博麗の巫女!?何でテメェが此処にいやがる!?」
かそりが怒鳴る。
「十一代目…博麗の巫女?」
姫乃は米亜理を見つめた。
「再生終わったぁ!おりゃあ!」
「グッ」
深雪はレイラの腹部を蹴り飛ばし、姫乃の元に駆け寄る。
「大丈夫姫乃ちゃん!?」
「う、うん」
「ありゃ?穢土転生?何でその子と一緒に?」
米亜理は深雪を見ながら言った。
「あぁ私はその…えっと…うち○イ○チみたいな者だと思って頂けたらーーー」
「なるほど!理解!」
外の世界に居た米亜理は瞬時に理解した。
「訳わからねぇ事言ってんじゃねぇぞ!!幽玄魔眼!」
「幽玄魔眼?魔界のあの子だよね?…何で此処に…まぁ言ってる場合じゃないか!」
米亜理はアサルトライフルを構えながら言った。
「……そんじゃ…私の仕事をしないとね」
深雪がそう呟くと、二人の前に出た。
「深雪ちゃん?」
「十一代目!貴女が居るなら安心だよ…此処は私に任せて姫乃ちゃんを幻想郷に返して上げて」
「そんな!深雪ちゃんを置いて行けないよ!!」
「……キミはそれで良いの?」
「元々そのつもりだったし…何より私は死んだ身…今更幻想郷に行っても
「……分かった…責任持って送り届けるよ」
「深雪ちゃん!!」
「姫乃ちゃん…キミに会えて良かったよ…狐のゾンビと契約してくれてありがとね」
深雪は姫乃と米亜理に触れた。
すると二人は霧になる様に消え始める。
「ういには見える事忘れてねぇよな!」
かそりはメモリを取り出す。
しかし深雪が放った弾幕でメモリを弾いた。
「なっ!?」
「行けぇぇぇ!!」
「……行くよ」
「深雪ちゃん…ありがとう…私も貴女に会えて嬉しかったよ」
姫乃は静かに泣きながら、深雪にお礼を告げ米亜理に連れられながらその場を離れる。
「フフッ…お姉ちゃんみたいにカッコイイ狐になれたかな私…」
「貴女のお姉さんがどういう方なのか知りませんが…十分カッコイイと思います」
「えぇ…誇って良い事だと思うわ」
深雪の呟きにレイラと生前幽々子は答えた。
「くそったれが!!ボスになんて言えば…兎に角テメェを先ずは始末してやるよ」
「始末ねぇ…出来るならやって欲しいんだけどねぇ」
「深雪ちゃん…」
「…余りこんな事言うのもどうかと思うけど…彼女は穢土転生…術者に見つかれば恐らくはーー」
「……うん…」
「あの子にキミを任されたからね…責任持ってキミを送り届けるよ…こっちだ」
「……うん」
姫乃は米亜理に連れられ〝裏〟幻想郷から脱出した。
そして今に至る。
「白上深雪……あの子も穢土転生に…」
「霊夢の知り合い?」
「えぇ…というよりこの幻想郷では有名人よ、人里でも人気者でね……そう言えばあの子が死んだ理由って……」
霊夢と魔理沙が文を見つめた。
「な、なんですか?」
「そういや…深雪が死んだの文の新聞を読んですぐだったなってな」
「(^_^;)」
「……どういう事?」
「さぁ?」
姫乃が凱に聞き、その凱も首を傾げる。
「あの子…オシカツ?っていうのにご執心で、そのオシ?が結婚したって文の新聞で知ってね…それがショックで死んじゃったのよ」
「…………」
「…………」
「…………」
凱,姫乃,来雪は3人揃って文を見つめた。
「いやいやいや!?確かにそんな記事書きましたが私のせいですかそれ!?」
「いやだって…な?」
「実際に文の新聞を見て死んじゃったし…」
「濡れ衣ですぅぅ!!私は清く正しく情報を届けただけですよぉぉ!!」
「そんな事どうでも良い」
「どうでも良い!?酷い!」
矜羯羅が姫乃に詰め寄る。
「幽玄魔眼がその〝裏〟幻想郷とやらに居たというのは本当か?」
「は、はい…深雪ちゃんが幽玄魔眼だって…」
「そうか…サリエルに報告しておくか…すまない…私は地獄に戻る」
「あっありがとうございました矜羯羅さん」
来雪は矜羯羅に握手を求めた。
「……なんのつもりだ?」
「えっ?握手のつもりだったんですけど…」
「…握手?…私とか?」
矜羯羅は困惑する。
「矜羯羅…来雪は一切裏表の無い純粋で危なっかしい子なのよ…困惑するのは分かるけど、応えてやって欲しい」
「…フッ…変わった人間だな」
矜羯羅は笑いながら握手に応じた。
「また会おう園田来雪」
「はい!」
そんな純粋な笑顔で答えた来雪に、矜羯羅は何を思ったかある物を渡した。
「これは…鈴?」
「己では対処出来ない様な不運に見舞われたらそれを鳴らせ…私の妖力が篭った鈴だ…力になってやる」
「えっ!?」
「あの矜羯羅さんが人間である来雪さんに!?」
矜羯羅を知る霊夢と文は驚愕した。
「矜羯羅さんの力が…ありがとうございます!」
「フッ…ではさらばだ」
矜羯羅は笑みを浮かべながらその場から霧の様に消えた。
「さて…後はあんた達をどうするかね」
霊夢は凱と姫乃を見ながら言った。
「う〜ん…凱君に会えたのは嬉しいけど…どうしよう」
「あぁ…速く俺達の幻想郷に戻らねぇとな」
「フフン」
米亜理が得意気な顔をしていた。
「……また何かやったの十一代目…」
霊夢は呆れた顔で米亜理を見た。
「御明察…今回君達がこの幻想郷に来てしまったのは夢美教授が関わってたからね…〝裏〟幻想郷に入る前にこんなのを作っておいたのさ」
「ちょっと待って?夢美教授?それって岡崎夢美の事よね?アイツのせいでこんな面倒な異変が起きてたって事!!?」
霊夢は怒り心頭だった。
「ていうか岡崎夢美…まだ幻想郷に居たんだな…」
岡崎夢美と面識のある霊夢と魔理沙はぐったりとした表情で萎えていた。
「えっと?」
「…誰だ?」
「さぁ?」
面識の無い3人は首を傾げる。
そんな中、米亜理は小さな陰陽玉を取り出した。
「これは博麗の巫女特有の霊力を込めた陰陽玉でね、これを握って博麗神社の鳥居を潜れば向こうの幻想郷に帰れるよ」
「はぁ!?」
霊夢が陰陽玉を奪い取り調べ始める。
「……確かに博麗の巫女の力が込められてるわね…でも世界を超える程の力があるとはーー」
「あっそれは私個人の力、私も博麗の巫女だからね!博麗の霊力自体は博麗神社の鳥居を媒体にする為のおまけみたいなものなんだよねぇ」
「人ん家の鳥居に何してんのよ!!」
「いや私も3ヶ月は住んでたから私の家でもあるし…」
「……えっ?こんなあっさり帰れるもんなのか?」
凱は唖然とする。
「凱だっけか?無駄だぜ?十一代目は博麗の巫女の中で規格外の巫女って言われてんだ…ツッコむだけ無駄だ」
「えっと…じゃあ博麗神社に行けば帰れるんだ」
姫乃は米亜理に聞いた。
「まぁね!まぁ帰るだけじゃなくそれを持って向こうの鳥居を潜れば逆にこっちの幻想郷にも来れる優れものよ!どうだ参ったか!」
「……あぁ…確かに規格外の巫女だな…ていうかあんた…俺達の幻想郷を知ってんのか?」
「んにゃ?知らないよ?私はただ夢美教授が弄った時空の歪みを解析して照らし合わせただけだよ?」
「…それでも十分凄い事じゃない…」
「あはは…」
その後、来雪を迎えに来た咲夜と合流し博麗神社へと向かった。
「帰りが遅いかと思ったら…またとんでもない異変に巻き込まれてたのね」
「ごめんね咲夜ちゃん…態々迎えまで来て貰ったのに…」
「謝らなくても大丈夫よ、貴女が無事ならそれで良いわ」
咲夜の言葉に来雪は笑顔になった。
「あの2人随分仲良いんだな」
「そりゃそうだろ、来雪は紅魔館に住んでるんだから」
凱が魔理沙に聞いた。
「紅魔館のみんなと来雪さんは家族なんだね」
「あっはい」
「そうね、妹みたいなものかしら」
咲夜は来雪を見ながら言った。
「えへへ」
そんな会話をしながら、凱と姫乃は鳥居の前に立った。
「さて…この鳥居を抜けたら俺達の幻想郷って事か」
「そだね〜」
米亜理が気の抜けた感じに答える。
「…不安しか無いな…」
「こ〜ら凱君」
凱が呟くと、姫乃が叱った。
「まぁ色々あったが…ありがとな来雪」
「そんな…今回私は何もしてないですよ」
「一緒にドーパントと戦ってくれたじゃねぇか」
「それは…」
「私からもお礼を言わせて…凱君を助けてくれてありがと!」
姫乃が来雪の手を握りながら感謝を述べた。
「私の方こそありがとうございました」
来雪は凱達にお礼を言った。
「これがあればこっちにも来れるみたいだからな、その時はオレもメモリ集めに協力させて貰うぜ」
「心強いです、また会いましょう!」
「おう!」
二人は握手を交わした。
そして異世界の騎士を巻き込んだ異変は終わったーーー
「さ〜て…宴会を始めるかね〜」
はいということで空白期/異界騎士転移異変編のフィナーレになります!
今回新たなオリキャラとして、空亡日歪が登場しました!
作った理由なのですが、存命の賢者が隠岐奈を含めて二人しか居ないのもあれかなと思い作りました。
百鬼夜行最後の妖怪である空亡の妖怪なら幻想郷の賢者として相応しいかなと思い空亡にしました。
更に新たなドーパントとしてエッジ・ドーパントを登場させました。
送られたキャラの登場が春雪異変後だったのですが、まだ登場させていきたいと考えてます。
尚、溜五郎やエッジ・ドーパントが言うあの方なのですが…多分気付いてる方は気付いてるかもですが岡崎夢美の事です。
〝裏〟幻想郷の食客だが異変も起こすので手下として引き入れた形になります。
まぁ溜五郎は退場してしまいましたが…
今年はここまでになります。
次回から萃夢想異変編になります!
次回もお楽しみに!
それでは皆さん!良いお年を!!