「はいスタート」
やる気のない声と共に唐突に告げられた試験開始の合図。それと同時に俺は駆け出した。
するとほんの僅かで目の前に仮想ヴィランが姿を表す。
そのまま勢いを緩めず突進。潰す。粉々にする。雄々しく、激しく、圧倒的に…
他の者を意に返さず、ただただ仮想ヴィランを破壊し尽くす。
絶対的な勝利を。他の者が辿り着けぬ境地へ。
何故ならそれは義務であるから。この力を得たのなら、それ相応に強者である必要がある。
空を駆ける、天空を舞う。
この入試試験、トップの成績を収めたのは…
どう足掻いてもガブリアス
▽▽▽
俺の名前は鮫肌牙武、所謂転生者と呼ばれる者だ。転生物でよくある神様等には会ったことは無い。会っていたとしても記憶に残っていない。
転生したこの世界はとても奇妙だ。『個性』と呼ばれる特殊能力を個人個人が身に着けており、その力を悪用する者をヴィラン、それを抑制し鎮圧する者をヒーローと呼ばれている。
現代日本、いや、元いた日本よりは文明が少なからず発達しており、治安は悪い。あの米花町よりはマシだと思いたいレベルだろうか…
ヒーローはこの世界では職業となっている。子供達からすると憧れの職業であり、その数は世界を入れるともはや億を優に越えているだろう。
だがそれだけのヒーローが活躍しているということはそれだけヴィランも多いということだ。ほぼ毎日のようにニュースではヴィランの発生情報が映し出されている。
そんな俺の個性は『鮫龍』だ。自然エネルギーを自在に操り、地震や雷、津波のような水を生み出せる龍の異形型と発動型の複合型…というのが表向きの『個性』だ。
本来の俺の『個性』の名は『ガブリアス』。ガブリアスの出来ることなら何でも出来る。前世のゲーム、ポケットモンスターダイヤモンド・パールで初登場し、歴史に名を残した最強のドラゴン。それがガブリアスであり、今の俺だ。
何故俺がガブリアスになったのかはわからない。だがこれだけは言える。
ガブリアスの名に泥を塗るような事は避けねばなるまい。メガシンカ?リストラ?知りませんねそんなこと。メガシンカは使いづらいだけで弱くはないし、剣盾もアプデで参戦したからセーフ。
ユナイトにポケマス?強化されたからセーフ。
ポケダンは知らん。
まぁ何にせよ、ガブリアスとして産まれたのならそれはもう俺が主人公という訳だ。ガブリアスに許されるのは最強のみ。
この世界にはヒーロービルボードチャートなる所謂人気ランキングがある。20位以下?馬鹿か、俺はガブリアス、1位以外に興味は無い。
1位はオールマイト、この世界での最強のヒーロー。ならそれに俺がなれば、俺が最強、ガブリアスこそが最強なのだと全世界に知らしめることが出来る。
ならば狙うしかない、ヒーローの頂へと。
これは俺が最強へと至る物語である。
▽▽▽
雄英高校の会議室。薄暗い部屋の中央にある巨大なモニターには、つい先程まで行われていた実技試験の映像が映し出されていた。
「圧倒的だな…」
「どう足掻いてもこの子が1位ね…断トツじゃない…」
「歴代でもトップの成績だろ…」
各々が、モニターに映し出される生徒に様々な感想を洩らす。プロヒーローである教師でさえ、感嘆する程の体捌き、速さ、力。
彼が参加した試験会場の仮想ヴィランは、殆どが彼に狩り尽くされていた。
「鮫肌牙武…敵Pが123、救助Pが25…合計148Pか」
「鮫肌ってあのハリウッドスター、鮫肌譲頭の息子だよな?俺、ファンなんだよなぁ〜、頼んだらサインくれねぇかなぁ?」
「公私混同は辞めろよマイク」
黒い服装に身を包んだ長髪の男、相澤消太は手元にある資料に目を通す。
「個性は『鮫龍』…自然エネルギーを操り様々な現象を起こすことが出来る…か。今回の試験で使ったのは0P敵に使ったあの紫のエネルギーを身にまとい上空からの突進で破壊したモノのみ…全力に程遠いのにも関わらずこの成績…末恐ろしいものですね…」
「うん。まさか0Pが一日に二体も容易く壊されるなんてね」
「8位の彼は重傷と引き換えだったが彼は難なく撃破している…改めて凄まじいな」
「中学は…あ、うん…不可興和飛影中学…通称フカヒレ中学…素行不良な生徒が多い学校だね」
「結構ヤンチャしてたみたいだけど全て自己防衛、ちょっと過剰なのもあったみたいだけど…問題は特になさそうね…」
「それさえなければ推薦で来ていたかもしれないな」
「状況判断に戦闘力、学力も高い。彼は首席合格だ。異論がある者はいるかい?」
小さな人間、否、ネズミの姿をした校長の言葉に異論を示す者は無く、モニターは次の生徒の画面へ切り替わり、会議は続いていった。
個性『ガブリアス』
ガブリアスに出来る事なら何でもできる。トレーナーが居なくてもメガ進化、Z技、ダイマックス、BC技を使える。テラスタルは知らん。
どっちがいい?結果によっては変更します。
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どうあがいてもガブリアス
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どう足掻いてもガブリアス